陸上狂技マガジン

駆け出しのスポーツライターです。スポーツに関して【DO(する)】【WATCH(観る)】【READ(読む)】という観点から備忘録として書いております。

【Do】ランニング16年目で気づいた“自転車走法”

小学6年生から開始したランニングも今年で16年目を迎えた。

 

何やら企業の年頭挨拶の様だが、単なる趣味の話だ。しかし、例えば16年も存続する企業であれば、ある程度ビジネスモデルも確立し、創業当初に比べると業績も安定している時期ではないだろうか。

 

他方で私はと言えば、16年もランニングを続けていながら、未だにフォームというものを確立する事が出来ていなかった。ここで言うフォームとは、効率的に長距離を走る為の型という事にしておきたい。

 

フォームは確立されていなかったが、走りの癖は中学生の時点で確立されていた。良い点は上半身のブレが少ないという事。悪い点はやや前傾姿勢になりながらも、及び腰になっている(腰が引けている)という事である。なぜ上半身のブレが少なくなったのかというと、当時、“長距離を走る場合は上半身のブレを少なくした方が良い”という意識に基づき、上半身の筋トレを積極的に行った為かと思う。後者の悪癖の要因は、単なる筋力不足という事もあると思う。加えて、中高生時代、度重なる故障により、足を前に踏み出す事に恐怖感を覚えたり、自分のフォームに対する周囲の視線が気になって脚の動かし方が分からなくなる様な感覚にとらわれる事が度々あった。そういった不安を拭いつつも騙し騙し走り続けた結果でもある様に感じている。当時は自暴自棄になっていたから、周囲のアドバイスに対しても素直になれなかった。かたや、好きな選手や、好調な同僚の走り方を真似しては捨て、真似しては捨て、という状況。今になって思えば、精神的な側面という意味で、これは俗に“イップス”と呼ばれる症状なのかもしれないが、確証は無い。イップスについては別の機会に調べてみようと思う。

 

この、“腰が引けている”という状態が、上半身と下半身の動きを分断してしまう。“ワタシ”という同じ人間の物でありながら、“腕を振っている上半身”と、“足をバタバタさせている下半身”というまるで連動性の無い二つの動体に分かれてしまっていたわけだ。さらに、及び腰なので、いわゆる“腰の入った走り”が出来ない為、足が胴体のやや後方部で回転する様な動きになり、地面からの反発を推進力に変換しづらくなっていた。とはいえ前に進まなくてはいけないので、動力源をキック(後方への蹴り出し)に頼りがちになる。すると、ふくらはぎがすぐさま疲労し、足が短時間で悲鳴を上げ始めるという悪循環である。

 

こういった客観的事実を自覚したのは、2つの事が関係している。

 

1つ目は、同級生である。

昨年末より、大学の同級生だった元陸上選手から、走りの動作に関する手ほどきを受ける機会を月イチで持っている。彼は今まで、元トップアスリートの経営する企業のスタッフとしてコーチングを行っていたが、それを今春から個人事業として始めようとしている。彼にフォームの癖に関する指摘を受けたのだ。今まで漠然と抱いていたランニングフォームの違和感が、言語化される事で腑に落ちた。加えて、脚の引き上げ、脚の接地点、接地以降の動作(地面を押す感覚)に関してのアドバイスを貰った。

 

2つ目は、ゲタである。

先日、皇居を一本歯下駄で周回するという練習会に参加した。とあるトレイルランイベントで知り合った方に誘われて参加したものだ。一本歯下駄は、名前の通り歯が一本のみの下駄である。これで走るのだ。最初は『下駄なんかで走れるのか?』と半信半疑であったが、意外と走れ、楽しい。最も驚いた点は、一つ目の同級生からのアドバイスと、下駄ラン時の感覚がシンクロした事である。一本歯下駄は足元が不安定の為、地べたを“面”ではなく“点”で捉える事になる。従って、後方への蹴り出しがしにくい。必然的に、脚を前方に“抜いていく動作”の繰り返しで推進力を生み出していく事になる。

