謙虚な天狗が送る毎日

ようこそ、「謙虚な天狗が送る毎日」へ。暇つぶしに見たくなるブログを目標に、ちびちび投稿します。

正しい命の循環とは 朝井リョウ『正欲』

 

久々に自分のはてなブログの記事を見てみたら、「この広告は90日以上更新されていないブログに表示されています」という文言と共に広告が張り付けられていた。

 

ちっ

 

ということで何とか広告を消し去るべく数か月ぶりに記事を書くことにした。

 

ついさっき朝井リョウの『正欲』を読み終わったところなんでちょうど良いわい。

 

めちゃ簡単に言うと、とある特殊性癖をもつ登場人物たちが、社会の正義の中で溺れそうになりながらも辛うじて生きている様子を描いた作品。

2023年に映画化もされている。

 

 

ネタバレも込みで感想を書いていきたいと思う。

 

 

「正しい命の循環」=輪廻?

「正しい命の循環の中にいる人たち」という表現が物語中で何度も出てきた。

みなさん、学生時代の同級生で、野球部のキャプテンをしていた人を頭に思い浮かべてみてほしい。その人が、まさに「正しい命の循環の中にいる人たち」の代表例だ。

 

というのはちょっと偏見だけど、作中では「自分たちが正常だと信じて疑わない異性愛者」というような意味合いで使われている。

 

思春期に入ったときには私も”大多数”と同じように性欲を感じるようになったが、クラスメイトたちがしきりに「誰が好きか」とか「誰と誰が付き合ってるか」という話をしているのを聞いていて、なぜそこまでの熱を注げるのだろうかとも感じていた。

 

なお、モテない自分を守るためにそのような思考をしていた可能性も微レ存。

 

まぁともかく、世の中の最小単位はオスとメスのつがいである。

星野源も『恋』の中で「この世にいる誰も 二人から」と歌っているように。

「正しい命の循環」とはまぁそんなような生物としての基本ルールでもある。

 

桐生夏月が、イオンモールで幸せそうにショッピングを楽しむ家族たちを眺めながら「正しい命の循環の中にいる人たち」を意識する場面がある。ベビーカーに乗っている赤ちゃんもいずれは大人になり、異性に性欲をもち、結婚し、子供をベビーカーに乗せてまたこのイオンモールに戻ってくるのだと空想する。

 

この場面を読んでいて、私はふと正しい命の循環とは仏教における輪廻とも捉えられると思った。

 

仏教についてはセブンの弁当くらい浅い知識しか知らないが、輪廻とは死んだらまた生まれるを繰り返すことで、そのゲームから抜け出す、すなわち解脱することで涅槃に達することができるというようなことだったはず。

 

ではどうやって解脱、つまり悟りを開くのか。それは、あらゆる欲望と別れを告げることで達成される、みたいなみたいな。

 

桐生夏月、諸橋大也、佐々木佳道のように水にしか興奮しない人たちは、自動的に”正規”の輪廻ルートをはずれ、その循環を俯瞰で見ることしかできなくなる。

去年の芥川賞をとった市川沙央の『ハンチバック』の中でも、主人公の釈華は障害によって世間から隔絶されており、自らを「涅槃に生きている」と書いている。

 

確かにあらゆる欲を捨てているわけではないのだが、彼らはほぼ悟っているように思える。

 

『蛇にピアス』『浮遊』『改良』のハシゴ読み

ここ何か月か本と無縁の生活を送っていたのだが、このまえ急に本が読みたくなったので三冊イッキ読みした。

思えば読書の秋だからか。まったく意識していなかった。

 

去年、遠野遥氏の『破局』を読んでからというもの、衝撃がずっと頭に残っていたので、とりあえず遠野氏の他作品を読もうと決めていた。

 

ネタバレ注意です。

 

『改良』遠野遥

文藝賞を受賞した著者のデビュー作らしい。

男子大学生が主人公で、彼の女装趣味を台風の目として渦を巻く物語。

 

破局』みたく終盤に何の前触れもなく畳みかけてくる感じで、誰かが言ってたけどまさにジェットコースターに乗っているような心地がした。

最後の急降下の直前に、主人公が初めて「満たされる」描写があるため、富士急くらい落差がある。

 

美しさに呪われた主人公は、女装が趣味だがトランスジェンダーではない。

「性」よりも根本的な「美」と葛藤する主人公は、ある意味芸術家と同じで、美しさに生きる意味を見出しているんだと思う。

 

「美しさ」は、水みたいに生命を存続させるうえで不可欠なものではないけれど、もしかしたらそれは動物限定の発想であって、美醜という尺度をもってしまった人間にとっては必須のアイテムなのかもしれないと思った。

 

 

『浮遊』

 

私は幼い頃、周りの目を盗んでスーパーに陳列されている糸こんにゃくを包装の上から指で潰すという遊びにハマっていたことがあった。(よい子はまねしちゃだめ!)

