「なぜ学んだものをすぐに忘れるのだろう?」

本屋で本をながめていたら、

小さな本だけど、私を呼んでいる本があるのに気づきました。

「なぜ学んだものをすぐに忘れるのだろう?」

心理学の専門書をながめて、どれもこれも私の疑問に答えてくれそうにないと

うんざりしていたので、

このタイトルはインパクトありました。

 

パッと開けると、目に飛び込んできた文字が

「読み書きクラブに加入する」

そろそろ帰らねばと思っていた私は1500円という魅力的な値段につられて、

すぐに買い物かごに入れてレジに直行したのでした。

帰りの電車に揺られながら著者名を見ると、フランク・スミス

という、見覚えのある名前でした。

 

もしかして、この著者はホール・ランゲージに影響を与えた心理学者では?

そして、その予想は、見事に的中していたのでした。

(続く)

高校で現代社会を教えました

半年間、高校で現代社会の授業を担当しました。

大学院で教育学を研究しているので、理想の授業にしたかったのですが、うまくいきませんでした。

今の高校生の考え方がわかるのに、半年かかったことになります。

「教科書を自分で読むのはめんどうだ。教師がおぼえやすいように板書して説明するのが当然。」

「最小の努力で定期テストで良い成績を修め、そのまま大学入試にも通用する知識を身につけたい。

 

ロジャーズはすでに1969年にこう書いています。

「教えることや知識を与えることは、変動の無い環境においては意味をなす。

・・・しかし、現代人は・・・絶えず変化し続ける環境の中に生きている。

・・・人間が今後も生き残るとすれば、教育の目的は、変化と学びを促進することになる。学び方を学び、適応し変化し続ける方法を学び、安定した知識など無いことを知り、知識を求め続けることだけが安定性の基盤となりうることを知った人間だけが、教養ある人間であるとされる。」

 

「だから覚えるのは、テストの1週間前にテスト範囲だけで十分。」

高校生たちはそのように考えているようでした。

社会とかかわって自ら問いをみつけ、必要な情報を自分で獲得し考える高校生を育てたい・・・

生徒の関心に火をつけることができなかったわたしは、

風車に挑む「ドン・キ・ホーテ」だったのでしょうか?