『キングスマンGC』を観てきました。
過去ふせったーからの転記。
まずステイツマンはちゃめちゃに良い。キングスマンは英国紳士をポリシーにしているのに対し、ステイツマンはカウボーイな訳だけど、カウボーイは基本孤独。これは『マグニフィセントセブン』でも学んだことだと思うけど孤独な男の集まり、な訳。だからこそジンジャーが自由の国アメリカでさえもエージェントになれなかったみたいなところはあるのかなと思うのね。単純にウイスキー的に「良い女だからなるべく死なない位置にいた方がいい。女は守られるものだから」みたいな感性からの話だったかもしれないけど(記憶がなくなった時にめちゃくちゃ口説いてるし)。
アクションは相変わらず最高だった〜〜!!
音楽に合わせてハイテンションで早回しなアクションシーンもめちゃくちゃ良いし、共闘シーンでは終わった後に落ちてくる残骸を相合傘で防ぐの最高かな?
ハリーのおとぼけ具合もめちゃくちゃ最高だったね。蝶々の学者さんになりたいのも、その後幻視で蝶々が見えちゃう……っていうのも、繊細で真面目で高品質な男性という印象強過ぎるヤバすぎる。
ていうかあんなカッコ付けてミス連発してエグジーに慰められるのめっちゃ可愛くない?死んでしまう。「ハリーハートはスーパースパイ」復唱。
前作で幻の画像流出(なんで流出したのかも謎)となった1日マナー講座だけど、それがまさかまさか観られるなんて!素晴らし過ぎる。ありがたい。感謝。国王の前に出られるほどマナーは完璧だよって言えるのヤバくないですか?ひとりのスパイから教わったマナーだよ?信頼しすぎでは?まぁハリーハートは世界一の紳士なんだから当然ですけど……。
「大切なものがあるから頑張れることもあるから……」って語る、恋愛や友情その他諸々を禁じてきたスパイ(昔は学者になりたかった)めちゃくちゃ良過ぎじゃん……。
マティーニ……。ハリーにとっての(記憶を取り戻すほどの大きな)トラウマがヨークシャテリアを撃ったことなのホント無理。尊い。ガラハッドはこれだから。純真、無垢。
あと他にありそうなのは部下が仲間を庇って死ぬところだろうね。ショック過ぎてもう一回気絶してしまうかもしれない。
今回もマティーニが物語の転機(ハリーの記憶を取り戻す名案、ハリーにエグジーが彼女について打ち明ける)に必ずあって、それがとても良かった。
ハリーがいないときはしっかりしたスパイなのに、ハリーが復帰した途端「一緒じゃないと嫌だ」とか言って甘えてしまうエグジーが可愛すぎる……可愛すぎ選手権1位独走でしょうこんなの……。
ポピーの好みのタイプがエグジーではなくハリーなのもめちゃくちゃわかる。ポピーは思想はキレッキレのヤバいスケだけど、基本的にはしっかりしていて素敵で紳士でクールで自分に強気の姿勢で対等に並び立てるような男性が好きなんじゃないかなと思う。薬でラリってからの数秒、それがチラ見えして良かったです。
ていうかその時のエグジー、クール過ぎねえ?(cv.宮●真守)
味方とか「自分が善良だと判断している」人にはどうにかなっちまってるのか?ってくらい優しいのに、敵判定したらこれだよ。ホントこの切り替えの早さがキングスマンの素質です。
監督とコリンファースのインタビューで「エルトンジョンのライブチケット2枚は誰と行く用に?」という質問に「エグジーとだよ」って答えちゃう監督最高。「次回作を見てね」って言うコリンファース最高。「タロンは私の友達」とか言っちゃうコリンファース最高。推せる。『シングルマン』早く見ないと。みんな『英国王のスピーチ』観てーーー!!!!!
ウイスキーは普通にカッコよくて、ジンジャーに見せられた奥さんの写真で「あ、これは奥さんの死の際なんかあったな」ってピーンと来たけど、まさか最後のシーンで躍り出てくるステイツマンがウイスキーだけだとは予想できなかったよ……。
マジで何してたの……みんな……めっちゃおもしろいわ……。
ロキシーめちゃくちゃ良い女だったしマーリンめっちゃ可愛かったから哀しい。みんなチャーリーみたいなトンデモ理論で助かって次作に出て来てほしい。パーシヴァルと前ランスロットも……もうクローンでもいいので……(?)