 

しかしこの遊びは想像通り難易度が高く、本体を掴めそうでなかなか掴めない。

この小説はまさにそんな感じだった。

 

高校1年の女子高生”ふうか”と30代後半くらいの会社経営者の男が同棲しているのだが、ふうかが夜な夜なホラーゲームをプレイしている。

父から定期的に心配のLINEがくるが、その内容からも二人の同棲を一応は了解している感じではある。

 

二人は同棲しているのだが、性的な関係については何の描写もないのでそこも曖昧。

というかすべてが曖昧である。

設定が特異なので、読者としては「まあこういう理由でこうなのかな?」とか想像したりすると思うんだけど、そのどれもが有耶無耶にされる感じがあり、それが作品全体を覆いつくす乾いた不安を煽っている。

 

ホラーゲームの内容と現実とで繋がりがありそうなポイントもふと出てくることがあるが、それもまたビミョーにすれ違うというか、すれ違ってるかどうかも分からないというか。

 

『改良』も『破局』も終盤にかなり疾走感のあるシーンが置かれているが、この作品はシリーズものかと一度疑うくらいにはプツンと切れたように終着したのが逆に印象的だった。

 

あと、ホラー耐性ゼロの私にとっては普通に怖かった。追いかけられるの怖い。

実は『破局』にも、主人公の彼女の回想の中で、自転車で追いかけられるシーンがある。

あとから著者のインタビューを見て驚いたのだが、『破局』を書くにあたって最初に浮かんできたシーンがその場面で、そこに後から思いついたシーンと繋げたりして物語を構成したらしいのだ。

 

まさか主人公でもない役の回想シーンが原点になっていたとは。

 

蛇にピアス金原ひとみ

蛇にピアス』と言われると私は映画版のほうが先に思い浮かんでくるのだが、それは主に茶髪の吉高由里子と赤髪の高良健吾のことで、物語自体は知らないし観たことなかった。

 

できれば何か小説を読むときは実写のヴィジュアルを知らない状態で楽しみたい派ではあるのだが、たまには知ってても良いかなと思ったりして読み始めた。

 

身体改造という点でいえば『改良』といくつかの共通点を見出すことができる。

だが、こちらは美に執着しているのではなく痛みに依存している。

 

そもそも主人公がスプリットタンにしようとする目的というのが、主人公自身もぼんやりとしか掴めていない。アマにもらった歯みたいな愛の印としての行為なのかもしれないし、生きている実感を得るためかもしれないし、その両方かもしれない。

 

作中にも触れられている場面があるが、身体改造というと「神」や宗教観とは切っても切れない関係にある。

現代社会で、人間は様々なものを所有しているようにも見え、独占欲にもまみれているが、実際のところひとりの人間が所有しているのは自分ひとりの身体だけだ。

 

その唯一にして絶対的な所有物を造り替えるとき、はじめて運命から解放されたような気分になるのかもしれない。

 

男性の短パン自由化なくして日本のジェンダー平等はない

 

私には夢がある。

日本男児が堂々と短パンを履ける世界をつくることだ。

 

私たちは長いこと戦ってきた。

世間の目、ドレスコード、そしてついには短パンを履くのをためらってしまっていた自分自身と。

 

しかし今年の夏こそ、時代の転換点にしたいと私は考えている。勝負はもう始まっている。

 

こんな立派な提言をしておいて、当のお前はちゃんと短パンを履いてるんだろうな?と心配される方もいるだろう。

 

安心してください、履いてますよ。

 

今日も今日とてオリーブ色の短パンを一着購入した。トップスは白か黒なことが多いのだが、となるとその両方にマッチするという点でオリーブという色は非常に使い勝手が良い。

 

これぐらいのことを考えている時点で私が短パンを普段から履いていることはわかっていただけたのではなかろうか。

 

数十年前と比べたら明らかに短パンを履く成人男性は増えたと思われる。しかしまだ偏見が根強く残っているのが事実だ。

 

この記事では、いくつか考えられる代表的な偏見を斬っていきたい。

 

1.「短パンなんて子供が履くものだ」

確かに子供はよく短パンを履いているが、もちろん子供だけのものではない。

子どもは自分の着たい物を着る。その子供が短パンを履いているのだから、大人だって本当は短パンを履くのが最適解であることは明白だ。

 

私は、高校でスラックスを履いている女子を見かけたとき、異常にかっこよく見えた。

スラックスは男子だけが履くものではない。それと同じように、短パンは子供だけが履くものではない。

そもそも海外では大人も短パンを履いている地域も多いように思う。

 

2.「すね毛がヤダ」

確かにすね毛は濃ければ濃いほど気になる。確かに日本人男性は体毛が薄いので、逆にすね毛が注目を浴びてしまうことも頷ける。

だがこれは完全に慣れの問題で、短パンが普及していけばみんな気にしなくなるだろう。どぶろっくの江口さんの胸毛を気にする人はもういない。

 

3.「ダサい」

もちろんダサいと思う人もいるだろう。だが、それはすべてのファッションに当てはまることだ。

ここ数十年のオーバーサイズの服に対する世間の認識の変化を見れば、短パンがダサいという雰囲気がいかに一時的で脆いものなのかわかるだろう。

 