 

2点を纏めて、自分なりに一言で表すと、“より大きな筋肉で走る”という事だ。逆に言えば“小さい筋肉はあまり使わない”という事になるのかもしれない。

 

これは、自転車のペダリングにも通じる話の様だ。ペダリング時は、足裏がビンディングシューズでペダルに固定されている場合、脚の引き上げと押し込みで加速する。その際、使う筋肉は“大腿部(太もも)の前後”である。反面、ふくらはぎ部分の筋肉は立ち漕ぎ時以外、あまり使わないという事になる。

 

というわけで、昨日、早速実践の場を得た。

 

千葉県民マラソンの10km部門に出場し、“自転車を漕ぐ様なイメージ”を意識して走った。ふくらはぎを使わずに、大腿部の筋肉を主に動員する。身体は前傾し過ぎず、腕は上部に振り上げるイメージ。すると、以前とは異なり、スムーズに身体が前進する感覚を得た。最後には、温存していたふくらはぎの筋肉も使い、ラストスパートを行う。キロ平均3分50秒強と決して速度は無いが、走り込みによってスタミナを蓄積した際、押して行ける様な感覚を持った。同級生と下駄によってもたらされた省エネ走行の威力であった。

 

おそらくこれらの要素は、ある程度真剣に走っている人であれば、常識なのかもしれない。しかし私の場合、周囲のアドバイスが助力になり、16年目にしてようやく、ランニングフォーム確立の入り口に立ったわけだ。今まで騙し騙し走っていた“自転車操業”状態を脱却したのは、皮肉にも、自転車走法なのであった。(終)

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【Watch】風景としてのスポーツ(メルボルン編)

2/8〜2/12にかけて、豪州・メルボルンに滞在した。

 

主目的は“NitroAthletics”(ニトロアスレチックス)観戦。

競技の詳細は後ほど本ブログか別途記事にて纏めたいと思うが、

いくつかのメディアや公式HPで紹介されている通り、陸上競技の国別対抗戦である。

 

実質的な滞在は4日間だが、うち2日間は半日競技観戦で、出来る事も限られてくる。

今回の空き時間は市街地散策に終始した。

 

日本とは四季が逆の為、現在は夏。

日中はカラッとした晴天が続いた。

 

豪州はスポーツ大国であり、公園や運動施設では、

老若男女、スポーツマン達が汗を流している。

 

何をしているのかといえば、3つが多数を占めていた。

 

クリケット

フットボール(ラグビ/オーストラリアン・フットボール

ランニング

 

散策中に遭遇したオーストラリアンフットボールの練習試合において、

ギャラリーの一人と話した限りでは、その他水泳やバスケットボールも盛んとの事。

自転車のロードレースにおいても豪州は実力者を多数輩出している(リッチー・ポート、マイケル・ロジャース等)が、ことメルボルンに関しては、本格的なロードバイクでトレーニングを行っている人は少ない様に見受けられた。

豪州の中でも、都市によってスポーツの分布が多少異なるのかもしれない。

 

そして何と言ってもクリケット

競技人口ではサッカーに次ぐ世界3位とも言われているという(諸説有)。

 16世紀の英国に起源を持つ為、本家英国と豪州以外ではインド、パキスタンバングラディシュ、スリランカ等、英連邦諸国で広くプレーされている。

 

メルボルンはMCG(MelbourneCricketGround)と呼ばれるスタジアムを擁している。

クリケットの聖地ともいうべき場所で、豪州国定遺産にも指定されている。

普段見慣れないスポーツという事もあり、行く先々でクリケットのゲームが目につく。

各々、白の上下に白帽という出で立ち。

プロリーグになるとスポンサーロゴのあしらわれたカラフルなユニフォームを纏うが、

本来のクリケットにおける“正装”はホワイト、である。

 

