【デレステ】LIVE Carnival Wish you Happiness!!振り返り【虹トロ】
お前は一体いつの話をしているんだと言われそうですが第6回LIVE Carnivalお疲れさまでした。
結果です
Voltage pt 250506
ランキング 1248位
というわけで前回虹トロを取り逃した雪辱を晴らすことが出来ました。とはいえ前回からさほど手持ちや実力の変化はなかったのでブースとの相性ですねこれは…
手持ちの確認
グランドライブも含めると実に12ユニット、60人ものアイドルを起用することになるカーニバルというイベントでは普段あまり意識することのないスキルの割り振りの概念が重要になってきます。ということでまずは編成の肝となるセンター効果が有用なアイドルをリストアップ。
Cuユニゾン : 島村卯月, 乙倉悠貴, 前川みく, 緒方智絵里
Voトリコ : なし
Viトリコ : 島村卯月
Voレゾナンス : 喜多日菜子, 二宮飛鳥
Daレゾナンス : 夢見りあむ
Viレゾナンス : なし
なんでCuユニだけこんなに偏ってるんですかね。
また僕自身の音ゲーの実力としてはLv.29はほぼほぼフルコン可能。Lv.30になると4割程度、Lv.31のフルコンはなしといった感じです。
では具体的に用いた編成を紹介します。
1st BOOTH (特定楽曲のみ選曲可能 / Ap380%UP)
1st BOOTHはクレクレ、パスピン、ラヴィアンローズの3曲のみという事実上のCuブース。なんかスライド率が高い3曲だったみたいですね。
クレクレ起用ということでスライドアクトの辻野さんは確定。センターは本当はスライドアクトと秒数の一致している11秒ユニゾンのみくを選ぶほうが良いんですが、残念ながらポテ35の島村さんとポテ4のみくでは秒数相性以上にステータスの差が大きく選出できず。ゲストにオルタネイトの美玲ちゃんがいたので秒数の一致しているコンボナ幸子、なんとなく余っていたのでフォーカスの乙倉ちゃん。
2nd BOOTH (特定楽曲のみ選曲可能 / Ap330%UP)
2nd BOOTHは1stよりも選択肢の増えたCuブース。
ぶっちゃけフルコンすることの方に注力を注いだので編成は適当ですね。センターユニゾンにコンセチューニング。あとは適当にフォーカスとコンボナ。全然計算機を叩いてないのでいくらでも改善案が出そう。
楽曲はMAS+30の中でも比較的素直なあんずのうた。ただカーニバルのたびに選んでることもあってか変な癖がついてしまっていたので最後の方まで苦労させられました。結局ミラーでフルコン。
3rd BOOTH (特定楽曲のみ選曲可能 / Ap320%UP)
3rd BOOTHはヴィランズナイト、Can't Stop、炎の華の3曲からのみのPaブース。
タップ主体の曲ばかりでアクト系を起用できないので無難なユニゾン編成。センターユニゾン本田にオルタネイト日菜子、秒数の一致しているコンボナきらりまでは確定。後の2枠はこれまた適当ですね。ここもコンセチューニングとかのほうが良いかもしれない。
楽曲はCan't Stopに。ヴィランズナイトのMAS+が解禁されていれば選んだんですけどね残念。炎の華?無茶言わないで。
4th BOOTH (特定楽曲のみ選曲可能 / Ap290%UP)
4th BOOTHも同様にPaブース。
グランドブースに次いで編成に苦労させられました。なにしろユニゾンがいないので苦肉の策としてポテ35のプリンセス佐藤を起用。無料10連中にオルタネイトの唯ちゃんが引けたので秒数一致のフォーカス仁奈ちゃんとセットで起用。
楽曲は最後までTAKAMARI☆CLIMAXXX!!!!!をチャレンジしていたんですが結局フルコンできず。無念…
4th BOOTH (特定楽曲のみ選曲可能 / Ap290%UP)
5th BOOTHはCoブース。
時代遅れのユニスパ編成。特化や秒数もバラバラでしたが腐ってもユニゾンセンターということで4thブースほど低スコアではない。4秒ユニゾンの汎用性の高さを感じますね。
楽曲はりーなソロ2曲目。Gaze and Gazeがミス2くらいまで迫っていたので更新できなかったのは悔しいところ。
6th BOOTH (Voのみ適用 / Vo590%UP)
6th BOOTHはVoレゾ接待ブース。ちょうどゲストにいたリフレほたるを起用して似非7秒軸に。こんな編成でも216万出るんでやっぱり特定Apのみブースはレゾの有無が物を言うなと。
楽曲はとりあえず比較的安定してフルコン出来る生存本能を選びましたが結局最後まで変更なし。
7th BOOTH (Voのみ適用 / Vo590%UP)
7th BOOTHはVoレゾ接待ブースその2。6thブースでVoレゾに使えそうな手持ちは使い切ってしまったのでこっちは本当に有り合わせ。虹トロがやばくなったら真面目に計算着回そうかと思ってましたが結局なんとなったのでだいぶ酷いスコアですね。