もう少し短パンへの反論を並べようと思ったが、これまででもわかる通り、正当なデメリットといえるものなんてないのだ。もう考えられる反論が思い浮かばない。

 

暑いから少しでも涼しくするために丈の短い衣服を纏う。

いたって単純な思考である。

 

そもそも女性がショートパンツを履くことに関して偏見はないし、履いている人も多い。

 

地球温暖化による環境破壊が喫緊の問題である今日、少しでも涼しい恰好をしてクーラーの設定温度を上げよう。

 

いまこそ再びクール・ジャパンを世界に見せるときだ。

 

 

 

最近はてなスターに「引用はてなスター」なるものがあると知った。

blog.hatenablog.com

結構知らない人多いと思うんだけれど。

こんなかゆい所に手が届く機能があるならもっと早く言って欲しかったんだ。

この記事にも試しに引用スターをつけてくれたら嬉しい。

今年の要注目バンド 『WOLVEs GROOVY』の魅力やメンバーなどをご紹介!!

 

 

これからの活動にワクワクが止まらない最高のバンドを見つけてしまったのでご紹介します!

メンバーや結成の経緯についてかなり詳しく解説してますのでぜひ読んでいってください!

 ↑なんとこの記事について当バンドのメンバーであるアヤコノさんご本人にもリアクションしていただきました!!

 

WOLVEs GROOVY とは?

『WOLVEs GROOVY(ウルヴズグルーヴィ)』は、2023年3月に始動したましのみ(Vo, G)、アヤコノ(Vo,Ba)、詩音(Dr)による日本のスリーピースバンド。

 

”一匹狼”として音楽を紡いできた、出身もルーツもバラバラな3人が”グルーヴ”で通じ合ったことで結成したWOLVEs GROOVY。略してウルグル。

2023年3月8日、バンド結成が公式に発表されたと同時に1st EP『WOLVEs1』がリリースされました。

MVも絶賛公開中、適度なこなれ感が癖になるシンプルな楽器構成のロックナンバー「BUG」や、シンセベース、トラックメイキングを多用した遊び心溢れるダンスチューン「passion&groove」など、とにかく”楽しい”4曲が収録されています。

 

おそらくこの記事を見に来てくださっている方の大半は、ウルグルの楽曲をどこかしらで聴いたことでバンドについて興味をもった方だと思いますので、ウルグルの楽曲については終盤でご紹介しています。

もしまだ曲を聴いたことがない、楽曲から聴きたいという方は下の目次からどうぞ。

 

 

メンバー紹介

ましのみ(Vo, G)

  • シンガーソングライター、コンポーザー
  • 生年月日:1997年2月12日 26歳(2023/5)
  • 出身:千葉県
  • CHOCOLATE Inc. でプランナーとして活動
  • 慶應義塾大学商学部卒業

 

○生粋のシンガーソングライター

ましのみさんは、唯一無二の言葉選び、型に囚われない分野をまたいだ活動スタイルが魅力のシンガーソングライターです。

2016年に開催されたYAMAHA主催、日本最大規模の音楽コンテスト『The 10th Music Revolution JAPAN』で約3000人の中から東日本グランプリを受賞。

2018年に「ぺっとぼとリテラシー」でポニーキャニオンよりメジャーデビュー。

現在は基本的にフリーで活動されていると思われます。

 

最近は80KIDSやShin Sakiura、maco marets、Wez Atlasら、ヒップホップやR&Bと関わりの深いアーティストと精力的にコラボを重ねるなど、常に新境地を開拓しながら数々の話題曲を生み出しています。

 

そんな中発表されたのが、WOLVEs GROOVY結成でした。

 

CHOCOLATE Inc. でプランナーとして活動

また、2021年9月から、CHOCOLATE Inc. というコンテンツスタジオで「プランナー」としても活躍されています。

 

なんだか横文字が多くてよくわかりませんよね。私も気になったので詳しく調べてみたのですが、このCHOCOLATE Inc. という企業・・・只者じゃありませんでした。

ひとまずこちらの動画をご覧ください。

 

○CHOCOLATE REEL 2023


www.youtube.com

なんとこの動画に映っているコンテンツすべて、チョコレイトが制作に深く関わっているものなんです!

