映画『私をくいとめて』のレビューなど。~ のんの演技が光るとてもいい映画
こんにちわ。
コロンボです。
基本的にぼくは洋画の方が好きなんですが、今回は久しぶりに観た邦画『私をくいとめて』の紹介です。
感想など
正直に言って、この映画はぼく的には傑作だと思いましたね。
ストーリーもそうだし、世界観もしっかりとリアルな現代を描いているし、あらゆる面で最高の映画だと思いました。
まず、なんと言ってものんの演技がいい! そして大瀧詠一の曲『君は天然色』がいい味を出している。もちろんストーリーも、映像も、そしてのんが演じる黒田みつ子の等身大の女性像がまた魅力的。
コメディでもあるんですが、反面みつ子の抱える不安や哀しみを豊かに描いたヒューマンドラマでもあります。
言葉(セリフ)だけでなく、表情、映像、音楽、そして間(ま)などで感情がとてもよく表現されているんです。
なぜだかわかりませんが、所々で密かに感動して、涙くんでしまいました。
時々出てくるファンタジーっぽさも、やり過ぎてなく、どこか叙情的でもあってすんなり受け入れることができてしまうんですね。
映画を見ながらぼくは、
「もしかしたらこれは傑作なのではないだろうか」
と確信しました。
深く見せようとして失敗している作品が多い中、この映画はさりげなく人の心の深いところをあぶり出して、その哀しみや不安、そして寂しさを表現し、理解するというよりはむしろ心で感じさせてくれるんです。
ディテールもほかの人たちのサイドストーリーもきちんと描いていて、作品としてもとてもしっかりとしています。
そして、この作品をそこまで昇華させてくれるのは、のんの演技にほかなりません。彼女の演技は最高でした。彼女でなくては、この映画はダメだったと思えるほどです。
彼女の表情、目の動き、それだけでとても多くを語ってくれます。本当に優れた俳優さんだと思いました。
原作
「私をくいとめて」の原作は芥川賞作家の綿矢りささん。
この映画を見て原作も読んでみたくなりました。
のんと橋本愛との共演も懐かしい
のんの学生時代の友人として、橋本愛が出ています。
NHKの朝ドラ「あまちゃん」以来ふたりの共演は懐かしくて、なんだか込み上げてくるものがありましたね。
あまちゃんファンだった方にはとても大きなプレゼントではないでしょうか。
基本情報
タイトル 私をくいとめて
監督 大九明子
製作 2020年 日本 133分
キャスト のん、橋本愛、林遣都
ジャンル コメディ、ロマンス
ストーリー
おひとりさま生活を満喫する女性と年下男子の不器用な恋の行方を描き出す。何年も恋人がおらず、ひとりきりの暮らしにもすっかり慣れた31歳の黒田みつ子。そんな彼女が楽しく平和に生活できているのには、ある理由があった。彼女の脳内にはもう1人の自分である相談役「A」が存在し、人間関係や身の振り方に迷った際にはいつも正しい答えをくれるのだ。ある日、みつ子は取引先の若手営業マン・多田に恋心を抱く。かつてのように勇気を出せない自分に戸惑いながらも、一歩前へ踏み出すことを決意するみつ子だったが……。
おわりに
多面的な人の心を非常にうまく、時にコミカルに、時にリアルに、そして時に叙情的に鮮やかに描いた最高の作品だと思います。
久しぶりに邦画を観て本当によかったです。
監督の大九明子さん他作品、「勝手にふるえてろ」(松岡茉優主演)も興味がありますね。
ではまた~☕
-コーヒーを飲もう-
映画「テイク・シェルター」のレビュー。精神崩壊か、それとも真実か・・・
こんにちわ。
コロンボです。
今回は2011年のアメリカ映画「テイク・シェルター」の紹介です。
感想など
どうなってしまうのだろう?
「テイク・シェルター」は、非常に見応えのある作品で、前のめりに見入ってしまう映画でした。そのような映画に出会ったのは久しぶりで、とてもうれしかったですね。
常に緊張感のある映像と雰囲気は、どことなくレイモンド・カーヴァーの小説を彷彿とさせます。
毎夜、悪夢にうなされた男は、狂ったように、自宅の庭にシェルターを作ろうとします。(嵐から避難するために地面の下に作られるシェルター)
周囲は、そんな彼に対して不審な目を向け始めます。そして、そのシェルター作りがきっかけで、家族や職場の人間関係に様々な亀裂を生んでいくのです。
しかしそれでも彼は、これまでに経験したことのないような、巨大な嵐が迫っていることを信じ、シェルターづくりを止めることができません。
その精神が崩壊していく男を演じる主役マイケル・シャノンの演技がとてもいいのです。
現実味のある悪夢によって、精神を蝕まれ、自分が正常なのかどうなのかもわからなくなりながらも、家族を守るためにシェルターを作り続ける男の姿を、非常に切実に演じているのです。
映像も、過大な演出がなく、それが緊張感の演出に大きな効果を与えているのだと思います。
ストーリーの構成も、聴覚の不自由な娘、決して裕福ではない生活などがストーリーにうまく混ぜ込まれており、社会を描きかつ人間も描いています。
彼の信じているものは、果たして真実なのか、それとも単なる妄想なのか、最後まで見るものを引きつける引力のある作品です。
ほんと、久々に出会った見応えのある作品でした!