楽曲のほうもとりあえずといったTulip。以前は癖が酷くて選べなかったんですけど、ここ最近は比較的安定して選曲できるようになったので大きい。
8th BOOTH (スターランクに応じてApUP)
8th BOOTHはスタランブース。シナシナトリコにゲストのスタラン20フェス限藍子。これは今回始めて知ったんですがスタラン☆1ごとのステータスの補正ってスタラン☆1→☆3のほうが☆3→☆20より大きいんですね。なので虎の子のスタラントレーナーを切って小日向さんをスタラン☆3へ。その他は幸子☆4、未央☆3、蘭子☆5でした。
楽曲はこれまたLv.30で素直な譜面をしているTrust me。順位を見てもわかりますが、今回割と余裕を持って虹トロだったのでこの辺仮置してたらそのまま最終スコアになってるんですよね。
9th BOOTH (プロデュースptに応じてApUP)
9th BOOTHはポテンシャルブース。相変わらずファン活に力を入れていないのでいつも困るブースなのですが、下手にプロデュースPt優先するよりもスコアの出る編成の方が良いとかいう話を聞いたので、今回出番のなかったDaレゾ起用。蘭子、佐藤、卯月は35でしたが、りあむと桃華はポテ20くらいだったはず。それでも圧倒的高スコアなのでここはなかなか上手くハマったかなと。
楽曲の方もちょっと頑張ってStarry-Go-Roundフルコンをしました。やっぱり30をフルコン出来ると虹トロにぐっと近づく気がしますね。
10th BOOTH (イベント出演アイドルのAp70%UP)
10th BOOTHはグランドライブブース。
いつものように売り残りの詰め合わせ福袋みたいな編成になりました。グランドライブはカード1枚辺りのスコアへの貢献度が通常の楽曲よりも低くなりがちなんでどうしても後回しになりますね。あまりにもカードプールが足りなくてイベ報酬のSRスキブとか起用してますし。
楽曲の方は結局FORTEをフルコン出来なかったのが悔やまれる。もうちょい虹トロボーダーに迫られてたら気合い入れたかもしれませんが、ある程度詰めていく中で余裕が見えたのであまりここに時間をかけすぎても無駄だなと判断して妥協。力が足りない…
まとめ
以上、長くなりましたが今回のLIVE Carnivalの編成紹介でした。やはり今回の勝因は特化であるVoレゾを2枚所持していたことですかね。特に前回ViレゾどころかViトリコすらなく辛酸を舐めることとなったので手持ちの偏りとマッチしてたなと。また、特に貢献度が高かったのはプロデュースPtの9thブース。当初はポテも振り切っているDaトリコ編成の予定だったのですがポテ20近く犠牲にしてもDaレゾ編成のほうがスコアが出たのには驚きました。
次回は昨年通りなら6月開催と期間が開くのでインフレが怖いですね。この記事書くのを先延ばしにいている間にブレス編成がスコアタ界隈を席巻しましたし。ちゅらい…
【映画】独断と偏見の2020年映画ベスト10【外国映画】
はいこっちは外国映画版です。
邦画のほう同様、順不同、主観128%です。
ベスト10
象は静かに座っている
象は静かに座っている見ました。すでに今年ベスト級かもしれん。表情や情景など意図的に欠落した情報を読み取ろうとすればするほど劇中の世界のやるせなさに身がつまされた。前半こそ多少冗長に感じたけど後半はその「間」が膿んだ傷口のようにジクジクと効いてくる。4本の糸が絡む脚本も上手いなぁ pic.twitter.com/RYAcMNzbTX
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年1月15日
厳密には2019年公開映画なのですが、あくまで自分が昨年見た新作のベストということなので。
娯楽性がない上に4時間弱という長尺ということでかなり人を選ぶ作品だとは思うのですが、映像の「語らなさ」が絶妙で一時たりとも気が抜けませんでした。やたらと低い被写界深度、音だけ、登場人物の顔のアップだけ、といったシーンの多さ……そういった要素が演出なのだと気づいた瞬間、僕はスクリーンの前の観客ではなくあの灰色の街の住民にさせられたんですよね。どんな4DX映画よりも「実存感」がありました。
パラサイト 半地下の家族
パラサイト 半地下の家族見ました。ちょっと非の打ち所がなさすぎて怖いレベル。扱うテーマから逆算された演出にカメラワーク、特に後半「転」からの魅せ方が巧み。終盤多用される真上からの絵にやられた。父親役ソン・ガンホの演技の情報量の多さとそれをじっくりと魅せるカメラがいい緩急を生んでる pic.twitter.com/ZdlO82LySC
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年1月17日
いまさら僕が語ることある?
