七草にちかは、俺だった【シャニマス】
七草にちかは、俺だった。
彼女は俺だった。
以下、七草にちかの共通コミュに関するネタバレが含まれますのでご注意ください。
「七草にちか」という存在
七草にちか。名字から分かる通り283プロダクションで働く事務員七草はづきの妹である。
齢は16
血液型はO型
特技は家事。趣味は音楽鑑賞
はづきさんの妹という以外に、プロフィール、ビジュアルに関して特別なものはない。昨年に追加されたノクチルの面々、また後日追加予定の緋田美琴と比べて正直パッとしない。平凡だ。
だが、彼女の真髄はその平凡さにあった。
平凡がゆえに
繰り返しになるが、七草にちかは平凡だ。
それはプロフィール、ビジュアルだけでにはとどまらない。アイドルの素質においてもだ。
シャニマスに登場するアイドルたちの馴れ初めは、オーディションや街中でプロデューサーが少女たちの才能に気づいてそのままアイドルになるというケースが多い。
だが、七草にちかの場合は違う。
彼女はアイドルになるため、半ば無理矢理といった形でプロデューサーに自分を売り込む。手段を問わず、プロデューサーを脅そうとしてまでも。そして最終的に、にちかは事務所に所属することになる。
だが、それは決して積極的なものではなかった。
プロデューサーは彼女にアイドルとしての素質を見出すことは出来なかった。それでもアイドルへの熱意を見せる彼女に折れる形で、最終的には実の姉であるはづきさんから「wingで優勝できなければ、アイドルは諦める」という厳しい条件付きでアイドルとして動き始めることになる。
こんなに後ろ向きなスタートのアイドルが他にいただろうか。
プロデュースが始まっても、プロデューサーの憂いは消えることがない。
それほどまでに彼女は”平凡”なのだ。普段ならアイドル達の才能に感化されて走り回るプロデューサーが、こと七草にちかのアイドルとしての将来においては足を止めてしまう。
プロデューサーの心配
なぜプロデューサーはそこまでして、にちかに思い悩むのか。
これまで通りのプロデューサーなら、アイドルの想いに応えて彼も全力で彼女をプロデュースするはずだ。だというのに、どうしてにちかのプロデュースにおいては消極的なのだろうか。
彼女にアイドルとしての素質がないからだろうか?
いや、ちがう。確かに彼女は平凡だ。だが、それだけなら彼女の能力を伸ばすためのレッスンを組めばいい。ならどうして?
それは彼女を思ってのことだった。
にちかのアイドルとしてのオリジン
にちかはいかにしてアイドルを夢見るようになったのか。
それは伝説のアイドル「八雲なみ」という存在が関係している。かつて存在した「八雲なみ」なるアイドルに憧れたにちかは自分もそうなろうとアイドルを志望する。
アイドルに憧れてアイドルを目指す。普通だ。
問題はそこからだ。アイドル、強いては「八雲なみ」に憧れるにちかは、自分自身に特別な才が無いことを自覚している。だから、彼女は自らのアイドルとしてのイデアである「八雲なみ」を真似る。
プロデューサーはそれを案じていた。
誰しも始まりは模倣から始まる。
平凡だからこそ自分にはない才に憧れ、それを真似る。それ自体は悪い事ではない。
だが彼女は「八雲なみ」にこだわりすぎていた。
「八雲なみ」というアイドル
八雲なみは、シャニマスの世界においては刹那的に活躍した伝説的アイドルとして知られている。それは彗星のように一気に輝き、そして芸能界からフッと消えた。七草にちかの物語は、八雲なみと共にある。
彼女の物語は、断片的に語られる。
始め、美しさしか持たなかった八雲なみはいくつものオーディションに落ちていた。そんな彼女を当時やり手のプロデューサーと言われていた天井社長が拾い上げ、強引なやり方で芸能界への階段を駆け上がる。彼女の本意とは違ったもののアイドルとしては確かに成功した。そして、彼女は芸能界を去った。
本意とは違う形でアイドルとして輝いた彼女は幸せだったのか、それは当事者以外にはわからない。だが、長く続かなかったということはきっと彼女に合ったものではなかったのだろう。
そんな刹那的で悲しさを纏う八雲なみに、七草にちかは似ていた。ただの真似ではなく、彼女のあとを追いかけそうになっていた。その先に待つのは、にちかにとって良いことなのか。プロデューサーはそれに気づき、悩んでいた。
幸せとはなんだろうか?
人にとっての幸せとは、一体なんなのだろうか?
当然それは個人によって異なり、画一的なものなどありえない。だからこそ幸せに答えなんて存在せず、誰にも正解は分からない。幸せとは自分で見つけるものだ。
なら、他人の言葉に耳を傾ける必要なんてないのだろうか?
いや、それは違う。幸せは自分で見つけるものだが、自分ひとりで考えられる幸せには限界がある。だからこそ他人の声を聞き、よりよい幸せを探すのだ。
七草にちかのコミュではそれが描かれる。
七草にちかの「幸せ」
プロデュース当初の彼女の幸せとは「八雲なみのようなアイドルになること」だ。
ここでの「幸せ」とは「目標」と言い換えてもいいかもしれない。
八雲なみに憧れアイドルを目指した彼女にとっての幸せ(目標)とは、憧れに追いつくこと以外に他ならない。彼女の動機がそれなのだから、それを満たさない限りその先は見えない。アイドルが簡単ではないことは知っている。それでも七草にちかはアイドルを目指した。
これが彼女がひとりで考え出した「幸せ」だ。
だが、我々は知っている。彼女が目指す幸せのその先に、真似できる道は存在していないことを。
七草はづきの考える、七草にちかの幸せ
七草はづきは実の妹である七草にちかが、「八雲なみ」という存在に憧れてアイドルを目指すことを知っている。そして、八雲なみのアイドルとしての人生も知っている。(これは憶測に過ぎませんが、事務員であるはづきさんが社長室にある八雲なみの白盤に気付かないはずがありません。そして白盤を見た彼女が、八雲なみと天井社長の繋がりに至らないはずがありません)
だからこそ、彼女は妹がアイドルを目指すことに反対した。傍目に見ても平凡なにちかがアイドルとして苦労することは目に見えていて、しかも八雲なみを心酔している。そんな彼女のアイドル人生が良いモノになるとは思えないから。そして、どう転んでも純粋にアイドルに憧れて笑っていた元の七草にちかに戻れないことが分かっていたから。
だからこそ七草はづきは、妹に対して厳しい条件を突きつける。
W.I.N.G.優勝。それはかなり厳しい条件だ。だが、それは姉なりの優しさでもある。他人から止める理由を先んじて与えられていれば、いざというときに区切りがつけやすい。
「アイドルになんてならないほうがいい」
それが姉の考える七草にちかの幸せなのかもしれない。
プロデューサーの考える、七草にちかの幸せ
プロデューサーの考えははづきさんと通ずるものがある。
初めはアイドル、八雲なみへの憧れを笑顔で語っていたにちかだが、いざアイドルとして研修を始めるとしだいに彼女の笑顔は消えていった。憧れを目指し、憧れとの差を感じ、アイドルとしての終わりを感じはじめる。
にちかにとって、これは幸せなことなのだろうか?