基本情報
- タイトル テイク・シェルター
- 原題 TAKE SHELTER
- 監督 ジェフ・ニコルズ
- 製作 2011年 アメリカ 120分
- キャスト マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン
- ジャンル サイコスリラー、SF
ストーリー
大災害発生の恐怖にかられた男の狂気を描き、第64回カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリをはじめ、さまざまな映画祭で絶賛されたサイコ・スリラー。メガホンを取るのは、本作が長編2作目となるジェフ・ニコルズ。世界終えんの妄想に錯乱(さくらん)していく主人公を、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』でオスカー候補になったマイケル・シャノンが怪演。夫の不可解な言動がまったくわからず悩む妻を、『ツリー・オブ・ライフ』『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のジェシカ・チャステインが演じる。
小さな田舎町で妻子と充実した生活を送っていたカーティス(マイケル・シャノン)は、大災害の夢を見るようになる。恐怖、まもなく地球規模の天災が起きると思い込んだ彼は、避難用のシェルターを作り始める。そんなカーティスの行動を、家族や周囲の人々は理解できず……。
※シネマトゥデイより引用
ではまた~☕
-コーヒーを飲もう-
映画「好きにならずにいられない」のレビュー。
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介する映画は、アイスランドとデンマーク製作の映画「好きにならずにいられない」です。
感想など
この映画、このポスターにだまされてはいけません。
ぼくはこのポスターを見て、この映画はコメディだろうと判断したんですけど、実際はまるで違いました。
ただ、ポスターだけでなく、タイトルも内容と全然合ってないので、ちょっと悪質ではないか、と思ってしまうほどでした。
映画自体は、とても印象に残るいい映画だったので、もっとストレートに宣伝した方がこの映画に敬意を表する意味でもよかったように思います。
ちなみに、元々のタイトルは、「FUSI/VIRGIN MOUNTAIN」。フーシというのは主人公の男性の名前です。
セリフよりも、映像で語る映画。しかも痛みを感じるような映像と、断片的な表現が印象的でした。
孤独感や虚しさがとても伝わってきて、最終的に何らかの救いがある、というものでもないのだけれど、なぜか心に深く染み込んでくるような、そんな映画でした。
基本情報
- タイトル 好きにならずにいられない
- 原題 FUSI/VIRGIN MOUNTAIN
- 監督 ダーグル・カウリ
- 製作 2015年 アイスランド、デンマーク 94分
- キャスト グンナル・ヨンソン
- ジャンル ドラマ
主演 グンナル・ヨンソン
ストーリー
43歳独身、空港の荷物係として勤務する巨漢のフーシ(グンナル・ヨンソン)は、人付き合いが苦手で女性経験もなく、戦車や兵士の小さなフィギュアを集めてジオラマを作るのが唯一の楽しみ。そんな息子を見かねた母親とその恋人は、出会いの機会を作ろうと誕生日祝いにダンススクールのクーポンをプレゼントする。気が乗らないもののスクールに向かったフーシは、小柄な女性シェヴン(リムル・クリスチャンスドウティル)と出会い、瞬く間に恋に落ちるが……。
シネマトゥデイより引用
終わりに
アイスランドの映画というのはあまり見たことがなかったですが、とてもよかったと思います。
北欧の冬の陰鬱さがよく伝わってもきました。
そして、どの世界にも生きづらさを感じながら生きている人がいるんだな、ということを改めて認識させられる映画でした。
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
映画『アノン』のレビュー ~ ミステリアスなアマンダ・セイフライドが魅力的
こんにちわ。
コロンボです。
今回は、2016年、ドイツ、アメリカ、カナダ合作の映画『アノン』という近未来SFのレビューです。
感想など
最初に言ってしまうと、この映画、ぼくは嫌いじゃない。
すべてが監視されている世界で、実のところもっと未来感が味わえると期待していたのだが、世の中の景色などは現在とほぼ同じで、そこは少しガッカリ点だったかもしれない。かろうじて街並みのネオンとかが、ブレードランナー的な近未来を思わせるところはあったくらいで、ぼくとしてはそういうのをもっと見せて欲しかったかな。
でも、ストーリー自体は面白くて、ぼくの好きなタイプだった。
すべての人が行動を監視され、また自分のデータが勝手に書き換えられるという、そのような設定自体がそもそも好きなのだ、ということもあるけれど、自分の視界をハッキングされるということで、何も信じられなくなるという恐怖は、最近のAIによる監視社会の広がりを見ていると、他人ごとではない現実的な恐怖を感じて、またそれを感じながら見るのが面白い。
そしてもちろんミステリアスなストーリー展開も面白いし、加えてどちらかと言えば静の映像がより緊迫感を演出しているように思われた。
また、ミステリアスな女性(アノン=匿名)を演じた、アマンダ・セイフライドがとても魅力的だった、ということはもう言うまでもない。
ストーリー
管理社会と化した近未来を舞台にしたSFサスペンス。人類の記憶の記録と検閲が行われている世界で、ある殺人事件を追う刑事を活写する。メガホンを取るのは『ドローン・オブ・ウォー』などのアンドリュー・ニコル。ドラマシリーズ「The Knick/ザ・ニック」などのクライヴ・オーウェン、『マンマ・ミーア!』シリーズやニコル監督作『TIME/タイム』などのアマンダ・セイフライドらが出演する。
近未来、地球上にいる人間の記憶は、記録と検閲が行われることになっていた。個人の匿名性もプライバシーもなくなった代わりに、犯罪は皆無に等しいものとなったある日、殺人事件が起きてしまう。刑事(クライヴ・オーウェン)が事件を担当するが、捜査線上に浮かんだ女(アマンダ・セイフライド)に関する記録は一切存在しなかった。※引用 シネマトゥデイ
基本情報
- タイトル アノン
- 原題 ANON
- 製作 2016年 ドイツ、アメリカ、カナダ
- 監督 アンドリュー・ニコル
- キャスト クライブ・オーウェン、アマンダ・セイフライド
- ジャンル SF、ミステリー
ではまた~
ーコーヒーを飲もうー
映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のレビュー。 ~ 生きる意義を考えさせる