とにかく上手「すぎる」作品でしっかりとした時事性やテーマ性を土台に据えながらもそれを説教臭く感じさせない軽やかなエンタメ性で彩ってあってまるで精密機械の内部を覗いたかのよう。カットのリズム感が好きですねぇ。
キャッツ
キャッツ見ました。確かにストーリーは希薄だしあのビジュアルに奇妙さを感じないこともない。でも歌とダンスは間違いなく本物。娼婦猫を演じるジェニファーハドソンを始めGumbie Catや鉄道猫のシーンは非常に楽しかった。あとあまり指摘されてないみたいだけどネオンによるライティングが素晴らしい pic.twitter.com/pD8D4Orynw
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年1月24日
主観128%です(念押し)
世間ではもはや大喜利大会の体を成すほどの酷評っぷりでしたが僕は好きです。あれだけの豪華キャストに実力派スタッフが揃って出来たのがこんなヘンテコな映像だっていう時点で愛おしい。個人的なイチオシポイントは柱に頬をスリスリするイアン・マッケランです。
ナイブズ・アウト
ナイブズ・アウト見ました。クラシカルな洋館モノでクラシカルなwho done it。それがしっかりと2020年の映画として機能しているのは飽きさせない展開の速さと秀逸な台詞回しあってこそ。ただマルタのキャラクター造形はあまりに"いい人"すぎてちと疑問符。みんなトランプさん嫌いだねぇ pic.twitter.com/mYZZZ8PAzZ
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年2月10日
ともすればありきたりと言われかねない「富豪の怪死事件」「怪しい親類」「洋館」「名探偵」といったコッテコテな設定を恐れず挑戦する勇気よ。
見ていて退屈な瞬間がなく、それでいて展開に置いていかれるということもない情報量の調整が絶妙。クリスティ愛あふれる佳作。
黒い司法
黒い司法見ました。地味な絵柄になりがちな法廷劇を実直に描ききった傑作。グリーンブックやデトロイトが60年代だったことを考えると80年代でも以前として黒人差別が「市民生活の安全」の元に公然と行われていたという衝撃。そんな中で自らに対する判事にさえ公平性を信じたブライアンの姿に感動した。 pic.twitter.com/M6eXIJR9I5
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年3月1日
「俺たち黒人は生まれながらにして有罪だ」や死刑直前の身辺整理で「こんなにも誰かに気を使ってもらったのは生まれて初めてだ」などのセリフが重い作品。明らかな冤罪の事実を前にしても死刑宣告を変えない判事に対してこそ真摯に対応し恩寵(MERCY)を望む主人公の誠実さに心を打たれた。死刑制度の是非について考えさせられました。
ミッドサマー (ディレクターズ・カット版)
ミッドサマーディレクターズカット版見ました。改めて見て再確認するこの映画の精緻さ。脚本から小物、それらの色使いや劇伴まで全てに意図があってこれ伏線だったのかって発見が多々あった。追加シーンは多少説明臭さを感じるもののダニーの心情の揺れ動きがより分かりやすくなってた。 pic.twitter.com/TQ91RE2N9t
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年3月16日
ちんちん!!ちんちんですよ!!無修正の!!ちんちん!!!!