実際にステイツマンってウイスキー売ってるのめっちゃヤバくない?飲むしかないでしょ。
しかもステイツマンからキングスマンへのカードがついてるとかなんとか。飲むしかないでしょ!!!!
『モアナと伝説の海』観てきました。
モアナ、最高。
『マグニフィセント・セブン』観てきました。
は?
最高か???????
暫く前に映画を観に行った時に観た予告から「ハワ〜〜〜〜ッ銃とイカした男たちとイカした女が銃撃を〜〜??????絶対観る〜〜」とか言っていた割にぼうっとしていたらあっという間に概ね公開が終わっていて、
「公開短過ぎるでしょうが!」
とひとりでキレたりしていたのですが、慌てて公式サイトに飛んで「公開は終了しました」の文字がゲシュタルト崩壊しながら探したら、昨日無事観ることが出来ました。
良かった。
ありがとう109シネマズ。
さてさっそく感想言っていきます。
あらすじというか、概要としては
「七人の侍」のリメイクの「荒野の七人」のこれまたリメイクというもう何が何だかわからない流れで登場した作品です。
とにかくみんな黒澤明監督が大好きなことはわかるね。すごいや。
辛うじて「七人の侍」は観たような記憶があるんですが、もう記憶の彼方過ぎて内容は覚えてないです。
なので「どこが明確にオマージュで〜〜」的なのは今回もわかりません。今回のはオマージュっていうか、みたいな所があるけど。
最近こういう「クソッタレ!昔の名作をもっと観ておくんだった!俺はなんてバカなんだ!」みたいな事案が多い気がする。勉強します。
で、冒頭。
教会で町の人たちが集まってなにやら深刻そうな顔をして「これからどうする」「交渉だ」「通用するかよ!」「やるしかねえ」「神に背くのか!」とか言い合ってる。
その一番後ろでめちゃくちゃな美人夫婦がいる……………………………………
あまりにも美人夫婦過ぎない?特に旦那、瞳が澄み過ぎてる。東リヴィエラの海面かな?って思った(よく知りません)。
そんなこんなをしていたらいかにも悪そうなインテリが入ってくる。
静まり返った教会の真ん中を、黒い何かが入った瓶を振りながら歩いてくるの怖過ぎでしょ。とんでもないことが起こるに決まってるぜ。
その瓶の中に、顔がまるっとした可愛いキッズの手を入れさせて
「中は何か調べてみろ」
とか言った挙句、
「俺が目をつけたらそこはもう土地じゃなくて【塵】なんだよォ!」
とか言ってくる。こいつァ極悪人ですぜ。
教会に火を付けて脅しをかけるとみんな慌てて逃げ出すんだけど、牧師だけは「やめてーーーーーーーーー」って向かっていくのね。そしたらまぁボコボコにされるよね。そして、めちゃくちゃ美しい旦那、とうとう我慢出来ずに止めに入ってしまうよね。
瞳が澄み渡った旦那、死す。
ま、死ぬよね〜〜!!!!!!!
カッコよかったもんよ!正義感に溢れていたものな!!!!
嫁、慟哭。
そして嫁が通りかかりの保安官であるデンゼル・ワシントン扮する「サム・チザム」に「全財産を渡すから村を守ってほしい」と依頼したり、
「復讐か?」と問われて
「正義の為よ。人間なら当然のこと」
みたいなことを言ったりして契約成立、敵の軍勢に立ち向かう為の精鋭を集めに行くわけなんだけれど、もう本当に熱い。
全員いい男だし、魂の奥に燃え盛る正義の炎を持っているし、死地へ向かうと分かっていながら、少ない報酬で文字通り命をかけて戦うのが最高だった。
あまりにも殺しまくるので、そういうのが苦手だとそっちに目が行ってしまうかもしれない。でも私としてはあれだけの人数を相手にそこまで善戦出来る7人に頭が沸騰する程興奮したので、好きな人は本当に好きなんじゃないかなと思う。
あと銃のくるくる(ガンスピン)が劇中で数え切れないほどあってマジで最高だったな……。
最終決戦はまぁネタバレになるし、本当に熱いから観てほしいということに尽きるんだけれど(公開終了していたらごめんなさい)、私はジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)が推しですとだけ言っておきます。
観たらわかる。
観たらわかるから!!!!!!!!!!!