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介するのは、2014年、名優マイケル・キートン演じるアメリカ映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)です。
感想など
この映画は、マイケル・キートンが自らを自虐的にパロディ化して演じた作品だ。
物語、人間模様、音楽などを通じて、様々な言葉だけでは言い表せない感情を語っていて、多くの感情を心に強く訴えてくる映画だった。
作品を観ていて、直接的なメッセージではないのかもしれないが、人生の意義、というか人は何のために生きているのだろう、ということを考えさせられた。
マイケル・キートンの演技が際だった作品で、落ちぶれた俳優が過去の栄光にすがりながら、這い上がろうと必死にもがく姿を、見事に演じている。
随所にファンタジーの要素を織り交ぜているところが、現実と非現実との境界を曖昧にし、それが映画の魅力にもなっている。
また、ほとんどすべてがワンカット(のような)で撮影されており、実験的な作品でありながら、巧みにそれを利用することで物語に臨場感を与えているように思える。全編が、映画でありながら、舞台演劇でもあるかのような。
そして、切れ目のない映像ながら、違和感のないシーン展開のアイデアはさすがだと感心してしまう。
しのぎを削る世界に生きるのは難しい。もっと自分らしく素直に生きられるようになればいいのにな、と思わせる映画であり、最後にはそういう生き方を示唆するような、あいまいではあるが、光が見える終わり方(あくまで私の感じ方であるが)をしていて良かったと思いましたね。
ストーリー
かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。
※シネマトゥデイより
基本情報
タイトル バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)
原題 BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
製作 2014年 アメリカ 120分
監督 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
キャスト マイケル・キートン、エドワード・ノートン
ジャンル ドラマ、ファンタジー
おわりに
やはり、マイケル・キートンはすごいな、と思いましたね。マクドナルドの創業を描いた作品「ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密」でも、マイケル・キートンは怪演してました。
その記事も良かった読んでみてください。
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
映画『パラサイト 半地下の家族』のレビュー、評価など
こんにちわ。
コロンボです。
今回は、韓国の映画『パラサイト 半地下の家族』のレビューです。
本作品は、2020年のアメリカアカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞などを受賞した話題作なので、かなり期待して観たんですが、少し微妙かな~ていうのがな正直な感想ですね。
感想など
観て最初に感じたのは、さすがにアカデミー賞などを受賞するだけの映像であり、作り方で、十分国際競争力のあるものだな、ということですね。
また、ストーリーも興味深く、コメディタッチでとても面白い。特に前半は、面白くて笑うところもいっぱいあった。面白さだけで言えば、かなり上位に入るかもしれない。
パラサイトとうタイトルも、言い得て妙、この映画の本質をしっかりと表現していると思います。
しかし、2時間以上を見ている中で、どうしてか誰とも共感できるところはないように感じてしまいました。
韓国にある”格差社会”を描いていて、その点はカルチャーショックもありとても興味深いところであるが、その格差にしても、映画の中でそこに疑問を呈するわけ訳でもなく、深くえぐるでもなく、どうも扱い方が中途半端に感じるのです。
韓国ではこの格差は普通のことで、取り立てて社会問題にするようなことでもない、ということなのでしょうか。
また、友達を簡単に裏切ったり、なんの迷いもなく人をだますのも、どういう意図から描いているのかか上手く伝わってこないんですね。なんでなんでしょうか。あまりにも無自覚的に、自然な成り行きとして描かれすぎているので、逆にそこに引っ掛かる自分の方がおかしいのかな、って感じたりもしてしまいます。
半地下に住む家族は、様々な手を使ってある金持ちの一家に寄生しようとするのですが、彼らが妙に器用で何でもこなすというところも不自然といえば不自然です。
そこを無理やり好意的に見るとすれば、才能があっても韓国ではなかなか職に就けない、ということへの問題提起なのかもしれないともいえるのですが、そこもよくわからないところなんですよね。
でも一場面だけ、自分たちのせいで職を失った運転手に対して、父が気遣いを見せるシーンがあり、そこだけは一瞬共感できるものに感じました(即座に却下されてしまうけれど)。
とにかく、色んなテーマに手を出しているけれど、どれも中途半端に終わっている気がしてならないんですね。
個人的には、貧しい現状から抜け出すために、正当に勝負を挑むストーリーにするか、もしくはあくまでコメディに徹する、などの方が好みかな、と思った作品でした。
いろいろ、否定的な評価をしてしまいましたが、結果的には様々な要素を取り入れた、いいエンターテイメント作品に仕上げがっていますし、映画自体はとても面白いものになっていたとは思いますけれどもね。
ストーリー
『母なる証明』などのポン・ジュノが監督を務 め、第72回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した人間ドラマ。裕福な家族と貧しい家族の出会いから始まる物語を描く。ポン・ジュノ監督作『グエムル -漢江の怪物-』などのソン・ガンホをはじめ、『新感染 ファイナル・エクスプレス』などのチェ・ウシク、『最後まで行く』などのイ・ソンギュンらが出演。
半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。※引用 シネマトゥデイ
基本情報
タイトル パラサイト 半地下の家族
原題 PARASITE
製作 2019年 韓国
監督 ポン・ジュノ
キャスト チェ・ウシク、ソン・ガンホ
ジャンル コメディ、サスペンス、スリラー
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
ブロトピ:はてなブログの更新報告♪ ブロトピ:映画ブログ更新しました!
