がちゃのメモ帳

Jリーグをメインに、いろいろな感想を残していきます

2024 J2第11節 V・ファーレン長崎vs横浜FC メモ

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流れ

長崎は4-1ビルド。秋野が3トップのゲート裏に立つ。

横浜FCは3トップが中央3レーンを消しながら、シャドーがCBまでアタックに行ってWBが連動してSBまで出ていく。

長崎は左サイドの米田と笠柳という個人の推進力がある選手を使って縦に進み、クロスを狙う。エジガルに背負ってもらい、ポイントを作る。

3トップで2CBとアンカーをケアする横浜FCに対し、ジェズスが左脇に下りてきてサポート。

米田と笠柳の外→内ワンツーでマークを外しにかかる。

横浜FCは奪ったらまずは縦優先。保持の局面を作り出すというよりも早く攻め切る、それができなくても敵陣まで運んでそこから敵陣保持に入るというアプローチ。

長崎はCB→SBでパススピードを上げて届けることでシャドーのアタックとWBの縦スライドが間に合わないタイミングを作ってサイドからの運び出しを図る。

長崎は非保持時、ジェズスが2トップ気味に押し上がり、加藤がボランチ気味になる可変4-4-2セット。

21分、長崎のロングフィードを中央ではね返して回収した伊藤がそのままミドルまで。原田が好セーブ。横浜FCが最初に際どいチャンスを作る。

横浜FCは自陣セット時、WBが大外に出ていったあとにCBとのゲートがかなり広がり、チャンネルが広く空く。モヨがパス交換からそこへの飛び出しを図る。

長崎はショートパスでの前進をベースにしつつ、原田からのロングボールで増山と福森の空中戦を作り出すプレーも。ただ、福森も五分で競れており、そこまでの優位性は出ていない。

長崎は非保持セット4-4-2でそこまで奪いには出ていかない。横浜FCは後ろで回しながら左→右でサイドチェンジを狙う形が何度か見られる。

32分、横浜FCが前向きのカットから山根がクロスを入れ、ファーで小川が合わせるも枠外。枠へ飛ばせれば1点ものの決定機。横浜FCが高い位置での奪取から際どいチャンスを作れている。

長崎は浮き球へ前に送ったボールをはね返されてそのままカウンターを受けるシーンが目立つ。横浜FCは広がった長崎の陣形の中で起点を作り、はね返しから一気に高い位置のポイントを作る。

36分、長崎先制、1-0。クロス攻撃の二次攻撃からモヨのクロスをファーでエジガルが合わせてゲット。サイドからのクロスにゴール前の人数を増やし、目線をマーカーに引きつけさせて、奥でエジガルが押し込む形。

39分、エジガルとジェズスのパス交換から相手最終ラインを引きつけて笠柳がサイドのスペースでラインブレイク。最後はジェズスのミドルまで。うまく疑似カウンターの局面を作り出した。

41分、長崎が再び疑似カウンターから増山が抜け出して折り返しにエジガルと笠柳が飛び込む。横浜FCは最終ラインが受け手に飛び込んでいくが外されて後ろに広大なスペースが生まれている。

44分、加藤が左チャンネルを抜けてクロス。横浜FCはWB-CBのゲートがかなり広い。人が入ってきたらマークしてついていくような守り方。

 

基本的には長崎が保持して横浜FCがセットして受ける構図。長崎は4-1ビルドベースにエジガルが中央の縦パスコースを作って前線のポイントを作る形や、左サイドの縦関係から深い位置を取ってのクロスなどがメインパターン。横浜FCは1トップがアンカーをケアしながらシャドーがCBにアタックに出ていき、WBが連動してSBを捕まえに来る守り方。30分頃まではこう着状態の中で横浜FCが前向きの奪取から一気にシュートまでという形を作り、際どいチャンスを作ったものの、徐々に長崎が保持から相手のマークをうまく外して疑似カウンターからサイドのスペースをガンガン突くような展開に。連続クロス攻撃から先手も取り、両WGの馬力と中央のパワーを生かした攻撃ができていた。

 

後半

横浜FC交代

中村、小川→村田、カプリーニ

左WBに村田が入り、山根が右WBに移る。

立ち上がりから攻め立てる横浜FC。元々マンツーマン気味にプレスで出ていっていたが、より早く捕まえる意識になった印象。横浜FCの保持に対して長崎は4-4-2セットで奪いにいく寄りもミドルゾーンを固める守り方。3バックが脇から運んでくるのはある程度放置しながら、受け手へのマークを強める。

増山が2トップ脇からの前進をけん制するように少し前に出た背中に村田が入って、そこから前進していく。シンプルに福森から送るパターンと、井上を経由してレイオフで渡すパターン。

長崎はセットしてビルドアップを始めると強いマンツーマンでストレスを受けるので、横浜FCがセットし切る前に個人で運んで敵陣保持から始める狙いを見せる。

横浜FCがマンツーマンで突っ込んでくることと、長崎がそれを突破してゴールまで一気に向かおうとしているので、ゲームスピードがかなり上がり、オープン気味の展開に。

横浜FCの前向き矢印がかなり強いため、長崎はIHやエジガルのクッションを入れながら3人目の動きで背後を取る狙い。横浜FCは一度前向きで出ていったら、背後への動きには対応が遅れる。

横浜FCは撤退したらシャドーも下ろして5-4セット。プレス時もシャドーにCBへ突っ込ませるのではなく、3トップの役割を微調整した?髙橋も状況をみながらCBへアタックへ行くようになっている。スイッチが入ったときのプレス構造は同じ。カプリーニと髙橋がCBアタックとアンカーケアの両タスクという感じ。長崎はプレスでハメにこられたら右寄りへのロングボールを入れる。

62分、長崎交代

笠柳→松澤

70分、長崎交代

エジガル、ジェズス→フアンマ、澤田

71分、横浜FC交代

井上→中野

中野はベースポジションボランチのまま。

72分、長崎が奪ってから縦に速く攻めて増山→澤田で右45度からシュートもポスト直撃。ビッグチャンス。

長崎は全体がコンパクトに、中央へ絞って守るため、WBは大外で時間をもらいやすい。

74分、ンドカに警告。ンドカは累積警告4枚目で次節出場停止。

長崎はSHが外を気にすると、開いたゲートの奥にカプリーニが潜ってくる。若干バイタルが間延びしている感じもあり、外からの前進をケアするか、インサイドの起点をケアするかが迷いどころ。システム的に対応が難しい場所。

村田に預けてモヨとの1対1に持ち込ませる形が多い。中野がマイナスでサポート。増山はハーフスペース待機でカットイン対応に備える。

79分、カプリーニに警告。

中野がマイナスサポートをしながら平行に入って行ってハーフスペースで受けることでボランチとシャドーの役割を両方こなすイメージ。伊藤はあまりサポートに寄ってこず、ゴール前エリアで待機しながら、ポケット進入も狙う。

81分、横浜FC交代

伊藤→櫻川

横浜FCはボールを持てれば大外のWBかインサイドのシャドーを経由して敵陣までの進入はフリーパス状態なので、あとはどうやって最後のところをこじ開けるか。長崎は高い位置で押し返せず、トランジションでも落ち着かせるポイントを作れないので、ゴール前ではね返して我慢する時間。

85分、横浜FC交代

ユーリ→和田

フアンマが強度を上げてチェイスし、ボールを奪ってスローインを獲得したところから長崎が敵陣保持に持ち込んで落ち着く時間を作る。

89分、長崎交代

加藤、秋野→瀬畠、山田

長崎は1点を守り抜くプレー選択。敵陣セットプレーでゴールへ向かわず、基本的にはサイドで時間を使う。

櫻川が入ってターゲットタイプが増えているので、シンプルにロングボールを入れて前進し、クロス攻撃でゴール前に圧力を掛ける。

横浜FCがパワープレー気味に前に出ていくが、長崎がはね返して逃げ切り成功。

 