半分くらい本気の冗談はさておきR15+版ではカットされていた夜の儀式のシーンなんか、あるとないじゃ後半の理解度がまるで違ってくるのでR18版がおすすめです。
原義としてのメルヒェンってゾッとするほど素敵ですよね。
TENET
テネット見ました。凄い!!凄い!!!SFでありふれたタイムトラベルというネタだけど過去に行った結果ではなく過去に向かう過程の部分にフォーカスを当てることでここまで未知の体験になるとは。ただわっけわかんねぇよ!何が起こったんだよ!自分は何を見たんだ!最高だ!!!整理してもっかい見るぞ pic.twitter.com/uf9boaGtno
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年9月18日
ノーランって大画面でデエェェェンって言わせときゃいいくらいに思ってるよな。ご時世柄、大作映画は延期延期の1年でしたがそんな中で公開してくれたってだけでノーランに足を向けて眠れません。
IMAXで一番座席が響いてたのがエンドクレジットなのには笑ってしまったけどな。
ようこそ映画音響の世界へ
ようこそ映画音響の世界へ見ました。元々無声から始まった映画がなぜ「映画体験の半分は音だ」とまで言われるようになったのか。その歴史には数々のエポックメイキングな作品があり、その裏には"才能の輪"で繋がった多くの人々がいた。総合芸術とまでいわれる所以がよーく分かった。 pic.twitter.com/O29e8KQYmc
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年10月12日
こちらも劇場ならではの体験ができた作品。なかなかスポットの当たることがない効果音や編集面でのエピソードには感心すること多数。初期の西部劇で銃声音が使い回されていたとは…
映画の体験に「音響」というレイヤーが1枚追加されることでこれから見る作品がもっと楽しく、今まで見た映画も新鮮に感じられます。
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)
ロシャオヘイセンキ見ました。すっっごい面白かった!!魅力的なキャラクターデザインとそれが動くというシンプルな気持ちよさ。シャオヘイは猫でも子供でも可愛いしムゲンとフーシーのアクションシーンはワクワクするしで童心に帰った気持ち。アニメーションってこんなにも楽しいものだったんだなって pic.twitter.com/jYNQ7u2VRD
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年11月10日
世界的にはカットアウトアニメーションや3DCGが主流ですがセルアニメだってすごいぞとなる作品。ちょっとした動きや演出、アクションに至るまで溢れんばかりの日本「アニメ」への愛とリスペクトが詰まってて見ていて嬉しくなる。海を超えた「アニメ」は今後どう進化していくんだろうか。
「画」が「動」くってこんなにも楽しく興奮するんだって再確認することが出来ました。
リトル・ジョー
リトルジョー見ました。これはサイエンスホラーって扱いなのか?全編通した赤と緑の色彩に目を奪われる。なぜか劇伴が伊藤貞司による雅楽の楽器を用いたものでこれまた合ってんだが合ってないんだから分かんない奇妙さでゾクゾクした。でも最後は"ハッピー"エンドで良かったですね(優しい目) pic.twitter.com/dx4FbHIzkg
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年11月12日
Happiness Is A Business... Happiness Is A Business...
言ってしまえばゾンビものなんだけれど、感染しているのかどうかの判別が極めて難しいので独特のテンポ感と合わさって知らぬ間にズブズブと沼に沈むかのような映画。どこか非現実的な施設内の造形や謎の雅楽の音も相まって形容しがたい不気味さ。
あとイギリス人ってホントにマーマイト食べるんですね。
総括
大体書きたいことは邦画版のほうで書いた気がするんですけれども、洋画に関してはやはり新型コロナの影響は大きかったですね。ハリウッド大作系は軒並み延期してしまったので例年よりもアクの強い小規模映画が多かった気がします。
個人的には中国映画のポテンシャルに驚いた年でした。ベスト10にこそ選出しませんでしたが「鵞鳥湖の夜」もノワールな風味たっぷりで好き。
2020年洋画鑑賞本数 42作(うち旧作1作)
【映画】独断と偏見の2020年映画ベスト10【邦画】
サボりにサボってようやく書くことにしました。
昨年同様、順不同、主観128%です。
ベスト10
劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明