映画『ある天文学者の恋文』のレビュー ~ 監督ジュゼッペ・トルナトーレの想いのこもった作品
こんにちわ。
コロンボです。
さて、今回紹介するのは、映画『ある天文学者の恋文』という映画です。
感想など
イタリア製作の映画で、舞台はイギリスのエジンバラとイタリアの湖水地方サン・ジュリオ島というヨーロッパ的で、とても美しい風景の中で撮られています。
天文学の教授と、その女学生の愛を描いた作品なのですが、観ながらいろんなことを考えさせられた映画でした。
正直、前半は死んだ後も亡霊のように、彼女に手紙メール、DVDなどを送り付けてくる教授に対して、嫌悪感に似た感情を抱いてしまう。
死してなお、彼女を縛り付け、彼女の心をかき乱すからだ。
まるでストーカーのようで、その愛情にはなかなか共感できないものを覚えるのだ。
しかし、途中から、彼の苦悩や切なさを知ることになり、いつの間にか彼の深く、正直な愛情を、なんとなく理解している自分を見つけることになるのだから不思議だ。
そして、彼のメッセージを通して、彼女は苦しめられ、どうしたらいいのかわからなくなってしまうのだが、最終的には彼女の心は、ある意味解放されることになる。
その描き方は、やはり脚本・監督を務めたジュゼッペ・トルナトーレの技量でもあるのだろう。
ジュゼッペ・トルナトーレはニュー・シネマ・パラダイスの監督として有名な名匠であるが、名匠であるがゆえに、いい面も悪い面もあったように思える。
名匠らしく、映像はとても美しく、音楽もよい。それに、女性を美しく撮るのがとてもうまいところは感心してしまう。
しかしながら、どこか使い古されたような表現があったり、セリフが妙に鼻についたりすることもあったりした。
そして、意識してかどうかは分からないが、ニュー・シネマ・パラダイス感がやはりあったと思う。
ただ、これは好き嫌いはあるだろうけど、ぼくはあまり新鮮味がないように感じてしまったのは否めないところだ。
とはいえ、最後の終わり方は、若干ありきたりとはいえるかもしれないけれど、ぼくは好きだった。
ジュゼッペ・トルナトーレのこだわりがいっぱい詰まった、とても彼らしい、いい映画だったと思う。
ストーリー
著名な天文学者エドと彼の教え子エイミーは、皆には秘密の恋を謳歌していた。しかし、そんなエイミーの元に突然届いたエドの訃報。現実を受け入れられないエイミーだが、彼女の元にはその後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続ける。エドの遺した謎を解き明かそうと、エイミーは彼が暮らしていたエディンバラや、かつて二人で時間を過ごしたイタリア湖水地方のサン・ジュリオ島などを辿りはじめ、そこで彼女が誰にも言えずに封印していた過去を、エドが密かに調べていたことを知るが―。
※公式サイトより引用
基本情報
- タイトル ある天文学者の恋文
- 原題 LA CORRISPONDENZA/CORRESPONDENCE
- 製作 2016年 イタリア
- 監督・脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
- 音楽 エンニオ・モリコーネ
- キャスト ジェレミー・アイアンズ、オルガ・キュリレンコ
- ジャンル ロマンス、ミステリー
最後に
最後に、ジュゼッペ・トルナトーレ監督について、自らの言を紹介しておく。
ぼくは、天文学者に憧れがある。
彼らは、何億年も前に燃え尽きた星の先から、多くを学ぼうとする。
だから、「死して、なおも照らす」ことを知っているのだ。※公式サイトより引用
この映画は、天文学者に憧れる監督自身の強い想いから作られたものだということが感じ取られる。
そしてこの言葉は、この映画のすべてを言い表している、とさえいうことができるのだ。
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
映画『ファインド・アウト』の評価、レビューなど ~これは彼女の妄想か、それとも真実か!?
こんにちわ。
コロンボです。
あまり期待しないで観た映画が、思いのほか面白かったってことがある。映画『ファインド・アウト』はまさにそんな映画だった。
評価
- ストーリー ★★★☆☆
- ドラマ性 ★★☆☆☆
- サスペンス ★★★★★
- ヒューマン ★★★
- キャスト ★★★★☆
- 総合 78/100
ストーリー・感想など
ある日、姉のジルが夜勤から戻ってみると、妹のモーリーが忽然と姿を消していた。パジャマのまま、車も置いたままだ。しかも、翌日は大学の期末試験でもあるので、まじめなモーリーが夜にどこかに出かけるなどありえない。
その時、ジルの脳裏に、1年前のある記憶がよみがえる。1年前、ジルはある男に誘拐され、森林に掘った深い穴の中に放り込まれ、監禁されたが、殺害される寸前に命からがら逃げかえってきたという恐怖の記憶が。
妹がいなくなったことにより、その犯人が戻ってきて、自分と間違えて妹を拉致誘拐したのだと思ったのだ。
しかし、警察は彼女を相手にしない態度をとる。
なぜなら、1年前の事件の際、結局彼女が監禁されたという証拠が見つからず、すべては彼女の妄想だったと片づけられていたからだ。
彼女はその後しばらく精神病患者として、病院に入っていたのだ。
そんな背景から、この事件が本当のことなのか、それとも彼女の妄想なのか、その境界があいまいになってくるのだ。
しかし、妹のモーリーが姿を消したことは事実だ。
ジルは、小さなヒントを手掛かりにしながら、自力で犯人とおぼしき人物にたどり着くのである。
ジルは、男と連絡を取り、誘導されながらその男に会いに行く。山の中、進むのは車一台通るのがやっとというような森林だ。本当にその先に犯人はいるのだろうか。
非常な緊迫感の中、それは現実なのか彼女の頭の中の妄想なのか。
真実は最後にならないと分からないのである。
ところどころ、物語の中でジルは小さなうそをついたりする。そして全体的にも、彼女の行動が正気とも狂気ともとれ、その描き方がとてもうまい。
もちろん、ジル役のアマンダ・セイフライドがよかったことは言うまでもない。
物語の設定もシンプルで、すっと入っていけるし、またいつの間にか映画にのめり込んでしまう。
また、最後の余韻も悪くない。
ただ、主人公のジル以外の登場人物のキャラクターをもっと描けていれば、ドラマ性がもっと深くなっただろうし、総合的にさらによくなっていたとは思うのだが。
基本情報
- タイトル ファインド・アウト
- 原題 GONE/DISPARUE
- 製作 2012年 アメリカ 94分
- 監督 エイトール。ダリア
- キャスト アマンダ・セイフライド、
- ジャンル サスペンス、スリラー
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
2021年の仕事用手帳は、EDiTのA6正寸に決めました!