後半立ち上がりからギアを上げてマンツープレスの強度を高めてきた横浜FC。長崎は自陣ビルドアップでショートパスからの前進にリスクがかかるようになり、ロングボールを前に送ることが増えるも、横浜FCが競り勝って回収に成功。そのまま前向きの矢印を強めて主導権を握った。また、長崎はそこまで奪いにいく守備ではないので、横浜FCは保持でも時間をもらえ、大外に張るWBへ速く届けて、SBと1対1を作る、もしくはSHが戻ってきたら保持ラインを上げて攻める攻撃に移行。長崎は苦しい立ち上がりになったが、降りる選手をクッション役に使いながら前向きの選手を作って3人目の動きから背後を狙う。横浜FCは前向きが強くなっているゆえに背後への動きにはリアクションが遅れ、疑似カウンターを食らうようになった。10分~15分くらい経過すると、横浜FCのプレス強度が若干落ち、より長崎が保持で形を出せるように。ただ、横浜FCも選手交代を駆使しながら攻撃のパワーを高め、左WBの村田へ送って起点を作るとともに、仕掛けからのクロスでゴールを目指す。長崎は中央に寄せたブロック形成でWBにはスライドが遅れやすく、そこからの前進を許す。また、SHが外を警戒すればシャドーにバイタルで受けられるという悩ましい状況。その流れで自陣で受ける時間は増えたが、最後のところは踏ん張り、効果的なシュートは許さずに逃げ切った。横浜FCは中野をボランチに入れて攻撃におけるダブルタスクを任せることにより、シャドーを1枚ゴール前での仕事に集中させるという攻撃的なシフトを敷いたのは面白かったが、押し切るまでは至らず。

 

2024 J1第9節 名古屋グランパスvsセレッソ大阪 メモ

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名古屋は倍井が出場停止。

セレッソは西尾が代表活動により欠場。

 

流れ

名古屋は永井がアンカーチェックスタートからCBに出ていく。セレッソはいつもどおり登里を内に入れた3-2ビルド。

名古屋のビルドアップに対してハイプレスを掛けるセレッソ。WGは外切りで寄せていく。

名古屋はゴールキックの際、三國を右のサイドの高い位置へ出して内田を低めに下げている?

永井と和泉がボランチ位置の選手を見ながらCBに出ていくか判断する。毎熊のところは比較的浮きやすい。山中が出ていくと最終ラインが全体的にスライドする。

名古屋は永井と和泉の2トップで5-3-2っぽいセットの仕方で組んでいる。登里と毎熊のタスクが違うため、そこの左右の守備基準の違いででそういう形に見えるのかもしれない。

名古屋は永井を最前線に残してカウンター準備をさせる。

名古屋は3トップがボランチ位置の選手を管理しつつ、開いたCBとSBの前進もけん制。ボランチはIHのマークがベースで、ボールサイドの縦パスコース消しとWB裏もケア。各選手の守備タスクが多い印象で、はっきりと誰にアタックするかが定まりにくいぶん、プレスはあまり掛からない。ただ、中盤より前の選手で多くの相手選手を管理することで最終ラインはズレにくくなっているか。

永井はボールサイドのスペースに流れて深さ作り。

名古屋は相手CBをほぼ捨てて後ろの思考の負担を減らすことで最終ラインがズレることが少なく、ゴール前を崩されてはいないが、必然的にラインが下がり、奪う位置も低くなる。セレッソはカウンタープレスですぐに奪い返しにくるので、スペースに流れる永井まできっちりつなげないと押し返せない。自陣で被セットプレーの機会も増えるので、事故のリスクは高まる。まずは守備で崩れないことを優先しているのかもしれないが、かなり消極的に映る戦略。

26分、名古屋がトランジションから永井をスペースに走らせてゴールへ向かうもオフサイド。名古屋はゴールへ向かえたのはおそらく初めて。現状、この形しかなさそう。

27分、名古屋交代

吉田→河面

吉田は負傷の様子などは見られなかったので、おそらく戦術的交代。30分を前に早くも手を打つ。ということは、重心が下がっている戦い方は不本意なのかもしれない。

山中が毎熊のところまでプレスに出ていくようになった。後ろから出ていくのではなく、かなり早い段階から前に出て完全に捕まえに行く。明確に守備のやり方を変えた。可変式の4-4-2プレスみたいなイメージ。

名古屋はチェイスの強度を上げてかなり深い位置までプレスに出ていくようになり、奪う位置を高くできている。全体のバランスが崩れてでもまずはプレッシャーを掛けるというプレー選択の判断に切り替わった。

永井は基本的に右流れが多い。左にボールがあるときはファーサイドターゲットになるタスクか。

名古屋の3-2ビルドをそのまま3トップとIHではめ込むセレッソ。セアラの強度を高めたチェイスで奪取する。

名古屋が選手交代から守備基準を変えたときは少し押し返しを見せたが、徐々にセレッソがペースを取り戻してシュートまでいく流れを作る。

名古屋は森島と稲垣を入れ替えることでプレス基準のずれを作ろうとしているが、入れ替わりが早すぎるので、ただいる人が替わっただけになって、セレッソはそのまま捕まえればOKになっている。

名古屋が前から人を捕まえにくるため、セレッソはセアラを目指したフィードで押し上げてから奥埜にセカンドを回収させる。名古屋はボランチも人を捕まえて前に出ていくので、セカンド回収部隊に人数を割きにくく、中盤にスペースが空く。

 

序盤は名古屋が最終ラインをほぼほぼ捨ててボランチケアに意識を向けたぶん、重心が下がり、セレッソが敵陣保持の時間を増やして攻める。名古屋は最終ラインがズレにくいため、大きく崩れるまではいかなかったが、PA近辺でシュートを打たれたり、セットプレーを多くとられたりとゴール前ではね返さなければならないシーンが増えて、ストレスはあったように感じた。攻撃ではトランジションから永井をスペースに走らせた単騎突撃のみに終始。守備を優先していたのかと思いきや、30分を前に選手を替えてプレスに行き始める。そこからプレッシャーを掛けて高い位置で奪えるようになり、攻撃の形を作れるようになるも、セレッソも徐々にアジャストしてロングボールをうまく使いながら前進手段を確保。サイドで仕掛けながらゴールへ向かった。名古屋が消極的な立ち上がりから方向転換してペースを引き寄せたのは良かったが、セレッソもさすがの対応力。セレッソのほうがゴールへ近づいていたため、スコアレスでの折り返しは名古屋のほうがありがたい展開に感じた。

 

後半

名古屋交代

山中→中山

中山が右WBに入り、内田が左WBへ移る。前半途中からの守備基準だとSH適性がある選手を左WBに入れたほうが良さそうだったので、そこの修正か。

52分、中山が内に入って登里を引きつけたところで外に稲垣が上がってきての折り返し。

名古屋はプレス時は内田が上がって毎熊まで出ていくが、一度突破されたら5バックで構える。

61分、三國に警告。

62分、セレッソ交代

奥埜、柴山→香川、ブエノ

64分、名古屋先制、1-0。CKからファーサイドでフリーになった和泉がシュートを打ち、こぼれたところを三國がプッシュしてゲット。

66分、セレッソ同点、1-1。名古屋のビルドアップをルーカスがカットして折り返し、セアラに届く前で三國がオウンゴール。触らなければセアラが押し込んでいただけなので、致し方なし。ロストが致命的だった。

67分、名古屋交代

内田、米本→パトリック、椎橋

パトリックが1トップに入り、永井がシャドー、和泉がWBに移る。

トップ裏に潜る田中はFWがプレスバックで見る構造になっていそうだが、パトリックがそこのタスクで若干遅れるので、セレッソはサイドから中につけるコースができやすい。

セレッソはルーカスのところで突破の形を見せているので、そこへオープンな形で届けたそうな雰囲気。

77分、カピシャーバに警告。

名古屋はなかなか押し返せなくなり、セレッソがプレスで奪って敵陣保持に持ち込み、カウンタープレスで二次攻撃に持ち込む。パトリックが生かせる展開にならない。永井が深い位置まで戻ってボール奪取に貢献しているが、そうなると前の押し返しのポイントが減る。

