【5年越しの開催!】第30回東日本合唱祭【全編公開】をぜひ

 

台風やコロナ禍の影響で、昨年10月なんと5年ぶりの開催となった、岩手県一関市の第30回東日本合唱祭。

 

全国から招待された5つの団体、そして地元の一関市民合唱団さんと学生の合同合唱、合同ステージと3時間にわたってすべて公開されています!



【出演団体】
一関市民合唱団(岩手県) 指揮:黒川 俊之 ピアノ:黒川 祥子
クロスロード「Shu」(東京都) 指揮:辻󠄀 秀幸 ピアノ:河本 充代
混声合唱団 京都木曜会(京都府) 指揮:永井 英晴 ピアノ:伊吹 元子
東京フラウエン・カンマ―コール(東京都) 指揮:岸 信介 ピアノ:法嶋 晶子
harmonia ensemble(東京都) 指揮:福永 一博 ピアノ:水野 彰子
Tokyo Youth Choir(東京都) 指揮:松下 耕 ピアノ:前田 勝則

(※プログラム画像ご提供 eikoさま、ありがとうございました)

 

ぜひ多くの方に観て、聴いていただきたいと思います。

 

全国各地の団体は本当に素晴らしく。
東京都のクロスロード「Shu」さんは、なかにしあかね先生の女声合唱曲。
味わい深い星野富弘さんの詩を音楽は軽妙に、しかし心の奥に残る演奏で。


混声合唱団 京都木曜会さんは松下耕先生の作品に続けて、懐かしの名曲。
非常に練られた歌と意識の高さを感じさせ。
こういうポップス、歌謡曲を観客に「聴かせる」ためにずっと心を砕いてきたのだろうなぁ、と強く感じさせます。
観客と向かい合い、ステージで培った長年の試行錯誤の結晶。良かったです!


東京フラウエン・カンマ―コールさんは新実徳英先生の「音のとびら」から。
新実先生の比較的新しい作品をしっかりした実力で、曲の魅力を伝えていただきました。


東京からのプロ合唱団・harmonia ensembleさん、これは本当に聴けて良かった!
最初の信長貴富先生編曲の嘉納昌吉「花 ~すべての人の心に花を~」からそんじゃそこらとは違います。
声の良さはもちろん、和声のバランス、響きのセンスといい、別の方の編曲のようにも聞こえ、「これこそ信長先生の目指す音?!」と。
岩手の詩人:宮沢賢治の詩から「イーハトーブの風」「星めぐりの歌」も、ハルモニアさんが上手い団体なのは自明ですが、ことさら技巧を誇るのでは無く、すっと音楽と言葉が入ってくる。
一転して美空ひばり「お祭りマンボ」はノリ楽しく華やかに表現の幅広さを示し、「川の流れのように」はしっとり、そして力強いクライマックスを。
このステージ、プログラミングでも唸らせてくれました。

harmonia ensembleさんの演奏から始まるリンクです)


Tokyo Youth Choirさんは松下耕先生が指揮のユース団体。
前回出場できなかったOBも交えた大人数。
松下先生の作品「やわらかいいのち」、副題に"思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに"と付く谷川俊太郎氏の詩。
同じ年代の苦しみとして、歪み複雑な音を若い自分たちの姿と重ね伝えた演奏。
最終曲の熱いほとばしり、松下先生が加えられたという「愛されている」に、悩む若者たちへのエール、格段の想いが込められていると感じました。


最初に出場された地元の一関市民合唱団さんは、サン=サーンス、イギリス、アメリカの現代作曲家の作品を集中度高く、彫り深く演奏され。
(コンクール自由曲のDaniel Knaggs作品には特に惹かれました)
続く千原英喜「みやこわすれ」も叙情性豊かに。

この演奏会で一番心が動いたのは、一関市民合唱団さんと地元の中学生、高校生たちと一緒に歌った最後の信長貴富「若い合唱」!

「若い合唱」から始まるリンクです)

一関市民合唱団さんの力強い響きに、中高生たちの青空を思わせる爽やかさが加わり。
同郷である村上昭夫氏の詩なのもありますが、「合唱のまち」として東日本合唱祭をずっと続けてこられた一関のみなさんの願いが歌にこもっているようでした。
客席で聴いていたら、大泣きしていたかも。


大人数となった最終ステージの合同合唱では東日本合唱祭のために委嘱された松下耕先生の「あなたに歌の花束を」も良く。
京都木曜会さんも歌われた「歌声を世界に」は、大人数での演奏がまたこの作品の魅力を引き出し、心に残るものとなりました。


人口減、そして部活の地域移行などで合唱を趣味とする方は減少傾向で、特に地方都市での活動は困難になっていることが多いと聞きます。
それでもこの東日本合唱祭のように、地元の合唱団と日本各地の団体が、ひとつのステージで歌われる姿に合唱の希望を見出さずにはいられません。
場所も、年齢の差も越えまさに「歌声を世界に」響かせようとする「東日本合唱祭」。
どうかこれからもずっと永く続いていけるよう、心より願っています。

 

コンクールへの連盟・ハーモニー誌への提案

 

この記事は、昨年新潟での全日本合唱コンクール全国大会を基にした、ハーモニー誌冬号の全国大会座談会への私が考える問題点具体的な改善策を記しています。


問題は全日本合唱連盟が与える「賞」や、全日本合唱コンクール全国大会というブランドイメージをどう考えているか?に帰着します。
今のままだと「とりあえず審査員9人の出した結果で、賞の価値は保証しない」と受け取られてもおかしくないのでは。

