ぐろぶぼ~

コンテンツデブの摂取と代謝

没個性デザイン

NHKNHKと一括りにすることには非常に抵抗がありますが、NHKらしいセンスというものがいくつかあると思います。
その典型例として思いつくのがNHK教育大科学実験」という番組。

一回10分の短い番組で、身近な化学現象を、スタイリッシュかつ大規模に大実験します。だから大科学実験
例えば音が聞こえた瞬間に旗を上げるよう練習した人を1700mにわたって並べ、音の伝わり方を視覚的に観察してみるとか。
他にはレモン電池で車を走らせてみたり、巨大クジラバルーンと人を太陽光で浮かせてみたり。
そんなお金と手間の掛かった実験を、細野晴臣の淡々としたナレーションだけで説明していきます。

化学現象としては常識的なんだけど、魅せ方が上手くてついつい見入ってしまう、素晴らしい番組です。
その実験の発想や規模もさることながら、特に実験作業にあたるスタッフ達「実験レンジャー」のデザインが秀逸だと思います。
衣装はピンク、イエロー、ブルーの3種類で、要はシアンマゼンタイエローから来ているそうです。
フード付き半袖orレインコートの2種類があり、実験によって着分けられていますが、どちらにおいてもフードをかぶり、キャップ、サングラス着用の上、大科学実験ロゴマークをモチーフにしたリュックを背負っています。
この衣装によって没個性化した3原色なスタッフがわらわら動いているだけでも一種のアートなんじゃないかってくらい、グッと来るデザイン。

こうして没個性的に統一されたデザインが揃っている光景がとても気持ち良いのは、なにかと個性や主張がもてはやされる昨今だからこそなのかな、と思います。
なにか「デジタル」な気持良さを感じます。
世界は「アナログ」な感じから「デジタル」な感じに推移し、その反動として「アナログ」に回帰(正確には融合してたり細分化しただけですが)したように思えます。
そしてさらにその反動としての「デジタル」な感じが、一部の人々にグッと来るのではと思うわけです。
僕が明和電機の工員さん達にグッと来るのも、同じように通ずるものがあります。

大科学実験は既に製作は終了しているようですが、再放送がなされています。
また、サイトでも期間限定配信している回があるようです。
僕もまだそんなに見ているわけではありませんが、せいぜい1回10分程度ですので、是非御覧ください。

NHK教育 大科学実験

お友達

今日も元気に出血中。今日は左腕からです。
傷はひとつ。腕を折りたためば、血痕はふたつ。
もしぼくが血友病患者だったら、ベッドシーツが何枚あっても足りないでしょう。
いつだって腕から足から身体から、そして鼻の穴から。

出血とは長らくお友達を続けています。ちょうど日本と地震が古来よりのお友達であるように。
小学校二年生のころ、結婚式の為に訪れた大阪のホテルで、鼻から大出血した事がありました。
出せども出せども止まらなく、遂には病院のお世話になったほど酷かった、歴史的鼻血です。
名付けるならば阪神大出血。過去最大級の出血です。
そのとき読んでいたとってもラッキーマン第二巻には、当時の血痕が未だに付着しています。
まったく、困ったお友達です。
時には、そんなお友達がお友達のお洋服を汚してしまうこともあったりするので、非常に申し訳なく思います。ごめんなさい。
しかし、お友達がお友達を害したとしても、ぼくは友達と縁を切ることができないのです。
だからこそお友達でいなければならないのです。

いつか、転校してしまったみよちゃんのように、お友達のまま思い出になれる日はくるのでしょうか。
多分、無理なんだろうなぁ、と思いふけりながら、僕は爪にヤスリをかけるのです。
でも、怪我とかスプラッターな出血じゃないから、いいかな。