自分が彼女を事務所に迎えることで、彼女を不幸にしてしまったのではないだろうか?
彼女から笑顔を奪うことになってしまったんじゃないだろうか?
このままいけば、彼女は八雲なみと同じ道を歩むかもしれない。
だが、それでも途中で止めることはできない。自分で初めてしまったことだから無責任に放り出すことなんてできない。なら、自分にできることはなにか。
そして見つけたプロデューサーの答え
プロデューサーはにちかに笑っていて欲しいのだ。笑えているのなら、どんな道を歩もうとも、きっと幸せだから。それが、彼の考える七草にちかの幸せだった。
七草にちかは俺だった
七草にちかとは平凡な少女だ。何か突出した才があるでもなく、何かに憧れ、それに手を伸ばす。だけどそれは簡単には手の届かないもので、現実を知る。手を伸ばせば伸ばすほど、憧れまでの距離が見えてきて嫌になる。だが、他人から諦めろと言われても素直に従うことはできない。
それは誰しもが抱える悩みであり、俺もまたそのひとり。
七草にちかとは己を写す鏡だ。画面が暗くなるとそこに写るのは、画面の中の七草にちかと同じで現実に苦しむ自分自身の姿。七草にちかは俺であり、俺は七草にちかだ。……そうだ、そうだったんだ…………
俺が、俺こそがっ!
「七草にちか」なんだっ!!
映画「モンスターハンター」感想
結論から書くと、
映画「モンスターハンター」は近年希に見るガッカリ映画でした。
元々前情報でヤバイというのは聞いていたので期待はしていなかったのですが、予想を大幅に下回ってきました。個人的に、これまで見てきた映画のワースト上位に入る代物でした。ちなみに私的ワーストは「ハイライズ」という映画です。
以下、感想を書いていきます。
内容に関するネタバレがあるのでご注意ください。
なぜ砂漠をメインの舞台にしたのか?
モンスターハンターといえば、モンスターが生息する土地での生態系を見るのも楽しみのひとつ。だが、この映画の半分近くは見渡す限り黄土色の砂漠の映像です。そこに出てくるモンスターは「ネルスキュラ」と「ディアブロス」の二体だけ。他の生物の姿は一切ありません。生態系もなにも感じられない。そもそも彼らは何を主食として生活しているのか。ネルスキュラとディアブロスの2人だけで生態系を築きあげているのか。だが、その2人が戦うシーンはありません。
砂漠である理由がとにかく感じられませんでした。最初から密林を舞台にしてサバイバル映画っぽくしておけばよかったのに…
どうして言葉が通じない設定を使った?
この映画の主人公アルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、モンスターハンターの世界に突然転移します。
なので普通に考えれば確かに言葉が通じないのは当たり前なんですが、今作に限って言えばその設定を活かせているとはいえない。軍人風の成人女性と民俗衣裳っぽいものを身につけた成人男性が物を指差して単語だけでやりとりするシーンは「何を見せられているんだ…」と真顔になってしまいました。アニメでよくあるこれはデフォルメされた見た目だから見れていたんですね…
しかもその状態はほぼ最後まで貫かれる。途中、英語を話せる人が1人だけ出てきますが、相変わらず他の人が何を言っているのかは分かりません。そしてその人物が英語をしゃべれるのも「昔、英語を話す異世界人が覚えた」という理由。しかし、これも不可解な点が。その人物以外に英語話者は主人公を除いていないはずなんですが、その人物の英語はとても流暢です。他の人が英語を話さない環境で普段から使っていないはずなのにネイティブのような英語に違和感がありました。
もしかしたらそれは伏線なのかもしれません。過去に来た英語を話す異世界人と裏で繋がっていてナンタラ…という。ですが、結局その伏線が回収されることはなくなぜか英語を流暢にしゃべれるおじさんがいるという結界にしかなりませんでした。
こんなことから、ご都合設定と言われるかもしれませんが、最初から普通に言葉が通じたほうがストーリー展開的によかったと思います。プラスにならない設定なんて無くていんですよ。
必要性の感じないモンスター恐怖要素
物語の序盤から中盤にかけて描かれるエイリアン風の恐怖描写。蜘蛛型モンスターのネルスキュラがその役割を担うのですが、全体を通して見た結果、結構な尺を取って描かれた恐怖要素の意義が分からない。モンスターが恐ろしい存在だと言いたいのかも知れませんが、それはディアブロスだけでも伝わります。なのにしつこく描写されるネルスキュラ。人間を巣に連れ帰って餌にしたり、人間の身体に卵を植え付けて苗床にする描写は必要でしたか?
それに密林に移動した際、水場に近づいた瞬間突然に現れて驚かせてくるガレオス。完全に油断していたので本気でびっくりしました。どうしてそんなことをしたんですか? そのあとガレオスが物語に関わることはありませんでしたよね。私を含めた観客はなんで突然驚かされたんでしょうか? そんな恐怖描写は求めていないんです。
結局「爆発」が最強でした
モンスターハンターと言えば様々な武器種によるモンスター討伐。映画の中でも弓、双剣、大剣が登場します。この世界の双剣と大剣は火を発生させる力があるみたいです。理由は分かりません。しかし、その武器もモンスターを倒すには至りません。せいぜい表皮に傷を付ける程度。現代兵器の銃も固い外皮の前にはエアガンのようなものです。
じゃあ一体どうやってモンスターを倒せばいいのか?