チョコレイトを無理やり一言で説明すると、「コンテンツを生み出す会社」となります。

コンテンツスタジオというだけあり、映像、キャラクター、音楽、漫画などなど対象は無数に存在します。

 

サントリーCM『スパークリングレモン』やリクルートCM『出会いってすごくないですか。篇』などは目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

私もリクルートのこのCMはスキップせずに見入ってしまった記憶があります。

 

6秒商店、feat.CARSプロジェクト、けたたましいくま、ブルーハムハム、おぱんちゅうさぎなどなど名だたるコンテンツをプロデュースしています。全然紹介しきれません。

feat.CARSプロジェクトは人選も映像も最高でした。未視聴の方はご覧あれ。

 

○CHOCOLATE Inc.オフィスツアー2021


www.youtube.com

企業の紹介動画です。ちなみにこの動画自体のBGM制作にもましのみさんが携わっています。

 

ましのみさんはプランナーとして様々なコンテンツの企画・制作を担当されており、特に相鉄線沿線全26駅の魅力を伝える26の楽曲を製作する「相鉄レコードプロジェクト」ではメインボーカル・作詞・作曲にて大きく貢献されています。

 

 

www.chocolate-inc.com

博報堂勤務時代にはバズマシーンとの異名をもっていた現COOの栗林和明氏は、「真に”話題を作る”ためには、できあがったもののプロモーションを考えるのではなく話題になるような要素を内包している事業や商品から作らないと、もう世の中を動かせない」と語っており、その考えがチョコレイト の軸として存在しています。

 

まさに0から1つくるプロ集団であり、この点においてもチョコレイトはましのみさんの想像力、そして創造力が余すことなく発揮される最適なワークスペースなのかもしれません。

 

チョコレイトが魅力的すぎてまだ書き足りないのですが、これ以上長くできないのでまとめると「”ピクサー任天堂を超える世界一たのしいエンタメ企業”を目標に掲げる、いま日本で一番アツい会社」です。

そして、その会社のメンバーとしてましのみさんもご活躍されているということです。

続いて、楽曲について紹介していきます。

 

○『STAR STATUS』 feat. Wez Atlas


www.youtube.com

疾走感とレトロが同居した2ステップビートが印象的な一曲。

”音”としても楽しめるトリッキーな言葉選びとキャッチーなメロディーの組み合わせが絶妙で、まさにましのみさんの真骨頂といった感じです。

80KIDSが手掛けたビートに歌詞をのせていく順番で制作したそうなのですが、ましのみさんはビートを聴いてマリオカートレインボーロードのイメージが真っ先に頭に浮かんできたと言います。

そのイメージをうまく具現化していったことでこの独特のグルーヴが生まれたのかもしれませんね。

 

それにしても01:19くらいのWez Atlas の入りが鼻セレブくらいソフト。

 

○『Fantasy?』 feat. maco marets


www.youtube.com

本作は東京を中心に活動するラッパーのmaca maretsを迎えたコラボ曲で、サウンド・プロデュースはShin Sakiuraが手掛けています。

浮遊感のあるましのみさんの歌声が曲のイメージを大きく印象付けています。

 

ただ単にチルな曲というだけではなく侘び寂びを感じさせるのは、ドキッとするような感覚と共に心に染み渡る歌詞の効果ではないかと思います。

怖がりがファンタジーをつまみ出し

綺麗なものを綺麗と言えなくなったのは

どうしてだっけ?

知らず知らずのうちに植え付けられている

おとぎ話を塗り替えてくロード

愛は探り探り

作詞:ましのみ

こちらの歌詞ですが、彼女がシンガーソングライターになるまでの経緯を知ることで、より深く解釈することができるかもしれません。

 

○「ましのみ」が誕生するまで

幼い頃から歌うことや楽器を演奏することが好きで、歌手になることを夢見ていたましのみさんですが、成長していくに連れて常識的な価値観で縛られ、その夢を心の奥底にしまいこんでしまっていたそうです。

 

高校時代には軽音楽部に加入していたものの趣味程度で、実生活では「頑張って勉強して、親に褒められるような道に進んで、バリキャリになろう」との思いが強くなっていたとのこと。

 

しかし将来について熟考したとき、歌手になる夢を捨てきれなかったと言います。

 

そんなときに背中を押したのが、シンガーソングライターのmiwaさんでした。大学と音楽活動を両立させる彼女の存在に憧れ、ロールモデルとして捉えていたと言います。

最終的には受験が迫る高校3年の冬に音楽の道に進むことを決意し、大学選択においても音楽活動との兼ね合いやすさを考慮して国立大学から私立の慶大へと志望を変更したそうです。

 

ちなみにmiwaさんも慶大商学部出身とのことですが、なんと2023年3月に大学院修士課程を修了したことを報告されています。すごい…。博士課程もとるとかなんとか…。

 

大学に入ってからは本格的に楽曲制作を始め、ライブ活動をする傍らオーディションにも積極的に参加されていました。

第57回の三田祭(慶大の文化祭)では「夢ノート」がオフィシャルソングに選出され、メインステージで演奏もされています。

 

そして2016年、大きな転機が訪れます。

ヤマハ主催、日本最大規模の音楽オーディション『The 10th Music Revolution JAPAN』での東日本グランプリ受賞です。

○『Q.E.D.