念を押しますが、金賞受賞団体を批判すること、辛口の意見を排除すべきとの考えは、私は一切持っていません。
ただ、人口減でコンクール参加団体、人数も減り。
他のコンクール、東京国際合唱コンクールや声楽アンサンブルコンテストなど、他の審査基準が明確な個性あるコンクールも軌道に乗り。
極めつけは「コンクールへ参加することに意義を見出せない」人が増えている現在、全日本合唱コンクール全国大会の「金賞の価値」を、合唱連盟が保証することは非常に重要なことと考えます。

 

 

繰り返します。
辛口の意見はあっても良いし、むしろ無いと困ります。
(自分の観客賞座談会も、ハーモニー誌での音楽のプロフェッショナル諸氏による辛口の指摘を期待し、自分たちのトーンを抑えている気もあります)
ただ、賞で高評価を付けたのなら、厳しい意見とは別に「高評価の理由」も述べなければ片手落ちなのではないでしょうか?

たとえばこの文章をお読みのあなた。
あなたの部下や後輩が良い結果を出し、表彰されるとき、イヤミや《厳しい意見だけ》しか言わないのは、上司や先輩として正しいありかたでしょうか?
もちろん今後成長するための指導や発言はあっても良いと思います。
しかし、認められ評価された人間がそれを実感し。
さらに先へ進んでいけるような言葉を選びましょう、セットにしましょう!ということです。
オッサン→老人の「自分が認めたヤツにこそ厳しくする」、そしてそれを認める文化、ほんとうに止めて欲しいと思います。
教師や上司に殴られて「押忍!ご指導ありがとうございましたッ!」言ってる時代じゃ無いんです。
良いと評価したなら、ちゃんと伝わるよう褒める、それが令和の今、必要とされているのではないでしょうか。

それを踏まえ《具体的で現実的な提案》を2点書きます。


1)編集方針の変更

ハーモニー誌座談会の編集は、非常に立派なプロフェッショナルの仕事です。
たとえば自分を含めた「知人との3人の会話」を5分だけでも録音し、実際に文字起こししてみれば。
発言の要旨を取り出し、会話としてわかりやすく読ませることが、いかに大変なのか理解できることでしょう。
それでも、自分は趣味で座談会編集の真似事をしているアマチュアですが、僭越ながらもう少し変えられないかな?と思う点が。
やはりそれは「読者が賞にふさわしい印象を受ける編集」に尽きると思います。
例えばA先生が抗議された対談部分。
まず順位を高く付けた今村氏が演奏を褒めてから、低く付けた岡田氏が「ぼくの評価はそこまで高くない」と切り出します。
そりゃこの順番に発言するなら、そういう感じになりますよね。

例えば

A「あいつって周りに優しいし良いヤツだよな~」
B「でもケチだよ、常に1円単位でワリカンだし」

しかしこの会話の発言が逆の順序だったら。

B「あいつって金に細かいよな」
A「えー、でも良い部分たくさんあるよ。周りに優しいし、そうそう、こないだも良かったのが・・・」

となる場合が多いんじゃないでしょうか。
順位によって求める発言の順序を考える司会、編集者のさじ加減。
ハーモニー誌座談会記事の編集は、団体ごとに厳しい意見で終わることに躊躇していない点が問題だと思います。

発言の順序が今村氏 → 岡田氏のままでも、「曲を初めて聴く人にも、あ、これ面白い、と思わせて欲しい」で締めた後に、編集者が「そうは言われても金賞を受賞された○○さん。今村先生、岡田先生の今のご発言を受けてどう思われますか?」と振れば今村氏のフォローが入るかもしれない。
最後にフォローがあれば、団体ごとの印象はかなり違うものになります。
そういう「読者が賞にふさわしい印象を受ける編集」が「金賞の価値を保証する」ことに繋がるのではないでしょうか。

 

2)全審査員による講評の必要性

審査員の講評の公開が、ハーモニー誌座談会に選ばれた2人だけというのも変な話です。
極端なことを言えば、金賞を受賞したのに、下位に付けた審査員2人が該当団体をひたすら批判し、その言葉だけが残る結果になっても不思議じゃない。
A先生も、高評価だった別の先生方の講評を読まれていれば、岡村氏に批判されても、あそこまで怒られることは無かったかもしれません。
もちろん審査員を経験された方から聞いたところ、講評を書く手間は非常に大変だそうですが。
1団体ごとの出場・退場の間を1分ずつ取るなどで解決できないでしょうか。

現実的に審査員全員が、その場での全団体の講評は無理だとしても。
各部門、それぞれ審査員が金賞に評価した上位団体(各部門3~6団体なので、合計15団体)への講評を当日ではなくても書いていただき、公開する(それが難しいなら出演団体だけで共有)のも良いかもしれません。
辛口講評が目立った岡田氏も、同声部門の1位へ付けたmonossoさん、3位のVOCI BRILLANTIさんへは大変頷ける、好意的な良い発言をされています。
そういう金賞にふさわしい、評価と内容が繋がる講評を読めば「ハーモニー座談会では貶されていたけど、他の審査員はちゃんと評価してくれたんだし、まぁ許そうか。次も頑張ろう!」……そんな印象になると思うんです。
また、下位に付けた審査員2人の、批判ばかりの座談会を読んで「……なんでこれが金賞になったのかさっぱりわからん」と戸惑う読者を減らすことも出来ます。
※9年前のブログ記事「「私の1位」が読みたい!もよろしければお読みください。