答えは「爆発」です。
どんなに硬い外皮で覆われていて銃の弾が通らなくても、爆発させればいいんです。爆発物が付いた矢が最強です。RPGでも代用可能です。勝負の決め手になったのは爆発でした。もう剣なんて捨ててみんな爆発弓を持てばいいんじゃないかな。けれど。もしかしたら爆発矢は貴重なのかもしれません。爆発矢をどうやってつくってるのかも分からないのでただの推測ですが。
全てを投げっぱなしにした打ち切り漫画みたいな終わり方
映画の終盤、突然に空気が変わりました。異世界から現代に突然戻って、いつの間にかに異世界人も現代に転移してきていて、なんやかんやあってリオレウスを倒す。このあとどうやって帰るんだろう…と思ったら再び異世界へのゲートが開く。「ああここでお別れして終わりなのかな」と思ったら、なぜか主人公は異世界人と一緒に再び異世界へ戻ることに。なんで? そして新たなモンスターとしてゴアマガラが登場。お、また戦闘か。と思ったら主人公達とゴアマガラがお互いに向かい合って走り出す。お、おい。これって……。そして両陣営が接近して攻撃しようと腕を持ち上げ、タイトルロゴドーン!! そして映画は終了。
「…え?」
素の声が出ました。
「コレってよくある週刊誌の打ち切りエンドじゃん…」
結局なんで主人公たちは異世界に転移したのか分からず、そもそも主人公達は何をしている人たちなのかもよく分からず。そういえば主人公は指輪を大切にしている素振りを見せていたけど誰から貰った指輪だっただろうか。天の回廊とはなんだったのだろうか。
おわりに
そういえば最後までモンハンの音楽は流れなかったなぁ。英雄の証とかラストに流れるのかと思ってたけどそんなことはありませんでした。
この映画を映画館に見に行くなら、家でモンハンライズを遊んでた方が良いですよ。どうしても見たいというなら止めません。モンスターのCGはとてもクオリティが高かっただけでに残念です。続編は…どうなんですかね。映画の内容を見た限り難しそうに見えますが。
【ニーアオートマタ感想】人類に栄光あれ。
ニーアオートマタをクリアしました。ので、その感想をしたためようと思います。
まず、私のニーアシリーズのプレイ状況として、ドラッグオンドラグーンは全エンド見るまでプレイして、続編の2、3は未プレイ。レプリカントはプレイ動画で全エンドを見た程度の状況です。
ちなみにどうして発売から4年ほどだったこの時期にプレイしたのかというと、先日スマホ向けタイトルとして「ニーアリィンカーネーション」が配信開始され、レプリカントのリメイクの発売が迫る今が最適なタイミングだと考えプレイすることにしました。ちなみにソフト自体は発売当初に購入して、序盤だけプレイして積みゲー状態となっていました。
自分語りはこれくらいにして、早速本題に入ろうと思います。
今回は「ゲームプレイ面(アクションなど)」「システム面」「シナリオ面」の3つに分けて感想を書いていきたいと思います。(シナリオ面の項では本作のストーリーに関するネタバレを含みますので未プレイの方はご注意ください)
ゲームプレイ面(アクションなど)
触ってまず思ったのは、戦闘が楽しいということです。
戦闘アクション自体は、弱攻撃、強攻撃、ポッド射撃、回避とできることはシンプルな。ですが、あらゆる動きが軽快で戦闘に適度なスピード感があり、最後まで戦闘に飽きるということがなくプレイすることができました。
またポッド射撃が操作キャラの状態に関わず出し続けることができることも、戦闘のスピード感を維持するのに関係しているのかなと思いました。
ですが、その射撃を続けるためには常に射撃ボタンを押し続ける必要があり、戦い続けているとボタンを押し続けるのが少し面倒に感じたり。また、キャラのレベルが上がると近接攻撃のダメージが跳ね上がり、それと比べて射撃のダメージが微妙になったり終盤は射撃はただの飾りのように思えることもありました。それでも射撃ボタンからは手を離しはしませんでしたが。
一方、戦闘の楽しさと比べてマップ上の移動が煩わしく感じました。
上述したように戦闘は非常にスピーディーで楽しいのですが、戦闘が終わったあとの移動がとても面倒に感じてしまうのです。その原因は、移動に関するアクションにあります。
もちろん移動の手段としてダッシュはあるのですが、それがどうも使いづらい。走るためにはまず回避を出し、それから1、2秒ほど移動し続けてやっとダッシュに移行します。ダッシュに移るまでにわざわざ数秒待たなければいけないのがかなり大きなストレスでした。おまけにダッシュ速度もそれほど早くは感じられず、ダッシュが始まるの待つのが嫌でマップの移動をする際はずっと回避を連打して移動していました。
一応、ゲーム内にはファストトラベル機能が実装されてはいるのですが、それがまた微妙。ファストトラベルを行うためにはまずマップ上に配置された特定の施設に向かわなければならず、結局そこまで移動する必要があるので移動が面倒なことに変わりはありません。
戦闘が楽しいせいで、よけいに移動の面倒くささが目立ちました。
それと2周目操作キャラである9S特有のアクションとしてハッキングという名のシューティングゲーム。最初はちょっとしたミニゲーム感覚で楽しんでいたのですが、ストーリーの進行上ハッキングを多用するようになるとわざわざシューティング画面に移行してミニゲームを行うのが面倒になり、前述したアクションのスピード感が損なわれることと、特定の場面以外ではシューティングの使い回しが多いことからゲーム終盤は飽きが生じてしまいました。もうちょっとシューティングに遊びがあるとよかった。
移動に関してだけはどうしても気になりました。
演出・システム面
このゲームの評価の高さの最大の要因としては、作り込まれたシステム周りの演出にあると私は思っています。アクションやシナリオの素晴らしさも勿論あるのですが、それ以上に、凝った演出によってゲームへの没入感を高めったことが絶賛される理由の最大要因だと私は思います。
具体的にどんな演出が良かったのか全てを挙げるとキリがないので、特に良いと思った演出をいくつか挙げたいと思います。
プレイして思わず「おおっ」と声が出た演出の1つが、2周目が始まって少ししてからのイベント。
1周目プレイ時にプレイヤーはゲーム恒例の設定として画面の明暗や音量調整をチュートリアル感覚で行うことになるのですが、別に1周目プレイ時はただのチュートリアルとして何とも思っていませんでした。ですが、2周目ではチュートリアルの進行役を担っていた9Sを操作する都合上、1周目でプレイヤーが行った設定チュートリアルの画面を見ることになります。
やっていることは初回チュートリアル時のプレイ動画を流しているだけなのですが、ゲーム内で自分の操作を別視点で見るという感覚が新鮮で思わず声を出して唸ってしまいました。チュートリアルを演出の1つに昇華させているのです。
他にはダメージを負ってHPが減ると画面の色が失われていく演出。それ自体はよくある演出ですが、あるイベントの時にその画面色彩の変化がメニュー画面にまで反映されることに気付いて感心しました。小さなことですが、そうした積み重ねがゲームへの没入感を高めているんだと思います。
ただこうした演出のひとつとして、シナリオ上キャラが負傷してマップを負傷状態で移動するイベントがあるのですが、そのときに怪我の影響で走りやジャンプといったアクションが封印される演出があり、前述した移動の煩わしさと相まって、演出の凝り過ぎも時には仇になるのかなと思ったりすることもありました。正直、そのイベントはプレイしていてやりたいことが出来ないもどかしさがあり、非情にストレスを感じました。それを含めて演出だと言われたら「まあ、そうか…」と言わざるをえませんが。