79分、セレッソ交代

カピシャーバ→山田

81分、名古屋勝ち越し、2-1。ハーフウェイラインあたりからのFKからパトリックが競り勝って落とすと永井がボレーで合わせてゲット。苦しい流れになっていた名古屋がなんでもないセットプレーからこじ開けた。ずっと空気になっていたパトリックが大仕事。

84分、セレッソが中央のコンビネーションからセアラが抜け出してシュートも枠外。ビッグチャンス。

84分、名古屋交代

永井→野上

野上が右WBに入り、中山が左WB、和泉がシャドーに移る。

87分、ハチャンレに警告。

中山は大外を埋めるというよりも、上がってきた毎熊をマンツー気味で見ているか。河面がSBっぽいポジションから大外に張るルーカスをマークする。

92分、山田のインスイングクロスに毎熊とセアラが飛び込むも合わず。

93分、森島に警告。

名古屋は完全に1点リードを守る姿勢、セレッソは前がかりになって1点を取りにいく。

 

名古屋は前半途中からの形のまま、選手の入れ替えでいくらか攻撃的なバランスに調整。プレスでラインを上げることで奪えるシーンが生まれ、攻撃の形を作れた。そしてセットプレーから三國がこじ開けるも、直後にビルドアップミスから同点に。そしてパトリックを入れたあたりから徐々にボールを奪えなくなり、自陣で我慢の展開になった。永井が守備のサポートに入ることで中盤に穴を空けず、圧縮度を高められていたが、そのぶん押し返しのポイントが減り、セレッソの二次攻撃を受ける流れに。ただ、人数を掛けて守っている分、中央は堅く、ゴール前もはね返しが効いていた。セレッソは両サイドのWGの仕掛けとサイドの連係、狭いスペースで違いを作れるIHの質でこじ開けにかかったが、決定的なシュートチャンスは作れず。失点直後に強度高いプレスからのショートカウンターで1点は取れたものの、自分たちの時間を多く作った中でなかなか得点まで至れなかったことが痛かった。名古屋は2点目もなんでもないセットプレーからこじ開けており、難しい時間が多かった中で最終ラインが耐え切り、少ないチャンスを決め切ったことが勝因。

試合後コメントによると吉田の交代は「テンパっていたから」と、河面に体調不良があったことでベンチスタートにした意図があったとのこと、山中の交代は足の状態があまり良くないと自己申告してきたからとのこと。

 

個人的MOM

★永井 謙佑

殊勲の決勝点。前から追っていく守備に切り替えた際のスイッチ役としても機能。苦しい時間帯でも唯一の押し返し役として機能していた。

 

トピックス

ハチャンレが累積警告4枚目で次節出場停止。

 

2024 J1第9節 FC東京vsFC町田ゼルビア メモ

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町田は柴戸が出場停止で宇野が初先発。右SBは古巣対戦の鈴木ではなく、望月が初先発。また、髙橋も初出場初先発。藤尾と平河が代表活動により欠場。

東京は安斎が出場停止。松木、荒木、野澤大が代表活動により欠場。

 

流れ

東京のビルドアップにハイプレスを掛けていく町田に対し、仲川がボランチ裏に潜り込んでピックアップ。

町田は2トップがCBにアタックに出てきて、ボランチボランチにマークにつく中、仲川がボランチ脇に顔を出すことで、SBからのパスコースを作る。

東京は仲川を経由しながら町田のプレスをうまく外して前進できている。

右サイドが鈴木ではなくなったことで林が右サイドのロングスローも担当。

町田はサイドで持った選手が距離を稼ぐように縦に強引に突進していく。深い位置まで行ければロストしてもロングスローに持ち込める確率が高いという算段。

13分、町田先制、0-1。仙頭の左CKからファーでナサンホが合わせてゲット。町田は深い位置を取ってセットプレー攻撃、東京はプレス回避からのスピードアップで自分たちの時間を互いに作っていた中、最初にチャンスを生かしたのは町田。

19分、東京がPK獲得。ロングフィードで左サイドに展開してから、敵陣でスローインを獲得し、中央でのコンビネーションに持ち込むとドレシェヴィッチのハンドを誘った。

20分、東京同点、1-1。小柏がPKを決める。谷はコースを読んで触ったが、コースがギリギリ上回る。

21分、藤本に警告。

町田のビルドアップはいつもの仙頭の左下り。

24分、町田勝ち越し、1-2。最終ラインからのロングフィードに望月が抜け出し、クロスをニアでオセフンが合わせてゲット。仲川がGKまでアタックに出ていったところでドレシェヴィッチが浮き、そこからのロングフィードが起点になった。

東京は俵積田の仕掛けからカットインで中に入り、中央でのコンビネーションを狙う形が多い。遠藤は中央でフィニッシャー役に。

藤本がジャンプしてCBまでアタックに出ていった中、引きつけて浮いた白井にリリースする土肥。プレス耐性が高い。

36分、藤本がファウル。警告を受けている中、注意を受けて2枚目にリーチ状態。

38分、俵積田が仕掛けて縦に突破してクロス。小柏がマイナスで合わせるも昌子がブロック。望月と俵積田のマッチアップは俵積田に優位がある。

小泉がSB裏に走ってボランチをどかしたところに仲川が潜ってくる。

東京は大外に当てたときに連動して一人がSB裏に走る。町田はボランチがついてくる。

左サイドにボールがあるときはファーサイドPA角に望月が待機し、折り返し役になる。

 

町田のプレスに対して東京がボランチ脇に顔を出す仲川を経由することで前進経路を確保し、保持で形を作る。敵陣へ入ったら左サイドで優位性を作っている俵積田の仕掛けを軸に、中に入って行ってのコンビネーションを図るなどしてゴールへ迫った。ただ、町田もゴール前のところは両CBが砦として立ちはだかり、簡単には枠内へ打たせない。町田はいつもどおりオセフンへのロングボールで陣地を押し上げ、サイドで持った選手は縦に運んで深い位置を取り、セットプレーの流れに持ち込む。町田がCKから先制し、東京がPKで同点に追いつき、町田が一発の背後から望月→オセフンで勝ち越すといったスコアの推移。トータルで言えば東京のほうが主導権を握っている時間が長い印象だが、両ゴール前の“一歩”のところで町田が違いを見せたという感じ。藤本が警告を受けた上に注意ももらい、2枚目の警告まで1ファウルリーチという雰囲気で、林もこの日の判定基準にアジャストできていない雰囲気。どのようにテコ入れするか。

 

後半

町田が4トップ気味でCBから先の前進にけん制をかける。東京はGKを使ってやり直しながら2トップ裏のボランチへ届けようとする。

48分、右の大外で受けた遠藤がカットインしながらスルーパスで仲川が抜け出すも谷がカバー。

立ち上がりは町田のプレスにやや詰まっていたが、徐々にストレスなく持てるように。SHを一度押し下げると保持ラインを上げられる。

町田の4トップに対し、仲川が背後から2トップ裏に潜り込むことでワンクッションを入れて目線をずらし、町田の陣形を押し下げていく。また、CB→SBで相手SHの背中を取って前進。

