物性物理向けの場の理論の教科書のまとめ

研究室で輪講するときにいろいろ調べた。
勉強の参考にどうぞ。
区分は書かれている内容で分けていて、読むときの大変さや難しさとは関係ありません。
仕組みがよくわかっていないのですが、もしかしたらリンクにアフィがついてるかもしれないので、それがダメな人はコピペで検索して購入してください。

入門(B4向け、統計力学の発展と第二量子化

統計力学

統計力学

日本語で書かれたグリーン関数の本で一番わかりやすいと思う。


統計物理学 (新装版 現代物理学の基礎 第5巻)

統計物理学 (新装版 現代物理学の基礎 第5巻)

線形応答の久保公式の久保先生の書いた本。
統計力学の教科書の金字塔。


Statistical Mechanics: A Set Of Lectures (Frontiers in Physics)

Statistical Mechanics: A Set Of Lectures (Frontiers in Physics)

ファインマンが書いた統計物理の本。
読んでておもしろい。

初級(B4-M1向け、グリーン関数ファインマンダイアグラム)

Quantum Theory of Many-Particle Systems (Dover Books on Physics)

Quantum Theory of Many-Particle Systems (Dover Books on Physics)

グリーン関数の本。
誤植が恐ろしく少なく、式のフォローもしやすい。
数学的すぎて物理的イメージが湧きにくいのが難点。


Methods of Quantum Field Theory in Statistical Physics (Dover Books on Physics)

Methods of Quantum Field Theory in Statistical Physics (Dover Books on Physics)

グリーン関数の難し目の本。
物性理論をするならこの本は読みきれと言われる。
行間が広く、誤植も多いので読み通すのはかなり大変。


Quantum Theory of Many-Body Systems: Techniques and Applications (Graduate Texts in Physics)

Quantum Theory of Many-Body Systems: Techniques and Applications (Graduate Texts in Physics)

最近、新版が出た。
初心者に向けて多体問題を攻める方法がいろいろ載っている。
イラストが特徴的。


The Quantum Mechanics of Many-Body Systems: Second Edition (Dover Books on Physics)

The Quantum Mechanics of Many-Body Systems: Second Edition (Dover Books on Physics)

読んだことないのでよく知らない。


Many-body Quantum Theory In Condensed Matter Physics: An Introduction (Oxford Graduate Texts)

Many-body Quantum Theory In Condensed Matter Physics: An Introduction (Oxford Graduate Texts)

読んだことないのでよく知らない。
Amazonのレビューによるとかなり評判が良い。


Green's Functions and Condensed Matter (Dover Books on Physics)

Green's Functions and Condensed Matter (Dover Books on Physics)

読んだことないのでよく知らない。


A Guide to Feynman Diagrams in the Many-Body Problem: Second Edition (Dover Books on Physics)

A Guide to Feynman Diagrams in the Many-Body Problem: Second Edition (Dover Books on Physics)

グリーン関数でつまずいた人や、実験家向け。


多体問題―電子ガス模型からのアプローチ (朝倉物理学大系)

多体問題―電子ガス模型からのアプローチ (朝倉物理学大系)

よくまとまっているが、ページ数の割にいいお値段。
続編の『多体問題特論』は第一原理計算の人向け。

中級(M1-M2向け、経路積分や種々の計算手法)

Many-Particle Physics (Physics of Solids and Liquids)

Many-Particle Physics (Physics of Solids and Liquids)

物性物理で使ういろいろな計算手法が網羅されている、教科書というか参考書的な存在。
経路積分トポロジーに関する事柄が載っていないのが残念。
コンピュータで原稿を打ち直したらしく、旧版より誤植が多いという珍しい本。


Quantum Many-particle Systems (Frontiers in Physics)

Quantum Many-particle Systems (Frontiers in Physics)