その他にキャラの成長要素として、キャラレベルの他にプラグインチップと呼ばれるパッシブスキルの組み替え要素があり、操作キャラがアンドロイドという設定と相まって自分で選択した機能を追加していくのも「上手く考えたな」と思いました。
こうしたゲームシステムを演出として利用されると、思わず感心してしまいます。凄いですね。
シナリオ面
以下、ネタバレを含むので未プレイの方は注意してください。
シナリオは人の好みがあり、明るくて希望のある話が好きという人にとって今作のストーリーは受け付け難いものだと思いますが、シリアスで考えさせられる話が好きな人ならきっとハマると思います。
ストーリーを大きく二つに分けると、
1部:人類とエイリアンとの代理戦争篇
2部:ヨルハの真相篇
です。(私が適当に命名しました。異論は認めます)
1部は正直ありきたりな話、という印象です。
人類側の兵器として生み出されたアンドロイドと、地球外から襲来したエイリアンの兵器として生み出された機械生命体が互いの創造主の為に代理戦争を行う。これ自体はそれほど特殊な構造ではありません。話のエッセンスとして、「機械が感情を持つのか」という哲学的な問いを孕んでいますが、これも昔から使われてきた題材で、特別な目新しさはありません。
1部中盤でエイリアンは既に絶滅していることが明かされ、2周目の終盤では人類も同様に絶滅していたことも明かされます。ですが、これも話を進めていくうちに何となく予想がつくので意外性はありません。2周目が終わった当初の感想は「まあ、こんなもんか」というのが正直なもの。しかし、それは2周目終了時に流れる予告映像を見て変わりました。
そして始まる3週目、2部:ヨルハの真相篇。
タイトル(勝手につけた)の通り、ヨルハ計画の裏に隠された真相を知ることになります。ここからが本番。これまでの1周、2周目はいわばプロローグだったのです。それを裏付けるように、3周目で初めて「NieR:Automata」というタイトルが表示されます。3周目にしてやっと本編が始まったのです。
それまでに私が抱いた、「ありきたりな話」感は開発陣の想定通りの反応だったのです。だってプロローグなのですから。プロローグにしてはかなり長いですが(1,2周目だけで約20時間)。もしかしたらそこに至るまでに見切りをつけて、プレイを中断してしまった人を多かったのではないでしょうか。その気持ちは分からなくもないですが、是非3周目までプレイしてもらいたいです。ここからが本番ですので。
2部で引き込まれる要因となったのは、間違いなく、1周目操作キャラである2Bの死です。
なんとなく、3周目は2B・9Sに加えてA2を交えた3人体勢で話が進んでいくのかなとぼんやり予想しているなか、まさかの2B死亡。全くの予想外の出来事に、コントローラーを手にして呆然としました。
そして最終的に2Bを絶命させるに至ったA2に対する憎悪と復讐に囚われる9S。1部では機械生命体が感情を持つのかと考えていた9Sが、態度を一変させて非情になってしまうのはなんともいえない思いが。しかも黄金ロボのイベントでは家族への復讐を考えていた機会生命体を見て「理解できない」と言っていたのに…
そしてパスカルたち平和を望む機械生命体たちに起こる異常、自我を失うアンドロイドの仲間たち、突如地中より現れた謎の建造物。まさに地獄。
「もう人間もエイリアンもいないのに何故争うんだ!」
たぶん私を含めて、プレイした人は皆そう心の中で叫んでいたことでしょう。
そして明かされるヨルハ計画の真相。全てはアンドロイドのアンドロイドによる、アンドロイドのための計画。ヨルハ計画とは、アンドロイドの存在意義を守るための盛大な自作自演だったのです。その事実を知ったときの、なんと虚しいことか。9Sの気持ちも分かります。
そして物語の終幕であるEエンド。最後の敵は、ゲームの制作陣。次々と襲いかかるクリエイター達とのラストバトル。諸悪の根源である彼らを打ち倒すことで、私達プレイヤーは最期を迎えられるのです。スマブラDXのスタッフロールシューティングを想起させる戦いは苛烈を極めます。やっぱりSQUARE ENIXは強かった。何度も倒され、終いには先人達の助太刀を得て全てのクリエイター達を打ち倒した先に待つのは究極の選択。
そして私は、世界を救済するための礎、概念体へなるために己のセーブデータを捧げました。悔いはない。
おわりに
不満点(主に移動)も少しはありましたが、ゲーム全体の感想としてはかなり面白かったです。Eエンドを見るまでは大体30時間ほど。サブクエは試練系を除いてほぼクリア。レベルは85。エミールは倒してないのでYエンドは見ていません。武器を集めるためにマップを散策するのが億劫で……
これでやっとスマホ版に手を出せます。自分の中で、シリーズものをやるならなるべく前作をクリアしてからというこだわりがあるのでダウンロードだけしてまだプレイはしていませんでした。ぼちぼちプレイしていきたいと思います。
また、4月に発売予定のレプリカントのリメイクも購入したいと思っています。プレイ動画を見て済ませるのはどうにも気分が良くないので。
最後まで読んでくださったあなたに感謝を。
自作小説の振り返り
私は去年の五月頃からカクヨムにて、小説の執筆を行っています。
年が明けたこのタイミングで、昨年に書いた自作を振り返って反省点などを見つけ出し、今年の活動に活かしたいと思います。
……正直なところ、まだ執筆経験は1年にも満たず未熟であることは重々承知で過去作など振り返りたくないのですが、自分に足りない所を確認しなければいつまでもスキルの向上は見込めないと思うので心を強く持って振り返ります。
では、早速やっていきます。
- 1作目「映画と僕と彼女」
- 2作目「1日1つ掌編」
- 3作目「雨のまにまに」
- シーン数について
- 4作目「あんたはここでふゆと死ぬのよ」(シャニマス二次創作)
- 5作目「きじょうの空論」
- 6作目「忍びよる影」
- 7作目「女神の前髪を引っこ抜け!」
- 8作目「ある冬の日の冬優子」(シャニマス二次創作)
- 9作目「サンタがやって来る」
- おわりに
1作目「映画と僕と彼女」
5万字の中編小説です。
簡単なあらすじ
「毎週木曜の夜に映画館に足を運ぶ大学生の村瀬祐一は、とある女性に想いを寄せていた。その女性も、村瀬と同じで毎週木曜の夜に映画館へ姿を現わしていた。ある時、村瀬は思いきって彼女に声を掛ける。だが彼女はそれに応えなかった……」
問題点
- 一文が短く、それが連続して並んでいるせいでブツ切りのようになっていて読みづらい
ただ淡々と言葉を並べているようで無機質で固い印象を受けました。読みづらいというのはそれだけで大きなマイナス点になります。その原因は、この頃はどう書けばいいのか分からずにただ思い付くままに言葉を並べていたせいだと思います。
- 無駄に細かい描写が多い
これは短文が続いているということに関係しているのですが、いちいち主人公のどうでもいい動作を描写しがちです。そのせいで無駄な情報が多くなり、何がどうなっているのか分かりづらくなっていました。たぶん、どこを省略していいのかまだ分かっていなかったのだと思います。
- 1シーンが異常に短い