59分、町田交代

ナサンホ→荒木

61分、俵積田のカットインクロスから遠藤が飛び込んで合わせるも枠を叩く。決定機。俵積田が再三カットインからゴール前にボールを供給している。

64分、東京交代

小柏→シルバ

小柏は負傷交代。右の腿裏をおさえている様子があった。

シルバが0トップ気味になったことで中央でタメができるようになり、追い越す選手を使う攻撃ができ始めた。

69分、町田交代

仙頭、オセフン→安井、デューク

オセフンは内転筋あたりを気にしているように見えたが詳細は不明。

72分、東京交代

俵積田、高→佐藤、原川

佐藤がトップ下に入り、仲川が1トップ、シルバが左WGに移る。

東京は町田のボランチにセットされる前にサイドから斜めのボールを前に送り、前線中央で起点作り、そこからの連係を図る。左サイドから前進し、2トップと右WGの遠藤が中央3レーンで縦に走ってラインを下げさせる。

87分、東京交代

バングーナガンデ→長友

 

町田が4トップ気味にして東京のビルドアップにけん制を掛け、東京はCB→ボランチで一発で届ける、SBを経由してボランチへ渡す、仲川が相手ボランチ前に出てきてワンクッション入れるなどして回避を試みる。CB→SBで相手SHを切ってそこから斜めのクサビを入れ、攻撃をスピードアップさせる形もあった。基本的には東京が保持して町田がブロック形成で押し返す展開。俵積田が積極的に仕掛けてカットインからゴール前にボールを入れ続け、遠藤や白井が押し込めれば、というシーンは作ったものの決め切れず。町田は最初はラインを上げて押し返しを図り、一度突破されたら割り切って全員が帰陣し、ゴール前を守る。特に両CBがつり出された際の対応が秀逸で、ノーファウルかつ前を向かせない寄せで外へ追い出して全体の帰陣を待ち、フォローにきたところで持ち場に戻る。東京はシルバのドリブルやキープでポイントを作って敵陣へ入る、セットプレーを取るところまでは行けたが、終盤はこれといってチャンスを作れずに終了。前節の東京ダービーの終盤とは違い、最後はなんとなく時間を過ごして負けてしまったような印象が残った。町田は多くないチャンスを得点に結び付け、守備も事故的に起きたPKの1点にとどめた。内容的には理想の試合運びではなかっただろうが、ポイントを抑えた戦いが勝点3という結果に。

 

個人的MOM

★昌子 源

ゴール前ではシュートブロッカーとして、プレス時には相手FWを外へ追い出す役として、守備を強固にした。1対1で相手が後ろを向いている際の追い出し方はいまだにJ1でも屈指。

 

トピックス

小柏が負傷交代。ハムストリングのトラブル。

 

2024 J1第9節 浦和レッズvsガンバ大阪 メモ

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浦和はショルツが先発復帰。

ガンバは山下がメンバー入り。

 

流れ

蹴り合うことなく、早々にセット局面に入る。互いに最終ラインからショートパスでのビルドアップを図り、ミドルゾーンで構えてから機を見てプレスを掛けていく。

ガンバは前4枚が中央3レーンを埋めながら、SBへ出たらスライドしていく。2トップはアンカーチェックしながらCBへ出ていく。片方が必ずアンカーをケア。

浦和のゴールキック時はガンバがハイプレス。2トップがアンカーを捨てて、鈴木がマークに出てくる。伊藤がアンカーの右脇にのぞいてくる。

中島は外に張るというよりも、トップ下タスクに近い。

最初はアンカー脇のサポートは伊藤がやっていたが、大久保も徐々にピックアップに入ってくるように。

立ち上がりは浦和が保持からペースを握る展開。サイドでの3人の連係やWGがカットインからシュートを狙う。

グスタフソンが、ガンバのCBに出てくるほうのサイドに流れてマークを受けない位置でパスを引き出す。ガンバは逆サイドのトップがアンカーケア担当になるが、自分の担当エリアから離れられるとマークが届かなくなる。

ガンバは鈴木が下りる3-1ビルド。浦和は大久保を押し出す4-4-2可変プレス。

16-17分、グスタフソンが2トップ裏でうまく受けるも、ガンバボランチが出てきてつぶし、ショートカウンター。グスタフソンがタイミングよく顔を出して2トップ裏で受けているが、ガンバの寄せも速い。

伊藤はこれまではCH-SHゲートに立つことが多かった印象だが、この日はFW-SH-CHのトライアングルの中にいることが多い印象。

ガンバの保持は坂本のバイタルピックアップが前進のポイント。そこで落として前向きを作り、前進していく。

浦和は大久保とグスタフソンがうまくつながっており、そこで中央を打開してスピードアップしていく。

25分、ガンバが初めての敵陣保持。浦和は自陣に人を戻してスペースを埋める。

ウェルトンがかなりインサイドにしぼった守備ポジショニングをするようになった気がする。伊藤が間で受けにくくなるが、石原が大外で時間をもらいやすい。

浦和が積極的に前から追ってくるのに対し、ガンバはウェルトンへのロングボールを選択肢に持ちつつ、坂本経由で前向きを作ろうとしているか。

中島がライン間でピックアップできた時はサンタナが左流れでパスを引き出す動きを見せる。

浦和のハイプレスに対し、ガンバがボランチをうまく経由しながらオープン局面に持ち込めるように。浦和はまず前4枚でアタックに出ていくが、ボランチを経由されてSH裏を突かれたり、降りる坂本とのスイッチでボランチにバイタルへ入られてスピードアップを許したりという流れが続く。

大久保が狭いエリアで前を向いてスピードアップしようとするシーンが何度か。バイタルに潜って運べればチャンスになるが、奪無理してわれればカウンターのリスクにもなりえる。

浦和はショートコーナーを多用している。

 

25分あたりまでは浦和が保持してペースを握る時間帯。ガンバは高い位置でセットして押し返しを図るが、グスタフソンを軸にした中盤のつながりを断ち切れずにそこからの経由で前進を許す。浦和はサイドの連係とWGのシュートでゴールを狙うが、クリティカルな攻撃は出せず。ガンバはまずは守備で我慢という展開になりながらもスポットで前向きの奪取からカウンターで怖さは出した。25分あたりからはガンバもボールを持てるようになり、浦和のハイプレスをかいくぐりながらスピードアップしてゴールへ向かう形を何度かだした。浦和はボランチ経由と降りる坂本をどうつぶすかが定まり切らなかった印象で、ガンバはその3人がうまくかかわって間延びした中盤のスペースを活用。ただ、ガンバも質の高いチャンスはそこまでなく、決定機という決定機は互いになかった前半だった。

 

後半

47分、サイドチェンジで前田がSBを引きつけ、チャンネルと伊藤が走ってダワンをどかし、浮いたバイタルに入ってきたグスタフソンがシュートまで。相手の配置をうまくずらして空いたところに入ってくる良い攻撃。グスタフソンは相手のマーク受け渡しの判断が間に合わないタイミングで顔を出すのがどの局面いおいてもかなりうまい。

50分、唐山を背後に走らせるシンプルな攻撃からチャンス。渡邊がアングル作りでワンテンポ遅れを取ったところで一気に抜いて行ったが、GKまでははがせず。

後半は右サイドの連係でポケットを取りにいく攻撃が目立つ浦和。

54分、中央に引き寄せてから大外で浮いた渡邊がクロス。ファーで伊藤が合わせるもポスト。決定機。後半は浦和がペースを握り、質の高いチャンスを作っていく。

57分、ガンバ交代

唐山→岸本

後半はウェルトンのゲート閉じがかなり甘くなっている印象で、ガンバはボランチ脇を使われやすくなっているように見える。2トップのプレスもそこまで強くないので、時間をもらえる最終ラインからボランチ脇につけて前進のポイントを作る浦和。

64分、宇佐美からの大きなサイドチェンジで岸本が仕掛け、PA内で倒されるもノーファウル。渡邊は唐山のときに続き、1対1で突破されるシーンが目立ち、ギリギリの対応が続いている。