ふと気になった事は、これほどメジャーなスポーツにも関わらず、

自分が見たプレイヤー達はことごとく“服装が統一されている”という事だ。

あくまで私見ではあるが、世界的に裾野の広いスポーツは、

 

・規則がシンプル

・用具がシンプル

 

という二つの共通項を持っていると思う。

当然といえば当然なのかもしれないが、

規則がシンプルである事で競技人口が増えやすく、

用具がシンプルである事で金銭的な負担が少ない。

あるいは、用具がシンプルであれば、DIY(自作)を可能にし、

規則がシンプルである事で、審判役を務めやすい、という側面もあると思う。

 

その中において“服装”は、こだわる必要が無いという点で、

ある意味、ぜいたく品である。

であるからして、クリケットをプレーする“彼ら”が、

白で統一されたユニフォームを着ているという事は、

何を表しているのだろうか、と。

 

これが場所を跨げばまた様相も変わってくるのかもしれないが、

“そこに根を張っているスポーツは何か”という観点で国や地域を見てみる、

という事をライフワークの一つとしても面白いかもしれない、と感じた。

 

シンプルな規則と用具が裾野を広げ、その中から英雄が生まれ、熱狂が生まれる。

無論、かつての冒険国家が外海に進出する事で、

“娯楽としてのスポーツ”が根付いたという背景もあるのかもしれないが、

上記のサイクルは今も世界で回り続けていると思う。

 

流布→英雄→熱狂→流布・・・。

 

シンプルな循環の様に見えて、二つ目の段階が最も難関である。

 

例えば日本の陸上競技では、“英雄”が別のものに置き換わっている時もある様に思う。

 

それもまた、スポーツカルチャーにおける“進化論”の一説、なのかもしれない。

 

PS:メルボルン滞在中に撮影した写真を少々。

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【Watch】ヤマのガミ〜箱根駅伝観戦記『照合』〜

第93回箱根駅伝が閉幕して5日。

 

今大会は、

 

往路:大手町→新子安→芦之湯

復路:鶴見中継所

 

にて観戦を行った。

 

往路においては、新子安から小田原に到着した時点で既に箱根登山鉄道に入場規制が敷かれており、タクシーに乗車し『マツダターンパイク箱根』を経由して芦ノ湖へ移動。しかしながら、ここでも混雑に阻まれ、芦ノ湖から4km程歩いて芦之湯で観戦した。選手通過後は芦之湯から小涌谷まで歩いて登山鉄道で帰路についた。前回大会では小田原から小涌谷まで約10km歩いて観戦した為、この2年間で5区を歩き通した事になる。復路は箱根湯本から鶴見中継所という観戦コースをとる予定でいたものの、到着時刻を考慮して、結果として鶴見中継所に絞った。大手町程ではないが、最終リレーゾーンという事もあって、復路スタート前の時点で比較的人も多く場所取りに苦心した。今大会はいわゆる有名人ランナーがそこまで多くはない印象であった為、多少人の入りも遅くなるのではないかという推測もあったが、私も含めた“駅伝ファン”達の出足は早く、推測は見事に裏切られる事となった。

 

鶴見でランナーを見送った後は、都心方面まで徒歩で移動しつつ、ゴールまでの中継をラジオで確認した。

 

帰宅後、事前予想とリザルトを照合してみた。

 

■事前予想表

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■リザルト

1位:青山学院大学(予想:青山学院大学
2位:東洋大学(予想:早稲田大学
3位:早稲田大学(予想:駒澤大学
4位:順天堂大学(予想:東海大学
5位:神奈川大学(予想:山梨学院大学
6位:中央学院大学(予想:日本体育大学
7位:日本体育大学(予想:東洋大学
8位:法政大学(予想:中央学院大学
9位:駒澤大学(予想:順天堂大学
10位:東海大学(予想:神奈川大学

 

