ここまでリーガ29試合12失点のアトレティコ、ヒホンの2011-12シーズン以来となる逆転勝ちを許す。
グリーズマンのゴラッソ以外何一つ見せ場が無かった…
終わる気がしないくらい長く感じた、そんな90分。
アトレティコはミッドウィークのCLから中3日で臨んだヒホン戦で敗戦を喫してしまい、3連休初日にアトレティコファンにとっては大変耐えがたい状況になってしまった…
PSV戦で失ったもの
今シーズンを通して、シメオネのアトレティコはストライカー不在という重大な問題を抱えながらも、チームに闘争心と効果的な競争を創りだし、独走するバルセロナを追走してきた。
しかし、今週火曜ホームカルデロンでの死闘の末、選手の心と体は限界に達した。
アトレティコは闘将シメオネの息吹によって作り上げられたようなチームである。最大限に闘争心を高め、戦いに挑む。しかしPSVとの延長PKの接戦は、選手たちを使い物にならなくした。弾を撃ち続け、砲身が熱を持ちすぎたというところか。ヒホン戦は攻守に精彩を欠き、最後は逃げきりに失敗した。
— 小宮良之 (@estadi14) March 20, 2016
PSV戦からスタメン5人を入れ替え戦った今節だったが、1試合を通して、まったく機能しなかったといっていい。
勝とうとしてなかったわけではないし、走ろうとしてなかったわけでもない。
いつも通りに相手に寄せたいのに、いつも通りポジションを取りたいのに、イメージに身体がついてこない。
おそらく、グリーズマンの得点の後、"今日の試合、このままこの1点を守り切るしか勝つ術はないし、これまでもそうやって勝ってきた"みたいな考えがほとんどの選手の頭の中を支配したと思う。
チョロの失策
チョロシメオネのことは本当に尊敬している。試合に向けて選手のエネルギーを最大限引き出すその求心力は、アトレティコを新たなステージに引き上げたことから、誰もが認める点。
※ある種フレッチャー並みのモチベータ―
でも今回ばかりはシメオネの責任は大きいと思う。
シメオネ采配間違えたね笑
— かねAtléti (@kniryj0805) March 19, 2016
スターティングメンバーを入れ替えるのは仕方のないことだったが、交代についてはお世辞にも効果的とは言えないものだった。
▶後半13分 コレア→ガビ
中盤の安定を狙っての交代だとは思うが、修正すべきだったのはアンカーのクラネビッテルのところ。ボランチを2枚に増やすか、アウグストを投入するべきだったと思う。
▶後半18分 グリーズマン→トーレス
疲労を考えての事だとは思うが、こういう試合においてグリーズマンは替えるべきではなった。それに出場時間=信頼とするなら、トーレスはまだクオリティーが足りなすぎる。何点か点を決めたからと言ってメンタルコンディションが仕上がって無い選手を簡単にピッチに立たせてほしくない!のが客観的な見解!
▶後半31分 ビエット→フアンフラン
個人的にフアンフランのサイドハーフを見れるのは一瞬嬉しい気もしたが、結果的に失点につながった失態をしてしまった。未だ得点をあげることとを思い出せていないビエットに対して、周囲のフラストレーションは溜まっていたのは事実だったけれど、守備的なこの交代は不必要に感じた。
とはいえ、今シーズン度々交代による采配で評価を得ているのも確か。でも、行き過ぎた策は利口とは言えない。チョロシメオネが積み上げてきたチームへの信頼は計り知れないが、それが一瞬で失われることもある。なにより幸運なのは、CLというタイトルを獲得するチャンスが残されているということ。大好きだからこそ、この悪い空気を断ち切って、CL、そしてもちろんリーガも戦い抜いてほしい。
間違いなく、こういう試合を観てオリベルが不満を持たないわけがない。彼の姿勢がいまどのようなものなのか実際の事はわからないけれど、2月末のマハダオンダでのオリ―の練習に対する姿は誰から見ても輝いていた。
他にもチャンスが回ってこない、トーマス、怪我のチアゴ、ゴディン、サビッチ、今回出場停止だったカラスコには一刻も早く戻って、チームに貢献して欲しい。
もう一つの失敗
万が一にもチョロの失敗だけを取り上げているようならアトレティコに未来はない。サッカーというチームスポーツをしている以上、誰かが悪いということを言うことはほぼ100%できない。
ここで言う失敗とは、今回チャンスが巡ってきた選手が犯した失敗のこと。
こんなんじゃダメだよ。せっかくチャンスもらった人達....。
— ao_atleti (@aoaorangi) March 19, 2016
アトレティコをはじめとして、欧州の強豪クラブにおいて、レギュラーとして出て活躍することは我々の想像を遥かに超えて難しいことだと思う。そして、キャリアの中でそうした成果を残すことは栄光と言える。
しかし、そうしたクラブにも必ず控えメンバーがいる。
サッカー選手たるもの試合機会が無いほどフラストレーションが溜まることはない。そうなると彼ら控えメンバーは移籍を希望する。同じレベルのチームのレギュラーが保証されているなら別だが、大抵いまいるチームより格下へと移籍し、そこで試合に出ることが良しとされることがある。
けれどもアトレティコの様な、タイトルに極めて近いクラブのベンチにいるということは、移籍した格下のクラブに移籍して、タイトル争いに関わっていくフェイズまでチームを押し上げることは並み大抵のことではない。ベンチで虎視眈々とレギュラーを狙う備えをする方が結果へと通じる制度が高い努力と言える。
つまり言いたいことは、今回の様なローテーションで回ってきた選手たちは、そのチャンスを生かすための努力をして欲しかったということ。それができてこそ、偉大なチームのメンバーであるし、逆にそれが出来なければ、例え移籍したとしても簡単にチャンスを掴む事はないと思う。
次節は来月の頭にベティス戦。
必ずまた闘争心を取り戻してピッチを走り回り、傷心のファンを癒してほしい。
⚽min¡Costa:)