こんにちわ。
コロンボです。
さて、今回は手帳の記事。
ほぼ日手帳オリジナルからEDiTのA6正寸へ
2020年の仕事用手帳はほぼ日手帳オリジナルを使ってました。
ほぼ日手帳はやっぱり楽しくて、ほぼ日用のステーショナリーも色々そろっていて、面白かったですね。
遊び心も満載でしたしね。
ある時期まで、2021年もほぼ日手帳オリジナルで行こうかな~、と考えていたんですが、
仕事用手帳としては、今の僕が使っているカバーが、ちょっとファンシー仕様にしていたので、来年はシンプルに行きたいな、という思いが出てきてですね、
そこで候補に上がったのが、同じ1日1ページの手帳、マークスのEDiTだったんです。
日記用にと、毎年EDiTを使っているということも、信頼感があったので、仕事用にもいいかと考えたわけです。
EDiTにもサイズがいろいろありますが、日記用にはB6変形を使っていて、それでも良かったのですが、A6正寸という、ほぼ日手帳オリジナルと同サイズのものがあると知り、これで行こう、と思いました。
これですね。
右側がA6正寸サイズ。左側が日記用に買ったB6変形サイズのもの。
単独の写真です。カラーは、ミットナイトブラック。ビジネス用として、今回は無難な色を選んでみました。
とはいえ、EDiTはカラーバリエーションが豊富なところがうれしいところです。
タイプは、スープル。
肌触りがよく、質感もぼくは好きですね。
ほぼ日手帳オリジナルとのサイズ感
さて、ほぼ日手帳オリジナルとのサイズの比較ですが、A6正寸ということで、ほとんど同じです。
(ほぼ日は一年使ったので、だいぶくたびれてますが、、、)
こんな感じで、ほぼ同じ大きさ、文庫本サイズです。
厚さもほとんど同じです。
ちなみにこれが、ぼくが使っていたほぼ日手帳オリジナル用のカバーです。
これにEDiTが入るかな、と思って試してみましたが、微妙に拍子抜けの大きさが違うかったのか、入りませんでした。(もっと頑張ったら入ったかもしれませんが、、、)
ま、2021年はシンプルに、カバーなし。EDiTの質感を楽しむ予定です。
ダーシェンカの下敷き。これもほぼ日手帳オリジナル用に使ってたものですが、これはEDiTでも使えそうです(^^)
終わりに
今年は、来年の手帳選びには時間がかかってしまいました。毎年同じ手帳を使うのもいいですが、変化があるのも気分が変わっていいものです。
手帳が変われば、ページの仕様も変わって、当然使い方も変わってきます。
どうやって使いこなそうか?
それを考えるのも楽しいものだ。
とりあえず、2021年の手帳に筆入れがワクワクするところです。
では、また~
-コーヒーを飲もう-
映画『ボヘミアン・ラプソディ』の評価、レビューなど ~ 音楽だけではない、音楽に対する姿勢や友情にも感動
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介するのは、2018年に世界中で大ヒット旋風を巻き起こした、クイーンの伝記的映画『ボヘミアン・ラプソディ』!