順位自体は青学大のみの的中であったが、上位10チーム中9チームは予想通りという結果だった。しかし、ここまで順位がズレると悔しい事この上ない。これは言い訳になるが、あくまでメディアの情報に頼るしかないという点で、予想には限界がある。選手の状態も日々変化する中で、監督同士の当日の駆け引き等は当然ながらギャラリーは知る由もない。中継を見ながら事後的に知るのみである。ただ、今回は事前の情報収集にも不足があった事は事実。上記を踏まえて、今回特に悔しかった点は以下3点である。

 

東洋大の底力を見くびりすぎていた

東海大のルーキーパワーを評価しすぎていた

③駒大の5区における挽回に頼りすぎていた

 

東洋大は総合2位に食い込んだが、茄子紺集団の箱根路における今までの走りを見ていれば、今季出雲、全日本と不調であったとはいえ、もう少し上位に予想しても良かったはずである。戦前は、服部弾馬が速さの中にも後続をいまひとつ引き離しきれていない点、故障から復帰した口町の状態が未知数であった点、櫻岡が駅伝で上々の走りではなかった点から、箱根本番でレースの流れをつかむ事に苦労するのではないかと予測していた。しかしフタを開ければ彼ら3人が最低限の役割を完遂しただけではなく、9区野村の区間賞を始めその他7人も粘走。他チームが細かいミスもあって詰めきれなかった事も重なりこの結果である。逆に東海大に関しては、2区關、4区松尾、5区舘澤に対して、怖いもの知らずからくる勢いと潜在能力に賭けすぎた。結果として往路の主要区間を担った3人全員が失速してしまった為、予想から大きく乖離してしまった。最後に駒大に関しては、タレントは何人か居たものの、4区中谷のブレーキが想像以上であった。大塚によるリカバリーで多少遅れても息を吹き返すというストーリーを描いていたが、見事に外れてしまった。5区の距離が短縮された事や、駒大の復路における選手層の薄さをもう少し考慮に入れておくべきであったが、今までの5区における差の縮まりや順位変動のイメージに引っ張られてしまった。

 

反省をあげればキリが無いが、以上3点に関して、情報収集や分析が甘かったと感じる。

 

全体を通して痛感した事は、

 

・レースにおける“流れ”の大切さ
・(当然ながら)トラックやロードの記録にばかり引っ張られてはいけない
・勢いのある下級生は必ずしも活躍出来るとは限らない
・ブレーキをカバー出来“そうな”選手がいるかよりも、ブレーキが少ない選手が多いか少ないかという印象も重要

・(コース改定など)ルール変更によって生じる大勢への影響を甘くみない

 

という事である。

 

これらが次回の予想に役立つかといえばそれはわからないが、今大会、特に往路は本記に関する事が全て裏目に出た結果の混戦でもあった様に思う。

 

しかし、悩ましい程の選手層に裏打ちされた青学大横綱レース、あっぱれとしか言いようがない。箱根駅伝。賛否理論がある。とはいえ、否定だけでは何も生まれない。もはや文化ともいうべき存在になったレースである。活かしつつも、柔軟に、というところであろうか。

  

正直なところ、『賭けすぎた』とか『評価しすぎていた』、『頼りすぎていた』といった表現は、部外者による無駄に高い目線でしかなく、選手に対して失礼な部分もあるかと思う。

 

というのは自意識過剰なのかもしれないが、今回は『“ヤマ”を張って“ガミ”食った』といったところであろうか。

 

第93回箱根駅伝観戦記、以上をもって閉幕。

 

2017シーズン、学生ランナーに関わらず、今年はロンドンで“世界戦”である。

 

※注:ギャンブルで負ける事を『ガミ食った』と表現するとのことです。

 

※最後に写真を少々。

 

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【Watch】国民的狂事〜箱根駅伝観戦記『予想』〜

 