短文で淡々と進んでいくせいか、気が付けばすぐに場面が切り替わっていることが多々ありました。そのせいでどんどん話だけが先に進んでいって、読んでいる側はその展開に置いてけぼりに。特に初めてのヒロインとの会話シーンはセリフの連続であっという間に終わってしまって、もう何がなんだかわかりません。あまりにもあっさりしすぎて自分でも笑ってしまったくらいです。
総評 ダメ
自分で読み返していて、途中からはもう恥ずかしさで一杯でした。ああ、もう読みたくない、と。けど己を律してなんとか最後まで読み切りました。
色々と問題はありましたが、一番の問題は文章の読みづらさだと思いました。文章が下手だともう全てがダメに見えます。
褒められるべきところは、一応完結させたという所でしょうか。最後まで書いたことで今こうして振り返ることができているので、ダメだということを浮彫りにしたという意味では良かったのかなと思います。
少し言い訳をすると、1万字以上の話を書いたのはこれが初めてだったのでどうか書けばいいのか分からなかったんです…………はい、言い訳になりませんね。
ともかくこの作品は問題点だらけでした。
そんな作品を読み、感想まで書いて下さった方がいたことには感謝と申し訳なさしかありません。
それでは次に移ります。
この先、少しでもマシになっていればいいのですが……
2作目「1日1つ掌編」
当時の自分も「これはいけない」と思ったのでしょう、毎日3000字程度の掌編小説を書くという小説トレーニングを開始しました。ただ結果としては1ヶ月つづけることは出来ず、三週間程度でギブアップしてしまったのですが……。
では見ていきたいと思います。
……悪くはない気がする。
改めて自分で読み返してみてそう思いました。自分で書いたのだから自分好みの話であることは当然なんですが、今読んでもそこまで悪くはない、というのが率直な感想です。もちろん色々と荒さがあったりはしますが、どれもコンパクトにまとまっていてなかなか。
ただそれでも問題点がないわけではなく「アイデア一発勝負」感が否めません。どれもそれなりに面白いと自分では思いましたが、それはあくまで掌編としてです。掌編の性質上少しでも「おっ」と思わせればいいという感じなので、話の面白さとは少し違うきもします。事実、後半はネタ切れで中断してしまいました。私が求める物語の面白さとは少し違う気がしました。
けれど、毎日1つの話を書くというのはとても良い訓練になったと思います。
まだ今度チャレンジしてみたいです。
総評 練習の成果あり
3作目「雨のまにまに」
あらすじ
「どうして梅雨が起こるか知ってるか?」
梅雨を目前にした五月、草閒は憧れの先輩稲田と出会った。それと同時期に、後輩の穂坂からも好意を寄せられる。草閒が二人の間で気持ちを揺らす最中、西日本が梅雨入りを果たす。だが、その雨の背後にはなにやら不穏な動きがあった。
十万字越えの初長編です。
最初の作品と比べると、多少は読める文章を書けるようになっている気がします。好きな作家の小説をいくつか写経して、自分なりに分析してみた成果かもしれません。文章を書くことに慣れ始めたのも関係していそうです。
反省点
- どこか説明臭さがある
この作品は、話の根底に日本神話に出てくるヤマタノオロチ神話を据えているんですが、どうもそういった神の話題に触れる時に不自然な説明になっているような感じがしました。この話を書くに当たって、古事記や日本書紀を読んだり、稲作と神の関係について書かれた本をいくつか読んだりと下調べを入念にしたのですが、それらをどうにかして話に組み込もうとした結果、露骨に説明臭くなってしまったのかもしれません。
- 話を先に進めることばかりで、キャラクターが生きていない
キャラクターが話の為に動かされている感じがして不自然です。心理描写もどんなキャラなのかもやはり曖昧なままになっています。自分なりに色々どうしてそうなったのかと理由は考えてはいたのですが、それを全く表現できておらず結果として突発的な行動に見えていました。自分では分かっているつもりでも課程は省いてはダメですね。丁寧に書かなければ。
- やっぱり1シーンが短い
ポンポンと話が進んでいくので情緒性がなく、感情移入する時間がありませんでした。これも書くときにストーリーラインありきでキャラクターがどこかないがしろになっているからだと自分では考えました。また1シーンが短いせいで、場面転換が多くなりそのせいで個々の場面描写が疎かになりがちという問題も同時に起こっているように見えました。
総評 描写不足
シーンが多い割には、個々の描写が不足していてスピード感がおかしくなっています。もっと各シーンでの描写を濃くして、シーンの数を減らすべきでした。
ところどころ自分で読んでいて「おっ、ここの表現はまあまあ。このときの俺も頑張ったな」と思える箇所はいくつかあるのですが、それでもやっぱり荒さや未熟さが目立ちました。自分で読み返して、ここはもっとこうできるとか、ここはもう少ししっかりと文字数を割いて描写するべきだったなど、どんどんと改善点が見つかります。つまり、当時と比較してそれが分かる程に成長したということですね。なるべく前向きに考えていきます。
また、ところどころ唐突に視点主が切り替わっている箇所があり、一瞬誰の言動か分からないことがありました。三人称視点で書いているとはいえ、やっぱり読みづらかったのでやっぱり多用は禁物だと再確認できました。
シーン数について
ここで少し、自作「映画と僕と彼女」「雨のまにまに」では、一体いくつのシーンで構成されていたのかを確認しようと思います。そして、プロが書いた作品と比較して見たいと思います。なお、ここでのシーンの定義は「話の流れが切り替わる単位」として数えます。
自作「映画と僕と彼女」
文字数 約5万字
シーン数 28
自作「雨のまにまに」
文字数 約10万字
シーン数 50
この数字だけを見ても、多いのか少ないのか分からないので、同じようにプロの作品をシーン毎に分けて数えてみます。
米澤穂信著「いまさら翼といわれても」収録『いまさら翼といわれても』
文字数 約4万字
シーン数 8
越谷オサム著「階段途中のビッグノイズ」
文字数 約15万字(推定)
シーン数 33
表にしてみるとこんな感じです。
作品名 | 映画と僕と彼女 | 雨のまにまに | いまさら翼といわれても | 階段途中のビッグノイズ |
文字数 | 50,000字 | 100,000字 | 40,000字 | 150,000字 |
シーン数 | 28 | 50 | 8 | 33 |
文字数/シーン数 | 約1,786字 | 約2,000字 | 約5,000字 | 約4,545字 |
データが少ないのでこれだけでは比較としては不十分ですが、それでも出てきた数字を見ると一目瞭然。自作の1シーンに割いている文字数は、プロの作品と比べて半分を下回っています。ただでさえ文章能力に差があるのに文字数も足りてなければ、読んでいて展開が早く感じるのも当然といえます。
自作の問題点が一つ明らかになりました。
おまけ
クリストファー・ノーラン監督作品「 ダークナイト」
(小説ではありませんが、とても好きな作品なので調べてみました)
上映時間 2時間30分
シーン数 40
映画と小説は媒体が違うので単純にシーンの数で比べることはできませんが、世界的に名作と呼ばれる映画ですら40シーンでした。10万字の分量を読むのにかかる時間も大体3時間程度だと思うので、そう考えると自作の50という数は少し多いです。さらに、そこに媒体の特色を加味して考えます。映画は文字だけの小説と比べて、映像で情報を伝えるために時間当たりの情報量が多いと言えます。それでいて40シーンなので、そう考えると10万字の小説で約50シーンというのは異常な数だと言えると思います。
