【大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」】『くわず女房』
こんにちは、アナイスです。子供の頃にドハマりしていた「まんが日本昔ばなし」が大人になってから観ると、こんな風に面白い!そんな事をただ、つらつら書き連ねていく“大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」”。今回は『くわず女房』を紹介します。
『くわず女房』
ジャンル:ソフトホラー
この話の主人公である炭焼きの男は、めちゃくちゃケチで良い歳こいても嫁も貰わずに、せっせと米を貯蔵するようなタイプ。現代でいう、独身貴族です。別に結婚願望がないというわけではないんですけど、彼が結婚する相手に求める条件が「飯を食わない嫁」なんですよ。いや、どんだけケチなんだよ。
しかし、そんな彼の元にある日突然、一晩泊めてくれと女が訪れます。しかも、自己紹介が「私、飯を食わない女です」ときたものだから、最高に怪しい。これ、会う事前に相手のSNS徹底的に調べ上げて、相手のタイプ通りに演じてくる女の常套手段ですよ。炭焼きの男も「マジでか」なんて驚きます。「はい、生まれてこの方一度も飯なんぞ食べておりません」なんて事を女は続けて言います。もうこれ、完全に人間の言う台詞じゃありませんよね。
しかも、この女頼んでもいない家事をしながら、その後家に居座り続けてるんです。そんな女に炭焼きの男は「マジタイプっす、結婚してください」なんて言って、彼女を嫁に貰います。いや、アホか!生まれてこのかた一度もご飯食べていないって、どうやって生命力意地しているんだよ!
つまりこれ、炭焼きの男はガリガリ好きなんですよ。ご飯食べない、なんて言うなれば拒食症。この女もさぞ細かった事でしょう。しかしこの話し、そんなガリガリ好き男子にとって、痛ーいしっぺ返しが待ち構えています。
さて、炭焼きの男はある日気がつくのです。自分がせっせと貯めていた米が減っている事に。おかしいなと思ったので、男は働きに行くフリをしてこっそり家の屋根裏に隠れて嫁の様子を伺っていました。すると、どうでしょう。嫁、やっぱご飯食べていたんですよ!ほらね!「私ダイエットしてて〜」ってサラダしか人前で食べてない女は、絶対影でお菓子食べたりジャンク食べたり、チートしているもんですわ。
しかも、この女食べているって言っても、頭部にある第二の口らしき部分におむすびを入れるという、見るからに食事の仕方が化け物。これにカンカンになった炭焼きの男は、「飯食わないって言ったから嫁にしたのに!てめー、俺の飯をよくも!離婚だ、出て行け!」とキレます(ツッコミ所そこかよ)。
すると嫁は、「わかりました…‥実家に帰るので大きな桶を用意してください……」と頼むんですね。一応寝たし、少しの期間でも嫁だったし、なんて情けで彼もそれを用意します。しかし、嫁は途端に鬼になって彼を縛り上げます!桶は、彼を入れるためのもので、実家への手土産(食品)にするつもりだったんですよ!
さて、縛り上げられて山道まで運ばれる炭焼き男。ものすごい雨が振ってきます。自分が入れられている桶も浸水してきます。なんとか、桶から転がり落ちる事に成功。桶の中には雨水が溜まっていて重みが変わらないので、鬼嫁(笑)はすぐに彼が逃げた事に気がつきませんでした。
早速逃げ出す炭焼き男でしたが、鬼嫁もさすがに気がついて追ってきます。彼は菖蒲(しょうぶ・アヤメ)が沢山生えている所に身を隠していたんですけど、見つかっちゃう。もうダメだ!って時に、鬼嫁が菖蒲の匂いに苦しむんですね。それを見た彼が、菖蒲の葉を投げたら、それが剣になって鬼嫁を刺すんです!参った鬼嫁は逃げ出し、男の命は無事助かります。そして、こう言うのです、「飯食わない女は嫁にするもんじゃないな」と。
その後、彼はあからさまにふっくらしている嫁をもらって子供を作り、飯をケチらなくなったという話しでした。
昔から「結婚するならふくよかな体型の方が良い」なんてたまに聞きますが、それは子供を産める身体、赤ん坊を育てられる身体という意味合いが込められています。ガリガリな女性が好みでも、結婚するならやっぱ体型はちょっと丸い女の方が良い。そんな文句の発祥となるストーリーなのではないでしょうか?
では今日はこの辺で! ANAIS
大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」
こんにちは、アナイスです。
少し久しぶりの更新となりますが、最近は専らエディターとしての仕事が忙しくあまり他でも記事を執筆する事ができませんでした。たまに来るんですね、書けなくなる時期が。そういう時、私は子供の頃好きだったものを振り返ったり、映画と少し距離をおいて過ごしながら今後の動きを練っているのですが、そんな最近「まんが日本昔ばなし」にまたドハマりしましてね。
子供の頃、おじいちゃんが毎回ビデオに録画してくれていたのをテープが擦り切れるレベルで何度も何度も見返していた程大好きでした。Netflixに、ちょうどシーズン1(111話)が公開されているのを発見して、懐かしくなって観ていたんです。
そしたら、また子供の頃と違った面白みや楽しみ方を発見!「え〜なんか日本昔ばなしについて語りたい〜」ってな具合で、なんでもかんでも出来ちゃうNOルールなこのブログにて、大人の視点で楽しむ「まんが日本昔ばなし」というものをシリーズとして紹介していこうと思います。
もはや誰得?な企画ですが、率直に言うと私特です。あ、勿論映画の事も書いて行きますからね:-)
週1ペースで1話ごと更新していく予定なので、お楽しみに!