劇場版メイドインアビス深き魂の黎明見ました!これは想像以上の大傑作。連載時ワクワクしながら読んでいたときのあの感動がそのまま襲ってくるような文句の付けようのない映像化!!!憧れも絶望も度し難も全部全部詰まってるから全人類見てくれ。共に夜明けを見てくれ。もうそれしか言えない。 pic.twitter.com/APTU5Em8lH
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年1月17日
個人的にはやはり外せず。
かつて無いアニメ豊作の年でありヴァイオレット・エヴァーガーデンやジョゼと虎と魚たちを押しのけてメイドインアビスが入った理由とは……ファンだからですね。今までと打って変わった5層の寒々とした景色やイドフロントの無骨さ、そして何より圧倒的存在感のボンドルド。エンドクレジットのForever Lostがこれまた素晴らしくてですね。
前田建設ファンタジー営業部見ました。自他共に認める地味な土木建設をテーマにこれだけ楽しく熱く夢いっぱいな映画が出来るだなんて!ひとりのバカなオタクの荒唐無稽な企画に大の大人達が本気で取り組むことで見えてくる仕事のやりがいや誇り。ニートの僕には余りにも眩しすぎた pic.twitter.com/Rs1R41DLl3
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年2月3日
とにかく熱くて笑えて楽しい作品なんですけれども、こちらもエンドクレジットの映像が印象的。You Tubeにもアップされているんですけれども、飽きさせない作りの凝った映像になっているんですね。それだけなら割とよくある演出なんですけど主要キャストやメインスタッフのみならず制作スタッフの最後の一人までこの凝った映像が徹底されているのがすごく良いんです。スタッフの誰一人として欠かすことの出来ない存在なんだぜっていうのが作品テーマともマッチしていて、「あぁ、いい映画を見たなぁ」と満足感を感じられました。
初恋
初恋見ました。なんだこの傑作は!?クズで汚らしくて人間臭い強烈なキャラクターがあとからあとから出てくる。監督なにかキメてらっしゃる?特にベッキーと染谷将太の演技がキレッキレで最高だった。主演ふたりが電車内でイヤホン分け合って音楽を聞くシーンのいじらしさが素敵 pic.twitter.com/w4P86P5yT7
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年3月16日
ベッキーと染谷将太です。この映画はベッキーと染谷将太なしには語れません。
インパクト抜群の人物造形と遠慮なしのバイオレンス、かと思えば電車での逃避シーンのようないぢましくも切ない場面など取り上げたい要素は数限りなくありますが、もう何をおいてもこの二人です。失礼ながらここまでベッキーがハマると思ってなかったし、染谷将太も序盤のカマセっぽさが嘘のような後半の覚醒が最高でした。
この俳優はすげーぞと密かに思っていたら麒麟の信長役で一気に有名になりましたね。いいことだ。
許された子どもたち
許された子どもたちを見ました。主人公ながら自らの心情をほとんど語らない、語るすべを持たないキラの一見支離滅裂な行動が「そう簡単に分かった気にさせないぞ」というメッセージを感じた。水音の混じる生々しい打撃音やひどく示唆的な食事シーンなんかも上手い。もう一度見たくないという意味で傑作 pic.twitter.com/45dvJT76NS
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年7月18日
短文感想でも述べてますがこの映画の縁の下の力持ち的存在は音響スタッフの方々ではないでしょうか。アクション映画のような「ドカッ」「バキッ」といった小地味良い音ではない「ドチュ」「ズチュ」というような暴打音はスクリーンを超えて真に迫ってくる物がありましたし、否でも応でも作中の薄暗い絶望に取り込まれていく感覚がしました。
ストーリー的にもラストはそう締めるかと。本当に最後までスッキリさせてくれない…
アルプススタンドのはしの方
アルプススタンドのはしの方見ました。ノーマークだったけど無茶苦茶良かった!!!やりきれない思いのままちゅうぶらりんな気持ちの描写の解像度とそれを魅せる会話が上手い!!映像的にもそれぞれ最初は距離のあった4人が最後は並んで応援をする姿に感動。いい映画を見たなぁ pic.twitter.com/eeaADwbMKN
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年7月31日
イオンシネマのフリーパスでジブリの上映の隙間にやってたから見たんですが、鑑賞後からもう一回見たい!と即座に思った映画はなかなかないです。実際ゲド戦記やめて2回目見ましたし