 

それでは《まとめ》です。

◎「合唱連盟・ハーモニー誌は全日本合唱コンクール全国大会というブランドイメージ、《金賞》の価値をちゃんと作ってほしい!」

「M-1グランプリ」という漫才師の頂点を決める番組があります。
M-1放送開始、初期の2001年放送をAmazonPrimeで見返したら、面白いことに気づきまして。
初期M-1では、ネタ中の審査員の表情は会場がかなりウケていても、シッブーい厳しい顔ばかりを抜き出していたんですね。
驚きました、ここ数年のM-1はぜんぜん違いますよね。
お笑いの権威たる審査員がネタに爆笑する顔を抜き出しているのが当然。
これ、凄く面白いなって。

 

M-1初期は「真剣な漫才コンテストです!」という主張のためか、「笑わせる演者」と「厳しい審査員」の対立も見どころのひとつだったと思います。
「自分たちのコンテンツに厳しい顔を見せ、自己批判できる、そういう余裕が自分たちにはある」という主張でもあって。
しかしテレビの力も落ちていき、そういう自己批判、自己コンテンツを厳しく批判することが有効とは言えなくなってきた。
M-1初期のように、コンテンツを自己批判することで価値を上げる時期は過ぎ、「このコンテンツは素晴らしいんです!」と自己プロデュースするのが効果的な現在なのだと思います。

もちろん合唱コンクールも同じで。
芸能、芸術として、辛口も含めた多様な意見の容認。
自分たちのコンテンツを貶めるような意見、批判はスパイスとして残して欲しいとは思いますが。
しかし、M-1司会の今田耕司氏は、総合得点が高い出場者には、「高い点数を付けた審査員」を優先して「何人も」発言を求め、スパイスとして一番低い点を付けた審査員から「ひとりだけ」意見を求め。
視聴者がその評価に納得できる流れ、良いバランス感覚になるよう考慮されています。

初期のM-1と同じに思えるんです。
自己批判が過ぎると、自分たちが与える賞の価値を下げっぱなしにしてしまう。
金賞を与えられた側はその賞に価値を見出せなくなってしまう。
A先生が抗議された、今の全日本合唱コンクール全国大会とハーモニー誌座談会は、そういうズレなのだと考えます。
合唱連盟・ハーモニー誌は、M-1の変化にならい。
出場者、聴衆が「金賞」に納得できるよう、もっと考えるべきではないでしょうか。


繰り返しますが、全国大会での、今後成長するための厳しい指導や発言はあっても良いと思います。
しかし、大いに認められた出場団体に対しては、肯定的かつ成長に繋がる言葉を。
さらに先へ進んでいくための言葉を贈りましょう、セットにしましょう!ということです。
もう一度書きます。

合唱連盟・ハーモニー誌は、出場者、聴衆が「金賞」に納得できるよう、本当に、もっと考えるべきではないでしょうか。

以上です。

 

 

大学合唱団の新歓は難しい、への余談

【大学合唱団の新歓は難しいへの余談】→コンクールと大学合唱団が存続する意味とは

 

 

この文章を読む前に
「大学合唱団の新歓は難しい」を考えてみた

をお読みください。

 


◉客演指揮者、さらに「コンクールに参加しない大学合唱団」
思い出すのは「信州大学混声合唱団」さん。
信長貴富先生へ委嘱された新作の演奏水準の高さはもちろん、「客演指揮者」と言いながらも多くは常任指揮者の合唱団とは違い、指揮者が毎年変わられます。
特に最近の演奏会では谷郁先生にお願いしたのは凄いな!と感心しました。
過去にも荻久保和明先生、名島啓太先生……とヴァラエティに富んでいます。
技術顧問の中村雅夫先生のご助言のためかもしれませんね。



◉コンクールについて→
なすさんが触れられている、「コンクール」について。
もちろん昨年の全国大会へ出場された中国支部・鳥取県代表のユース団体「Chor Karmin」さんの存在は私も知っております。
書かれるように、団員さんが岡大さんとKarminさんと重なる場合があることで、「なぜ仲間内で全国出場を争わなければならないんだ?」、そんな当然の疑問も出ることでしょう。
「コンクール参加」が中心活動のKarminさんと比較し、そうでは無い岡大さんのコンクール練習やモチベーションは難しいものになるかもしれません。

ただ、最初に挙げた【テーマ 1】の「技術向上」「岡山大学グリークラブという存在を、優れた演奏によってブランドとなる価値ある団体を目指す」に、コンクールは合致する面があります。
さらに、「大学合唱団」の単位なら、全国出場団体や(賞が)上位団体だと、大学側からの恩恵が多くなったりします。
(その辺りは、全国大会上位を何度も経験している都留文科大学合唱団さんや北海道大学合唱団さんや関西学院グリークラブさん、九大混声合唱団さんへ相談してから、岡山大学側との支援の交渉を考えるのも良いかもしれません)

また、「合唱界」の中の「全日本合唱連盟」はやはりコンクール推しです。(その是非は今回問わないにしても……)
上述のようにデメリットも多くあるコンクール参加ですが、ブランド強化や大学(またはOB)からの支援の増大、技術向上を考えるなら、選択肢として考えてみるのも良いのでは無いでしょうか。


