このブログについて

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bookface=本の顔=表紙=書影=装幀=装丁=装釘=装本=装画。所有している本や新たに購入した本の備忘録。新刊本よりも墓石化している古書が多い。感想文を書くことがあるかもしれないが、基本的には表紙(裸本の場合は扉)と目次と書誌情報。第○詩集という記述には不正確なものもある。

南陀楼綾繁さんの取材を受けました!
→ シリーズ古本マニア採集帖 第11回 磯貝一さん 「ことば」のルーツを探るひと

 

南陀楼綾繁さんのインタビュー集が本になりました。

古本マニア採集帖 「古本のある生活」をおくる、36人へのインタビュー集。

本を集め、本と遊び、本で調べ、本から本を作る……。その情熱と執着は、どこから生まれてどこへ行くのか?読者の記録を追いかけてきた著者による、古本マニアたちの標本箱。「日本の古本屋メールマガジン」人気連載に、新たに書き下ろし原稿を収録。

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古本マニア36人衆の1人として採集されておりますので、よろしくお願いします。(2021.12.31)

わが射程 吉田欣一詩集

 1975年1月、幻野工房から刊行された吉田欣一(1915~2009)の詩選集。編集は吉田欣一詩集刊行委員会。装幀扉絵は水谷勇夫。吉田欣一詩集刊行委員会メンバーは、秋山清、石黒英男、磯貝治良、伊藤正斉、岩田光弘、江夏美好、大牧冨士夫、岡田孝一、小沢信男、押切順三、小野十三郎、金子史朗、河合俊郎、国枝栄三、小林ひろし、高田英太郎、武井昭夫、永平和雄、錦米次郎、原鉄志、平光善久、向井孝

 

目次

序 通常の形での信頼 中野重治

Ⅰ(戦前戦中―敗戦)

  • 家族
  • 理解について
  • 生活
  • 途上
  • 插話
  • 春さきの風
  • 長良大橋附近
  • 冷層
  • 夕暮れに
  • 朝あけ
  • 夏の歌
  • 新夢物語
  • 富士山
  • 春の朝
  • ひよこ

Ⅱ(一九四五年―一九六〇年)

  • 伊吹山慕情
  • 冬の衣裳を
  • しおせんべい――こどもに
  • 陸橋
  • 太陽が頭上にある――国鉄労働者へ
  • 鬼針のこと
  • 僕は読む
  • 語らねばならぬ
  • 旅にて――岡本潤
  • 名古屋港
  • 鉄骨の間からみた日本海――鈴木信へ
  • 四日市々公会堂
  • 徹夜作業
  • その時に
  • 小牧基地周辺
  • 階段
  • レールの歌
  • レールの歌
  • 今日
  • 暗殺者
  • 破棄の海
  • にっぽんのむすめ――かんば・みちこさんに
  • 望遠

Ⅲ(一九六一年―)

  • 片目で見た伊吹山
  • 古い鵜
  • 国境へ
  • 湿地
  • わがコンパス
  • うじむしの唄
  • 擬餌鉤のある風景
  • ベトナムに平和を
  • ひとつの体をふたつに切って
  • 生と死
  • 闇をみつめて待つ!
  • われわれの中のベトナム 
  • 一九六七年日本の夏――ジュウタン爆撃について
  • 一九六七年日本の夏――ボール爆弾について
  • 赤い花
  • 解放通信
  • 時間
  • 高い所
  • 日本二十七度線
  • 地下道
  • 落日が
  • 地盤沈下
  • ジュラルミンの楯
  • 年輪
  • 回転木馬
  • 国家考
  • 四月のノート

あとがき、一つ 秋山清
跋 小野十三郎
解題 大牧冨士夫
後記 岡田孝一

 

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ぬけ道 宮本むつみ詩集

 1991年10月、あざみ書房から刊行された宮本むつみの第5詩集。

 

 第四詩集以来、七年が過ぎた。この間の現実は、私にとってかなりきびしいものだったにもかかわらず、今、こうしてまとめるに当り、「さて、どのように」と迷うくらい沢山の作品を書いていることに驚く。
 詩は、実利的には何の役にも立たないが、思わぬ時に、私をこの現実からちょっぴりはみ出た〈もうひとつの時間〉につれ出してくれて、そのお蔭で、私はいつも甦らせてもらって来たのではないか、という気がする。
 行分けと、散文と、両者抱き合わせて一つの詩集に組んでみた。私にとって両者詩に変りはないと思っている。強いて言えば、一本釣りと、投網のちがいであろうか。
 詩のお蔭で、日本中に、はては外国に至るまで、心の友に恵まれ、励まされ、これからを〈ひとりで生きる私にとっては、どんなに有難いことか。『ぬけ道』上梓を機にいつも心を添えて下さる皆々様に、厚く厚く御礼申し上げます。
(「あとがき」より)


目次

  • つかのまの
  • 枕について 
  • 誘い
  • 起床前
  • 転換
  • 時のそとに
  • 時計
  • お彼岸
  • 九月
  • 秘密
  • ざくろ
  • 出会う
  • 破れる
  • 日暮れのひき出し
  • 春を待つ宵に

  • 風祭り
  • 窓――水沼靖夫詩集に
  • My Fair Lady
  • 飛魂 又はヘルメスの輪
  • スライディング・スクリーン
  • 厨房にて
  • 戸口にて
  • 訪問者

あとがき

 