多体系の経路積分の教科書で一番メジャーかと思われる。
誤植が多いが、式のフォローはしやすいのでなんとかなる。


Condensed Matter Field Theory

Condensed Matter Field Theory

こちらも経路積分の本。
物理の応用例も豊富で、これを読みきったら研究に参加できるレベルになる(と前書きに書いてある)。


物性論における 場の量子論 (岩波オンデマンドブックス)|岩波オンデマンドブックス

物性論における 場の量子論 (岩波オンデマンドブックス)|岩波オンデマンドブックス

ページ数が少なく、式のフォローや文章で言っていることの理解が大変。
内容的にはアルトランド&サイモンズの教科書に匹敵。

上級(M2-博士課程向け)

電子相関における 場の量子論 (岩波オンデマンドブックス)

電子相関における 場の量子論 (岩波オンデマンドブックス)

『物性論における場の量子論』の続きにあたる本。
具体的な問題を取り扱う。


Quantum Fld Thry Cond Matt Phys 2ed

Quantum Fld Thry Cond Matt Phys 2ed

スピン系に詳しい。


Quantum Field Theory of Many-body Systems: From the Origin of Sound to an Origin of Light and Electrons (Oxford Graduate Texts)

Quantum Field Theory of Many-body Systems: From the Origin of Sound to an Origin of Light and Electrons (Oxford Graduate Texts)

トポロジカル秩序に詳しい。


Field Theories of Condensed Matter Physics

Field Theories of Condensed Matter Physics

もうこれが理解できたら立派な研究者の仲間入り。

Ubuntu14.04 64bit にIntel® Parallel Studio XE 2013 for Linuxのインストール

以前の記事Ubuntu12.04 Intel® Parallel Studio XE 2011 for Linuxのインストール - cmphysの日記だとストレートにインストールできなくなっているので、新たな記事を作りました。


Linux向けの非商用Intel Fortran Compilerのインストール方法です。
FortranC++の両方のコンパイラを含むIntel® Parallel Studio XE 2013 for Linuxのインストールする手順を紹介しますが、例えばFortranコンパイラだけのIntel® Fortran Composer XE 2013 for Linuxも同様の手順でインストールできます。
Fortranの場合はifort、C++の場合はiccコンパイルできます。

準備

まず次のソフトをインストールします。

$ sudo apt-get install build-essential
$ sudo apt-get install gcc-multilib
$ sudo apt-get install rpm
$ sudo apt-get install openjdk-6-jre-headless

参考:Using Intel Compilers for Linux with Ubuntu | Intel® Software

インストール

Qualify for Free Software | Intel® SoftwareからIntel® Parallel Studio XE 2013 for Linuxをダウンロードします。
ダウンロードの際は、メールアドレスの登録が必要です。
登録したメールアドレスに、シリアル番号とダウンロードファイルのURLが送られてきます。
ダウンロードしたファイルはホーム・フォルダに置いておきます。

まず拾ったファイルを解凍(ファイル名は落としたファイルを見てください)。

$ tar xvzf parallel_studio_xe_2013_sp1_update2.tgz

そしたらルート権限に変更してインストール実行。

$ cd parallel_studio_xe_2013_sp1_update2
$ sudo su
# ./install.sh

で、あとは画面の指示に従ってください。
途中で匿名情報をインテルに送信するか聞かれますが、よほど酔狂な人でない限り2のNoを選ぶとよいと思います。
以前は2がデフォルトで設定されていました。

インストールのStep.5で 32-bit libraries not found と言われると思いますが、ia32-libsはUbuntu13.10からリポジトリになくなったので入れられません。
(入れられますけど面倒です)
32bit用のプログラムが作れなくなるだけで、コンパイラの動作になんの影響もないので無視してください。

