本ブログは私たち家族の佐賀移住を計画段階から公開し、その苦楽や顛末などをお伝えしていこうという取り組みである。

祝辞 仕事辞めて地方移住するあなたへ

先日、知り合いのAさん(2児の父)から転職先も決めずに仕事(公務員)を辞めることにしたとの報告が来た。さらには地方移住も検討しているらしい。
自分も3年前に同じようなことをやっていながら他人がそれをするとなると「本当に大丈夫なの?」と少し心配になってしまった。事前に相談もされていたので、私の無責任な言動や行動が彼を感化してしまったのではないかと責任も感じてしまう。

でももう決めちゃったことだし仕方ないか!
そもそも私に相談をした時点で気持ちは決まっていては背中を押して欲しかっただけなのかもしれないし!

というわけで、今日は先輩移住者として全力でHさんの背中を押すべく、祝辞を贈りたいと思います。

 

 


------- 祝 辞 -------

Aさん、そしてAさんのご家族のみなさま。
この度は誠におめでとうございます。

はなはだ僭越ではございますが、一言お祝いの言葉を述べさせていただきます。

私のブログをお読みいただき「地方移住について聞きたい。」とAさんからDMをいただいたのが昨年の夏。遠方からはるばるご家族で訪ねてきていただいたにも関わらず、結局深い話があまりできず地域の観光案内ばかりしてしまったのが昨日のことのように思い返されます。

あれから数か月。LINEなどでやりとりはさせていただいてはおりましたが、そこまで深い話もできず、年が明け久しぶりにLINEが来たと思ったら「仕事を辞めることにした。」とのご報告に心から驚きました。正直言うと、まさか本当にやるとは思っていませんでした。私の無責任な言動や行動が善良な家族の平穏な人生に悪い影響を与えてしまったのでは?と不安にもなりました。しかし改めて思えば、おそらくあなたが私を訪ねてきたあの時、もうは腹の中は決まっていたのでしょうね。最後のひとおし、背中を押してくれるなにかを探されていたのですね。うまく背中を押せたかどうかはわかりませんが(実際観光案内しかしていない)こうなった以上。もう全力で祝福させていただきます!

あの高名な拳銃使いの グイード・ミスタ はこう言っています。

”人間にはそれぞれ定まった運命があるものだ。
人は若い頃足踏みしたり遠回りをするのだが結局は自分の向かうべき道を歩んで行くものだ。”

Aさんにとって今が行動のタイミングだったのだろうし、そのタイミングはいつか必ず来ていたたのだと思います。それでもこの大きな決断にはとても悩んだと思います。
仕事のこと。お金のこと。子育てのこと。それまでの価値概念を一変するような選択には、数値分析もシミュレーションも役にたちません。それを”覚悟”と言えばかっこいいですが、実際には”諦め”にもにた感情があったと思います。それでも「そっちへ行こう!」「一回行ってみよう!」と行動に移せたのはもうそれだけで称賛に値します。
本当にすごいです!理解あるご家族に恵まれたのもまさに人生の宝だと思います。

Aさんご家族ならきっと大丈夫!
自分を信じて突き進んでください!

それでは「転職先決めずに仕事辞めて地方移住した」先輩として、転職先決めずに仕事辞めて地方移住した場合の大事な3つのことを話させていただきたいと思います。

◆転職先決めずに仕事辞めて地方移住した場合の大事な3つのこと


1つ目は『考えるな感じろ!』です。

自作自演の大きなパラダイムシフトを経験したあなたたちにもう打算は不要です。心を殺すことをやめ、自分の心の声にしっかり耳を傾けることを覚えたあなたは、良いもの悪いものを察知する能力が各段に高まっています。自分の心の声を聴き、自分を信じてそのままに行動してください。

2つ目は『異世界転生を楽しんで!』です。

これまでのキャリアを捨てての再出発。実際にやってみると、やり込んで積み上げてきたゲームを一回リセットして、最初からもう一度始めるような清々しさとワクワク感があります。いわゆる異世界転生」的な楽しさがあるのです。これは死ぬほど悩みぬいて決断した人しか味わえないギフトだと思います。是非、この異世界転生を楽しんでください。ごく一般的な異世界転生と同様、キャリアは持ち込むことはできませんが、個性やスキル、経験値などは新世界に持ち込むことが可能です。新しい世界では、どのスキルや経験値が役に立つかは分かりませんが、以外な場所で意外なスキルが役に立ったりします。個性とスキルを武器に異世界で存分に無双してください。

そして最後、3つ目は『あなたの行動が子供の未来を作る』です。

ちょっと恥ずかしいセリフですが、あなたの行動が子供の未来や社会を作ると思います。あまり社会的なことや政治的なことを言うのが好きではないのですが、やっぱり今の日本社会を生きている中で、いろんなモヤモヤを感じるのは事実だと思います。とくにジェネレーションにおける社会的な不公平感は大きく、これは当事者だけの問題ではなく社会の制度や仕組みに問題があるとしか思えないこともたくさんあります。わけても私やAさんのようなロスジェネと呼ばれる世代は、そんな社会構造の悪い部分のしわ寄せを一手に引き受けている感すらありますよね。それでもわたしには「このくさった社会を変えてやろう!」なんて気概はありません。でも、かといって「この社会に従順に生きていきます。」というほど素直な人間でもありません。というわけで政治活動なんてできないけど、自分の人生は好きにやらしてもらうよ。というのがわたしの基本スタンスです。

これを無責任だという人もいると思います。
そういう行動によってたとえば、収入が減ったり、家族や子供の将来の選択肢が減ってしまったりということも実際起こるかもしれません。でもそんなの関係ない!だって嫌なものは嫌だから!そういうのはわたしたちの責任ではなく、全部社会の責任にしちゃいましょう。家族や子供のために父として犠牲になるというのは、一見美しい行動に見えます。でも我慢や無理をしながらやっているのだとしたら、それは「犯罪者に人質を取られているので仕方なく屈している」のと構造は一緒です。(どんな理由があろうと犯罪や脅迫には屈しないという強い心を持ちたいものです。)そして屈することは社会構造の問題を引き延ばしていることに他ならないし、それは結局、将来自分の子供に降りかかってくるのですから。

「お父さんも自由に生きる。だから、君も君のまま自由に生きてほしい。」
そんな風に子どもに伝えられたらいいなと思います。そしてそれを見た子供がお父さんのように生きて、それが繋がっていって、いつか社会全体もいい方向に変わっていったらサイコーだな。と思っています。すこし理想主義的かもしれませんが。

AさんもぜひAさんの理想とする生き方をしてください。
すべてのお父さんに、Aさんご一家に幸あらんことを。

長くなりましたが、ご家族の末長いご多幸をお祈りいたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
この度は誠に、おめでとうございます。