4作目「あんたはここでふゆと死ぬのよ」(シャニマス二次創作)
アイドルマスターシャイニーカラーズ(通称シャニマス)に登場するキャラ、黛冬優子の二次創作小説です。これが自分の初めての二次創作でした。
これまでの執筆経験から、自分に足りていないのはキャラクターを生み出す能力だとは薄々気がついていました。「それじゃあ既存のキャラを使って物語を書いたらどうなるのだろう」と、半ば実験の意味合いも込めてこの話を書きました。
結果としては、自分ではそれなりに上手くいったんじゃないかな、と思ったりしています。すでに存在しているキャラの思考をなぞって、このキャラならこうするだろうと考えながら書くことができたので筆もすんなりと進みました。ただ、タイトルから分かるとおりほぼ勢いで書いたので、荒さはあります。
この経験から、「やはりキャラをしっかりと作るのは大切なんだ」と改めて感じました。
総評 キャラは大切
5作目「きじょうの空論」
5万字の中編小説の2作目です。
コレを書いたときは、どうにかして魅力的に見えるキャラを描こうと、それを大きな課題としていました。今もそれは変わっていませんが。そのためか、これまでと比べて主人公の心理描写がだいぶ多くなっています。ただ、少し多すぎたかなという気も今見返すと思いました。でも足りないよりは良かったのかなとも思います。
シーンに対する描写の分量に関しては多少は改善されていますが、それでも油断したのかところどころ展開が早くなっている箇所があります。
全体的には良くなっていると感じましたが、けれどやっぱり問題はあって、どうしてもキャラが弱い気がしてなりません。特に台詞回しが不自然に感じてしまいました。現実の人間味を出そうと思ったのか「うん」や「そう」などをやたら使っています。そういうことじゃないだろう。会話シーンに面白さが内のは致命的です。
総評 成長を感じる。が、まだまだ。
もっともっと面白く出来る、改善できる要素がたくさんあります。
6作目「忍びよる影」
カクヨム上で行われていた「5分で読書」短編小説コンテストに応募するために書いた、5千字程度のホラー短編です。私はホラーが苦手なのですが、ホラーに挑戦してみました。
私が考えるホラーとは日常を侵食するような怖さにあると思うので、影というどこにでもある物を題材にして書きました。
今改めて読み返すと、どこか淡々とした印象を受けました。原因は既に分かっているように、一文が短く、心理描写が少ないからですね。規定の文字数にも余裕があったので、もう少し主人公の心理描写を散りばめた方が怖さを引き立てられたのではと思います。ホラー系の文法が分かっていませんでした。
総評 勉強不足
ホラー映画は怖くて見れないので、次ホラー系を書くときはホラー小説をいくつか読んで勉強したいと思います。
7作目「女神の前髪を引っこ抜け!」
こちらも同じく、カクヨムの「5分で読書」短編小説コンテストに応募するために書いたものです。これはホラーではなく、ポーカーを題材としたものとなっています。
ポーカーを描くに当たって、これまで触れてきた作品の中でポーカーのシーンが出てきた物をいくつか見返しました。具体的には、「007 カジノロワイヤル」と「マルドゥック・スクランブル」です。
結論から言うと、失敗しました。何を失敗したのかというと題材選びに関してです。
ポーカーを題材にしたせいで、ある程度ルールを説明しなければいけなくなり、そのせいで文字数がかさんでしまったのです。結果、ルールの説明とポーカーのゲームの進行に大幅に文字数を取られて、肝心のストーリーやキャラの心理描写に文字数を割くことができませんでした。
このコンテストは文字数が6千字までと制限されており、私が書き上げた初稿は1万2千字近く。規定文字数を大幅に超えていました。今にして思えば、わざわざコンテストに応募する必要性は薄く、そのままにしておけばよかったのに当時の私はそこから無理矢理に文字数を削ってギリギリ6千字に物語を押しこめました。そのせいでかなりの急ぎ足な展開になっています。ポーカーの醍醐味は心理戦なのに何をやってるんだ……。
総評 題材選びは慎重に
文字数が制限されている場合は尚更です。
個人的には気に入っている題材なので、また今度中編か長編でチャレンジしたいです。
8作目「ある冬の日の冬優子」(シャニマス二次創作)
この前に書いた「あんたはここでふゆと死ぬのよ」が、自分の思っていた以上の人に読んでもらえて味をしめたのか、また黛冬優子の二次創作を書きました。
今読み返してもキレイにまとまってると思うのですが……どうでしょうか。ところどころ変えたい表現はありますが、全体としてはそれなりにまとまった物になっていると自分ではおもうのですが。個人的に気に入ってます。二次創作、楽しいですね。
9作目「サンタがやって来る」
サンタクロースとそれを信じる子どもの話です。せっかくのクリスマスだったので記念に書いたものです。
読み返してみると、シーン数や描写自体は初期の頃と比べてまともになったと思うのですが、どうも話の盛り上がりに欠ける気がします。中途半端に、そこそこ文章が書けるようになったせいで油断していたのかもしれません。ストーリーが弱く感じました。
けれど逆に考えてみると、これまでは話の善し悪し以前に文体や描写の方に問題点が多く、肝心のストーリーについて語る以前の話でしたが、その点今作では文章自体に大きな問題点はないおかげかストーリーに意識を回すことができました。
やっとスタートラインに立てたような気がします。
総評 常に攻めの姿勢を忘れることなかれ
常に面白い物語を書く姿勢を大事にしていきたいです。
おわりに
2020年の4月頃からほぼ休みなく年末まで、約8ヶ月の間ひたすら小説を書き続けました。上で書いたとおり、初期の作品は改めて見るとそれはまあ酷い物でした。ですが、書き続けることで最初期と比べてだいぶ成長したと思います。
それで今回、これまでの活動を振り返ってみて自分なりに気づいた点としては、
- 物語中のシーン数
- キャラクターの造形
この二点が現段階での大きな課題だと思いました。
シーン数に関しては後半になって多少は改善されたものの、それでもまだ気を抜くとシーン数が増えがちです。物語の分量から考えてその都度適切なシーン数を考えて行きたいと思います。
また、キャラクターの造形に関してはまだまだです。これも初めと比べるとまだ少しはマシになったとは思いたいですが、魅力的なキャラが描けているとは思えません。コレに関してこれから経験を積んでいくしかないと思うので、他の作品を参考にしながら魅力的なキャラを生み出す特訓をしていきたいと思います。
具体的には、キャラクターに何かしらの欠点を持たせ、物語が進行するにつれてキャラが成長する過程を描いたり、何らかの大きな目的を持たせたりするようにしてみたいと思っています。これまで自分が書いてきたキャラにはそれらが欠如していたように思えます。
最後に、これからの展望ですが、今年も引き続き物語を書いていこうと思います。昨年の活動が全くの無駄ではないということが分かり、モチベーションも高まってきたのでこの先もどんどん執筆の腕を上げていきたいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
To Heartをプレイした その1
PC版(18禁版)「To Heart」を始めてプレイしたので、その記録を電子の海に残していきたいと思います。
なんで今さら?