『LA LA LAND ラ・ラ・ランド』感想
キャッチコピーは「観るもの全てが恋に落ちる、極上のミュージカル・エンターテイメント」
素敵な映画だった。それに尽きる。
どうかみんな観に行ってほしい。
私は残念ながら映画に精通している訳ではないので「ここが○○のオマージュで……」なんてことはまったくもってわからなかったが、鮮やかな色彩と感情の吐露としての歌、ダンス、ストーリーに引き込まれた。
パンフレットの町田氏の文章には細かく作品名が載っているので、2回目に観に行く際にはとても参考になるだろう。
さて冒頭のロサンゼルスの日常の光景である(らしい)とてつもない渋滞。
たくさんのカーステレオから流れ出す曲の洪水。
バラバラだった音が次第に収束し、ひとつの音楽を奏で始めると、歌いだした女性が車の扉を開ける。しなやかな肉体を湿度のない強い日差しに晒してのびやかに踊り出して、その感情は次々に他の車の乗客も巻き込んで、すし詰めの道路はさながらステージになってしまう。
そんな始まりで迎えるLA LA LANDはとても楽しそうだが、主人公であるセブとミアに焦点が合うにつれ、賑やかで眩しいクリエイター、アーティスト、パフォーマーの街の非情さを感じる。輝いていないものには厳しい街なのだ。
ごく小さいライトの当たる場所に向かって、多くの人たちが必死に走っていく忙しい世界。
ミアは女優を目指して大学を中退し、3人の女性とルームシェアをしている。オーディションを受けたり、脚本家などの集まるパーティでコネクションを広げたり、楽しんだりする若い女性だ。
セブは「死にそうになっているジャズを生かす店」を作ろうとして人に騙され、殺風景で「彼の宝物」だけに囲まれた部屋に住むピアニストだ。自分たちのおしゃべりに夢中な人たちに向かって「ジングルベル」を鳴らすことを仕事にしている。
夢までの道筋が遠く思えて砂漠を歩くような心境のそのふたりが、各季節で偶然にも出会う。
LA LA LANDは互いに「気に食わない相手」から「愛する人」に変わっていく物語だった。
ああ可愛かった。
以下ラストのネタバレを含む感想。
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最後の「ふたりが結ばれる未来」の夢は、単なる夢ではないと監督が言っていたことに関して、私が思うのは
どちらも均衡した未来の姿なんじゃないかというロマンチストの希望、願い、すがるような気持ちとも言える考察。
視聴者としてはセブとミアが結ばれる姿を想像するし、最初はつっけんどんだったふたりが、手を取り合い、互いの大切なものを分かち合い、大事にしていく様を見て、ずっとかわいいふたりを見てきて、どうしても応援してしまうし、ふたりの「夢に対して諦念と悲しみを抱えている様」に共感して
「ふたりで幸せになってほしい」
「ふたりが一緒にいると幸せそうだからその時間がいつまでも続けばいいのに」
と思ってしまうけど、ふたりの夢を同時に叶えるには「選び取らなくてはならない選択肢」がそこここに存在していたんだと感じる。
決定的で大きなターニングポイントは
「セブのバンドのツアーについていかないミア」
「ミアのパリでの撮影についていかないセブ」
だと私は見ているんだけれど、
どちらも自分の夢を優先して「もうひとつの選択肢」を選び取らない結果が、あの結末に繋がるんじゃないかなと思っている。
現実のふたりは「夢を叶えたけれど好きな人を失った」ように見える。
もしかすると「夢を叶えたけれど好きな人を失ったセブ」と「夢も叶えて恋愛でも成功しているミア」に映るかもしれない。
でも私は思うのだ。
ふたりは「職業としての夢を叶えて、ふたりで生きていく夢を失った」のではないかと。
証拠に「ふたりが結ばれる未来」のふたりに大事なのはどちらも「ジャズとチキンを売る店のマスター」でも「スターダムにのし上がった女優」であることでもなく、
人生のメインであるのは好きあった「男」と「女」だ。
それもひとつの幸せの形で、視聴者としての私は「穏やかに過ごし、子どもを育てる、その幸せをつかみ取ってほしかった」と思ってしまうけれど、あれもまた「失った」姿なのではないか。
つまり、あのふたりは「ふたりで生きていく夢を叶えて、職業としての夢を失った」のではないかと。
そういった意味で、あのラストの対比は「成功」「不成功」でも「幸福」「悲哀」でも「希望」「現実」でもなく
「選び取ったふたつの道筋」それぞれなのだと思う。
私はエンディングで胸を引き絞られるような思いをして泣いたけれど、すごくすごくいい映画だった。最高だ。
夢を追いかける人たちの数だけ瞬いているロサンゼルスの輝きを覗き見ることが出来て、
とても感謝している。
『君の名は。』観てきました。