◉なすさんが最後に書かれた→
>誰が総合考慮するの?となるとき、幹事学年が中心になって、(一枚岩ではない)在部生で決めるわけで、その方針は予測不可能である。だからこそ、腰を据えて、対話をするべき…ではあるが、次から次へとやってくる行事にきちんと対応しようとするとおちおち対話の機会も持てない。
>(4年に一度団員が100%入れ替わる大学合唱団の宿命でもあるが、)きちんと活動しようとすると、1年間は短すぎる。新歓って難しいね。

そうなんですよね・・・。
この問題は大変難しく。
時代に合わない大学合唱団もろもろのことを変えようとするには、団内での対話が必要。
しかし既存の多くの行事に対応しようとして、必然的に時間が少なくなってしまう。

現実的な解?としては、外からずっと岡山大学グリークラブを見ていた合唱名門高出身の新1年生が最初から「オレがこの団体を変える!」とか。
あるいはなすさんのような、幹事学年を経験した方が院政を敷く(?!)以外に無いような気がします。

既存のシステムを変えようとするために、「既存のシステムを十分理解し、運用できるのを示す」ことが求められるような。
矛盾しているようですが「魔王がいない世界を創るために、一回魔王になる!」みたいな。

技術、運営の役員を決定するだけでも大変ですよね。
そういう既存システムを保つこと自体が難しく、大学合唱団が疲弊してしまうのが、昨今の衰退の理由の一つかもしれません。

 

◉これもなすさんが書かれた→
>「自由の味をしってしまった」せいで学生の興味関心があちこちに向いている

そういう面で「学生さんのあちこちに向いた興味関心」にそれぞれ特化したユース団体が、大学合唱団より盛況なのは頷ける話ですね。
噺家・立川談志が弟子に言った「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ」の通りです。
ただ、ユース団体は中心メンバーが年齢を重ねたら退団か、あるいは一般団体への移行を考えなければなりません。
最初に決めた方針が上手くいかなければ、違うユース団体を立ち上げれば良いだけかもしれませんが・・・。
そこは一度休部、休団してしまうと復活が難しい大学合唱団とは異なる面かも。

もうひとつ、非常に重要だと思うのは、ユース団体は「合唱初心者を勧誘し育てるのに不向き」なのでは?
特にコンクールに特化したユース団体で、合唱初心者を積極的に勧誘し、育てることはかなり難易度が高そうです。

そういった合唱初心者の育成を含め、歌って踊れる合唱団、あるいは訪問公演に特化など、それぞれ全く違った方向へ合唱活動を進めることが出来る【可能性を秘めた人材の宝庫】、それが大学合唱団と言えるかもしれません。
変化が速い現代で、「大学合唱団」という枠組みを継続していくだけでも困難かもしれませんが、長い目で見た場合、いかようにも進める可能性の組織として、大学合唱団にはたくさんの利点があると思います。


大学合唱団に関わるみなさんに祝福があることを、心から願っています。


(おわり)

 

「大学合唱団の新歓は難しい」を考えてみた

 

この文章は、「大学合唱団の指針を3つの短いテーマにまとめたら、新歓や活動の方針が決めやすくなるんじゃないかな?」という単純な思いつきから書かれています。
言わば「叩き台」で、この拙い文章から「実情に合っていない」「いや、それならこれはどうだろう?」 そんな批判と提案を広く求めるものです。
むやみと長い文章ですが、最後まで読んでいただければ幸いです。

 

まず、岡山大学グリークラブ在団生:なすさんによる「大学合唱団の新歓は難しい」のnoteをお読みください。

 

なすさん、こんにちは。
読み終え、とても興味深い内容と感じました。
コンクールに参加せず、技術系も学生だけの地方大学合唱団で、方向性、モチベーションをどこに置くか。新歓にどう反映させるか?
数十年前から議論されてきた問題ですが、現代でも大変魅力的なテーマだと思います。
「本格的な合唱を指向する勢」と「サークルエンジョイ勢」の対立も昔からありましたしね。

私がなすさんの記事から新しく感じたのは「合唱界全体の要請」という点から、岡山大学グリークラブさんの進むべき方向性を考えている点です。
数十年前には「世間の要望など知ったこっちゃねぇ!俺たちはやりたいことやるぜ!!」そのような反体制の空気が若者の間にあったと思っていたのですが、現在はそういう空気はほとんど残っていないことに少し驚きました。

ただ、なすさんも書かれるように「合唱界全体の要請」は大学の課外活動としばしば衝突しますし、そもそも「合唱界」もかなり広い範囲です。
ですから 「大学から合唱を始める者にとって過ごしやすい合唱団を作り、成功体験を与え、生涯にわたり合唱を楽しむ人口を増やすことに寄与する」 という目標は素晴らしいと思うものの、あまりにも広範囲で、高い理想を求め過ぎな気もしました。
(もちろん賢明ななすさんは「どちらを重視するかはその団体が総合考慮により決するべき」と言及されていますが)


勝手ながらこの目標を「3つの簡単なテーマ」、つまり「技術向上・団員増大・地方の合唱文化に寄与」に分け、さらに各目標への現実的な道筋は、例えばこのようなものがあるのでは?と考えてみました。
加えて繰り返し引用しますが「どちらを重視するかはその団体が総合考慮により決するべき」であり、決して何かを強制するものではありません。
あくまでも叩き台としての提案であることをご理解いただきますようお願いします。