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受賞されたときの映像です。当時19歳。 何から言及すれば良いか逆にわからないくらいオリジナリティ溢れるパフォーマンスです。惹きこまれます。

 

受賞後もひたむきに創作活動に取り組み、2018年にポニーキャニオンよりメジャーデビューすることになります。

 

○真剣にたのしいことを追求


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いったい何なんでしょうかねこれは……笑

おしゃれな楽曲やアー写のイメージから、特に最近ましのみさんを知った方はクールな人柄を想像した人もいるかもしれませんが、実際はこの動画からも垣間見える通りとてもおもしろい方で、ラジオやインタビューを聞いても穏やかで優しい感じが伝わってきます。

 

ましのみさんを見て、きっと誰しもが頭に「ふわふわ」という擬音を思い浮かべたと思われますが、そのソフトなイメージとは対照的に自分のやりたいことが人より明確にあったり、完璧主義的な側面もあると自己分析されています。

 

行動力の高さは学生時代のエピソードからも伺えますし、楽曲制作やCHOCOLATE Inc. での活動にも活かされているのではないでしょうか。

 

アヤコノ(Vo,Ba)

 

○「弾いてみた」が話題!新進気鋭のベーシスト

アヤコノさんは、Twitterにアップしていたベースの「弾いてみた」が人気を博したことで一躍有名になった若手ベーシストです。

どれくらい若手かというと、芦田愛菜鈴木福とタメです。

 

「アヤコノ」という名前の由来は、本名の彩音から「アヤネ」、そこに「connotation(コノテーション)」を加えた「アヤネノコノテーション」を略したというもの。

ちなみにコノテーション(⇔デノテーション)とは、言葉がもつ表面的な意味以外の意味のことで、周辺的意味、含意的意味、共示などと訳されます。

 

例えば、「狼が来た」という表現での文字通りの意味をデノテーション、その表現の奥に「自分に関心を持ってほしい」という狙いがあるとすれば、その狙いがコノテーションということになります。

 

ちょっと例がそんなにポジティブな感じじゃなかったのでアレですが、要するに「言葉に隠れている本当の意味」みたいな感じでしょうか。

なかなか耳馴染みのない言葉ですが、「素敵な言葉だな」と感じたそうで名前に組み込んだとのこと。

 

WOLVEs GROOVY🐺もこれから確実にキマすよ!嘘じゃない!

 

○ムジカ・ピッコリーノでスピカ役を担当

子供向け番組としては贅沢すぎるキャスティングが度々話題にあがるEテレの音楽系教育番組「ムジカ・ピッコリーノ」。アヤコノさんは2021年スタートのシーズン9、10にてスピカ役を担当されていました。

幅広い世代にアヤコノさんの魅力が伝わるきっかけになったと思います。

 

また、2020東京パラリンピックの開会式セレモニーでは布袋寅泰さんらと共に圧巻のパフォーマンスを披露されていました。

 

 

ベースを始めたのは14歳、その約3年後にはムジカピッコリーノに出演されているので、とてつもないスピードで上達されていることがわかると思います。

笑顔で楽しそうに演奏する姿が印象的なアヤコノさんですが、それはそもそも手元にそこまで意識を向けずとも安定した演奏ができるということの裏返しと言えますよね。

 

2歳から小学校卒業あたりまではエレクトーンも習っており、コンクールで成果をあげたりと、当時から音楽と真摯に向き合っていたことが伺えます。


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不登校に悩み、精神的に追い詰められていた過去

アヤコノさんは、中学校に入学してまもなく不登校になってしまったことを明かしています。いじめなどの直接的な原因があったわけではないとのことですが、学びたいという意思がある中でも登校するのが難しくなってしまったそうです。

 

「自分の人生は終わったんじゃないか」と思うくらい精神的に追い詰められ、パニックを起こしたり、抜毛症を発症してしまったりと辛い時期を過ごされていました。

そんな生活の中でも唯一の楽しみとなっていたのが音楽だったと言います。

初めて夏フェスの生中継を見たときに、THE ORAL CIGARETTESのベーシスト、あきらかにあきらさんに衝撃を受けたのがベースに興味をもつきっかけになったとのこと。

気晴らしのために参加してみたドラムの体験レッスンでギターとベースも勧められたこともあり、ベースを弾いてみることにしたそうです。

14歳の誕生日にベースを買ってもらってからは家でひたすら練習し、その延長でアップし始めたカバー動画が瞬く間に拡散され話題となりました。


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ベースを始めて間もない頃は「学校に行けてないのに、やりたいことをやって良いのか」という葛藤もあり、不登校である自分がベースを頑張っても認めてもらえないのではないかという不安もあったといいます。

 

しかし演奏動画が多くの人に届くにつれて活動を応援してくれるファンの方々と出会い、その声に触れることで次第に自分の行動に自信が持てるようになったそうです。

抜毛症の対策として被り始めた帽子も今ではアヤコノさんのトレードマークになりました。

 

アヤコノさんは、尊敬するベーシストから貰った「自分の苦しみも誰かのプラスに変えられるアーティストになる」という言葉を目標にしているそうです。

 

アヤコノさんのインタビューやラジオなどを聞いても、アグレッシブで、自分と真摯に向き合い続けている芯の強さみたいなものを勝手ながら感じます。

ふと思ったのですが、アヤコノさんのメンタリティーはAwichさんに通じるものがある気がします。

というのも、Awichさんが学生時代に座右の銘にしていたという「Show the positive, know the negative」という言葉がアヤコノさんの生きる姿勢と重なっているように見えたからです。