 第91回、92回大会に続き、今年も箱根駅伝の上位10チームと、当日エントリー変更を踏まえたオーダー予想表を作成してみた。Illustratorからjpgへ変換した際に少し粗くなってしまったが。

 

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■予想順位(上位10チーム)

1位:青山学院大学

2位:早稲田大学

3位:駒澤大学

4位:東海大学

5位:山梨学院大学

6位:日本体育大学

7位:東洋大学

8位:中央学院大学

9位:順天堂大学

10位:神奈川大学

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※補足:駒澤大のオーダーに関しては、6区物江がそのまま出走、10区堀合を中西へ当日変更という方向性も考慮する。

 

正直なところ、今大会は2位以下の予想が困難を極めた。所詮、門外漢の予想ではあるのだが、それだけ青学大と他校とで戦力イメージに差がついているという事なのだろう。

 

しかしレースは生き物。フタを開ければ全てが入れ替わり、伏兵の出現も大いにあり得る。それは王者も例外に非ずである。予想チーム以外でシード圏内に滑り込んでくるとすれば、國學院、明治あたりであろうか。

 

コース変更の影響で4区、5区が注目されているが、ポイントは1区,2区,5区としておきたい。例年重要な区間ではあるものの、青学大を追撃せんとするチームにとっても、久々のシード獲得を狙う神大らにとっても、ここでの出遅れはやはり致命的である。

 

また今回は毎年共に予想をしている知人の個人予想も掲載しておきたい。

 

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1位:早稲田大学
2位:青山学院大学
3位:東海大学
4位:駒澤大学
5位:東洋大学
6位:山梨学院大学
7位:日本体育大学
8位:中央学院大学
9位:順天堂大学
10位:拓殖大学

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ややチャレンジングな予想となっており、『青学大 敗退』という文字が1/3の号外に踊る光景は、中々想像し難いものである。

 

しかしながら、誤解を恐れずに言えば、アップセットを“期待する”人々も多いのではないか。

 

その“期待”は、ドラマチックな展開を望む観客側の心情である。この時期、メディアに接触すれば否が応でも飛び込んで来る箱根駅伝関連情報。陸上競技とは無縁の人々にとっても、多少なりとも感じる事であろうと思う。何でも一括りにするのは安易とは思いつつも、国民的行事と言われるのも無理はない。近年の加熱ぶりはまさに“狂気”にも見える。

 

とはいえ、箱根駅伝はあくまでカレッジスポーツであり、主役は学生ランナーである。

 

熱狂は時にスタジアムを覆い、外側への視界を霞ませる時もある。

 

その点を念頭に置きつつも、正月は、予想との照合を楽しみに沿道から声援を送りたいと思う。

 

とはいえ、偉そうに申している私自身がまさに“狂人(フリーク)”なのだが…。

 

PS:反面、今大会に関してはやや空気感がトーンダウンしている様に感じるのは気のせいだろうか。

 

※第93回箱根駅伝予想表/chuo7010作成※ 

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【Watch】21人の悩める男〜箱根駅伝観戦記『前夜』〜

クリスマスは、高校生にとっては“ハレの日”であり、大学生にとっては“胃痛な日”なのかもしれない。

 

陸上競技の話である。

 

12/25は男子第67回/女子第28回の全国高校駅伝都大路)であった。

 

詳細な結果はNHKのHPに譲るが、今回、“関西の雄”である兵庫県代表の西脇工高が、男子6位、女子2位という成績を収めた。同チームはここ最近女子も着実に地力を付けているが、以前までは男子の実績が目立っていた。全国制覇8回という偉業がそれを物語っている。

 

そんな西脇工高の、2012年度の男子チームに密着したドキュメンタリーを、少し前に視聴した。都大路に向かうまでのチームの成長を、個々人にスポットライトを当てながら追いかけている。その中で気になったのは、監督が、駅伝のメンバー(控え選手含む)や区間配置をまずは部員に決めさせるというシーンである。部員が決めたエントリーを監督がチェックする。疑問点を指摘し、選手が答える。その説得性によっては、監督が手を加える事は無い。今回の映像で監督が指摘した部分は控え選手の人選についてであったが、正メンバー選考も同じ様な形式で行われていると推測する。