65分、浦和交代

前田、中島→松尾、安居

安居がIHに入り、大久保が右WGへ移る。

67分、渡邊のミドルは一森がファインセーブ。ガンバは2トップ裏とSH近辺の圧縮がかなり弱まっており、浦和が自由に中央を経由して押し上げられている。

71分、ガンバ交代

福岡→中野

中野が左SHに入り、ウェルトンが右SH、岸本が右SBに移る。

75分、浦和交代

大久保、ショルツ→小泉、佐藤

小泉はそのまま右WGに入る。

78分、ガンバ先制、0-1。浦和が攻撃に出ていったところでガンバが奪い、ロングカウンター。中野の奪取から右への展開でウェルトンが仕掛け、折り返しを坂本がうまく流し込んでゲット。ガンバが少しずつ押し返したタイミングで一発を決めた。

リードしたガンバはトランジションからオープン局面に持ち込んでも無理に攻め急がず、可能性が薄いなら敵陣保持に切り替えてコントロールに入る。

82分、浦和交代

伊藤→興梠

興梠が2トップに入り、安居がボランチに下がる4-4-2。

ガンバは奪ったあと、スペースのウェルトンを走らせて陣地回復とともにカウンターを狙う。

86分、ガンバ交代

ウェルトン、坂本→山下、倉田

ウェルトンは足をつっていた。

ガンバはある程度割り切って自陣ゴール前に人数を掛けて、重心を下げて守備を固める。

山下がスペース勝負に持ち込めるとき以外は、ガンバはシンプルに前に捨てて時間を使う。大外で上がってくる渡邊に対し、山下がついていって大外のスペースを埋める。

 

後半立ち上がりはガンバの2トップ、SH周りの守備に甘さが見られ、浦和がそこを経由してストレスなく敵陣へ入れる展開に。グスタフソンのバイタルシュート、渡邊のクロスからファーサイドでの伊藤のヘッドなど、質の高いチャンスを作り出したものの、決め切れず。ガンバは受けながらも単発でサイドからゴールを目指したが、なかなか押し返しの時間は作れず。徐々に浦和のエネルギーも落ちてきて、オープンな展開から互いが攻撃を打ち合うような流れになると、交代で入ってきた中野が奪取からの展開で、ウェルトンへ渡し、最後は坂本がゲット。重心が下がっていたガンバが一発を仕留めてゲームを動かし、以降はクローズ体制へ。山下を走らせる形はあるものの、基本的には割り切って重心を下げて奪ったら前に蹴り出すという1点を守るプランに入り、逃げ切りに成功した。浦和も90分を通じてそこまで内容が悪かったとは思わないが、チャンスを決め切れず、カウンター対応で一瞬の隙ができたらこうなってしまうという典型的な流れになってしまった。

 

個人的MOM

★三浦 弦太

サンタナに密着マーク。ボールに関与していないところでもバチバチにやり合い、起点を作らせず、シュートも満足に打たせなかった。また、三浦が人につくぶん、スペース管理でカバーリングが光った中谷も○。

 

グスタフソンはビルドアップでも崩しの局面でもポジショニングのタイミングが絶妙で、相手が捕まえられないタイミングで出てくる。シュートシーンも崩しは完璧だっただけに枠へ飛ばせれば。

 

2024 J2第11節 清水エスパルスvsベガルタ仙台 メモ

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流れ

1分、トランジションから前4枚の絡みで一気に前に出ていく清水。左の山原に流してゴール前に4枚入り、クロスを待つ。山原なら上げてくるだろうという信頼があるか。

清水のビルドアップに対し、4トップ気味でけん制をかける仙台。2トップで中央を守りながら、広がったCBにはSHがプレスのけん制をかける。

清水のSHらがボランチ脇に入ってきた際、仙台のSHはゲートを狭めるポジショニング。SBには出てから寄せればOKという感じか。

仙台の右サイドは郷家が中に入ってくるぶん、髙田が大外の高い位置を取る役割分担。

仙台はブロック形成のライン設定は高めにしているが、そこまで積極的に奪いにはいかない。守備でオープンにしない意識を感じる。SHだけ状況に応じて前に出ていくタスクを持っているように感じるので、出ていった際の後ろのコンパクト維持がカギか。

仙台は自陣撤退時に2トップもある程度深い位置まで戻してカウンターの色気を残さない。

9分、トランジションからブラガが中央を運んでシュートまで。清水のアタッカー陣の質を考えると、仙台はトランジション時のバイタルケアが若干間に合っていないか。

北川は2ボラの背後をのぞいてきてクッション役。

仙台は自陣撤退時、逆サイドのSHがPAアークくらいまで中央にしっかりしぼってきて中盤のラインでつながる。

ブラガはかなり中央寄りに入ってきてFWのエリアに近い場所に立つ。矢島はIH的な立ち回りで、3センターに近い。大外は両サイドともにSBが担当。

ボールプレーヤータイプの相良と中島が左サイドで絡みながら後ろから石尾が飛び出してきて3人目の動き。

15分、清水先制、1-0。後方からのロングボールでカルリーニョス?が競り勝ち、セカンドで抜け出したブラガが流し込んでゲット。仙台はクローズ展開に持ち込もうとしていたが、プレスに出ていった際に全体が引き延ばされ、競り勝てなかったことで直線的にゴールへ向かわれた。

仙台のビルドアップは石尾が絞り気味の3バックっぽい形。ボランチが2トップ裏で待機。

仙台は中盤のゲートを閉じる意識が高いので縦パスでライン間に刺されることはあまりないが、そのぶん大外へのスライドに時間がかかるので、相手SBのところをハメるポイントにすることが難しい。

菅田から背後へフィードを送るも、清水CBは両方とも空中戦に強く、仙台のボランチがピックアップ意識で押し上げが遅れるため、セカンド回収で清水が優位に立つ。

相良が前をにらんで石尾が連動して押し上げてきたタイミングで権田からブラガを狙う。清水は常に相手の矢印の背中を取ろうとしている感じ。

矢島はFW-SHのゲートに立ちつつ、SHが前に出ていったらボランチ脇に移動してフリースぺースをに潜る意識。

仙台はCBが若干右寄りにずれて、左CB不在っぽい形のハーフウェイラインでのビルドアップ。左CB位置にサポートが欲しい際には、近くの選手が察知して立ち位置を調整。

清水の4-4-2セットに対し、仙台はライン間に入ったり、ニアゾーンに入ったり、シュートシーンの1つ前の場所に入り込むこともなかなかできない。

清水は右サイドでの組み立てで縦が塞がれたら、吉田→宮本のワンタッチでブラガを目指すパターンがよく見られる。

 

清水がボールを保持し、仙台がセットしながらのプレスで対抗する構図。仙台は基本的にオープンな展開が増えないような守備のプレー選択で、SHが絞ってゲートを閉じ、縦パスを簡単に入れられないようにセット。そのぶん、大外へのアプローチが遅れるので、前向きの圧力を高めていくことが難しいが、アウェイ清水戦という難しいゲームでの戦い方としてまずはロースコア勝負という戦略なのかもしれない。清水はボランチと北川が相手の矢印の背中を取りながら経由地点を確保。ブラガとカルリーニョスがバイタルで持てたときには一気にスピードを上げて直線的にゴールへ迫る。サイドの深い位置を取れたときにはゴール前に3枚近くが入って、圧力を高める。仙台はクローズ展開を狙ったが、比較的早い時間にロングボールで一気にゴールまでいかれてプランが崩れる。徐々に保持できる時間もできるが、ライン間に潜ってエリアを押し上げるフェーズをなかなか作れず、清水守備にストレスを与えることはできなかった。ロングボールでは分が悪いので、ショートパスでの前進やサイドで深い位置を取る押し上げが必要になってくるか。

 

後半

仙台はボールサイドの横サポートを消すためにボランチが前に出てつぶしにいくが、清水は2トップをそのスペースに潜らせてポイントを作る。特に北川はバイタルのフリースペースへもぐる意識がかなり高く、仙台はそこを捕まえられていない。