ワンシチュエーションの会話劇でありながらも緻密に構成された脚本にもう釘付けです。映画自体は「はしの方」がメインではあるんですが、だからといってスタンドの中心にいる人達のことも忘れないひっそりと、しかし効果的な演出が見事に自分に刺さりました。
青くて痛くて脆い
青くて痛くて脆い見ました。あーーー気持ち悪い!秋好の第一印象も、後半にかけての楓も、そして何より見たあとの自分の感情が無茶苦茶気持ち悪い。いろんな気持ち悪い要素で構成されてて見ていてメンタルがガリガリと削られて辛かった。もっかい見たい。でも5年後くらいに pic.twitter.com/KgFbQtAnwx
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年9月3日
アルプススタンドのはしの方が青春の素晴らしい部分だとしたら、こちらはその裏返しとなる醜い部分とでもいいましょうか。僕みたいに大学生活をソシャゲと惰眠とオナニーのオカズ探しに浪費した人間には非常に辛いものがある作品です。あーいやだいやだ。
また吉沢亮が絶妙に気持ち悪いんですよね。顔は整っているのに髪型服装や行動が見事に「陰キャ」のそれで役者だなぁと。
事故物件 怖い間取り
事故物件 怖い間取り見ました。最後まではまっとうにホラーしててずっと薄目で見てたんだけどラストで突然ギャグか?みたいな内容に。だって真っ先に連想したのハリーポッターだぞ?幽霊たちの全方位型STGみたいなシーンで思わず笑ってしまった。ヤマメのナチュラルクズっぷりもなかなかでいい娯楽作品 pic.twitter.com/xaGFk8UDZe
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年9月3日
ハリーポッターと秘密の事故物件
か弱い女の子なので普段ホラーは見ないんですが、事故物件ではきちんと予兆があるので安心して楽しめました(ホラーとは) こちらも亀梨和也のビジュアルが絶妙でちっとも格好良くないんですよね。これベスト10に選ぶか!?みたいな葛藤はあったんですが、ラストの展開も相まって愛すべきポンコツ映画みたいな枠ということでひとつ。
はりぼて
はりぼて見ました。地方議会に蔓延する不正会計の真実というテーマをここまで軽妙に見せるのはセンスだなぁ。不正は一切ありませんと言った次のカットで土下座謝罪の疾走感は編集の妙。繰り返されるとぼけたテーマ曲も良かった。広島もね、今まさにって感じなんで笑えるけど笑えないっすね。 pic.twitter.com/g545HpQSrT
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年10月21日
ちょうど広島で河井議員の不正問題が取り沙汰されていたタイミングで見た作品ということもあって印象的だったので選出。
マスメディアというものの本質を描いているドキュメンタリーだけにもっとヒロイックな構成にも出来ただろうに、ここまでゆるい演出で見せてくるのは新鮮でした。相次ぐ不正への怒りを別の感情として消化できるのは映画の強みですねぇ。
魔女見習いをさがして
魔女見習いをさがしてみました。ちょっと詰め込み過ぎかなって気もするけど、それ以上にコミカルで楽しくて前向きになれる映画だった。いわゆる続編といった形式ではないのにファンサービスにも溢れてて嬉しい。ただ見てるとき「これ同じようなことやってる人TLでよく見るな」とか余計なことも思った pic.twitter.com/zaCCZCblUj
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年12月1日
コレ何度も言われてると思いますけどおジャ魔女カーニバルをああやって使うの反則じゃないですか?
おジャ魔女どれみの系譜でありながらもおジャ魔女を見て育った女性たちが主人公というメタ的な構造に驚き、またそれがうまく機能していて感心しました。
広島県民としては百田夏菜子の尾道弁(広島市の方とはまた微妙にイントネーションが違うんです)が非常にナチュラルだったのも良かったですね。この世界の片隅には祖母の世代の訛り方だったんですけどこちらは親世代くらいの身近さで。
朝が来る
朝が来る見ました。子供の親権を巡るドラマチックな内容を想像していたけれど、いい意味で抑制的な、それでいて非常に真摯な作品だった。個人的にはひかりの6年間かけた容姿の変化が丁寧でとても良かった。美術さんかスタイリストさんが上手いのかな pic.twitter.com/EW7Jrsk1Il
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年12月17日
エンドクレジット後のあのセリフが全てです。
ぶっちゃけると鑑賞中は丁寧な作りだとは思いつつも、どこか軸の見えないふわふわした感じでいたんですけど、主題歌のアサトヒカリがそれらすべてをギュッとまとめ上げてそして止めにラストのセリフですよ。冗長じゃないかとすら思えた丁寧さがすべて一つ一つ愛おしく拾い上げられました。