【テーマ1:技術向上】
「岡山大学グリークラブという存在を、優れた演奏によってブランドとなる価値ある団体を目指す」

言わば「本格的な合唱を指向する勢」が中心になる活動ですね。
技術向上に重きを置き、音楽的に価値の高い演奏活動を目指し、演奏水準では岡山・中国地方を代表する団体。
演奏会には日本中からコアな合唱ファンが集まる・・・みたいな。

(違う文脈・必要性からですが) なすさんは「やっぱ神輿で担ぎあげることができる感じの常任指揮者が必要では?」とも書かれていて、それも一つの方法であると思います。
「指揮者は効率良く練習させるための存在」という言葉がありますが、学生指揮者がいくら熱意をもって団員を引っ張ろうとしても、毎年、学生指揮者が変わる団体では限界がある。
ただ、「外部からの "常任” 指揮者を招聘する」までには、A)から C) まで段階があると私は思っていまして。

 A)団体向けレッスン "だけ" をお願いする。
 外部の指揮者に、演奏する予定の曲を指導してもらう。
 実際のステージで指揮するのは学生指揮者。

 この方法でしたら、比較的容易に実現しやすそうです。
 一人だけではなく、お金とスケジュールが合えば、何人もの外部の指導を体験できますし。


 B)客演指揮者を呼ぶ
 レッスンからさらに段階が上がり、演奏会の1ステージで客演指揮をお願いする形です。


 C)常任指揮者をお願いする
 AもしくはBを何回かお願いしてから、「常任」指揮者になっていただく。
 常任と言えども、報酬や練習回数などの契約は毎年、確認し交渉すべきかと思います。
 
 岡山大学グリークラブさんのように学生だけで活動されていた団体は、Aのレッスンだけの指導者、Bの客演指揮者を選ぶのも難しいですね。
 ネームバリューだけでお願いすると、合唱団と相性が合わない場合もあったり・・・。
 岡山県でよく講習会を開かれる山脇卓也先生に指導者をご相談するか、山脇先生ご自身にお願いするのも良いかもしれません。

 

【テーマ2:団員増大】
「大学から合唱を始める者にとって過ごしやすい合唱団を作り、生涯にわたり合唱を楽しむ人口を増やすことに寄与する」

なすさんが書かれたテーマから「成功体験を与え」だけを抜いてしまいました。すみません。
このテーマなら、やはり団員数の増大。
どーんと大きく、登録団員数200人!オンステージ150人!!を目指すのはいかがでしょう。
岡山大学グリークラブさんを卒団された多くの方々が、既存の団体へ入団されたり、新しく団体を立ち上げたり。
あるいは合唱に好意的な聴衆として「生涯にわたり合唱を楽しむ人口を増やすことに寄与する」に繋がりますよね。

ただ、「大学から合唱を始める者にとって過ごしやすい」のは「技術向上」と相性が良いとは言えないかもしれません。
団員数を増やすためだったら、「(練習参加が)月に1回がやっとの者」も気まずくならないための雰囲気や練習を考えなければならない。
それには負担を減らすため、週3日の練習を週2日にする、定期演奏会のステージ数を減らすなどの方法が考えられます。

さらに団内イベントや楽しい練習や本番の雰囲気も求められるかと。(個人的には、テーマ1の技術向上とも分けられるものでは無いと考えますが)

ここで提案したいのですが、こういう「少ない練習時間で多めの団員を保つ目標を掲げている団体」こそ、「外部指導者の招聘」を検討していただきたいと思います。
前述したように、指揮者とは「効率良く練習させるための存在」と私は考えます。
すなわち、最小の手間と時間で最大の効果を上げる存在ですね。
外部指導者(技術顧問)とよく相談すること。
指導者が不在時の練習プランも、本格的な合唱を目指す技術系団員さんといっしょに考えてもらい、やる気のある団員さんのモチベーションを保つのは、非常に重要と個人的に考えるものです。

 

【テーマ3:地方の合唱文化に寄与する」
→愛唱曲を磨き上げ、外で歌う機会を中心にした活動

学校や老人ホームなどの訪問公演をメインとした活動です。
自分の勝手なイメージとしては、愛唱曲や一般の方に好まれるような15-20曲ほどをレパートリーとして磨き上げ、年ごとにその3分の1ほどの曲が入れ替わるようなものを想定しています。
なすさんの言葉に「毎月コンサートを開催するわけでもない大学合唱団」を(コンサートとまで言えないかもしれませんが)とにかく外で歌う機会を増やす団体を目指す。
定期演奏会では、いわゆる邦人合唱曲は1ステージくらいあるかもしれませんが、プログラムのメインは歌い継がれ、磨き上げられた愛唱曲たち。
三重の一般合唱団うたおにさんの、何年か前までの活動とレパートリーに似ているかもしれません。http://www.utaoni.com/

個人的に「毎年、毎回、すべてのステージで(その団にとっての)新曲を披露することは、【観客にとって】どれほどのメリットがあるのだろう?」という疑問を持っていまして。
歌い継がれた曲は、歌う側が思うよりも観客に響く!……そんな実感があります。
もちろん、合唱に縁が無い観客にウケるためには、演奏の他にも演出や振り付けなどへの厳しい水準が求められます。
それこそそういう演出専門の役職や、外部からの指導者を求めることが必要かもしれません。

 