53分、清水追加点、2-0。自陣で吉田が奪取し、そのままスルーパス。北川がラインブレイクしてゴール前まで運び、落ち着いて決め切る。仙台は中島がボランチ脇で起点を作り、良い前進ができたが、ロストでフィルター不在になり、一気にゴールまで持っていかれた。

清水が比較的激しく寄せて奪いにいっている中、主審のジャッジが割とコンタクトに寛容で、仙台がその基準に対応できずにいる。

仙台はボールサイドの相手ボランチにそのままボランチが食いつき、その背後のライン間の選手にもう1人のボランチが絞てって対応、2トップ裏に入ってくる選手には逆サイドのSHが絞ってくる。かなりボールサイドに寄せた守り方。

59分、仙台交代

髙田、工藤蒼→真瀬、松井

中島がハーフスペースでピックアップしてポイントを作ることで前半よりもプレーエリアを上げられている仙台。清水がそこまで前にこないことも影響しているか。ただ、そのぶん後方にはスペースができ、清水がロングカウンターを打つ余白が生まれる。

石尾が絞る3バックビルドで清水のSHをおびき寄せてから中島がその背中を取ってポイントを作る。

65分、仙台得点、2-1。中島がバイタルを運んでシュート。権田がはじいたボールを相良が回収してラストパス。中島が詰めてゲット。徐々に敵陣まで運べるようになっていた仙台がオープン局面から1点返すことに成功。

68分、清水交代

矢島、ブラガ→松崎、西原

松井はかなり広く動いて、受けてはたいてを繰り返し、攻撃にテンポを出す。また、セカンド回収でも出足が良く、二次攻撃につなげる。松井が自由に動き回るぶん、長澤がバランスを取るポジショニング調整を行う。

仙台の得点後から一気に仙台が押せ押せの流れに。

71分、清水交代

吉田、カルリーニョス→北爪、蓮川

清水は3-4-2-1にシステムを変更。

74分、仙台交代

中山、中島→エロン、鎌田

鎌田が右SHに入り、郷家が2トップの一角へ移る。

清水は5-4でセットし、3バックの左右が前も横も積極的に出ていく。ゴール前は逆サイドの3枚で埋められるように徹底。住吉と蓮川というバトルに強いタイプの枷を外してアタックを強める算段?

79分、清水交代

北川→タンキ

清水は10分以上を残して交代カードをすべて消費。

83分、清水追加点、3-1。松崎が前線でポイントを作って押し返すフェーズを作ると、PA内で受けた西原が個人技から見事に決め切った。清水は重心が下がっていた中でメンタル的に引きあがる1点。

タンキがフィジカル的に優位に立っており、アバウトめなボールでも前に送っておけばポイントを作ってくれる。

91分、仙台交代

長澤→オナイウ

93分、仙台得点、3-2。最終ラインからの配球でPA内に抜け出したオナイウが切り返しからニアを抜く。シンプルな攻撃から投入直後のオナイウが早速結果を出した。

95分、蓮川が倒れ込む。仰向けでひざを上げて腿裏を抑えている。足を固定している感じなので、筋肉系というよりもどこかの関節系のトラブル?そのままピッチアウトし、清水は1人少なくなる。

仙台がパワープレーに出てくるも清水が逃げ切り成功。

 

仙台は後半に入って、ボール保持のラインを上げられるように。清水が落ちた、もしくは落とした影響もあったと感じる。ただ、清水も相手の保持を自陣まで引き込むことで前線のスピードを持った選手を走らせるカウンターが打てるスペースを得ることになり、トランジションからの一撃を狙う。前半から仙台がトランジションでバイタルにフィルターを作れていなかった流れもあり、清水がカウンターで追加点奪取に成功。クローズで試合を動かせなかった仙台にとっては痛い2失点目。ただ、そこから中島がボランチ脇をのぞいて起点を作るなどして陣地を押し上げる。前半にはなかった相良の仕掛けなどで攻撃の形を作り始めると、中島と相良の連係でこじ開けて1点差に。その後も仙台がボール保持で押し込む時間を作り、ペースを握る。途中出場の松井が自由に動き回りながらボールをさばいてリズムを作り、セカンド回収でも効いていたことで二次攻撃にもつなげられた。清水は早めの選手交代で前線をフレッシュにしつつ、最終ラインの枚数を増やして迎撃に出やすくする作戦。重心が下がるぶん受ける時間は増えるが、そこは前線のタレントがポイントを作ることで時間を創出。松崎の収めやタンキのフィジカル優位を生かしながら押し返しを図り、西原の個人技から3点目を奪取。これでメンタル的にも余裕が生まれたが、仙台も後半アディショナルタイムにシンプルな裏狙いから2点目を奪取。最後はギリギリの攻防も清水がなんとか逃げ切った。清水としては前半から主導権を握って、高いプレーエリアを維持することに成功。後半も序盤にカウンターで突き放し、受けに回った時間でも一刺しを決めるなど、2失点こそしたが攻撃は理想的な流れで得点を奪えた。一方の仙台は森山監督が試合後に「消極的だった」と話していたように、前半はローブロックでゲームコントロール重視に見える守備を敷き、ボールを奪うポイントを作れず。スコアレスで折り返せれば許容できたかもしれないが、1失点が痛かった。また、3失点ともキワでの攻防や個人のエラー起点で生まれており、組織としてもそうだが、個人のところで決壊を防げなかったのが難しかった。クローズで進めながら最低でも1失点にとどめられていれば、90分のプランニングとしては十分勝ちに持っていける可能性はあったように感じた。

 

個人的MOM

★北川 航也

ベースポジションは2トップながらボランチ裏で常にフリースペースを探し、バイタルでの起点作りをこなす。そして、降りる仕事だけでなく、トランジションからラインブレイクでチーム2点目を決めるなど、様々な役割をこなす万能型ストライカーとして存在感抜群だった。

 

トピックス

途中出場の蓮川が負傷交代、足のどこかにアクシデントがあった模様。テーピングでぐるぐる巻きになっていたのも気掛かり。

 

2024 J1第8節 アビスパ福岡vsサンフレッチェ広島 メモ

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流れ

福岡の保持に対して広島が強くプレスを掛ける。福岡はロングボールで陣地を押し上げつつ、サイドのワンツー等で深さを取りにいく。

前3枚が中央に残りつつ、松本泰がサイド裏に出ていく。

ザヘディはけっこう左に流れてくる。

川村がアンカータスクで松本泰が半列前。

大橋はボールサイドのハーフスペースまで動いてピックアップ役と3オンラインからの連係を作る役。1トップとシャドーらが3人で直線になってそこからスルーを交えてつながっていく。

10分、前線3枚の連係でザヘディのシュートまで。大迫がセーブ。広島がセットプレーからチャンスを作ると、福岡が流れの中からチャンスを作って対抗。

11分、湯澤が強引に縦突破してクロス。こぼれ球を前嶋がシュートも大迫が好セーブ。ザヘディがターゲットとして待っていることでゴール前のパワーはある。

岩崎が右から外を切るように寄せていく。広島のGKを使ったやり直しに対してはそこまで深く追っていかない福岡。

ザヘディが左右に動きながら深さを作り、タッチライン際を縦に運んでいってクロス。上げられずともCKを取っていく戦略の福岡。

21分、福岡先制、1-0。湯澤が東とのマッチアップで強引に突破し、ファーサイドに飛び込んだザヘディが合わせてゲット。湯澤は立ち上がりから強引に仕掛けており、止められても姿勢を代えなかったことが得点につながる。福岡がテンションを上げてボールを奪いにいき、広島に持たれる時間を減らせていたタイミングで先制する理想的な展開。