辛い経験を乗り越えて活躍するアヤコノさんのかっこいい姿はきっと多くの人に希望を与えているはずです。

WOLVEs GROOVYでアーティストとして更に表現の幅を広げていかれることと思います。

 

詩音(Dr)

  • ドラマー
  • 本名:佐藤詩音(さとう しおん)
  • 出身:新潟県
  • 生年月日:不明 18歳(2023/5)
  • 東京の大学に在学中(詳細は不明)

○新潟が生んだ18歳凄腕ドラマー

WOLVEs GROOVYが結成されたとき、ましのみとアヤコノは知ってるけどドラムの子は誰だろう?と疑問を抱いた方は大勢いると思います。

 

それもそのはず、詩音さんは他二人のようにメディアに露出していたわけではなく、バンド結成直前までは高校の軽音楽部で活動をされていました。

言ってしまえばいたって普通の男子高校生だったわけです。

 

しかし、現にバンドメンバーに抜擢されていることから言うまでもないかもしれませんが、ドラムの腕前に関しては全く普通の高校生ではないと評判だったようです。

なんとまだ小学3年生だった頃にドラムを始めたそうなので、若手ドラマーと言えど叩いてきた経験は豊富と言ってしまって良いのかもしれません。

 

改めて考えるとバンドってそもそも各々が無名の状況からはじまるのが圧倒的多数派だと思うので、結成時から既に名のあるメンバーが二人もいるウルグルのほうがレアケースですよね。Dios的結成というか、ジェニーハイ的結成というか。

 

○ましのみとの意外な共通項!?

詩音さんは小6の頃から有形ランペイジ*を愛聴しているとのことですが、実は有形ランペイジsasakure.UK氏はましのみさんの楽曲にプロデューサーとして携わっていたことがあります。

*ボカロPのsasakure.UKが自らの音楽表現を更に拡張するため、第一線で活躍するスーパー・プレイヤーを招集し結成された超絶バンド

○『エスパーとスケルトン』編曲:sasakure.UK


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日常生活に寄り添うような質感と歌詞が心地良い一曲。

理詰めではなく肌感覚を大切にしたいというふたりの信念が共鳴したことで、適度な抜け感のある自由な音作りが実現しました。

 

sasakure.UK氏に出会ったことをきっかけに、ましのみさんは知識を蓄えることをポジティブに捉えられるようになったそうで、「私がベートーヴェンくらい有名になって伝記ができたら、sasakure.UKさんはでてきます」と語っています。

 

詩音さんとましのみさんの共通項、逆に言えばこれくらいかもしれません。

となると詩音さんがウルグルに加入した経緯がますます気になりますよね。後ほど紹介しますが、実はアヤコノさんとの間に関係があります。

 

○詩音ってどんな人?

まだまだ謎の多い詩音さんですが、現時点で判明していることをとにかくかき集めてきました。

 

・2023年4月からは地元新潟から上京し、東京の大学に通学中

・アヤコノさんと同い年

・「父親がギターをやっていた」と語っています。小学3年生からドラムを始めていたことにも多少納得がいきますね。

・好きなバンドは、先ほども挙げた有形ランペイジで、お気に入りの楽曲は「世界五分後神話」

・ずっと真夜中でいいのにやPSYQUIなどインターネット発のアーティストや、ボカロも好んで聴かれているようです。

・作曲も勉強中

 

これからの活動を通して詩音さんの魅力がもっと見えてくると良いですね!

 

おすすめ楽曲

ここまでメンバーのプロフィールを紹介してきましたが、年齢も出身も、活躍してきたフィールドもバラバラな3人が集まったときにどんな音を鳴らすのか、ますます興味が湧いてきますよね。

ということで、1stEP「WOLVEs1」に収録されている4曲の中から、今回は2曲紹介します。4曲とも毛色の異なる楽曲なのでとりあえず全曲聴いてください。

サブスク⬇️

WOLVEs1 by WOLVEs GROOVY | TuneCore Japan

BUG

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EPの記念すべき第一曲目、初MVにもなったWOLVEs GROOVY 挨拶代わりの楽曲。

シンプルな楽器構成が脱力感のあるグルーヴを生み出しており、ずっと聴いていたくなるような心地良さを感じられる仕上がりに。

それでいて後半の遊び心あるメロディーで飽きさせないところは流石ましのみさんといった感じ。

 

アヤコノさんのボーカル、ましのみさんのギターというのも新鮮です。

MV撮影時、示し合わせたわけではないのに偶然3人とも髪型がウルフカットだったそうです。さすがWOLVEs GROOVYと名乗るだけありますねー。

no please


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ベースラインに痺れること間違いなし、さわやかでどこか懐かしさも感じる不思議な楽曲。「踊れる曲をロックバンドでやりたい」というウルグルのコンセプトも感じます。

ましのみさんの伝統芸能ましらっぷ」もクールにアップデートされてます。

 

2nd EPも制作中とのことです。楽しみですね!