クイーンのリードボーカル、フレディ・マーキュリーに焦点をあて、彼(クイーン)の音楽、バンド仲間、友人、家族を描いている。
評価
- ストーリー ★★★☆☆
- ドラマ性 ★★★☆☆
- 友情度 ★★★★☆
- 愛情度 ★★★★☆
- 音楽 ★★★★★
- 総合 90/100
感想など
『ボヘミアンラプソディ』は、何といっても、クイーンの音楽のすばらしさにつきる映画だ。全編を通じてクイーンの楽曲が使われ、最後のライブシーンでの演奏、歌声、パフォーマンスは圧巻であるが、しかし一方、フレディの人間味や悩みに焦点を当て、決して過剰な描き方をせず、彼の苦悩や優しさ、繊細さがよく伝わってくる映画でもある。
フレディ・マーキュリーは、ペルシア系インド人で劇中でも「パキ」と侮蔑されるようなイギリスの中ではマイノリティーな存在として育ち、また自身のセクシャリティーもマイノリティーであることに気づき、生きていくことの辛さはこの映画に描かれた以上のものがあっただろう。
しかし、そんな彼に与えられた音楽の才能は、彼のアイデンティティを支え、その面でのカリスマ性を発揮。チャンスをつかむや、たちまちにしてスーパースターにのし上がっていくのだ。
映画の中でぼくが注目したのは、フレディやクイーンのバンド仲間、そしてフレディの最初の彼女であり、かつ生涯にわたって彼と親しい友人でもあるメアリーの優しさと愛情だ。
喧嘩別れをし、彼から離れていった仲間たちが、最終的に彼を再び受け入れるのには、彼ら優しさ、絆の強さ、そしてフレディ自身の人間性によるものだろうと思う。
こういった苦悩や人間関係をしっかりと描いているところが、この映画の感動につながっているのだろう。
彼らの紆余曲折が最後の場面に束ねられ、そして大きく心が揺さぶられる感情に達するのだ。
最大の魅力 クイーンの楽曲
そしてこの映画の最大に魅力は、クイーンの楽曲だ。これまでも感じていたことではあるが、この映画を観てあらためて彼らの音楽の凄さを再認識することとなった。彼らの音楽ほど、聴く者の心を熱狂させるものはほかにない、と。唯一にして無二の音楽なのだと、そう感じるに至った。
演奏もそうだし、何よりフレディのあの歌い上げる歌声が、まっすぐに心に訴えかける。
また、彼のパフォーマンスも、他に類を見ないかっこよさがある。
音楽とパフォーマンスに、フレディのすべての愛と苦悩が集結し、爆発しているのだ。
全編にわたって入るクイーンの音楽は最高だし、誰もが言うように、最後のコンサート「ライブ・エイド」でのステージシーンは圧巻。そしてその間、観る者の脳裏にはいろんな思いが去来するはずだ。
いつまでもいつまでも聴いていたくなる、素晴らしいシーンだった。
エンドロールに流れる、本物のクイーンの楽曲もまたいい。
とてもいい映画だった。
しかし一方では、今後彼らのステージがもうリアルタイムで観ることができないのはとても残念で仕方がない。
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基本情報
- タイトル ボヘミアン・ラプソディ
- 原題 BOHEMIAN RHAPSODY
- 製作 2018年 イギリス、アメリカ 135分
- 監督 ブライアン・シンガー
- キャスト ラミ・マレック、ルーシー・ボーイントン
- ジャンル 音楽、ドラマ
ではまた~
ーコーヒーを飲もうー
映画『セイフ ヘイブン』の評価、レビュー ~ とても美しい物語
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介する映画は、2013年のアメリカ映画、『セイフ ヘイブン』。
この物語は、素敵なロマンス映画であり、かつミステリーもはらんでいる。そして何と言っても、映像が美しく、その映像を見るだけでも価値がある作品だ。
もちろん、登場人物の心も美しく、感動的で、後味のいい、優しくも切ない余韻の残る素敵な物語である。
評価
- 美しさ ★★★★★
- 音楽 ★★★★★
- ロマンス ★★★★☆
- サスペンス ★★★☆☆
- 意外性(驚き度) ★★★★☆
- 総合 70/100
ストーリー、感想など
ストーリーは、何者かから逃げる女性ケイティが、アトランタ行きのバスに乗り込むところから始まる。
バスを途中下車した彼女は、そこで素敵な恋を見つけるが、しかし彼女にはある秘密があり、相手の男性にも悲しい過去があった。
前半は、彼女の抱えた謎が何なのか、という不安とともにミステリーとして進んでいく。しかし、途中下車した小さな港町で出会うアレックスと恋に落ちてしまう。最初は距離を置いて接しているが、彼の優しさと隣人のあと押しもあって次第に距離が縮まっていくのだ。
その過程の描き方は、展開、映像、音楽すべてがとてもロマンチックだ。
隣人である女性、ジョーは何かといえばケイティの世話を焼き、アレックスとの恋にいわばハッパをかけてくる。彼女もどこか謎な雰囲気だ。そして、ジョーの正体、というか秘密、も終盤で判明するのだが、それがとても感動的なのだ。
逃避行でバスに乗り込んだ、ケイティの抱える問題は何なのか、それがこの映画の見どころのひとつでもある。そこには意外性と狂気があるのだが、ここでそれを伝えてしまうと、この映画の面白みがなくなってしまうので・・・
彼女に安住の地があるのか、という意味合いのタイトル『セイフ ヘイブン』は、「ここが君の世界一安全な場所だ」というセリフがあり、その言葉にすべてが込められている。
ああ、やっぱり優しい映画だな~、と改めて思う。
最後の最後に、隣人ジョーの秘密が明かされることになるのだが、これは予想外の展開で、ファンタジーであもあり、とても感動的なのだ。
おわりに
この映画の原作は、『きみに読む物語』のニコラス・スパークス。『きみに読む物語』も非常に美しく感動的なストーリーなので、この『セイフ ヘイブン』が素晴らしい世界を描いているのも納得だ。
観終わった後、優しくてさわやかな気持ちに浸れる作品である。
基本情報
- タイトル セイフ ヘイブン
- 原題 SAFE HAVEN
- 製作 2013年 アメリカ 116分
- 監督 ラッセ・ハルストレム
- キャスト ジョシュ・デュアメル、ジュリアン・ハフ
- ジャンル ロマンス、サスペンス、ファンタジー
ではまた~☕
ーコーヒーを飲もうー
アマゾンアソシエイトへのサイト追加時の注意点。 追加申請の方法が変更になって、審査が不要になっていた?!
こんにちわ。
コロンボです。
さて今回は、アマゾンアソシエイトにURL追加するときのルールが変更になっていたことが分かったので、そのことについて書きたいと思います。
前提として、はじめて申請する場合ではなく、すでに1つ以上のサイト(ブログなど)でアソシエイト登録をされていて、新たに別のサイト(ブログ)を追加したい、といった場合についてです。
これまでは、追加する場合にも、はじめて申請する時と同じように、メールにて審査を依頼して、サイトについてのアマゾン側の審査を受ける必要がありました。
その審査に通過してはじめて、アマゾンの広告を貼ることができました。
私も、そのルールで何度か審査依頼してきたところですが、今回(2020年10月)まだアマゾンアソシエイトの登録をしていないブログがあったので、記事も増えてきたことだし、申請しようとアマゾンに依頼メールを出したんです。
すると、以下のようなメールが返信されてきました。
文面を引用すると、次のようになります。
ご連絡をいただいた件について、追加URLについては、今後はメールで報告されるのではなく、下記のフォームへ入力をお願いします。フォームへURL入力をいただければ、作業は完了です。入力したサイト内で活動を開始してください。
なんと?!
