AMPとMFIに見るGoogleの野望
最近、AMP(Accelareted Mobile Pages)とか、MFI(モバイルファーストインデックス)というワードを見聞きすることが増えましたね。
去年、地味に始まったAMPも今では単独のカンファレンスが開催されるまでになりました。 ネットで調べ物をすればほぼ毎日くらいの確率でAMPのページに遭遇しています。
そしてMFI。Webページをインデックスする際にモバイルページを優先するようになります、という取り組みです。2年前のモバイルフレンドリーに続き、さらにモバイル側に寄せてきたという感じですよね。ネット上での取り上げられ方は今のところAMPに比べるとちょっと地味で、よく見るのは大半がSEO的な観点で、自分のサイトはどうしたらいいか?tipsを紹介するような内容が多いですね。MFIは現在はまだ反映されていないので、今後実際に反映されたらまた話題になりそうです。
似たようで非なるこの2つですが共通点があります。それは「画一化」です。
MFIによる画一化
モバイル(スマホ)の画面は表示領域の大きいPCに比べるとサイトごとの見た目の差が出にくいです。デザインするスペースが小さかったり1カラム構成ですし、ほとんどのモバイルページはHTMLソース全体に対する正味コンテンツの占める割合はPCより多く構造もシンプルで、コンテンツ部分を効率よくインデックスできます。
日本だとモバイル普及以前からある良質なサイトもありますが、グローバルで見るとモバイル時代になってから作成されたコンテンツが大多数なので、モバイルファーストのほうが全体として効率がよいのでしょう。
そして今後もGoogleが強い影響力を持つ限り、モバイル向けページがどんどんGoogleのサーバに蓄積されていきます。
するとどんなことが起こるか?
そうです。
モバイルでのWeb体験のうち検索経由のものはほとんどGoogle内で完結してしまうのです。今はメディア系サイトが先行していますが、いずれはECサイトなども対象になってきます。利便性が浸透すれば検索以外のチャネルでも使われるかもしれません。(すでにはてなブックマークなど一部アプリでは採用されています)
どのページも構成が似ているのでわかりやすく、すぐコンテンツにたどり着けて表示は爆速。
ユーザー的にはありがたいですが、そのときに元のサイトの存在がどうなっちゃうのか非常に気になるところです。もはや公開されるページは全部AMPでいいや、となってCMS的な存在に成り下がってしまうのか、よりリッチな機能にしてそこでしかできないことを増やしていくのか。
近い未来、Webのトラフィックの◯%がGoogleになってしまい、残りを抵抗軍ぽい組織が細々と維持する、そんな日が来るのかもしれません。。
そしてビジネス的には、ampの抵抗勢力を立ち上げるとか、amp前提のCMS、制作サービスなどが出てきそうですね。
新年のご挨拶と、2017年Webマーケティングにおける3つの予測
- 企業や個人のネット活用増加、EC率や広告費増加
- サブスクリプション、シェアリングなどオンデマンドのサービス利用の増加
- クラウド型サービスの利用増加
- モバイル利用率
- スマホにおける動画視聴の普及
- ユーザートラッキングの強化
- AI、データの活用
- 自動化の促進(MAから始まり自動運転なども含め)
- 主要ITプラットフォームの接触増加、(特にスマホにおける)利用サービスの固定化
- 社会変化(人口動態や働き方の見直しなど)
- 金融機関とFintechの関係促進
- 格安スマホやSIMの普及
①自動化の進行
②レスポンシブの先のスマホ対応
③アプリ/Webの断絶による予算配分変化
Google検索がBtoB向けツールになってしまうかもしれない話
ferret Oneのリード獲得の変遷で気づいた、マーケティングオートメーション導入3つの心得
※こちらは、今回シナリオを設計するときに使ったシートです。サイト来訪ユーザーの段階に合わせてリードポイントを設けるような考え方で作りました。いずれこのブログで紹介したいと思います。
ferret OneにおけるSFA/MA環境の変遷
- とにかく導入してみて、その時点でベストと思う範囲で使いだした
- リード数が増えることで様々な問題が顕在化してきた
- 顕在化した新しい問題を解決するため、新しい取り組みを開始した
①マーケティング〜営業の業務をある程度理解した担当をつける
②組織が立ち上がるタイミングで始める
③とにかくリードが入ってくる状態をつくる
「次世代のモバイルアドテク・ソリューション」から考える5つのサービス
HTML5版とネイティヴ版の双方を組み合わせることで、リーチとリテンションが相互補完できるのに加え、ここから HTML5 は新世代のモバイルアドテク・ソリューションを生み出せないだろうか?
