終わりの季節

もう春になりましたね、昨日は新宿御苑に行きましたが桜が満開でした。
もう世は春ですか。

新しい生活が始まるので、学生生活との区切りとしてこのブログを一旦終わりにします。
今まで1年余りに渡って色々書いてきましたが、今後は違う所でもっと生産性の高いことを書いていけたらなと思います。方向性もかえてね。
読んでくれてる方がまだいたら、どうもありがとうございました。
ではまたどこかで。

熊野純彦『レヴィナス入門』

レヴィナス入門 (ちくま新書)

レヴィナス入門 (ちくま新書)

最近レヴィナスに興味があります。感想としては、やはり原典にあたるべきだなと。解説て分かった気になるけど分からないしな。
にしてもレヴィナスは寂しすぎる。

新川義弘『愛されるサービス』

愛されるサービス

愛されるサービス

うちに転がっていたので、一気に読了。結構興味深い。
サービスとはお客様と対等な立場で行うものであるというのが著者の自論。思えば日本ではサービスに対してお金を払おうという気持ちというか文化に乏しい。今後はこのようなサービスそのものが、付加価値として重要になってくるのでは。

『アレキサンダー』

アレキサンダー プレミアム・エディション [DVD]

アレキサンダー プレミアム・エディション [DVD]

3時間かけてみて、この駄作ぶりは何事だ。結局この映画は何なのか全く不明。

アレキサンドロス大王の伝説ではなく、人間性そのものにスポットを当てようとしたのだが、現代に照らし合わせて解釈しすぎでしょう。自由・平等を押し広めようとする夢想家、自分の故郷を捜し求めるディアスポラ的存在として描こうとするのはいかがなものか。

芥川龍之介『杜子春』

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

Gree経由で先輩がこの本に言及していたので、さらっと。芥川の作品はあまり読んでいる方ではありませんが、一番好きな作品です。
杜子春が富豪から一転して一文無しになることを数回経て、今度は俗世をすて仙人になろうとするが、己の感情を捨てることが出来ずこちらも挫折するというもの。最後は現世の富でもなく、この世から隔絶された世界でもなく、人間の生活そのものを選ぶというものです。

以前読んだ『月と六ペンス』では、主人公チャールズ・ストリックランドが、妻と子や全てを捨て、全身全霊を込めて絵を描く暮らしを選ぶものであったが、ストリックランドのように、社会を捨てた暮らしをしようとする人間のどうにもならない衝動も確かに存在する。

けれども芥川が描くように、親子の愛など切り離すことの出来ない感情も存在する。ストリックランドのようにこの世の繋がり全てを捨てるのも、杜子春のようにそれを捨てきれず、人間の生活をを選ぶのも然り。どちらを選ぶかはその人の選択でしょう。
とにかく「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをするつもりです。」という杜子春の一言に感銘を受けました。