25分、広島同点、1-1。右で深さを取って得たCKから佐々木が頭で合わせてゲット。広島がすぐさまタイスコアに戻す。

29分、岩崎に警告。

福岡は5-4ブロック。岩崎が前に出ていきたがっているので、その裏のスペースは空きやすいか。

20分ころまでは福岡がセカンド回収で優位に立ち、サイド攻撃で深さを取れていたが、徐々に広島が回収で優位に立ち、保持の時間を作っていく。福岡は自陣でセットしつつ、受け手に後ろから強く当たって起点をつぶしにかかる。

広島はクロスに対して逆サイドのWBがファーサイドターゲットになる。中野ではなくなっているぶん強さは落ちているが、それでもタスクは同じ。

広島の3バックに対して3トップが前に出てきてプレスを掛けると、ボランチ脇に加藤が入ってきてポイントを作る。

 

序盤は福岡がロングボールからのセカンド回収、そしてロスト後のカウンタープレスで主導権を握り、サイドの深い位置からクロスを入れたりCKを取ったりでゴールへ迫る。右サイドは岩崎と湯澤といった縦方向に強引に運べる選手がそろっており、そちらは深い位置までゴリゴリ運んでいく。先制点の流れも湯澤がルーズボールを収めて強引に突破したところから。ザヘディがファーサイドでのパワーで上回り、ゲット。広島はなかなか自分たちのペースに引き込めなかったが、失点後は前の勢いを出してすぐに追い付くことに成功。その後も自分たちの時間を作り出し、サイドの連係からのクロスでゴールへ迫った。ただ、福岡もゴール前は堅く、質の高いチャンスはそこまで多くなかった。

 

後半

広島はショートパスでの連係で前に進みつつも最終局面には持ち込めず、福岡はシンプルに前線へ送ったところからの押し上げで押し返す。

51分、オープン気味の展開から湯澤がクロスを入れ、ザヘディが中で合わせるもギリギリ枠外。福岡にビッグチャンスも決められず。

中央でもサイド流れでもザヘディが起点になって押し上げるポイントを作る。

広島は前がかりになったところのリスク管理で3バックの迎撃の強さとボランチのプレスバック強度によって中盤のポイントをつぶしにかかるが、逆にそこを抜け出されるとサイドのスペースを突かれやすい。

54分、田代に警告。

いつからか不明だが、満田が右、加藤が左に入れ替わっている。満田も加藤もライン間待機でシャドーとボランチの背後で空いたところに動いていく。

57分、佐々木に警告。

福岡が前からプレスを掛けに行ったときには中盤でスペースをもらっているシャドーに蹴る広島。ただ、福岡もそこをケアし、ボランチがフィルター位置で準備。

59分、福岡交代

重見→紺野

岩崎が前にプレスを掛けに行ったタイミングでその裏に入ってくる満田。

60分、ザヘディに警告。

63分、グローリに警告。大橋は10分程度でCB2人に警告を与える。福岡は敵陣保持からのロストでカウンターを食らい、最終ラインが無理をしなければならないシーンが何度か見られる。ボランチがサイドの絡みに出ていく分、フィルターがいなくなる。

66分、川村に警告。互いにトランジションで中盤を突破されかけたときの対応に負荷がかかっており、そこでうまく球際が作り出せないと、または作れても抜けられるとファウル覚悟のチャレンジになる。

71分、広島交代

東、越道→志知、新井

73分、前嶋に警告。

75分、福岡交代

ザヘディ→ウェリントン

78分、岩崎が中盤でのパス交換からサイドを縦に抜け出し、サポートに来た紺野が縦に突破してクロスも前嶋には合わず。さすがに前嶋のみのターゲットでは難しかった。

80分、広島交代

松本泰→小原

小原が左のシャドーに入り、満田がボランチに移る。

83分、ウェリントンに警告

福岡はうまくフィルターを掛けながら縦に入ってくるボールをひっかけているが、奪ったあとのパスがつながらない、もしくは素早く囲い込まれて押し返せない。

福岡はシャドーが内を切りながら3バックに寄せていくも、ボランチ脇にのぞいてくるシャドーを捕まえられず、広島の前進を許す。

89分、福岡交代

岩崎→北島

終盤は広島のペース。福岡が攻守両面で押し返せず、自陣で受ける時間が続く。ただ、広島もパスミスでスピードアップの機を逸している印象。

 

立ち上がりは広島が保持から、福岡がザヘディに当ててからの押し上げからまずはプレーエリアを上げにかかる。福岡が湯澤のクロスからザヘディに合わせる形で先にビッグチャンスを作ったものの決まらず。広島はアタッキングサードまでは入れるが、入ったところから前向きを作ることがなかなかできず。互いに保持時にボールサイドや前に人数を掛けることから、トランジション時に中盤に空洞が生まれやすく、そこでつぶしが利かないとファウルで止めるという流れが生まれた。それゆえに最終ラインと中盤の選手に多くの警告が出ることになった。ただ、そこでファウルや警告と引き換えにピンチの芽を摘むことで、危険なシーンを減らしたとも言える。終盤は福岡が奪取からのつなぎがうまくいかずに受ける時間が増え、広島がプレーエリアを押し上げて攻め立てたが最後のところは割れず。互いに決定機と呼べるシーンが少ない引き分けに終わった。攻勢を強めた時間が多かったのは広島だったが、チャンスの質で見れば福岡のほうが勝機があったかもしれない。ザヘディが2点目を決めていれば完ぺきだった。

 

個人的MOM

★湯澤 聖人

先制点の完璧なアシストに加え、2点目のアシスト未遂も。広島の左サイド攻撃からの進入を防いだ場面も見事。ここ数試合はごり押しの推進力が良い方向に作用している。

 

2024 J1第8節 横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ メモ

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マリノスは中2日→中2日かつ、このあと中3日でACLが控えていることもあり、大幅ターンオーバー。喜田はメンバー外。

湘南はソンボムグンが出場停止。田中が代表活動により欠場。

 

流れ

左奥に抜けて強引にゴールへ向かう塩貝。キックオフ直後のスプリントも含め、スタートからエンジン全開。

2分、ルキアンが榊原から奪ってそのままシュートもポープの正面。決定機も決められず。榊原は1stタッチでいきなり致命的なロスト。

湘南が前向きの矢印を強めて前に出ていき、マリノスが前進に困る立ち上がり。湘南は鈴木章が下りて食いつかせておいて、アップバックスルーでルキアンがスペースに出ていく。

サイドに流れる植中にはボランチがそのままついていく。SB-WG間に起点を作らせない。湘南が2トップでアンカーを見ながら、CBの運びもけん制できているので、後ろが人をしっかり見ながらマークできる。

マリノスはSBがインサイドを取って、大外はWGが下りてきてパスコースを作り、食いついてきたSBの裏にインサイドからSBが走る。

マリノスはCBが広がって2トップ脇から運び出す動きを見せ始める。

11分、湘南が畑のところで奪ってそのまま運び出し、横断からのパスで最後は鈴木雄がシュートまで。湘南は保持でも非保持からのカウンターでもゴールへ向かう形を作れている。

塩貝はオープン局面ではサイドに流れて、タッチライン際で大きく出してスピードでちぎろうとしている。

13分、渡邊に警告。

マリノスは4-1-4-1セット。

上島から左への対角フィードが何度も飛ぶ。

湘南は2トップが見切れない横幅はSHが前に出て対応するように調整。CBにジャンプして出る形になるので、マリノスはWGのマークがボケて、インサイドに入ってくることでフリーマンになろうとしている。ただ、湘南がボランチを絞らせてギリギリバランスが崩れないようにしている。

20分、マリノス得点、1-0。ショートコーナーから松原の配球にポケットへ飛び出した水沼。ルキアンが蓋をしに行ったが、入れ替わって折り返しを許し、中で塩貝が合わせてゲット。ルキアンは体を入れてゴールラインへ流そうとしたが、ボールの勢いが弱く、外へ出せなかった。湘南は良い流れで入れていたにも関わらず、安い失点で流れを明け渡す。