インストールが完了したら、ホーム・フォルダにある .bashrc を開いて、ファイルの最後に以下の行を追加します。
(インストール先のフォルダは自身で確認してください。)

source /opt/intel/composer_xe_2013_sp1/bin/compilervars.sh intel64

intel64は64bit用のオプションです。32bitの場合は代わりに'ia32'としてください。

これが終わったら、rootから一回ぬけてコマンドラインで再度読み込み

$ source ~/.bashrc

か、もう一回ログインするとOK。
これで毎回コマンドラインから使えるようになります。

$ ifort -v
$ icc -v

でバージョンが表示されたらインストール成功です。

MKLのコンパイルオプション

このコンパイラにはIntel特製のMath Kernel Libraryというのがついてきます。
この中にはLAPACK&BLASも含まれています。
MKLを使う際のコンパイルオプションの付け方は
Intel® Math Kernel Library Link Line Advisor | Intel® Software
から調べることができます。
出てきたlink line, Compiler optionsで$(MKLROOT)となっているところは

/opt/intel/composer_xe_2013_sp1.2.144/mkl

などと置き換えます。
(MKLの入っているフォルダは自身で確認してください。)

最近のバージョンではMKLにBLACSやScaLapackがデフォルトで含まれなくなりました。
オプションで設定できるようですが、どうするかは知りません。

Ubuntu 12.10 Adobe Readerの導入

PDFファイルを読むときの最強ツール、Adobe Readerをインストールする方法です。
端末を開いて

$ sudo apt-get install adobereader-jpn

しかし、これでは日本語のフォントがインストールされていませんので、日本語の文書が読めません。
端末から

$ wget http://ardownload.adobe.com/pub/adobe/reader/unix/9.x/9.1/misc/FontPack910_jpn_i486-linux.tar.bz2
$ tar xavf FontPack910_jpn_i486-linux.tar.bz2
$ sudo sh JPNKIT/INSTALL

で日本語フォントをインストールできます。

メニューが表示されない

このままだと、メニューの中身がなぜか表示されません(どういうことかは見ればわかります)
グローバルメニューの無効化で表示できるみたいです。

$ gksudo gedit /usr/share/applications/AdobeReader.desktop

でファイルを開いて、「Exec=acroread」の部分を「Exec=env UBUNTU_MENUPROXY= acroread」に変更してやると表示されるようになります。

Ubuntu12.10 LibreOfficeでTeX文法で数式を書く

OpenOffice.orgから派生したLibreOfficeというオフィスソフトがあります。
無料の割にMicrosoft Officeに負けず劣らずの優秀なオフィスソフトです。
(じゃあMS Officeは買わなくていいじゃん、ということになるのですが、事務から送られてくる書類のテンプレートが大抵WordかExcelで作られていて、こいつをLibreOfficeで開くと微妙にずれてしまうので、不便なところです。LibreOfficeが標準になればいいのですが、無料な分サポートがないので普及はしないでしょう。)

それで、こいつには理系向けにMathという数式エディタというのが入っているのですが、デザインがあまりよろしくないに、Math独特の文法で入力もしにくい。
そういうわけで、TeXで数式を入力する方法を紹介します。
WriteかImpressかDrawで作業してください。

ここで紹介するTexMathsは、Linuxに限らずWindows, Macでも動作します。
TeXMathsのサイトは下のリンク先です。
TexMaths Homepage

準備

LibreOfficeUbuntuにデフォルトで入っているのでいいですよね。
以下は、既に入っているものについてはとばしてください。

インストールするものはTeXLive, dvipng, dvisvgmです。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install texlive
$ sudo apt-get install dvipng

また、dvisvgmをインストールするために、リポジトリに次のPPAを追加しないといけません。

$ sudo add-apt-repository ppa:martin-gieseking/ppa
$ sudo apt-get install dvisvgm

TexMathsのインストール

TexMaths - Browse Files at SourceForge.netにアクセスします。
現在の最新版は0.37です。この場合、TexMaths-0.37.oxtをダウンロードすることになります。

以上ができたら、LibreOfficeを開いてください。
そして

ツール->拡張機能マネージャー->追加

で、さきほどダウンロードしたTexMaths-0.37.oxtを選んでください。
LibreOfficeを再起動すると、左上にπのマークが新しくできるので、そこをクリックします。
パッケージや自前の定義を使いたいときは、[Preamble]を選ぶとプリアンブルを編集できます。