この作品、発売から今年で実に23年経っています。現在が2020年なので、発売されたのは1997年です。当時プレイした方も最低でも41歳(のはず)。もしかすると、その子どもが当時の年齢に追い付いていてもおかしくはない年月です。どうでもいいですが、私はこの作品と同年代。つまり同級生といっても過言ではありません。
それで親近感を抱いて…というわけではないのですが、ちょっと恋愛ゲームを調べている内に「そういえば名前は知ってるけど、どんな作品かは知らないな」と思い、その流れで密林に向かって調査してきました。
プレイした結論から言うと「ああ、良いな」
今でも語り継がれているだけあって、干支が二回りする今にプレイしても色褪せない面白さがありました。それと同時に、その後の後発作品に与えた影響をなんとなく感じることができました。二十数年前にこんなものをプレイしたら、いやでも影響受けますよ。
以下では、実際にプレイした感想などをルート毎に分けて書いていきます。
二兎追うものは一兎をも得ず
皆さんはこの諺をご存じでしょうか。
「二匹のウサギを捕まえようと追いかければ、結局一匹も捕まえることができない」。つまり、「欲張ると、何も得られない」という意味の諺です(余談ですが、これは由来を西洋に持つようです。てっきり中国の故事かと思い込んでいました)。
日常生活でも使いやすく、その状況が起こりやすいことから、自分で使うかは別にして小さな頃から目や耳にしたことが多いのではないでしょうか? だからきっと、私がわざわざ言うまでもなく、皆さんは心のどこかで気をつけていることでしょう。この先もそれを忘れないで下さい。
……アダルトゲームのプレイ感想なのにどうしてこんな話をするのか、と思うかも知れません。私はこのたび、To Heartをプレイすることでこの諺が語ることは正しいのだとつくづく身をもって知りました。
そうです。私は初回プレイにして、ヒロインの誰とも結ばれない友人エンド。いわゆるBADエンドを迎えてしまったのです。完全に油断していました。これまでの人生で培ってきた経験(主にときメモ4とアマガミ)から、「とりあえず出てきた女の子とほどよく関係を築きつつ…誰のルートに行こうかな~」などと甘えたプレイをしていました。その結果がこれです。
私は現代のぬるま湯に浸って、甘んじていたのです。たかが恋愛ゲーム、多人数の女の子と仲を深めてなんぼのもんじゃい、と天狗になっていたのです。助走をつけた跳び蹴りを食らったような、そんな衝撃を覚えました。
「えっ、友人エンド!? なんで!?」
最初はレミィか来栖川先輩のどちらかにしようかなと考えていた私は、素でそんな声を漏らしていました。
それまでどちら二人に出会ったら必ず一番良いと思う選択肢を選んできたし、それなりに自信もありました。だからこそ、この一枚画が出てきてスタッフロールが流れ始めたときは本気で驚きました。
大盛りと並盛りならどっちを選ぶ?
牛丼屋(ラーメン屋でもいいですが)に行って、大盛りと並盛りの料金が一緒だったとしたら、あなたはどちらを選びますか? なお、その時の腹の具合は大盛りも難なく食べられるものとします。
私は、大盛りを選びます。
だって値段が同じなんです。だとしたら単純に考えて、普通より大きい方が良いと思いませんか? 大きい方が良いですよね。私はそう思います。(私個人の意見です)
というわけで、私の最初の攻略ヒロインは金髪美少女の「宮内レミィ」となりました。
俗にいう外国人美少女枠です。今では結構定番なキャラですよね。この子がそうしたキャラの先駆け的存在なのかどうかは私には解りませんが、魅力的なキャラだということは解ります。
でも、そうしたキャラって大抵、外国人だからという理由だけで変にスキンシップが多かったり大胆な言動をしたりという半ば無理矢理感が否めないキャラ造形で、往々にしてサブヒロインの座に甘んじることが多いという印象です。プレイしながらも「この子もそうなのかなぁ…」と、彼女の色鮮やかなパンツCGを眺めながら感慨に浸っていました。 けれど、途中で流れが変わります。
私は初回プレイで出会う女の子皆とそれなりに仲良くなる課程で、主人公の初恋の話を聞いていました。
「幼い頃にわずか一週間程度の間だったが、仲良くなった女の子がいた。今どこにいるのか、名前すらも分からないがそれがオレの初恋だった」と、主人公が語っていました。その初恋の相手が、なんと彼女、宮内レミィだったのです。
私は驚きました。
主人公も驚きました。レミィも驚いていました。たぶんプレイした皆が驚きました。
さらに、これまで彼女が主人公に対して好意的な態度を取ってきたのはその思い出とは別で、今の主人公に惹かれたからだとも。二人が惹かれ合ったのは運命だといえるでしょう。
私は最初のヒロインにして、最強のヒロインを選んでしまったのかもしれません…
それから二人は幼い頃の思いを確かめ合い、そして……。
終盤の公園からベッドシーンまでの流れは最高の一言に尽きます。話の展開もさることながら、Hシーンの描写には惚れ惚れしました。数枚の画と文字だけで二人の行為が描かれるのですが、視覚による情報量が少ない分想像力を働かせることを促します。
これが、伝説の作品。To Heartか……
おわりに
今回はレミィルートをプレイした感想を書きました。
終盤のHシーンまでの流れが最高だということはすぐ上で述べましたが、不満点といいますか少し残念だなと思った点も少しあります。それは主にエピローグにあります。
二人が愛を確かめ合ったその後、レミィは母国に帰ってしまうはずだったのですが、それがあっさりと解決されてしまいます。その方法が「両親に話したら滞在を許可してくれた」というもの。さすがに軽すぎる。そしてその後なぜかギャグ展開になって、エンディングを迎えます。
さっきまでのシリアスはどこいった?