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魂ッコの旅 対話 森崎和江 野添憲治

 1979年6月、秋田書房から刊行された森崎和江(1927~2022)と野添憲治(1935~2018)の対談集。

 

目次

  • 北の印象、南の印象
  • 味噌汁が食べられるようになれば
  • 山林労働と炭坑労働
  • 労働の秘伝
  • 北の過疎、南の過疎
  • 考え方の基本としての農業
  • かつて農民だった人びと
  • ことばとくらし
  • 取材ということ
  • 女文化
  • 交流ということ
  • 魂ッコの表現
  • 出稼ぎと移民のあいだ

読者へ 出会いから対話まで

 

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忘れたステッキ 武田豊詩選集

 2023年11月、龜鳴屋から刊行された武田豊の詩選集。編集は澤村潤一郎。版画は武藤良子。龜鳴屋本第38冊目、置去り詩人文庫番外5。

 

目次

・ラ

  • 私は精神的彫刻家です
  • 心青かりし故に
  • シャボン玉
  • 大きい生活と飛んでゐる背
  • ma ni a――辻潤先生について――
  • 冬の雨の夜の春の雨
  • ボールの空箱の中の恋愛
  • 湯屋の中の浴場の精神と僕の精神
  • 詩の上へ落ちた僕のピストル
  • 顔・顔・顔・顔
  • 酒場
  • 酒場の娘 
  • 詩作
  • 春・孔雀色の風景

・リ

  • 春光来
  • 忘れたステッキ
  • 晴着
  • 未完の詩
  • 田舎の祭
  • 太い指
  • 幸福な不仕合せ
  • 炎暑 
  • 眠れぬ夜の詩
  • 虫の声
  • あき
  • 十一月の火
  • 悔恨

・ル

  • 野百合
  • 雪牛
  • プラトニック・ラブ
  • 寒い日
  • やせ犬と詩人
  • 押入れ
  • 水無月
  • 夕やけ
  • 農繁

・レ

  • 物語・過去について
  • 破損したマンガ本 
  • ネジの孤独
  • 指を憎む
  • 雁渡る
  • 野ぶどう色のしじまへ
  • 湖の魚の愛の唄
  • まだ芽を出し切らないカトリック
  • 母屋と倉のその間で
  • 湖と眼疾
  • 医院の庭は晴

・ロ

  • 鮒ずし
  • 美しい月夜
  • しぐれ
  • 余呉
  • 祝婚歌
  • 晩秋の日に
  • 雪ふる
  • 長浜まつり讃歌

おっちゃんの忘れ形見 澤村潤一郎
おっちゃんの長浜[写真集] 小幡英典


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龜鳴屋

名前を呼ぶ 福田和夫詩集

 1977年11月、深夜叢書社から刊行された福田和夫(1947~)の第1詩集。装幀は司修

 

福田君の詩をよむ
秋山清

 解釈がこんなにもちがうものだろうかと思った。詩とは、という議論ばかりではなく、現在今日ただいま、同じ地球の上、同じ日本という狭い土地にいて、福田和夫君とぼくとは、別なものを見、別な空気を吸っているのかもしれないとおもうほど、この詩稿をまず読んだときそう感じた。
 そして二度、三度とよみかえしているうちに、最初のその思いはすこしずつ消えるようだった。私の気づかぬこと、見てもいないことに彼の注目が向かっていたとしても、自分をいとしむ思いで共通してるんだ、と考えを改めることができた。
 私は自分で解釈のつかないものを描こうとしなかったが、その狭さに気がついてきた。必ずしも何もかもに自分の解釈が行きわたるということこそ途方もないことである。そのことを、改めてこの詩稿を読みながら自誡する自分を感じた。福田君のおかげで私は自分をもう一度、出発の日の謙虚に戻したいとさえ考えはじめた。福田君と私の詩のもつ世界は表面はずいぶん離れて見えるが、そうではないと私のどこかが今そう思いはじめているのだ。「蛍光灯」という詩のなかに

 いつも蛍光灯をともしてきた
 思い当るのはこんな単純な事実である

という言葉がある。このようなものが私に欠けていた。

 

 継続される時間や制約された時間を知るには、私たちには手近に砂時計があるが、いわばそういう自然の経過時間の中では、詩は充たされて生れなかった。私にはつよくそんな感慨がある。詩は砂の落ちた時計の姿でもなく、それを上に返し直し、もういちど時間をあじわうことでもなく、私にとっての詩は自然の経過時間の外でおこりうる、いいえぬ対話といったものであった。この詩集に読者があれば、私はそんな対話を共有したいとねがっている。また、大略、そうした意味の鮮明さにおいて、私は、この詩集を、私の最初の詩集にできればとおもった。いわば、私にとってもっともそう意識できるとおもわれる、ここ三四年のおなじ詩作傾向の作品をあつめたのがこの詩集である。なお、最後になったが、この詩集は深夜叢書社の斎藤慎爾氏の御協力を得て発刊された。氏の真味あふれる言葉の中で私は私をうながすことができた。また氏の御協があって装幀は司修氏の御好意を得られた。両氏につつしんで感謝の気持をしるしたい。
(「あとがき」より)


目次

  • 送信の糸口
  • 野の上
  • 角々の歩行
  • 繰り返す
  • 螢光灯
  • 二重の着物の栗
  • 丈夫な脚
  • 並べてゆくほかないもの
  • あなた
  • 名前を呼ぶ

あとがき


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