蒔田彩珠さんは星の子でも主人公の姉の役をやっていて上手いなと思っていたので今後に注目したいと思います。
特別枠
もののけ姫見ました。何度見たか分からない映画だけれどもまずアシタカせっ記の低音で痺れた。たたら場のふいごのきしむ音や鏑矢の抜け、こんなにも豊かな音響だったとは… あと、今回初めて気づいたけれどハンセン病の人とトキが肩を並べて食事をする場面あれよく考えるとすごく重要だったんだなって pic.twitter.com/DTLOEmNOA5
— 日比野ちりめん (@CRMN_celeron) 2020年6月30日
旧作なんですけれどどうしても語りたくて特別枠ということで選出。
といってもTwitterでの感想に集約されているんですがやはり映画は映画館で見てこそ真価を発揮するものなのだと再確認することが出来た作品になりました。セリフを諳んじれるほど見た作品だけに、音響が違うだけでこれほどまでに世界の「深度」が違うものかと。
旧作公開はコロナ禍での新作公開中止が相次ぐ中での苦肉の策ではあったんでしょうが劇場で見ることの出来なかった作品を鑑賞できたのは非常に嬉しかったです。
総括
なんか毎年言ってるような気もしますが豊作でしたね。こうして見返してみるとアルプススタンドのはしの方や朝が来るなんかの人の苦悩も喜びもまるっとすくい上げてくれるような作品が好きなんだなと思いました。選出した作品の他にも演出面で頭一つ抜けていたヴァイオレット・エヴァーガーデンや映像に心奪われたスパイの妻などもあり楽しい1年でした。
鑑賞環境の話としてはやはり夏場に実施されたイオンシネマのワンデーフリーパスの影響が大きいかと。普段なら絶対に見ないような作品だからこそどこに自分にぶっ刺さる作品が潜んでいるのか分からないわけで、そういった作品の鑑賞へのハードルを下げまくってくれたことに感謝しています。だから定期的にやって
洋画のベストの方も気が向いたら書きます。
2020年邦画鑑賞本数 52作(うち旧作4本)
【映画】劇場版 鬼滅の刃 無限列車編を見ました
『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を見ました。
原作既読、アニメ挫折
まずなんといっても作画のクオリティ。結構アクの強いキャラデザにも関わらず写実的な背景に上手く溶け込んでいるし、技の特徴的なエフェクトもかっこいい。3DCGをかなり積極的に利用しながらも、キャラクターがそれに負けないくらいヌルヌルと動くのですごいなと感心。
物語としては鬼滅の刃という作品全体に言えることだけれど対立構図からのドラマチックなストーリーがいいですね。単体として完成されている鬼に対して、多くの人が命を賭して意思を継いでいく鬼殺隊。相反する信条の対立が見せるシンプルながらも熱い構成はこのころから顕著だったんだなと。
ただ欠点もあって全体的なテンポの悪さ。原作通りといえばそれまでなんだけれど、夢に落ちた場面では炭治郎と煉獄さんだけでいい部分を善逸と伊之助の二人のぶんも丁寧にやるせいでストーリーの流れが淀んでる印象。煉獄さんが死んだことが知れ渡るシーンも残った柱8人+お館様それぞれの反応を見せてくるせいでせっかくの感動シーンの余韻が冷めてしまう。もちろんそういった誰一人として取りこぼさない作風が受けているのだとは知っているけれどもこの点に関しては完全にNotForMe。
しかしながら、そういった欠点を補って余りあるのがアクションシーンのカッコよさ。静と動のメリハリの効いた各種の呼吸や、グリングリンと動き回るカメラの中で縦横無尽に動き回る炭治郎と伊之助など見応え抜群で手に汗握った。
そしてなんといっても終盤の煉獄VS猗窩座戦。人間と鬼、刀術と武術といったそれぞれの特徴を生かした戦闘スタイルの対比が見事だった。作中でも語られているように明らかに炭治郎らよりも格上同士の戦闘だということが伝わる説得力。
石田彰による猗窩座も、カヲルくん的なパブリックイメージとはかけ離れた演技で新鮮だった。それでいて煉獄さんを鬼に勧誘する場面では強さというものに固執する猗窩座のバックボーンを感じさせるような、わずかに甘い声色でさすがの大ベテラン。
総じて前評判に負けないくらいの圧巻のクオリティで楽しかったです。今後どうメディア展開していくのかは分からないけれど、早くアニメでも玉壺とか童磨が見たいなぁ。
余談: 今作は間違いなく今年度映画でもトップの公開規模な割にほとんど初見への配慮がなくてびっくりした。あれやられちゃうと萎えてしまうのでいいんだけれど、これだけの規模の作品でありながらアニメ、もしくは原作の視聴を前提とした作品作りができるのは流石社会現象だなと。
【映画】ようこそ映画音響の世界へを見ました
思い出したかのように更新。
『ようこそ映画音響の世界へ』を見ました。
冒頭で引用されるルーカスのセリフ「映画体験の半分は音だ」