【まとめとして】

いかがでしょうか?
1)技術向上
2)団員増大
3)地方の合唱文化に寄与する

単純化されたこれら3つのテーマを、なすさんが書かれるように幹事学年がバランスを総合考慮の上でまとめ、活動方針を決定すると良いのでは?という提案です。
もちろんそれぞれのテーマで100%振り切るのは現実的では無いので。
例えば「技術向上60%、団員増大30%、地方の合唱文化10%」のように割り振り(優先順位)を決め、新しくテーマを作成する。
「優れた演奏で多くの方々に認められる合唱団を目指しつつ、共に歩む仲間を増やしていく」。

あるいは「技術向上20%、団員増大50%、地方の合唱文化30%」の場合のテーマは
「初心者が合唱の喜びを知り、生涯にわたり合唱を続け、合唱文化を発展させるため尽力する」などと、決めていくのはいかがでしょうか。

長々と書いてきましたが、この文章は、「大学合唱団の指針を3つの短いテーマにまとめたら、新歓や活動の方針が決めやすくなるんじゃないかな?」という単純なものです。
繰り返しますが「叩き台」で、この拙い文章と考えから「実情に合っていない」「いや、それならこれはどうだろう?」そんな批判と提案を広く求めその結果、実情に合った、有益なものになれば良いと考えています。

現役大学生である、なすさんの真摯な文章を読み、大学合唱団の存続と更なる発展を願いこのような文章を書きました。
長い文章ですがこの文を読まれた、現役大学生、かつて大学生だった方々、みなさまからのご意見を、お待ちしております。


→ 余談として
【大学合唱団の新歓は難しいへの余談】→コンクールと大学合唱団が存続する意味とは

もお読みいただければ幸いです。

 

「大学合唱団オンライン合唱祭」を聴こう!

 

3月16日から始まった大学合唱団オンライン合唱祭。
大学合唱団、ユース団体の演奏動画を公開し、「もう一度聴きたい団体への投票」、感想も送れるという企画です。

 

参加団体は、北海道から九州まで、なんと全26団体!
東北大学の学生さんが中心に運営されているそうですが、投票やご意見フォームの優れた整備など、凄いなー!と感心ばかり。
是非とも多くの人に聴いていただき、新しく大学(ユース)合唱団を知るきっかけになれば良いなぁ、と心から思っています。


自分も26団体の演奏を聴き、投票もしたんですが。
さて、このまま終わっても良いのかな……?と。
かと言って、X(旧ツイッター)で騒ぐのも、公式さんは推奨していないような雰囲気??

※「SNSでの拡散は大歓迎です!!!騒いでOKです!!!」とのことです。誤解してしまい申し訳ありませんでした!


・・・というわけで、当ブログで全く個人的に全26団体の簡単な感想を記すことにします!


さらに勝手ながら

◎ 最高にお勧めします! の団体。

◉ とてもお勧めします! は団体。

○ 聴けて良かった! で、団体を付けさせていただきました。

私、文吾の独善的で偏見強めの感想なので、どうかあまり本気になさらずお読みいただければ有り難いです。

 

 

 

 

○ 聴けて良かった!
北海道大学合唱団

昨年の全国大会でも思いましたが、深く奥行きのある発声、それでいて繊細な表現!
三善先生の2重合唱の難曲「路標のうた」を、比較的少人数、しかもこんなに上質な音楽とは驚きです。
クライマックスの表現も見事で、男声合唱外では知られにくいこの名曲を、北大さんの名演奏で広く知ってもらえる良い機会だと思いました!

 

 

北海道大学混声合唱団

寮歌「都ぞ弥生」が聴き慣れない編曲なので、慌ててプロフィールを読み直したら岩河智子先生の新編曲なのですね!
新しさもあり、それでいて元曲の良さも生きていて感じ入りました。
歴史ある団体は、持ち歌にこのような新編曲を依頼するのも良い試みかもしれませんね。
松下耕先生「ほらね、」は団員みなさんの気持ちが入った演奏。
声とホールトーンの広がりが、そのまま多くの人へ届かせようとするようでとても好感を持ちました。

 

 

東北大学混声合唱団

明るく元気の良い発声と表現が、やはりホールトーンでますます魅力が増していました!
三宅先生の「あいたくて」で特にその持ち味が出ていて良かったと思います。

 

 

○ 聴けて良かった!
東北大学男声合唱団

繊細な曲調の北川先生「またある夜に」と対照的な「South Rampart Street Parade」のプログラミングが良かったです。
特に「South~」はバーバーショップ的なノリが、歌と動きへとても出ていて、うわ~こういうの学生時にやりたかった!と羨ましくなりました。
関西学院グリークラブさんの十八番ですが、それを仙台の地で、決して借り物じゃない表現にまで高めているのが素晴らしい。
男声/男性らしさを表現するものとして、多くの方に「観て」いただきたいと思いました!

 

 

○ 聴けて良かった!
福島大学混声合唱団

コンクール外での演奏は初めて聴きますが、女声・男声とも深く気持ちの入った、実力の高い発声で中島みゆき「糸」の世界観をしっとりと、感動的に演奏されていました。
主旋律はもちろん、オブリガートも気を抜かずふさわしく。さすが!と思いました。

 

○ 聴けて良かった!
群馬大学混声合唱団

信長先生「F」「リフレイン」、10人という少人数だそうですが、その分、表現者として一人一人が自立し、自分の音楽を伝えよう!という強い想いに打たれました。
ピアノの石野桃香先生は群馬大の学生さんなのかな?でしたら将来が楽しみですね。

 

 

早稲田大学女声合唱団

信長先生「春」、発声は変わらず明るく若い印象なのですが、表現の細かいところでこだわりがたくさん見られるようになって。山脇先生の鍛錬のおかげですね。
大学男声以上に、大学女声は存続が厳しいものになってきていますが、45名と確固たる存在感を示しているのが本当に凄い!