 

バンド結成の経緯

なぜこの3人なのか?

接点がまったく推測できませんよね。

ラジオで結成の経緯が語られていたので、順を追って説明していきます。

 

○アヤコノとましのみ、心を通わせる

正式なバンド結成の発表は2023年3月ですが、発表と同時に楽曲もリリースしているのでもちろんその数か月前には事実上結成しています。

 

事の発端は、まだ高校生と若かったこともあり周りに先輩しかおらず、音楽界で”友人”をつくりたいと思っていたアヤコノさんが、知人からひとりのアーティストを紹介されたことでした。

 

そのアーティストというのがましのみさんで、初対面で食事に行ったところ、お互い相性が良すぎて衝撃を受けたそうです。

 

アヤコノさんは「初めての距離感の人間」「今までにない関係の築き方ができそう」と感じたらしく、「身体がベルだとしたら鳴っているくらいの高まりだった」と何とも分かりやすい例えで当時の驚きを表現しています。

 

一方ましのみさんも「今まで音楽をやっていて思っていたけど他の人は別に思ってないだろうから、という理由で心の内にとどめていたいたことがアヤコノちゃんの口から次々と出てきて衝撃を受けた」と語っています。

こんな出会いは二度とないだろうなと確信し、その後も仲を深めていこうと決めたそうです。

(Kamaklan Ojiya 初回より)

 

○Kamaklan Ojiya

波長が合い、行動力のある二人が始めることと言えば……ラジオなんですねぇ。 

⬆️ウルグル結成が発表されてからは詩音さんも登場している

 

「Kamaklan Ojiya」というラジオ名は、二人が初対面で食事をした場所が下北沢の鎌倉通りにある「おじや」がおいしいカフェであったことに由来します。

カマクランがアイヌ語で「山を越していく」という意味で、いい感じだったというのもありKamaklanにしたとのこと。

毎週日曜日のお昼に更新され、spotifyApple podcast等で聴くことができます。

 

2022年7月に初回が公開されたことから、お二方が出会ったのは2022年の春ごろではないかと思います。しかし出会って間もないということを感じさせない和気あいあいとした空気感で、初回から仲の良さが伺えます。

ましのみさんはアヤコノさんより8歳年上で年齢的にはひとまわり世代が上ですが、先輩後輩という間柄ではなく、姉妹に近いような関係性をラジオでも垣間見ることができます。

 

○あのドラマーはいま

実は共同で曲を作るという話は前々から進んでおり、2022年の秋頃にはユニットとして2曲ほどリリースする予定もあったと言います。

しかしましのみさんの感覚的にはドラムを入れてスリーピースバンドという形の方が合っていたそうで、ドラマーを探すことに。

 

その話が出たのとほとんど同じタイミングで、ある人からアヤコノさんのTwitterアカウントにフォローが来たと言います。

それが詩音さんのアカウントでした。

 

2023年5月現在4万7000人以上のフォロワーがいるアヤコノさんということでその大多数は面識のないファンの方々だと思いますが、なんと詩音さんのことはこの時すでに知っていたそうです。

 

話はアヤコノさんがベースをはじめてまだ一か月ほどだった頃に遡ります。

当時からインスタグラムでベースの「弾いてみた」をあげたり(早い)、他人の演奏動画を見ていたアヤコノさんですが、同年代で感銘を受けるような動画を上げている人はなかなか見当たらなかったとのこと。

そんな中、演奏をみて唯一「かっこいい!」と感じたのが詩音さんで、同い年だったこともありDMでひと通り会話もしたそうです。

 

アヤコノさんがそのアカウントを消してしまったこともあってその後数年間は特に何もなかったようなのですが、今回詩音さんがアヤコノさんのTwitterアカウントをフォローしたことである意味再会を果たしたということになりました。

 

詩音さんは「さすがに覚えてないだろうなぁ」と思いながらフォローしたそうですが、アヤコノさんから即座にDMがきたためかなり驚いたと語っています。

アヤコノさんは、詩音さんのアイコンが以前のままだったことからすぐに気づいたそうです。

逆に詩音さんがアイコンやアカウント名を変えてしまっていたらこのメンバーでのバンド結成はなかったかもしれません。

ただ、もしフォローがきたときにアヤコノさんが少しでも詩音さんがドラムを叩く姿を見たとしたらそれはそれですぐに気づいていたことでしょう。

 

ましのみさんがドラマー加入の提案をするとすぐに「この人は?」とアヤコノさんが紹介したことをきっかけに詩音さんとも話をして、加入が決まったそうです。

 

ちなみに、今回紹介したWOLVEs GROOVY結成の詳細はすべてラジオ「Kamakulan Ojiya」で聞くことができます。

 

まとめ

以上、いま注目のスリーピースバンド「WOLVEs GROOVY」の魅力、メンバー、結成の経緯などについてご紹介しました。

 

活動の中心にはウルグルがありつつも個々人での活動も継続されていくと思うので、そちらも目が離せません。

それぞれに一匹狼として積み上げてきた音楽活動があり、その集合として結成されたバンドであるというのがやはりウルグルを語る上で欠かせない要素のひとつで、これからの活動を支えていくベースとなるのは間違いないでしょう。

音楽という共通点がなければ出会うことは無かったであろう、出身も年齢も違う3人が生み出すグルーヴに注目です!