 

中学校〜高校までの部活動においては、ややもすると監督のトップダウンになりがちである様に思う。そういった意味で、“まず部員に決めさせる”というプロセスを踏む事は効果的であると考える。というのも、場合によっては監督と選手の思惑の相違が浮き彫りになるので、一緒になって折衷案を考える事が出来る。時にはどちらかの意見の正当性を認めて譲歩するかもしれない。その時、監督と部員はある意味で対等になり得る。勿論そこに“監督へのリスペクト”が無いと、その先にはカオスが待っている。部員達自身の内省が強いからこそ、時に起こるであろう意見の食い違いがおかしな方向に行かずにまとまっていく。この年、西脇工高は都大路で2位に食い込んだ。勿論これは少数派の部類に入り、他県のチームは監督主体で選考を行っている場合が多いのではないかと思う。

 

ふと、大学駅伝ではどのようにメンバーが選考されているのだろうか、と思った。内情を取材している訳ではないので推測の域を出ないが、メディアの記事や専門誌を読む限りでは、おそらく監督主体で決めている事と思う。細かく言えば色々なパターンがあるのだろうが、取材に対して「選手に任せているので」と言う監督はあまり見た事が無い。内情を知ってか知らずか、メディア側も、“指揮官が区間配置を決めている”という前提で記事を書いている様に思える。この事から、大学駅伝に関しては、監督主体でメンバーを決めていると推測される。

 

では、(一般的には)“監督が決めている”という前提があるとして、もし西脇工高の様に“まず部員に決めさせる”というプロセスを踏んだ場合どの様な事が起こるか。おそらくは、上述の通り、時に食い違い、時に譲歩し、監督と部員で最適解を模索していくと思う。今まではレース直前に監督が伝えるオーダーを待つというものが、まずは部員が決めたオーダーを監督が待つという事になる。チーム運営に関して両者が主体性を持つという事だ。多くのチームは監督と部員が寝食を共にしているだろうけれど、より多くの時間を共に過ごしているのは選手同士ではないかと思う。勿論、仲の良し悪しや、普段行動を共にするグループもあるだろうし、そこから決定のバイアスが生まれる可能性も否定は出来ない。ただ、“事前に自分たちで纏める”という事が前提になった時に、監督、主務、主将だけでない各部員が、チームマネジメントの視座を得る。結果として、競技に留まらない範囲の好影響を及ぼす事は考えられないだろうか。それは、実業団の長距離チームにも言える事ではないかと思う。

 

と、ここまで書いてはみたものの、それは中々無謀な事だろうと思うに至る。というのも、大学駅伝(特に箱根駅伝)や全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)は大学や企業、後援会等から少なからぬプレッシャーを受けているであろうし、指揮官も高校までの体育教師ではなく、その為に雇われた監督という場合も多い。部員数の問題もあるだろう。そんな中で、選手に対して“走る”以外の責任を与える事は荷が重すぎるのかもしれない、と……。

 

映画『十二人の怒れる男』では、陪審員たちが殺人容疑の少年に対する罪の有無を巡って侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を交わす。その中で、たった一人無罪を主張する陪審員は、他の十一人に対して、固定観念にとらわれずに、証拠を再検証する事を要求する。来年で93回目を迎える箱根駅伝。ここ数年の間に幾度かコースは変わったものの、走る人数、開催時期、時間帯、放送内容は大きくは変わっていない。ただ、“学生スポーツの王道”としての地位は貫き続けている。規模はある。だが、固まってはいないか。日本のロングディスタンス陣が低迷しがちな昨今において、王の小さな発想の転換は、大きな変化に成り得る。などと勝手に考えている今日この頃である。