 

 

東京大学音楽部女声合唱団コーロ・レティツィア

信長先生「万葉恋歌」より。こちらも貴重な大学女声!
学生指揮者さんの音楽の掴み方と、音楽技法の差異を合唱で表現する能力の高さに感心しました。
テンションの高さ、ステージに満ちる緊張感からコンクール上位高のご出身なのかな?なんて。

 

 

東京大学音楽部合唱団コールアカデミー

指導者が奥村泰憲先生に替わられたということ。
歌い継がれてきたであろう「夜のうた」「雨後」が、愛唱曲らしい気持ちが入った演奏で、耳に心地良かったです。

 

 

緑会合唱団

初めて聴かせてもらったんですが、確かな実力の団体なんですね!
曲紹介からも思い入れが伝わる三宅先生「学ぶ」はもちろん良かったですが、最初の団歌「始まりの歌」がさすが長年歌い継がれているだけに、音楽的な練度と説得力があり、とても好感を持ちました。

 

 

東京大学白ばら会合唱団

東大の中で最古の歴史を誇る団体だとは知りませんでした。
懐かしの名曲・新実徳英先生の「幼年連祷」へしっかり向き合っていて嬉しくなり。
そういえば、新実先生も、作詞者の吉原幸子さんも東大出身……(笑)

 

 

○ 聴けて良かった!
めりいごーらんど

Nコン中学校課題曲「願いごとの持ち腐れ」、高校課題曲「鳥よ空へ」、ともにしっかりとした音楽があり感心しました。
国立音楽大学の合唱団だから、上手い人を集めたら良い合唱になるよな~とつい考えてしまいがちですけども、必ずしもそうとは限らないですよね(苦笑)
めりいごーらんどさんは、個々の技術の高さを十分に感じさせながらも、「合唱」という表現に団員さんの求心力、そして合唱表現の独自性にこだわりがあると感じました。
わずかに女性らしい可愛さを意識しているのも良いですね、自分たちを客観的に見て、強みを考えている結果だと思います。
あとホールの音響が良いのはもちろん、録音機材も良いものを使っているんだろうな~羨ましいな~~!!

 

 

◎ 最高にお勧めします!
上智大学混声合唱団アマデウスコール

信長先生「新しい歌」をまさに今、新しく生み出そうとする気概と熱に満ちた演奏!
生き生きとしたピアノで支える須永真美先生の演奏も素晴らしく。
昨年からという新しい指揮者:神足有紀先生の音楽と、団員さんの熱意がぴったりハマった印象。
若者の演奏はこうじゃないと!本当に聴けて良かったです!!

 

 

金沢大学合唱団

信長先生「新しい明日へ side-B」、タイトル、歌詞のままに希望に満ちる未来が待つような歌でした。
力一杯の願いがこもった熱唱!

 

 

○ 聴けて良かった!
静岡大学混声合唱団

鈴木輝昭先生「五つのエレメント」より、輝昭先生の特有の和音、作品の世界観が見事に表現されていて惹かれました。
高い技術はもちろん、細部にも神経が通っている演奏ですね!

 

 

名古屋大学医学部混声合唱団

團伊玖磨「筑後川」から、という懐かしい曲!
横山潤子「たましいのスケジュール」より、は若者たちひとりずつの真情の吐露というニュアンスがとても出ていましたね。

 

 

京都大学グリークラブ

切実な多田武彦先生「鐘鳴りぬ」。
「琵琶湖周航の歌」は長年歌い継がれた曲だけあって、聴く者を安心させる雰囲気があり、前曲とのコントラストが良かったです。

 

 

◉ とてもお勧めします!
京都大学音楽研究会ハイマート合唱団

高嶋みどり先生「贈物」「白鳥」、うーん上手い!
団員みなさんが合唱の本質を理解している印象がありました。
隅々まで神経が通っていて、場面ごとの音色の変化などにも唸り。
プーランク悔悟節のモテットも、悲痛な想いとプーランク特有の音楽を巧みに表出していて感心しました。

 

 

大阪大学男声合唱団

「Muss i denn」は初めて聴いたのですが、歌い継がれてきた曲ということで、周囲を明るい雰囲気に染めるようでした。
「いざたて戦人」も懐かしいですね!
こういう愛唱曲をたくさん持っているのは男声合唱団の強みですね。

 


ICEK

ゴスペラーズ「永遠に」、曲に合わせ、合唱とも違う、マイクを使う発声とも違う歌い方を指向しているのかな?
作品への思い入れの深さを感じられて良かったです!