これを読んだとき、この方とは気が合いそうだと思いました。なぜならこれはゲームだけに限らず、様々なネットサービスにおいて今後集客のベースになる考え方だと以前から思っていたからです。きっかけは去年読んだ、スマホとアプリの利用の比較において利用時間は圧倒的にアプリだけど接触数はWebが多い、という話でした。
Googleの逆襲がいよいよ始まるのかもしれない
Googleの親会社アルファベット社のスポークスマンは、「ウォールストリート・ジャーナル」に対して「Google検索エンジンによる、Facebookモバイルアプリ内の情報クロール、およびインデックス化ができ始めている」と、明かした。この両社の協力により、Googleはより大きな検索トラフィックを、Facebookは新しいオーディエンスの獲得機会を、それぞれ得られることになる。
これを読んで、逆襲は本当にあるのかも・・と思いました。
NTO(Now on Tap Optimization)の時代が来るかもしれないという話
ついに日本でもAndroidでNow on Tapが使えるようになりました。全Androidユーザーが使えるようになるまでは時間がかかりそうですが、個人的にはひさしぶりにスマホでイノベーションを感じた体験でした。
何ができるかについてはすでにいろいろなところで紹介されていますが、要は今使っているアプリや見ているブラウザ画面の内容から、利用者が次に何を探すのか、どんな行動をとるのかを予測し、それに合わせた機能を提示してくれるというものです。
たとえば、食べログで「ラーメン二郎神田神保町店」にアクセスしてNow on Tapしてみると、検索や地図、ストリートビューといった選択肢が出てきますね。ブラウザでもアプリでも同じのが出ます。食べログでお店をみつけたら次は行き方を調べるというのは自然な流れですしこれは確かに便利です。
ただ、よく考えてみるとここでNow on Tap経由でGoogle Mapアプリを使うのは食べログからすると望んでいない利用方法である可能性があります。PVに影響したり、食べログ内の地図から使う機能を使ってもらえなくなるかもしれないからです。
では次はクックパッドを使ってみます。私の好きな「うまうま中華風焼きうどん」を開いて、Now on Tapすると・・今度は「料理名で検索」しか出てきません。この時点で検索して来ているので余計なお世話って感じです。
クックパッドでレシピを見た後の行動として考えられるのは材料を買いに行ったり、実際に作り始めるというリアルな行動が多いです。レシピに必要な食材が買えるサイトを提示する、というのもなくはないですが、ちょっと無理がある気がします。Googleもここまではついてこれないかというか。(作り方の動画とかならおおいにアリだと思います)
この2つのケースから決めつけるのは尚早だとは思いますが、ふと感じたのは「サイト上で提供しているサービスや機能の一部を持っていかれてしまうんじゃないか」ということ。確かにユーザーの利便性を考えるとそのほうがいいケースもありますし、これを機に本当に役立つコンテンツを提供しようというきっかけになるかもしれません。長期的に見ればいいことなんだとは思います。
今後もネット上で調べられることはどんどんNow on Tapがショートカットしてつなげていくという流れは加速しそうです。特にクリックで他サイトに送客しているサービスは大きな影響を受けるかもしれません。であればサービスを提供する側もそういう利用を前提として、変な流れになってしまってないか、そこで容易に代替されない価値のあるサービスを提供できているかなどを意識する必要が出てくるのではないでしょうか。
今や(とっくに)SEOが無視できない存在になったように、今後はサービスを作ったら、Now on Tapをしまくり、意図した遷移になっているか、サイト内の機能とカニバっていないかという作業が冗談ではなく必要になってくるかもしれないと思いました。いわばNTO(Now on Tap Optimization)というわけです。
Googleはこれまで検索ワードを中心にユーザーのインテントを把握してきました。それが2次元だとすると、今回のNow on Tapは3次元になっちゃったくらいのインパクトを感じます(現状はまだ2次元的ですが)。Androidを提供している立場を利用して検索ワードだけではできなかった意図をつかみ始めているようなイメージです。しかも始まったばかりで今後はもっと精度が高くなるという話ですし。
ここ数年のGoogleはSNS領域ではパッとしませんでしたが、さらに上のレイヤーで逆襲してきている気がして、あらためてGoogle恐るべしと思った次第です・・・