いつの時からか、一旦登録されていれば、おなじIDでのサイト追加は無審査でOKということになっていたみたいですね。
楽天アフィリエイトや、かつてのグーグルアドセンスがとっていたのと同じやり方ですね。(グーグルアドセンスは、数年前からサイト追加にも審査が課されるようになっています)
ただ、最近は新規でアマゾンアソシエイトの登録する際の審査は厳しくなってきているとも聞きますね。
ただし、ルールはいつの間にか変更されていたりするので、サイト運営、ブログ運営されている方は、あきらめずに時々はルール確認をしておく方がよさそうですね(*^^*)
ではまた~
ーコーヒーを飲もう☕ー
映画『ピッチ ブラック』のレビュー・評価 ~ヴィン・ディーゼル主演のSFパニックアクション映画!
こんにちわ。
コロンボです。
さて、今回紹介する映画は、2000年のアメリカ映画、ヴィン・ディーゼル主演の『ピッチブラック』です。
ちなみにYahoo!映画での評価は、3.22点です(2020.10時点)。
この映画は、いわゆるエイリアンパニックもの! そして、「ワイルド・スピード」シリーズで有名なヴィン・ディーゼルが主演しているとこからもわかるように、アクションものです。
といっても、実際はそんなにアクションらしいアクションは出てこなかったかな~
でも、個人的にはかなり楽しめた映画でしたね~(*^^*)
ストーリー
物語は、40人を乗せた宇宙船が、突如流星嵐に巻き込まれて、ある惑星に不時着するところから始まります。
ま、よくある設定っちゃよくある設定なんですけれどもね。それでもちろんその惑星ってやつは、すごい偶然なんですけど、酸素があって人間が生存できる環境なんですよね~
その惑星のほとんどは砂漠のような環境なんですが、そこには得体のしれない、未知の生命体が生息していたんです。
その生物、エイリアンですけど、それは光に弱く、闇の中でしか生きられない。しかし非常にどう猛で、攻撃的な性格。
一旦世界が闇に閉ざされてしまった時の恐怖と言ったら、それはもう・・・
不時着から生還した人たちが、はたして生きて地球に帰ることができるのか、っていう物語。
感想など
エイリアンの弱点
この映画の面白いところは、エイリアンが光に弱いところ。なので昼間の地上には出てくることはできないし、というか、炎や懐中電灯の明かりでさえ近寄ることができないくらい苦手なのだ。
しかも、その星には太陽が3つもあって、いつもどれかの太陽が空に存在するので、夜がないという設定。
じゃあ、どうして奴らは地上の人間を襲ってくるんだ?? って疑問に思ってしまうけど、そこが大間違い。
なんと、その星には22年周期で大規模な日蝕が現れるんですね。
(タイトルのピッチブラックは定期的に暗くなるって意味でしょうかね)
しかも、なんたる運命のいたずらか、ちょうどその周期が今まさにやってこようとしているときだったんですね~
生き残ったメンバー
不時着から生き残ったメンバー構成も異色です。まずはパイロットの女性、フライ(ラダ・ミッチェル)、脱獄囚リディック(ヴィン・ディーゼル)、イスラム教徒一家、古物商人、子ども、鉱夫(婦)、そして賞金稼ぎなど。
このメンバー構成をみると、一体どんな宇宙船だったんだと思ってしまうが、そこはあまり気にしちゃいけない。
その中での主人公的存在は、パイロットだったフライと、殺人罪で投獄され脱獄した囚人リディック。
ヴィン・ディーゼルはこの映画の中では、ヒーローでもありまたアンチヒーローでもある。つまりいいもんか悪いもんかよくわからん感じ?