リュミエール兄弟に端を発する映画の歴史はサイレントから始まったのに、なぜ今日において映画体験の半分を占めるまでになったのか。その歴史にはエポックメイキングな作品の数々があり、またその裏には"才能の輪"で繋がった多くの人々がいた。一見するとマニアックで地味な内容になりそうなドキュメンタリーなのに実際の映像を交えた分かりやすい解説と豪華なキャストでむしろ夢中になって見ることが出来ました。チューバッカの声の元ネタが〇〇だったなんて…
1927年にはすでに初のトーキー映画であるジャズシンガーが公開されていたにもかかわらず、音響という仕事は長い間重要視されていなかったこと。またその状況を改善した70年代の巨匠たちは映画と同じくらいラジオで育ってきた世代だったというのが文化の横のつながりを感じて興味深かったです。
またモノラルからステレオ、5.1chサラウンドへと進化してきた音響機器の解説パートでは実際に「スター誕生」と「地獄の黙示録」を例に上げて、音の変化を体感出来たのは劇場ならではでした。地獄の黙示録で初めて「音が回り込んでくる」体験をした当時の人はそりゃあびっくりしただろうなぁ。
ともすれば映画は監督のものだという認識をしがちなんですけど、クレジットで流れるあの人達それぞれがなにかしらのプロフェッショナルであり、"才能の輪"によって繋がった関係なのだということ、だからこそ映画は総合芸術足り得るのだということがよく分かりました。映画を見るときの視点が増える=楽しみ方が増える良い作品でした。とりあえず劇中で触れられてた作品は見たことあるのも含めて一通り目を通してみたいですね。
【映画】海辺のエトランゼを見ました
『海辺のエトランゼ』を見ました。
これに関してはそもそも原作ファンなので評価ゆるゆるです。みずみずしくてとても良かったです。
原作を読んだのはかれこれ5年近く前ですけど、初見の感動がそのまま蘇ってきたかのようなクオリティでした。時間的には60分と短めでいくつか削られたエピソードもあったりしますけど、単純に短くなったのではなく駿と実央双方の過去をより深く描写していたので満足感があった。
原作からモノローグ部分がほとんどオミットされているのも、ただ漫画を動かすのではなく、映像作品として再解釈して組み上げた感じがして好印象です。まぁその分、駿がかなりひどいやつに見えましたけど。それでいて最後の駿の願いの部分だけは残してあったのでより効果的でした。
元アニメーターである原作者の紀伊カンナ先生自身がキャラデザと監修を務めているので、アニメになっても一切の違和感がなくて驚き。デフォルメの効いた表情なんか原作そのまま。
そしてアニメになって特に良かった部分が背景美術。もともとのボールペンでガリガリと書いたようなタッチの雰囲気は残しつつも、より写実的で鮮やかに描かれていて舞台となった沖縄の匂いとか湿度まで伝わってくるよう。二人が釣りをするシーンの夕暮れ空のグラデーションが好き。
この調子で春風~シリーズもどんどんアニメ化しませんかね?
余談
エトランゼといえば、というか紀伊カンナといえば「猫」なんですけど、本作でも無茶苦茶力が入っていて要所要所でいい動きをしていた。で、エンドクレジットを見てみると「猫作監」と言う形で単独の方が関わってらっしゃったみたいでそこまでやるか!?と。
【映画】青くて痛くて脆いを見ました
https://aokuteitakutemoroi-movie.jp
青くて痛くて脆いを見ました。
あー気持ち悪い。気持ち悪い。むちゃくちゃ気持ち悪い。
序盤の秋好の言動も、後半にかけて加速度的にさらけ出されていく楓の内面も、そして何よりこの映画を見たあとの自分のかき乱された感情がとにかく気持ちが悪い。自分なんかは特に楓の価値観に共感するものが多かったので、そんな楓の「青くて痛くて脆い」部分をありありと見せつけられるのはかなりきつかった。
とにかく吉沢亮演じる田端楓の「陰キャ」の再現度が高すぎる。多分原作からの人物の解像度の高さに吉沢亮の演技力が組み合わさった"せいで"あんなにも見る人を苦しめる作品になったのだと思う。インカレサークルとかいわゆる意識高い系みたいな人たちの空間と、もう遺伝子レベルで水が合わない自分からするとああいった形のラストシーンを提示されるとどうしようもないですね。多分苦虫を噛み潰したような顔をしていたと思う。
比較的淡々と進行するのだけれども、序盤に大きな謎を示してミステリー的な要素を見せた上で現在と過去のエピソードを交互にやるので飽きさせない。それでいて「ああこういうタイプの映画か」と思ってきた辺りでのどんでん返し。そこからラストの講堂のシーンまでノンストップで構成が上手い。その講堂のシーンも(内容に反して)早朝の日差しが差し込む自然光による階調がとても美しかった。
もう一度見たくなる作品でした。でも5年後くらいに。
余談
それはそれとして全編通していい人だった秋好が面と向かって「気持ち悪い」と投げかけてくるあのシーンはかなりドキドキしましたね。好きだ…