 

門外漢が偉そうに書いている今も、各チーム二十一人の指揮官たちは、頭を悩ませている事だろう。正月、誰が箱根路に立つのかを。

 

第93回箱根駅伝、まもなく、である。

 

PS:上記ドキュメンタリーは2012年度。この時、高校3年生だった選手達は、今年の大学4年生。同番組にも出演していた西脇工高当時のエース、中谷圭佑選手(現・駒澤大)も最後の箱根路を迎える。 

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【Do】悔いるは無意だが先に立つ〜OMM JAPAN 出走記〜

11/12-13の2日間(前泊も含めると11/11〜)、OMM JAPANというレースに出走した。英国、香港滞在と順番が全くの逆だが、レースの1週間後に渡英であった為、備忘録を残す余裕が無かった。

 

OMMというのは『Original Mountain Marathon』の略称であり、英国で1968年から開催されている山岳競争の一種で、日本では今年で3回目。過去2大会は伊豆(静岡)と嬬恋(群馬)で開催されている。今年は北アルプス鹿島槍ヶ岳の麓、長野・大町がフィールドである。

 

簡単に概要を記載すると、レース型式は『スコア』『ストレート』の二つに大きく分類される。前者は地図に記載されたコントロールポイント(CP)を制限時間内に順不同で回りながら、合計得点を競うというもの。後者はCPを指定された順番通りに回り、所要時間を競うというものだ。『スコア』はロゲイニング競技、『ストレート』はオリエンテーリング競技という事になろうか。また、それぞれに『ロング』『ショート』の2部門があり、計4カテゴリで競われる。その他の基本的なルールは以下である。

 

・ペア制

・競技は2日間

・各日スタート直前に地図配布

・1日目夜は指定地点でキャンプを張る

・必要な物資は全て携行する

・各日指定時間より遅れてのゴールは失格

 

かねてから関心はあったのだが、概要にもあるように、ナビゲーションスキル(現在地の把握/進行方向の策定)が非常に重要な位置を占める為、私個人の読図力では到底太刀打ちできない。従って今回、ペアを組んでくれた“Mr.山歩き.Rikizou”氏にナビの多くを頼る形になってしまった。このレースの趣旨からして、他力本願はNGなのだが、走力を活かして駆け回るチームとは異なり、バリエーションルートを開拓しながら進み、2日目に入る頃には私自身も読図の魅力に気付かされる事になった。

 

我々は『スコア/ショート』に出走し、結論から言うと2日目のタイムオーバーにより失格となってしまったのだが、シビアな読図競技にビギナーズラックは無いという事なのだろう。後から思い返せば至極単純な事なのだが、1日目に時間を余らせてしまった(30分強)事が根本的な要因になっていると推測する。2日目は競技時間が1時間短くなるにも関わらず、前日のタイム余剰の反省だけが先行し、目一杯の時間管理で臨んでしまったという事なのかもしれない。加えて言うならば、“Mr.山歩き.Rikizou”氏は常に平静を保っていたが、私が焦ってしまった上、トレーニング不足から最終盤における時間と鹿島槍スキー場内の急登との闘いに音を上げてしまった事も主要因に値する。“後悔先に立たず”とはよく言ったものだが、終わってみるとどうしてもタラレバが湧き出てくる、ややほろ苦いOMM初出走であった。

 

ともあれ、英国発の“大人の宝探し”とも言うべきこの競技は、ランナーにとっても、トレッカーにとってもある意味“非日常”だ。“新鮮さ”は人のモチベーションを増幅させる、言うなれば脳内麻薬の源泉でもある。…とここまで書いて思った。このご時世、“脳内麻薬”という表現は如何なものか、と。ふとGoogleで“脳内麻薬とは”と検索してみる。すると、“脳内麻薬 登山”というワードが検索候補にヒットし、苦笑を禁じ得ないのであった。

 

