オリーブの本棚

読んだ本のこと

第3冊 『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』西野亮廣

 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

昔は「はねとび」に出てくる吉本の芸人さん、現在は炎上芸の人と認識していた。

Twitterの投稿を自分で読んだわけでもないのに、うっすら否定的なイメージを抱いていた。

が、読了後その先入観は覆されることになった。

頭脳明晰さと、高い行動力の相乗効果から成っている人なのだと。

 

 

次に、印象に残った内容を抜粋し、感想を記す。

 

◇ 人はけっこう冒険しない

多くの人は、ネタバレしているものにしか、反応しない。

だから、モノを買わせるには《後悔の可能性》を取り除くことが必要。

 

〈感想〉

冒険しない、すなわち保守的。そのとおりだと思う。

時間にもお金にも余裕がない時、新奇に手を出して失敗することを回避したい気持ち

が強くなる。だからモノやサービスの購入にあたって、ネットで口コミを延々と調べ、

高評価の商品を選ぶ。

こうして得たモノやサービスには、新鮮味やワクワク感は薄いが、ハズレを掴んでしま

ったという後悔や失望もない。

後悔するかもしれないという予期不安が、消費行動に対する最強のブレーキということ

か。売れ筋ランキングをチェックしてしまう心理も、これで説明できる。

つまらないと言えば、つまらないんだけれど。

 

 

◇ 体験×おみやげは売れる

〈感想〉

 以前、「モノより思い出」という車のキャッチコピーが流行った。しかし、思い出はモ

ノと比較される対象ではなく、むしろ抱き合わせることでモノを売る装置になるという

こと。言われてみれば、確かにそうだし単純な話だが、それを絵本制作とそれにまつわ

るビジネスに応用したところが慧眼だと思う。

第2冊 『やわらかい頭の作り方』細谷功

 

 

自分には到底思いつかないようなアイディアを、いとも簡単に繰り出す人に憧れる。

自分も、もっと頭が柔らかかったなら良かったのになと。

頭がかたいという自認があるからこそ、手に取った本。

 

 

さて、本の内容へ。

 

1.そもそも、「頭がやわらかい」とは?

 

「はじめに」において、著者が考える頭がやわらかいの定義が、次のように述べられて

いる。

”1つの価値観や考え方に固執せずに、状況や相手によって柔軟に変化することができる”

”他人が思いつかないような、新しいアイディアを多数考え出すことができる”

 

そして、

頭のやわらかさを得るには

目に見えない構造(言葉や数などの概念で表された事象間の関係性)を了解す

ることが必要だと論が運ばれている。

 

 

2.本書の構成

 

第1章 「心の癖」を自覚する

頭をやわらかくするために、自分のものの見方を知り、矯正することを目的に書かれた

章。

 

第2章 「物理の法則」は、人間にも当てはまる

「自分だけは特殊だ」という、人間が陥りがちな認識を脱却するために、物理学の法則

を介して人間の行動パターンを説明する章。

 

ここで唐突に物理学の法則が登場するのは、東大工学部卒業という細谷氏の経歴に由来

しているのだろう。

私のような文系人間にとっては、物理学という文字を見るだけで後ずさりしてしまいが

ちだが、本書ではごくごく簡単に書いてあるために、飛ばすことなく(低次元でごめん

なさい)読める。

 

第3章 「メリット」は必ず「デメリット」になる

「常識」から一歩踏み出して、物事を別の視点から見るための章。

 

第4章 「対比」と「軸」から見えてくるもの

第3章で述べられた発想の転換をするための便利な視点として、対比が使えること。

対比のための思考方法として、対立軸を設けること。

このような「対比」と「軸」は、「思考の白地図」に喩えることができる。

「思考の白地図」を、具体例を通してイメージする章。

 

 3.感想

「頭がやわらかい」と、「頭が良い」はほぼ同義なのではないか?

 

 

 

 

第1冊 『運の教科書』齋藤孝

公開設定になっていなかったため、ナンバーが前後さしています。

最近ツイてないと感じていた時、図書館で目に入った本。

 

「運」とか「運気」とかって、気になります。特に嫌なことや辛いことが連続している

時には・・・。

しかし、それを扱った媒体(本でもブログでも)となると、途端に胡散臭く感じて手に

取るのを躊躇するのも事実。

 

胡散臭いな、でも知りたいなの間で微妙に揺れる心(知らんがな)の隙間に、絶妙な感

じで入ってきたのが、この本。著名な教育学者だし、ものすごくスピリチュアルな内容

ではないだろう的な、安心感とでも言いましょうか。

 

以下、個人的に印象的に残ったことと感想です。

 

【印象的な箇所】

1.集中的・爆発的思いが、運を開いて未来をつくっていく

著者曰く、集中的・爆発的思いを「思念エネルギー」と言う。

それを強くするには、①紙に書く、②人に宣言するの2つの方法がある。

 

2.楽観と悲観のいいとこどりをする

気分は楽観的に、作業は悲観的にぬかりなく行う。

(同様の内容として、右手に「運」、左手に「合理的な考え方」が理想的とも述べれら

れている)

 

3.悪いものには近づかない

違和感が少しでも働いたら、絶対に話に乗らない。

 

4.重要な判断をする時は、自分をニュートラルな状態にする

ニュートラルな状態でない時、判断力は鈍る。そして、判断力が鈍っていると、いい運

はつかめない。

これだけあれば、とりあえず気分が良くなるものを手に入れる。体を温めるのも大切。

 

5.運の良い人にはルールがある

ルール1 自分のルールを持っている

ルール2 人付き合いをする

ルール3 機嫌と愛想が良い

ルール4 社会的な義務を果たす

 

【感想】

特段目新しいことは書かれていませんが、それこそがこの本がトンデモ本でない証拠

かもしれません。

 

重要な判断をする時は、自分をニュートラルな状態にしたうえで。これ、気をつけなく

ては。過度の楽観も悲観も、判断を誤る原因だと思うので。

 

”違和感が少しでも働いたら、絶対に話に乗らない”は、同感120%。

「何だか嫌だ、合わない」を感じた時、理屈を持ち出して自己説得したものの、結局違

和感が現実化したこと多数ですから。

 

上機嫌の大切さは、齋藤先生の他の著作(『上機嫌の作法』、『不機嫌は罪である』)

をあたろうと思います。