石狩西防砂堤で18年ぶりの投げ釣り
2018年5月12日。土曜日の昼下がり。
特段用事もなかったので、僕は妻に相談して釣りをする事にした。
「あのさ、中学生ぶりに釣りをしたいと思っているんだけど、いいかな・・?」
自分でも何のための許可を求めているのかよく分からなかったが、とりあえず「相談」という体で話を進めた。
妻は快諾。驚いたのは「私も連れていけ」という一言。
そそくさと実家の物置で埃をかぶってあった投げ釣りの竿を車に乗せて、創生川通沿いのフィッシュランドに足を運んだ。
(僕は外回りが仕事という事もあって、この日を境に随分と色々な釣具屋に足を運んだが、ここの店員さんは他の店と比べても頭二つ抜けるくらい親切で、ここの店員さんがいなかったら僕はここまで釣りにハマっていなかっただろうと思う)
「あの、初心者なんですけど釣りについて教えてほしくて・・」
(たどたどしく、「あれ」とか「これ」とか語彙の少ない質問でも釣りについて丁寧に教えてくれたあのお兄さんの事はこの先も忘れないと思う。)
幼少期からそうだったのだが、なんとなく僕にとって「投げ釣り」=カレイだったので、その日もカレイの遊動仕掛け13号と25号のおもり、そしてイソメ(黄色)をお薦めされるがままに購入して石狩湾新港に向かう。目指すは人の少なそうな西防砂堤。
西防砂堤を選んだ理由としては、
①車を止めてから800mほど歩く事から、人が少ない=ほぼ初心者の僕とド初心者の妻が何かやらかしても迷惑を掛けない=安心。
②これまたフィッシュランドの釣りマップでカレイが釣れると記載してあった=他での実績あり=万が一釣れなかったとしてもその日は運が悪かったと諦められる。
③防「砂」堤=カレイと言ったら砂にいるだろう。
こんな安直な思惑から800m程の道中を歩き、途中のお地蔵さん(?)に「どうか釣れますように・・・」と歩きながら願を掛け(※けっこうお供え物もあったので、釣り人の願掛けかな?なんと思いながら)、現地に到着。
この日は14時半頃に現地に到着したのだが、その時にはチカ釣りやカレイ釣りの方々で釣り場はけっこう混み合っていた。見事に思惑は外れたのである。
僕は自他共に認めるチキン野郎なので、釣り人が多かったり玄人っぽい人が多いと、せっかく釣りに行っても「ただ海を眺めて帰ってくる」という特技を持っているため、刹那的に車に戻りたくなったが、そこは800m程度の道中を戻るのも面倒だったので何とか相手そうなスペースを見つけ釣り座を構えることにした。
(今考えるとぜんぜん空いてたなぁと思う。そして、大抵の釣り人は良い人ばかりなのに何を恐れていたのかなと未だに自分でも疑問に思う。)
まずは人が少ないので港内側。踊り狂うイソメをなんとかなだめて18年ぶりの渾身の一投!!
投げた仕掛けとイソメは無情にもブチっという音と共に海中に沈んでいきました。。
そう、この時僕は18年のブランクから糸の結び方さえもよく分かっていなかったのです。※もちろん妻も。
そのため、改めてGoogleで「釣り 糸の結び方」なんて調べながら仕掛けを作る。
※仕掛けを作るのもイソメを付けるのも基本僕の役割です。
ようやく完成して港内側に慎重に投げる。たぶん25mくらいしか飛んでなかったと思う。だが、これでようやく釣りになった!あとは待つべし!
待つべし!!
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待つべし!
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まつべし・・・。
待てども待てども釣れないわけです。
ただ、途中リールを巻いてくると投げたイソメが取れてるのを見て「魚に喰われた!」なんて言いながら自分を奮い立たせていたけれども限界が来るわけです。
隣にいる人も海よりも携帯を眺める時間の方が長いような・・・。
釣りって簡単に釣れないね、帰ろうかな。なんて考えていた矢先、
興奮気味に妻が偵察から戻ってきて「あっち(外海側)の方でなんかでかい魚が釣れてた。あっちに投げよう!」なんて鼻息を荒くしており、初心者にとってはテトラに乗るのもすごく怖かったのですが(もちろんライフジャケットもその時は持ってませんでした)、おそるおそる「えいやっ!」とちょうど防砂堤の真ん中くらいから外海側に向かってキャスト。
夕日の逆光越しに見える小樽方面の景色が、ここ数年インドア生活を送ってきた僕には革命的に美しく感じて自分が今なぜここにいるのか忘れそうになりながら、竿先をボーっと眺めていると微かにコツンコツンとなんか掛かっているような。
引き上げて見ると、手のひらサイズのカレイ!!!!
感動もひとしおに再びキャスト!
しばらく待つと今度は竿先がグイグイっとする!
引き上げると今度はダブルで手のひらサイズカレイ!!!!
妻にバトンタッチ!(竿は1本だけなので)。
妻にも手のひらサイズのカレイ!!!
その後もカレイ!(手のひらサイズ)
さらにその後もカレイ!(手のひらサイズ)
手のひらサイズ!手のひらサイズ!
夕まずめも相まって入れ食い状態となりましたが、あやうく、
カレイ=手のひらサイズと思う程、手のひらサイズばかりが釣れました。
とはいえ、18年ぶりに再開した釣りでちゃんと魚が釣れる事を知り、帰りにラーメンを食べてお腹も心も温めた良い思い出となりました。