紹介エピソード一覧
『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』愛を、身体を、貪り合った。
photo from: http://www.glasshousejournal.co.uk/post/girls-on-film-beatrice-dalle-in-betty-blue
原題:37°2 le matin ,Betty Blue
監督:ジャン=ジャック・ベネック
脚本:フィリップ・ジャン
出演者:ベアトリス・ダル
ジャン=ユーグ・アングラード
配給 FOX
公開1987年
製作国 フランス
この作品は、私にとって思い入れ深く特別な映画のうちの一つ。主演を務めるベアトリス・ダルは、これがなんとデビュー作!彼女、実は『ナイト・オン・ザ・プラネット』で盲目の女性を演じています。
原題は仏語で「37.2度の朝」という意味。
この記事では結末を含む『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』の内容について書かれています
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『百円の恋』呆れる程に痛い恋、なめんなよ
photo from http://video.unext.jp/title/SID0018945
監督:武正晴
脚本:足立紳
出演:安藤サクラ
配給:SPOTTED PRODUCTION
公開:2014.12
製作国:日本
映画開始3分、斉藤一子(安藤さくら)の見るに耐えない女を捨て墜ちに墜ちてる生活が、まぁとにかく酷い!
彼女は、そんな自分の痛いところをついてくる妹に逆切れをして家出、32歳初の一人暮らしをはじめる。一切普通でなく、可愛くもなくむしろ同じ女として苦笑いをしてしまうこのヒロインが、映画の後半に快進撃を繰り広げます。呆れてしまう程ひどかった彼女に、私たちはいつのまにか関心や感動さえ感じてしまうでしょう。
この記事では結末を含む『百円の恋』の内容について書かれています
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『美しき棘』レア・セドゥが魅せる、生の実感
photo from Full Metal Bitch
原題:BELLE EPINE
監督:レベッカ・ズロトヴスキ
脚本:レベッカ・ズロトヴスキ
出演:レア・セドゥ、アナイス・ドゥムーステ
配給:日本未公開
公開:2010年
製作国:フランス
カンヌ映画祭批評家習慣上映作品。母親の死によって喪失感にまみれた17歳の少女が無気力に、反社会的なものに目を向ける。ありがちな話ではあるけど、アメリカ映画にはないフランス映画的な芸術性が常にあるので、そこに違いを感じますね。
この記事では結末を含む『美しき棘』の内容について書かれています
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Hi, I'm nerdy movie writer !
Hello! はじめまして、ANAIS(アナイス)です。
この度、個人サイト欲しさ故に初めてHatenaBLOGを開設してみました。
現在は主にライターとして仕事をしながら、Ellegirl(エルガール)オフィシャルキュレーター、たまにモデルとして活動しています。
Blogは以前からEllegirl onlineにてオフィシャルブログというものを持っていて、現在も絶賛バリバリ力を入れて更新しているし、更新していくつもりですのでそちらもよろしかったらご覧ください。
また、映画を中心としたポップカルチャーサイトORIVERcinema(オリバーシネマ)にもライターとして記事を執筆しているので(結構真面目に)そちらもよろしかったらご覧ください。
そして、このブログでは上記のサイトに書ききれなかった(or書くまでもないような)映画に関する事を、私個人のものとして好き勝手気ままに書いて行くつもりです。たまにシリアス風になるかもしれませんが、基本フランクにやっていくつもりなので、同じくフランクに読んで楽しんでくだされば本望!
映画レヴューを基本とした、特集や解説、考察記事がメインになると思います。ネタバレ記事にはちゃんと冒頭に注意書きをするのでご安心くださいね。
さて、一応私のことを軽く書きますね。
アナイスといいます。東京都出身ですが、ベルギーと日本のハーフでございます。幼少期からガチな恐竜オタクで、基本的に恐竜とかデジモンとかポケモンとか、そういうものにばかり興味がありました。実はその辺今も全く変わっていません。『ジュラシック・パーク』に対する愛が凄まじいです。
あと、子供の頃から好きなものは映画と本。小学生の頃イケてなかった私は(その後イケてるようになったかと聞かれれば、いささか疑問だけど)チャイムが鳴れば図書室に駆け込んで本を読んだり、自分で考えた小説を書いていました。母と学校帰りにTSUTAYAに行くのが日課となっていて、二人でB級映画を借りてくるあの時間が至福の時間でした。
ファッションも好きでして、高校生くらいからそっちの業界に近くなったのでコレクションやパーティなどにもよく行きます。その辺はELLEgirlで書きますけどね。
ちなみに音楽への関心も高いです。70,80年代洋ロック好きの両親に育てられたので、その辺は勿論、最近のオルタナティブも大好き。トラック、テクノ、HIPHOP、割とオールジャンル聞きますね。共通して好きな点って、踊れる(踊りだしたくなる)音かもしれません。
そんなこんなで色々な要素を持っていますが、基本的にナードです。
髪色がブルーなので、トレードマークにしようかなって思っています。半年後に金髪になってたらすいません。
それでは、これからよろしくお願い致します;-) bye bye!