23分、右で作ってからファーで小池裕が浮いてシュートも馬渡が好セーブ。マリノスが畳みかける。

26分、池田に警告。トランジションに向けた配置が整っていない中でクロスを上げてはね返されて、ファウルで止めるという悪循環。湘南は失点でメンタル面にも影響が出ていそうな雰囲気。

30分、マリノスが自陣トランジションからロングカウンター。植中が右のスペースに抜けてからの折り返しを塩貝が収めてシュートまで。フィニッシュに持ち込むまでの形が見えている。

周りからのお膳立てもあって塩貝に多くのシュートチャンスが訪れている。

得点後からは完全にマリノスのペース。マリノスは大外で幅を取ってSBを引き出してからチャンネルに走る。また、インサイドで持った際にもスクエアに入り込んでチャンネルで受けることを意識。

マリノスは塩貝のチェイスに加え、小池裕の外切り、ナムテヒの押し上げでボールホルダーにプレスを掛けていく。湘南はCBが孤立する形にしており、SBがサポート位置にあまり残らないので、危険な中央につけてどう前進していくかの勝負。

40分、湘南同点、1-1。GKを使ったビルドアップから下りる鈴木章が空いた中盤でピックアップし、PA前まで運び、混戦になったところを平岡が振り抜いてゲット。湘南はペースがきていない中、徐々に勇気をもって中央で縦につけられるようになった流れでの得点。マリノスは前に人数を掛けていったが、ホルダーへの寄せが甘くなり、中盤の空洞を突かれる。

 

立ち上がりは湘南が4-4-2セットで受けての選手をつぶしながら非保持でペースを握り、攻撃でもルキアンの起点作りで押し上げながらスペースを突いてコントロールマリノスはGKをビルドアップに加えながら、相手2トップの監視が届かない場所にCBが開いて運び、ずれを作ろうとする。また、SBがインサイドを取り、WGとの連係から相手SB裏を狙う形も。総じて湘南が相手にボールを渡しつつも自分たちのやり方でコントロールしていた印象だが、セットプレーから安易に失点すると、マリノスが勢いを増す。そこから湘南は安直なロストからカウンターを受けて、警告ももらうなどメンタル的な崩れが出てリズムを失う。ただ、徐々に保持で勇気を取り戻すと、中央で縦につけるパスでマリノスの薄いアンカー周りを突いて前進できるように。その流れが始まってすぐで平岡の得点で同点にした。マリノスはイケイケの流れでリスク管理や、チェイスの圧に緩みが生じ、その一瞬でゴールまでいかれた。湘南はある程度プランどおりに進められた時間もあったため、肝はメンタル面。最後のところを踏ん張る、自分たちのプランをブラさないことが重要。マリノスは修正力は見せているだけに、致命的なミスの数を減らしたい。前向きに奪われて直線的にゴールへ向かわれる回数を減らせるか。

 

後半

46分、鈴木章がサイドに流れて深さを作り、折り返しから奥野のシュートまで。

47分、マリノス勝ち越し、2-1。湘南2トップが深くまでプレスに出ていって外され、マリノスが一気に奥の水沼につけると、逆への展開で小池裕がシュートまで。馬渡はキャッチし切れずにはじくとナムテヒが押し込んでゲット。湘南は2トップが追って外されたあとにあっさりオープン局面を作られたのが痛恨。馬渡もより良い処理ができればよかったが、その前の流れが悪かった。

馬渡はプレス耐性が高く、寄せがきていても空いているところを見極めてしっかりとつなげている。保持のところでよく特長が出せている。

55分、マリノス交代

塩貝、小池裕→ロペス、宮市

塩貝は得点を取るなど、存在感を見せていたが、時間の経過とともにプレー精度が落ちていった印象。ただ、大学2年の代において、プロでの2試合目、初先発と考えれば十分な働き。

59分、湘南交代

茨田、鈴木章→髙橋、福田

60分、平岡が強引に運んで福田が背後へ抜け出し、ポープを抜きにかかるも、ポープがうまくボールへアタックし、阻止。

65分、マリノス交代

植中、水沼→山根、マテウス

68分、湘南交代

平岡、池田→石井、小野瀬

湘南はPA付近まで良い形で攻められているが、ブロックを外すには至っていない。

72分、湘南が攻撃的に前へ出ていったあとにマリノスのロングカウンター。宮市のラストパスにロペスが抜け出すも大岩がファウルで止める。原判定は警告だったが、オンフィールドレビューの末に大岩にはレッドカードが提示される。キムミンテがギリギリ戻れているように見えるが、ドグソの判定に。湘南は2試合連続で数的不利に。

77分、山根に警告。

湘南は髙橋がCBに下がって4-3-2気味のセット。

80分、湘南同点、2-2。ルキアンがスペースに流れて深さを作り、折り返しをバイタルで引き取った福田が思い切り蹴り込んでゲット。数的不利の中で値千金の一発。

81分、マリノス交代

榊原→小池龍

82分、湘南交代

畑→杉岡

湘南は守備時、福田が右SHに入るが、切り替えで前に出ていき、フィニッシャータスクも担う。

85分、加藤蓮が座り込む。接触のないところでひざを気にしていた。

マリノスは交代枠を消費し切っており、代わりの選手を入れられない。10対10に。

→89分、加藤蓮は時間をおいてピッチに復帰。ただ、前線に入る。

湘南はトランジションでまずルキアンに預けてCBを背負ってもらい、起点を作る。マリノスもCB強く当てていくが、苦にせず起点を作るルキアン。

加藤蓮が接触で痛む。プレーには復帰するも状態はどうか。

マリノスは宮市とロペスを最前線に残し、奪ったらすぐに背後のスペースを狙う。

加藤蓮が万全ではないこともあり、左サイドには送り込みにくいマリノス

 

湘南は立ち上がりに2トップが深くまで追っていったところで奪い切れずに、そのままカウンターを受けて失点。その後も攻撃を受けつつも、トランジションから一発で背後を取ってゴールへ迫るなど惜しいシーンは作り出す。また、敵陣保持も作り、攻めるがブロックを崩すまでには至らず。湘南はビハインドの状況でリスクを掛けながら前に出ていくと、その背後を狙われ、大岩がドグソで一発レッド。2試合連続での数的不利となる。ただ、最前線にルキアンを残して起点を作り、そこで押し上げられることで攻撃に転じる局面も作り出す。ルキアンへの絶対的な信頼もあって、湘南は切り替えでしっかりと前に出てくる。ルキアンの奮闘もあって、湘南が数的不利の中で福田のゴールで同点に。その後はマリノスが攻勢を強めながらも湘南が粘って、あわよくば3点目という戦略に入るも、どちらも3点目は生まれずに終了。湘南はもったいない失点が続いただけに、内容でポジティブになれるかどうかは微妙なところだが、アウェイで上位相手に、さらにビハインドから数的不利になった状況を考えると価値ある勝点1。連敗求めた。マリノスは大幅ターンオーバーの中でも自分たちの土俵に持ち込む時間を作れたが、やはり喜田の不在は大きかったように感じる。一度プレスラインを抜け出されたあとのつぶしが効かず、ゴールまで向かわれた。それでも3点目を取れなかったことがこの試合におけるポイントであり、十分に勝利に持っていけた試合だった。

 

個人的MOM

ルキア

どの試合でもチームの攻撃の根幹を担っているが、数的不利になってからはまさに“戦術ルキアン”。まず彼に当ててから押し上げが始まり、陣地を回復していった。福田の同点弾も彼の起点作りがあったからこそ。

マリノスは水沼が2得点に絡む活躍。抜け目ないアシストと正確無比なパスの供給で、サブ組中心のメンバーの中、攻撃を引っ張ったが、勝利には結びつかず。

 

トピックス

加藤蓮が負傷。接触のないところでひざを気にするそぶりがあった。プレーに復帰したが、痛がるそぶりはあり、程度は不明。