でも、傲慢で怖いものなし、そしてカリスマ性のあるキャラではある。いかにも彼らしいですね。
見どころ
この映画のような設定は、どこかで観たことあるようなって感じで、よくあるもので、そのせいで、
「この先はきっとこうなるんだろうな~」
となんとなく予想しながら観るんだけど、ところどころでそんな予想を裏切ってくれるんですよね。
なので、飽きることなく楽しめるんですね。
例えば、最初っから、
「こいつは明らかに死亡フラグ立ってるキャラやろう」
って奴が、意外となかなか死ななかったり(結局そいつはみんなに大迷惑かけて死んでっちゃうんだけど)、最後の展開もセオリーを無視しているような意外さで、
「なんてこった~ ほんまかいな~?!」
って。
でも、リディックがみんなをおいて2人で地球に帰ろうとフライに言った時にフライが逆らうシーン、
「(わたしは死ぬ気よ)2人のためなら死ねる!」
のセリフを聞いたときは、ちょっと感動~って感じでした(^^)
おわりに
この映画のような、未知の生命体と生き残りをかけて戦うというストーリーは、ずっと昔に見た、ケビン・ベーコン主演の『トレマーズ』にも通じるところがあって、実はぼくの好みの設定なんです。
『トレマーズ』久しぶりに思い出したけど、面白かったな~
話は『ピッチ ブラック』に戻りますが、最後の終わり方は、とり方もあるでしょうけど、ちょっと手放しでのハッピーエンドでないこともあって、超スッキリ~って感じではなかったかな。
それがこの映画の特徴でもあって、そこが面白かったんだろうな~って思いますね。
また、この惑星の生命体が、本家のエイリアンほど最強で最悪じゃなかったところも救いだったのかも~
ではまた~
基本情報
- タイトル ピッチ ブラック
- 原題 PITCH BLACK
- 製作 2000年 アメリカ 108分
- 監督 デヴィッド・トゥーヒー
- キャスト ヴィン・ディーゼル、ラダ・ミッチェル
- ジャンル SF アクション パニック
ーコーヒーを飲もう☕ー
映画『アジャストメント』運命かそれとも愛か? 自分の運命は自分で切り拓くもの。
こんにちわ。
コロンボです。
今回紹介するのは、マット・デイモン主演のロマンスでもありファンタジーでもある映画『アジャストメント』です。
アジャストメントというのは、調整とか修正などの意味で、この映画では運命や未来を調整する、といった意味で使われていますね。
原作がフィリップ・K・ディックというところも興味をそそります。
基本情報
- タイトル アジャストメント
- 原題 THE ADJUSTMENT BUREAU
- 製作 2011年 アメリカ 106分
- 監督 ジョージ・ノルフィ
- 原作 フィリップ・K・ディック
- キャスト マット・デイモン、エミリー・ブラント
- ジャンル ロマンス、ファンタジー
ストーリー
運命の女性エリースとの出会い
下院議員のデヴィッド(マット・デイモン)は、上院議員の選挙に挑んでいた。しかし、自らの犯した失態のために敗戦色が濃厚になってきたとき、偶然彼の運命の女性でバレエダンサーのエリース(エミリー・ブラント)に出会う。二人は出会った瞬間から不思議なくらいに惹かれ合う。
しかしある時、運命を遂行するという調整員を名乗る謎の男たちの調整活動の現場を偶然目にしてしまったデヴィッドは、彼らに拉致され、2つの約束を強いられることになる。
ひとつは、デヴィッドが今目にしたことは誰にも口外しないこと。
ふたつめは、エリースとは二度と会わないこと。
調整員とは
彼らの正体は、古代より人類の運命をつかさどってきた、いわば天使のような存在で、人類が運命のルートから逸脱しそうになった時にそれを調整する役目を担っていたのだ。
もし、デヴィッドがこの約束を破れば、彼の記憶をすべてリセットする!、と脅迫してきたのだ。
しかし、そんなことを言われて、すごすご言いなりになるデヴィッドではもちろんなかったんですよね。
言いなりになっていたら、ここで映画も終わってしまいますものね(^-^;
デヴィッドが迫られる運命の選択とは
どうにもエリースのことを諦めきれないデヴィッドは(エミリー・ブラント演じるエリースがまた綺麗なんです)、3年間彼女を探し続け、ようやく3年後に彼女を見つけ出すんです。
調整員との約束があるのに、彼女に会って大丈夫なのか? とハラハラしますが、彼はお構いなしに突っ走っていくんです。
二人はどうしてこんなにも惹かれ合うのか?
そして、なぜ引き離されなければならないのか?
デヴィッドとエリースはもともと結ばれる運命であった。しかし、何らかの理由で運命が書き換えられてしまったのだ。
過去の運命に引き寄せられ、二人は再び出会い、一旦は愛を実らせることになるのだが、またしてもそこに運命調整員の手が彼らを引き離しにかかるのだ。
調整員はデヴィッドに彼の将来の姿を告げ、その輝かしい将来をつかむためには、エリースと結ばれることは許されない。その将来とは、彼の子どものころからの夢でもあった。
そして同時に、世界的なダンサーになるという彼女の夢を断つことにもなってしまうのだ、と告げられる。
深く悩んだ末、デヴィッドは彼女の前から姿を消すことを選択するのだった。
デヴィッドの選び取った道
月日は流れ、再び上院議員の選挙の終盤、デヴィッドは優位に立っていた。気持ちも吹っ切れたかのようであったが、その時にエリースが結婚するということを知ってしまうのだ。
それがデヴィッドの中に消えかかっていた火種が再び燃え始める瞬間だった。
彼は、これまでの選択を悔い、そして新たな選択肢をとることに決めた。だれかが書いた運命ではなく、自由意思によって自らの運命を切り拓いていくという選択を。
あくまで、運命の書に従わせようとする調整員の追跡から逃れ、二人は自らの手で運命を書き換えることができるのだろうか?
人生の成功か?、それとも愛か? そのような単純なものではない、自由意思の尊さ、自分を信じる強さなど、もっと深いものをいろいろと考えさせてくれる作品だった。
フィリップ・Kディックのこととか
この映画の原作は、有名なSF小説家、フィリップ・K・ディック(1928年-1982年 活動期間は1952年-1982年))の短編小説をもとに作られということです。
フィリップ・K・ディックの作品は、有名なところでは『ブレードランナー』や『トータル・リコール』、『マイノリティ・リポート』など、映画化されている作品が多数あり、どれもぼくの好きな映画であるので、この『アジャストメント』もとても期待して観ました。
結果、やはり単純なものではなく、奥の深いものを感じることができましたね。
あと、この映画に出てくる天使についてですけれど、この映画の天使の姿格好は「ベルリン天使の詩」(ヴィム・ヴェンダース監督 1987年)のイメージを下敷きにしているのでしょうか? ぼくとしては、もう少し意表を突いたような姿で出てきてくれても面白かったかな、と感じましたね。
ま、どちらにしても、運命に逆らって自ら道を切り拓いていこうとするマット・デイモンも良かったし、エリース役のエミリー・ブラントもとても魅力的でした。
ではまた~☕