せっかく良い流れだったのに、余韻もなにもあったものじゃありません。そこは定番の「数年後」パターンで良かったのではないでしょうか。それまでの流れが良かっただけでに、最後が少し残念ではありました。
それと、どうやらこのレミィルート。移植版となるPS版以降ではシナリオが大きく変わっているらしいんです。PS版をプレイしたことがない私はその2つを比較することが出来ないのですが、そちらもちょっと気になりますね。
次回は来栖川先輩と姫川後輩ルートについて書こうと思います。
ホラー無理男の映画「来る」鑑賞
ホラーが苦手です。
どれくらい苦手かと言うと、VRバイオ7で物語の舞台である家に入ることが出来ずに断念したり、今は無き花屋敷のお化け屋敷でまともに周りを見ることが出来なくなったりする程度です。実家がやたら和風で古めかしい日本人形があったりするからかもしれませんが、昔からホラーが苦手でした。毎年夏になるとテレビで放送される「本当にあった怖い話」を憎んでいる人間です。
当然、今までホラー映画を見たことはありません。 それでも物語としてのホラーには興味があって、なんだかんだ気になってはいるのです。最近ではなんとかリメイク版ITを見ました。それが二十数年生きてきた人生初のホラー映画でした。怖かったです。
そんな私が、つい最近Twitterを見ていて目にした「来る」というホラー映画を見ました。AmazonPrimeVideoに追加されたことで話題になったようです。
Twitterでは何やら『霊能力者アベンジャーズ』、『かっこいい柴田理恵演じる除霊師』などホラー映画を見て出てくるものとは思えない言葉の数々が出てくる。アベンジャーズが好きな自分として「霊能力者アベンジャーズ」なんてパワーワードを聞いたら見ないわけにはいかないじゃないですか。というわけで見ました。
本当にアベンジャーズアッセンブルしてました。
でもアベンジャーズ風な異能力バトルが見れるのは後半30分だけで、前半から中盤に掛けてはホラーしてました。Twitterではぜんぜん怖くないとか言っている人がいたけど、中盤はそれなりに怖いです。
正直言うと、前半から一時間ほどは新婚夫婦を主軸とした話が続いて退屈でした。だってTwitterで見た柴田理恵やグラサンをした凄腕能力者が出ないまま、意識高い系自称イクメン男子の話が続いて画が地味なんですよ。
けれどそれを乗り越えてからのアベンジャーズな後半戦は、見ているだけで自然と楽しくなってきます。片腕をもがれて隻腕隻眼となった柴田理恵がイクメン男の手にナイフを突き刺したり、マンションの真ん前に全国から招集された霊能力者たちが血を吐きながら儀式を行ったり、異世界の化け物と交信したりもうやりたい放題です。何がなんだか分かりませんがなんだか凄いということだけは伝わってきます。
最後までしっかり見ても、結局イクメン男を襲った「ぼぎわん」なるモノは一体何なのかはよく分からないし謎は多いんですけど、それでも最後の30分はアクション映画を見ている感覚でワクワクしました。
見た感想としては面白かったんですけど、私が想像するホラーとは違っていて、これなら確かにホラーが苦手な人でもなんとか見る事ができるかなというモノでした。まあ、ホラー映画エアプ勢なので他のホラー映画がどうかは知りませんけど。
初ジャパニーズホラーがこれって、それで良かったのかな……
追記
ああ、やっぱり観終わってトイレに行くのが怖い。真っ暗な廊下を歩きたくない。これだからホラーは嫌なんだ。助けて柴田理恵。
【グラブル】次の火古戦は”麻痺” ―パラライズバレットを救いたい―
火古戦の準備、してますか?
今回は皆さんに僕の作った、誰でも出来る編成を紹介したいと思います。
コンセプトは「自由を奪った状態で殴る」です
用意するもの
編成を紹介する以上、それは模倣可能性が高い編成でないといけないと僕は思っています。なので、今回の編成で絶対にこれだけは欠かせないという1つを除いて、あとは無課金で用意できるものなっていますのでご安心下さい。
絶対に欠かせないジョブ:「ソルジャー」
今回はこのジョブを使います。理由は読んでいけば自ずと分かります。
絶対に欠かせない武器:SR武器「ドルフェーン」
そしてメイン武器にこれを持ちます。
今回紹介する中で、これだけが課金武器となっています。ただSRなので入手難度は低いです。これだけは何とかして手に入れてください。これが無いと今回紹介する編成は成り立ちません。必須です。
どうしてこの武器なのか、って?
装填できるバレットの種類を見て下さい。このドルフェーンという武器は、火の銃の中で唯一パラベラム弾を5つ装填することができます。勘の良い方は、何をしようとしているかもうお気づきですね?
絶対に欠かせないモノ:パラライズバレット
そしてこれが今回の主役です。これが使いたくてこの記事を書きました。
これを5つ作って下さい。
ただこのパラライズバレット、弱点があります。それは効果が1ターンのみだと言うこと。なので次のキャラを用意します。
絶対に欠かせないキャラ:力の賢者「フラウ」
フラウをサブメンバーに入れて、サポートアビリティ「悪魔の逆位置」でパラライズバレットの麻痺を2ターンに延長します。
これで必要なモノはあらかた揃いました。ドルフェーンを除いて他はすべて無課金で入手可能です。誰でも用意できますね。
使用感
実際に使うとしたらこんな感じです。フラウをサブに入れておけば、後のキャラは誰でも構いません。今回はソルジャーの得意武器が銃なので、銃で統一してみました。
パラライズバレットの麻痺とイルザ3アビの麻痺で相手は一生動けなくなるはずです。これならどんな相手にも勝てます!!!!
思う存分に、自由を奪って動けなくなった相手を殴りましょう!!!!
この編成の強いところ
- 相手が麻痺して動かないから一方的に殴れる! 最高!!!!
以上です。
この編成の弱いところ
- そもそも麻痺の成功率が低い。
- 相手の麻痺耐性が上がる後半は全く麻痺が入らない。
- 主人公のリロード問題。
- 主人公の火力が低い。
まとめ
普通にジョン・ドゥ握って殴った方が圧倒的に早いと思います。
まともな思考回路を持っている方はパラライズバレットを5つも作るなんて時間の無駄は止めましょう。まあ僕はせっかく作ったんで、100hellとかで使ってみようと思います。
……まさか麻痺無効とか、そんな無慈悲なことはしないよね?