 

 

甲南大学文化会グリークラブ

「The Land of Music」、ドラマティックな音楽ながら、温かさも伝わってきました。
不勉強でIlkka Kuusistoという作曲家を知らなかったのですが、フィンランドの作曲家なんですね。
甲南大学さんの演奏で知ることが出来て良かったです。

 

 

神戸大学混声合唱団アポロン

千原英喜先生「どちりなきりしたん」より。
メンバー全員で呼吸を合わせ、とても丁寧に歌う姿に、良い活動をされているなあ・・・と感じました。

 

 

○ 聴けて良かった!
島根大学混声合唱団

島根大さんのコンクール曲以外の演奏を聴くのは初めてですが、旧学歌「緑水たゆたふ」が明るく伸びやかで、聴きながら元気になりました。
千原先生「夜もすがら」は団員さんの持ち声の良さと、歌心が伝わってくる優れた演奏でした。

 

 

岡山大学グリークラブ

相澤直人先生「ぜんぶ」、木下牧子先生「おんがく」、どちらも良い雰囲気で、詩のイメージを伝えようとしているのが伝わってきました。

 

 

◉ とてもお勧めします!
広島大学東雲混声合唱団パストラール

上田真樹先生「夢の意味」「夢の名残」、思い入れのある優しい声から始まり、音楽、感情の起伏を精一杯表現しようとする姿に打たれました。
後半の盛り上がりに全てを注ぎ込むような表現……良いですね!

 

 

九大混声合唱団

千原英喜先生「みやこわすれ」、松下耕先生「ほらね、」、共に愛唱曲として歌い継がれたことがわかる、積み重なった年月を感じさせる音と練られた表現が心地良かったです。

 

以上、全26団体への感想でした。

感想の他に、「お勧め」「聴けて良かった」なども付けてしまいましたが、もちろんそれ以外の団体の演奏も、等しく価値があることは間違いありません。

自分も観客賞で投票を募るなど、少し似ていることをやっているので、いろいろと思うこともありました。
せっかくの機会、できるだけ多くの団体を聴いてあげて、そして投票、余裕があれば感想も送り、寄付もしてあげると良いと思います!

 

《無料》「大学合唱団緊急座談会」を読もう!

 

昨年の合唱連盟・ハーモニー誌秋号での特集・大学合唱団緊急座談会「コロナ禍を経て取り戻した私たちの居場所」が無料公開されています。

この特集、東京、京都の大学合唱団団員さんの座談会なのですが、新入生の勧誘やより良い活動へ向かうためのヒントが散りばめられていて、とても優れた特集です。

 

📌大学合唱団のみなさま📌

 

ハーモニーNo.206特集

大学合唱団緊急座談会「コロナ禍を経て取り戻した私たちの居場所」

記事を無料公開しています

新入生勧誘のヒントが見つかるかも⁉️

読んでいて慶應ワグネルさん、京大合唱団さんの発言に唸りました。

京大さんはめっちゃ優秀な社会人になりそう?!

新入生勧誘では、ワグネルさんの「知ってもらう」、「検討してもらう」、「入団後のケア」、段階ごとの細やかな対応の「フェイズ」が素晴らしい。

京大さんのSNS活動(3月から勧誘アカウントは毎日更新)、その他の「京大合唱団」の横断幕や、団名が目立つパーカーを着て、授業中に認知してもらう、QRコードに繋げるなど多彩な戦略!

 

この特集、毎年やって欲しいですね。

次回は北海道や九州の大学合唱団からも呼んでもらって(笑)

 

外部の人からの認知と入団後のケア・・・一般の団体にとっても非常に大切な考えですよね。

大学合唱団の団員さんが増えることを強く願っています!

 

Chorsal《コールサル》12th Concert -初めての混声合唱組曲4-のお知らせ

 

Chorsal《コールサル》12th Concert -初めての混声合唱組曲4-

ぜんぱくさんこと大村善博さんが指揮者の、松山の意欲的な合唱団「Chorsal《コールサル》」さん。
公募合唱団との演奏も組み入れた、12回目となるコンサートのお知らせです。

 

🐒概要

日時:2024年2月11日(日)13:30開場/14:00開演

会場:松前総合文化センター広域学習ホール

 指揮:大村 善博、景山誠之、寺口穂花、増原拓馬、山田青乃、山中美里佳

ピアノ:尾海あかり、大澤宣晃

チケット:一般1,000円 / 高校生以下 500円(全席自由)

 

🐒チケットのご購入について
チケットは下記のどちらかでお求めください。

〔郵送でのチケットお渡し〕お申込期限:2024年2月2日(金)
購入フォームへの入力後、チケット代金の入金が確認でき次第郵送いたします。
チケット代金の入金期日は2024年2月6日(火)です。
▷チケット申し込みフォーム:https://forms.gle/T7AonjmKE7hE1oMS9

〔出演者から直接お渡し〕
出演者にお声がけいただき、チケットをお求めください。

 
🐒演奏プログラム
〔1st stage〕Monteverdiの世界
〔2nd stage〕ア・ラ・カルト-5人の指揮者の饗宴-
〔3rd stage〕混声合唱曲集「地平線のかなたへ」(木下牧子 曲)
〔4th stage〕混声合唱組曲「方舟」(木下牧子 曲)

 
🐒ご来場にあたって
・終演は16時を予定しております。
・入場時、チケットは回収させていただきます。
 再入場にはパンフレットのご提示が必要ですので、一人1部必ずお持ちください。

「はじめての混声合唱組曲」として、今年は木下牧子先生の初期作品!
ぜんぱくさんに先日お目にかかったときサッカーによせてで8分休符があるでしょ?あそこにボールを渡すときの目配せや、蹴り返す足の感触があるんだよね~」なんてお話を聞きました。
「指揮というものの意味がわかると思う」ア・ラ・カルト-5人の指揮者の饗宴-や、あっという間に公募人数上限が集まった40人による熱い名作「方舟」など、聴きどころ満載のコンサート!


2月11日には愛媛県伊予郡の松前総合文化センター広域学習ホールへどうぞ!