PS:本場英国のOMMは今年、イングランド北部のGalloway Forest Park内、Glentroolにて開催された。いつかは本国へも遠征、出場したいものである。

 

■個人装備(メーカー)

 

コンパス(SILVA)

ハイドレーションパック(Platypus)

レインウェア(The North Face

ロングスパッツ(Nike

アンダーシャツ(Finetrack/Under Armour/SKINS)

Tシャツ(La Sportiva/Nike

ロングパンツ(Nike

ベースレイヤー(Salomon)

ミドルレイヤー(OMM)

ダウンジャケット(Mont-bell)

シュラフ(OMM)

マット(THERMAREST/OMM)

ビーニー(Arc'teryx)

ヘアバンド(Salomon)

手袋(The North Face

靴下(injinji/Oakley)

シューズ(La Sportiva

バックパック(OMM)

シュラフカバー(Mont-bell)

ヘッドライト(Petzl)

クッカー(TRANGIA)

ボンベ(PRIMUS)

スプーン&フォーク(PRIMUS)

ポール(Black Diamond)

テント(Mr.山歩き.Rikizou氏持参)

 

■食事

Day0:キムチ鍋、ホットワイン

Day1(Dinner):カレーライス、チーズハンバーグ

Day2(Breakfast):日清カップヌードル(リフィル版)

Other:行動食少々

 

■Time

Day1:4h27m21s(制限時間5時間)

Day2:4h56m43s(制限時間4時間)

 

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【Watch】風景としてのスポーツ(ロンドン/香港編)

少し間が空いてしまったが、11/18〜12/10にかけて英国、香港に滞在した。その備忘録も含めて書いておこうと思う。

 

正直なところ、帰国後だから書けるという事もあるのかもしれないが、出発前に漠然と考えていた目的は以下である。

 

(1)街の様子を見ること

(2)スポーツを観ること

(3)スポーツをすること

(4)英語力不足を知ること

 

金も無いので、時間は足りなかったがいずれも実行、実感する事が出来、有意義な時間になったと思う。

 

スポーツに関しては、陸上競技は屋外シーズンから室内シーズンへの過渡期という事もあり観戦は叶わなかったが、計4つのスポーツを観戦した。加えて、ロンドンでは、小規模ではあったが実際にレースにも参加してみた。以下に纏めておきたい。

 

■観戦

ラグビー/アンダーアーマーシリーズ(日本 VS ウェールズ)@Principality Stadium/ウェールズカーディフ

・テニス/ATPツアーファイナル決勝(N.ジョコビッチ VS A.マレー)@THE O2/ロンドン

・サッカー/イングランドプレミアリーグ13節(チェルシーFC VS トッテナム・ホットスパー)@Stamford Bridge/ロンドン

・競馬/LONGINESインターナショナルジョッキーチャンピオンシップ@Happy Valley Race Course/香港

 

■出場

・PARK RUN UK(5km)@Hampstead Heath

・Nice Work Bushy Park 5K(5km)@Bushy Park

※以上全てロンドン

 

■サイクルショップ

・Condor Cycles

・SOHO Bikes

・Full City

・Mamachari

・Brick Lane Bicycle shop

・Cloud 9 Cycles

※以上全てロンドン

 

■その他来訪地

Queen Elisabeth Olympic Park @ロンドン

 

■レースおよびファンラン出場の際に参照したサイト

Park Run http://www.parkrun.com/

Park Run UK https://www.parkrun.org.uk/

Run Britain http://www.runbritain.com/

NiceWork http://www.nice-work.org.uk/

 

今回の滞在を通じて、自分の中でスポーツの新しい視座を得る事が出来た。今後の参考にしていこうと思う。来年はパラ陸上世界選手権世界陸上競技選手権がともにロンドンで開催される。双方1ヶ月程開催時期に隔たりがあるので、どちらかには実際に現地まで赴こうと思っている。

 

最後に撮影した写真を少々。

 

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