世界で一番愛している女性と2年ぶりに会って何も成果を残せなかった

私には、高校生の時分から今まで変わらず、ずっと、世界一愛している女性がいる。仮に小田さんとする。

今まで小田さんと付き合ったことはない。
小田さんのことを好きになったのは高校2年生の夏からである。
その後、数人の女性と付き合い、関係を持ってきたが、それでも一番好きなのは小田さんだった。

小田さんのことがなぜ好きなのだろう、わからない。
小田さんは無気力で、物事に対して批判的で、口が悪い。
しかし、彼女の前にいるとどきどきと緊張が止まらなくなるし、いつまでも一緒に居たいと思ってしまう。

大学3年生の夏、彼女と関係を持ったことが1日だけあった。至上の1日だった。人生の目的が達せられたと思った1日だった。

しかし、
だからこそ、
次は付き合いたいと願ってしまった。

もう一度小田さんに会いに行こうと何度もチャレンジしたが、叶わないまま2年が過ぎた。
もう会いに行く術も、直接想いを伝える術もないと諦めた私は、直接顔を会わせることなく、想いを伝えてしまった。

友達としてしか見られないと言われた。

悔しかった。自分よりも彼女を思う男は居ないのに、なぜ自分は受け入れられないのか。
友達としてしか一緒にいられないことを、私は理解し得なかった。

だからこそ、今回はどうにかして直接想いを伝えなければならなかった。

出来なかった。

何度も
「じゃあ俺と付き合おう」
と言えるチャンスはあった。
手を握って
「絶対に嫌?」
と聞ける場面はあった。

しかし、何も行動できなかった。
黙ってしまった。

ダメな男だ。
本当の「イザという時」に何も出来ない男だ。
だから、彼女と付き合うことが出来なかったのだろうか。わからない。

社会人としての目的がひとつ増えた。
もう一度、小田さんへ想いを伝え、次は想いを成就させる。
そのための行動はわからない。
考えようとしたら胸がばくばく音を立て、頭が思考を拒否する。

次彼女に会えるのはいつだろう、早く会いたい、会いたい、寂しい。

虚数的なセックスをした話。

虚数(i,j)は「二乗すると-1となる数」である。
では「虚数的なセックス」とは何物なのか。私にとってもたった今、不意に思い付いた言葉であるから言語化しきれていない。少しずつ解釈していこう。
「虚しさ」と「(自分に対するもやもやとした)無力感」と「わけのわからなさ」が「虚数的」という言葉の成分であると思う。セックスそのものやそれにかかったコスト、CPS、セックス以外の体験を総括した「私の利潤が、数直線上では表せない」のだ。
普通のセックスなら、私は上記の利潤を数直線上の実数で表せることが出来ると自負している。100点満点で採点をしたら良いだけだ。ただ、今回はそうはいかなかったのだ。
また、普遍的にセックスと思われる行為(挿入してイク)を達成していないことも、「虚数的」という言葉へと連想させるきっかけとなっている。

本題に入る。
ここまで格好つけて記述してきたが、この文章は「ベッドインしたのにセックスに持ち込めなかった」という敗者の、反省文である。

彼女は場の雰囲気に流されやすい女性であるとおもっていた。ワンナイトの経験があったり、私が不意に手を繋いでも拒まなかったりと、私にとって「やりやすい」女のはずだった。
今回だって、自ら同じ布団で寝ようと提案したり、抱きついても笑顔で応えたりと、誰がどう見てもセックスに持ち込める状況を形成するところまではなんの滞りもなかった。
それにも関わらず、彼女はキスを拒んだ。
負けじと私は、彼女をその気にさせようとあらゆる手段を用いたものの、上半身への前戯を終えた段階で諦めてしまった。
なぜか。彼女が、上半身への前戯中、「このままだとやっちゃいたくなる」と発言したにも関わらず、そのあと冷静に私とのセックスを拒んだからだ。
その意味することは何だ。私の今までの前戯(朝からのデートや、ベッドイン後の雰囲気作りを含む)は、ベッドイン後の彼女を昂らせるに至らない未熟なものだったと言うことだ。

挿入出来なかったという「虚しさ」
イージーな場面ですら私の技術が至らなかったという「無力感」
ソフレ関係までは自分で持ち込んだくせに、頑なにセックスは拒む彼女の「わけのわからなさ」
以上の3つが、「虚数的なセックス」を形成した。

おそらく数年間は、彼女に会う機会はないだろう。数年後、私がリベンジを果たそうとするのかキスまでの関係を維持しようとするのか、鍵はそのときの本命との関係性が握っているだろう。