自作パソコンにUbuntuをインストールした記録

パソコンで並列計算がやりたくて、以下の構成でパーツを買い揃えました。

CPU: Xeon E5-2660 x2
M/B: ASUS ZP9A-D8
Memory: Kingston KVR16R11D4/16 x2
PSU: CoolerMaster Silent Pro Gold 800W (RS800-80GAD3-JP)
CPU cooler: Dynatron R17 x2
video card: 玄人志向 GF8400GS-LE256H3 (以前、インターネットで一番安いビデオボードを探して買ったやつ)
DVD drive: 東芝サムスン TS-H653 (パソコンパーツ中古屋で売っていた一番安かったやつ)
Case: CoolerMaster Elite 430 Black (家にころがっていたATX対応のやつ)

マルチCPUで電源を選ぶときは要注意で、消費電力はちゃんと計算しないといけません。
さらに、CPU用の種類によっては電源からCPU用の12V 8-pinが2つ必要なこともあります。
ZP9A-D8だと、CPUの消費電力が115W以上だと8-pin電源が2つ必要です。
他にも、対応するメモリーに制限があったりするので、購入の際はメーカーの製品ページを事前に熟読して、わからなければ販売店の店員と要相談です。

今回使用したマザーボードATXサイズなのでCPUクーラーがかなりきちきちでした。
90mm x 90mm以内に収まるものがよいかと思われますが、小さすぎたら排熱能力も落ちてXeonの計算能力が発揮できないので悩ましいところです。
予算があれば水冷式にした方が良いのかもしれません。

video cardはデュアルディスプレイにするために装着したので、通常の使用であればonboardのもので十分です。
また、オーディオ関連がついてませんので、音を出したければ別途オーディオボードが必要です。


まず、Ubuntu 12.10日本語Remixをインストール。
これで動くかな、と思ったらCPUが8個しか認識されていない。
調べてみたら日本語版は32bit版しかなくて、CPUを8個までしか認識できないみたいです。
64bit版は256個まで認識できるので、本家から落としてきます。

Ubuntu 12.04 Inkscapeで数式をかく

Inkscapeを使って数式を描く場合は、通常

[エクステンション]->[レンダリング]->[LaTeX数式...]

でできます。
しかしこれは使い勝手が悪いので、TexTextというものを入れてみます。

textext — Random Muse
から、最新バージョンをダウンロードします。
(この記事を書いている時点では textext-0.4.4.tar.gz が最新)
展開したファイルは

~/.config/inkscape/extentions/

にコピーします。
(/.configは隠しフォルダなので、Ctrl+h で表示できます。)

次に、必要なソフトをインストールします。
LaTeXのパッケージはすでに入っているとして、端末から

$ sudo apt-get install pstoedit
$ sudo apt-get install python-lxml

二つ目は普通はすでに入っていると思うので、ない場合のみインストールします。


実際の使い方は、Inkscapeのメニューから

[エクステンション]->[Tex Text]

で出てきたウィンドウに入力します。
例えば

$\alpha_1$

で添字が1のαが表示されたら成功です。

(加筆予定)

Ubuntu12.04 プロキシ環境下でのDropboxのインストール

大学などではインターネット接続の際にプロキシを経由するようにしているところが多いです。
こういう場合、DropboxのインストールはUbuntuソフトウェアセンターや.debファイルをダウンロードするのではなく、コマンドラインからインストールします。
すなわち
Install - Dropbox
で、「コマンドラインを使用して Dropbox をインストール」の指示に従います。

例:32bitの場合

$ cd ~ && wget -O - "https://www.dropbox.com/download?plat=lnx.x86" | tar xzf -
$ ~/.dropbox-dist/dropboxd

これをしないと、Dropboxのソフト自体は初期状態でプロキシを認識してくれない上に設定もできないので、起動するとソフトがフリーズします。

[設定...]->[プロキシ]でプロキシの設定をした後、上述のページからUbuntu版の.debファイルをダウンロードして、インストールします。