 

 

最後までご覧いただきありがとうございました!

3月9日に『3月9日』を流しやがったイケメン放送委員を思い出す

 

『駅近の 商業ビルの 吹き抜けに

やさしく響く 3月9日』

 

”誰でもどうぞピアノ”でレミオロメンを弾くウルフカットのイケメンと、その横でその様子を微笑みながらスマホに収めるガールフレンドと思しき女性。

 

ビルの中全体に響き渡る音の源はこれか、と一人答え合わせをしながら二人の横を通り過ぎたとき、こんな詩を詠みたくなりかけたのだった。

 

 

 

エモーショナル。エモいね。これぞ得も言われぬエモ!

 

 

 

 

・・・っ!!

いや待て・・・。待て・・・!!

 

よく考えたら今日はまだ3月8日じゃなかったっけ!?

 

私は取り急ぎポケットからスマホを取り出す。

やっぱりだ。

 

やはりあのイケメンは詐欺野郎だったぜ。あぶないあぶない。

まったく。ウルフカットにしやがって。

 

3月8日に『3月9日』を演奏するなんて甘ぇぜっ。

 

いや、厳しくなんてないね。

じゃあなんですか、あなたはなんですか、12月31日におせち料理を食べるんですか?

 

 

建物の中にはまだピアノが響いている。3月9日の演奏が終わったかと思えば、矢継ぎ早に次の曲が始まった。

 

あ~なんだっけこの曲……。この地平線~輝くのは~。

『君をのせて』か。ラピュタの。

小学校の音楽の時間にやったなぁ~。小さい頃からあの人はピアノ習ってたんだなぁ~。

 

 

エモいね。エモいエモい。

まるで「エモエモブログ」だね。

(高校時代に、私がアメーバブログでブログを書いていることを知った友人が私を真似て意気揚々と開設したが、3回目の投稿を最後に音沙汰がなくなった伝説のブログのタイトルである。)

 

 

 

おい!!マテ!!

くそっっ!!

 

いるんだよいるんだよ。

いるんだよ高校の合唱祭の練習時、半分おちゃらけたような感じで合唱委員のエレピを盗み弾きしたかと思えば、ちゃっかり大地讃頌の冒頭数秒だけ弾いて、注目を集める奴がよぉ!!

実は小学校からやってて、いやでも全然弾けないよ(笑)……じゃねぇんだよ!

全然弾けないなら最初から弾くんじゃねぇよ! ちっっ。

そいつと同じ事やってんぞ。

ウルフカットにしやがって。

 

 

雨にも負けず 風にも負けず 

雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な髪質をもち

みんなから褒められ 苦にもされず

そういうウルフカットが似合うものに

わたしはなりたかった

 

 

 

だんだんとピアノの音が遠ざかっていくと同時に、私は3月9日に『3月9日』を流しやがった中学時代のイケメン放送委員を思い出す。

 


www.youtube.com

 

放送委員って常時でさえちょっと特別感あってかっこいいじゃん。給食のときにいなくなるから。

そんで今日の献立を紹介してくれたりさ。

何十年も前から放送室に置いてあるテンプレの子犬のワルツだけ流すんじゃなくて、旬の話題曲をTSUTAYAで借りてきて全校生徒に聴かせてくれたりさ。

まぁ一種のDJだよね。日本国民は、実は知らず知らずのうちにDJに湧かされた経験があるんだってこと。放送委員がそんな自由じゃなかった学校出身の方はごめん。

 

中学3年の卒業間近の3月9日、お昼の放送でこの曲がかかったとき、まさに学校中が湧いた。あのいつも皮肉ぶってる中年の数学教師でさえ。

 

中学卒業程度の人間にとってはまだまだレアイベントの「粋な計らい」だ。

 

クラスのみんなが「憎いね~」とニヤつきながらも、心の中ではきっとあと数えるほどしかない給食を名残惜しく感じて目頭を熱くさせたであろう。

 

あのイケメンは全校集会で表彰されるべきだったわ。やっぱり3月9日を流すのは当日でなくちゃ。

 

でも3月9日に学校の放送で『3月9日』を流すのって多分そんなに珍しいことでもなくて、日本中の放送委員にはそういうイケメンがたくさんいると思う。

 

確かに珍しくはないのかもしれない。

ただ絶対に各々にとって”特別”な体験であることに変わりはない。

 

明日もきっと多くの学校で『3月9日』と”涙”が流れるだろうよ……。

 

 

 

 

 

 

 

エモい! It's エモーショナル! 得も言われぬエモ!

 

この記事は「エモエモブログ~最後の投稿から時は流れた~」に捧げます。

 

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