哲学講義

仇櫻堂日乗

【まえがき】会社勤めの傍ら、趣味で文章を書いています。私の日常での出来事や考えたことに加えて、読んだ本、鑑賞した美術などの展示、コンサートや能楽公演の感想、それに小説などの作文を載せます。PC表示ですとサイドバーに、スマホ表示ですと、おそらくフッターに、検索窓やカテゴリー一覧(目次)が表示されますので、そちらからご関心のある記事を読んでいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

松原神社例大祭 御濱降り のこと

■ 松原神社例大祭 御濱降り のこと

御濱降りという、浜から海へお神輿で突っ込んでいく様子が見たかったのだが、昼過ぎに浜に行ったところそれらしき気配が何もなく、近くにいらした人に伺ったところ、午前11時くらいには終わってしまったとのことで、また来年である。

―― 小田原 北條五代祭りと松原神社例大祭 のこと https://philosophie.hatenablog.com/entry/2023/05/07/220000

 

 昨年、上の記載のように見逃したのが、小田原の松原神社例大祭の一環として行われる、御濱降りという神事である。宣言通りに、今年は拝見することができた。5月4日の朝、昨年もお伺いしたカフェの珈琲館 豆の樹さんにて朝食をいただき、小田原城の前を通り過ぎて、だらだらと海の方へ向かった。

また、千度小路龍宮神社と古新宿龍宮神社の神輿が、それぞれ4日と5日に「汐(しお)ふみ」と呼ばれる浜降りを行います。
浜降りでは、神輿が浜に続々と降り、波打ち際を歩き、その後砂浜ですべての神輿が並び、順番に海に向かって突っ駆けます。
「浜降り」というと、茅ヶ崎が有名ですが、実は小田原でも昔からやってるんですね。

――  小田原の熱い祭り | レポート | オダワラボ https://odawalab.com/report/matsuri.html 

 ネットで調べても、詳細なタイムスケジュールが公表されているわけでもなく、よくわからなかったのだけれど松原神社近くの神酒所(祭りでは各町等で神酒所という神輿の発着拠点を設けます)にいた人から、じゃあ海用の準備をして~、みたいな声が聞こえてきたため、思い切って鯉口シャツに半ダコで待機している方にこれから海に行くんですか? と聞いたところ、親切にご案内くださった。神輿についてきても良いし、浜に四角く囲った場所(地鎮祭のように四本の竹に注連縄を張り巡らせたものでした)を設けるからその近くで待っていても、とのこと。お忙しいのに、ありがたい。

 

 結局、浜で待つことにして、ジェラート屋の龍宮堂さんを横目に(例年、立ち寄っていたのですが、今年は食べそびれました)海へと続くトンネルを抜けて、到着したのが午前10時30分頃。目の前の岩場には、御濱降りを待っているらしき人がすでに多くいらしており、私も海を眺める等して待っており、同じトンネルを抜けて旗持ちの方、次いで神輿が現れたのが10時50分頃。
 浜をぐるっと大回りして、海に向かって右に三百メートル程を七基の神輿が動く。一緒に付いていくと、なるほど国道一号線の高架下を抜けられるようになってある場所の手前に、例の四角く囲われたあいつがあり、七基の神輿はその近くの波打ち際に、海の方を向いてずらりを並ぶ。

 


www.youtube.com

 そして各神輿はそろぞれの木遣り唄に次いで順々に、担ぎ手の腰が波に浸かるくらいまで神輿を進め、戻ってくる。とはいえ波は一定ではないので、足元をとられそうになる方もいるし、一度などは神輿が海に浮かび、果たしてこれは大丈夫なのかと心配なシーンさえあった。
 ただそれだけなのだけれど、雄大な海、激しい波に神輿を担いだ人々が挑んでいく姿は圧巻で、格好良い。
 私は昨年、御濱降りは見られなかったのだけれど、街中を突き進むここ小田原の神輿を格好良く思って、職場近くの地域の神輿を担がせてもらったのであった(2023年度 鳩森八幡神社例大祭 神輿連合渡御 のこと)。だから、なんとなく神輿の重さ、担ぎ手の大変さは分かる。5月というのに真夏のような日差しが照り付ける中、神輿を担ぎ、海に入っていくのは、かなりのエネルギーが必要だろう。

 無事に七基が汐ふみを終えると、例の四角い囲いに向かってまた木遣りを唄い、突進(これ何て言うんだろう?)。一通り終えると、各神輿は国道一号線の下を抜けて、街へと帰っていき、氏子の家や店を回るのである。各神輿を見送ったのが12時頃。拝見していて、大変パワーをもらったように思われる。

 そして私は、大層日に焼け、顔や腕の露出した部分が真っ赤っかになったのであった。

 

■ 第六十回小田原北條五代祭り のこと

 ところで、私がどうして毎年小田原に来ているのか、であるが、主たる目的は小田原北條五代祭りで馬を引くことである。

 第六十回小田原北條五代祭りは、2024年5月3日(金)に催された。北條五代や支流に城主に扮した方々、その家臣団が行列して街中を練り歩くのだけれど、私は騎馬の口取りのお手伝いに行っているのである。

 2018年のチャーリー(騎乗者等失念)、2019年の寒立(四代氏政公・右側)、2022年の黒雲(初代早雲公・右側)、2023年のヴィーナスブルー号(三代氏康公・左側)に続き、レンゲという馬の右側を担当(いわゆる二人引きをする)。騎乗なさったのは八王子城主の北条氏照公である。実はレンゲとは昨年9月に品川の蛇窪神社のお祭りでも一緒に歩いているので、こうした機会は二回目。

コロナ禍以来4年ぶりで蛇窪神社例大祭を盛大に開催、しかも10年に一度の各氏子町会の神酒所への神輿渡御が今年……、つい先週にも似たようなことを聞いたと思いながら、蛇窪祭での神輿渡御に御殿場カルチャーファームのレンゲ、シュウゲツ(馬)らと参加してきました。
品川区二葉にある蛇窪神社(正式名称 上神明天祖神社)は鎌倉時代・西暦1323年頃の創建と伝わり、御鎮座七百年記念事業の一環として、今回馬たちを呼んでくださったそう。

https://hebikubo.jp/

近隣氏子の皆様から暖かいお言葉やご協力をいただきながら、神社神職様方を乗せた馬を引いて、神輿五基などとともに町内を渡御いたしました。
レンゲはいつも通り落ち着いていて、もちろんそれなりに行く気を抑えるのに引手を握りしめていたので、右手のひらと右足だけやや筋肉痛という感じ(馬の左側を引いていました)ですが、先週のアレよりは遥かに楽。というか、神輿の後ろで優雅に馬のお散歩しててよいのか、という感じでした。
レンゲ、シュウゲツ、お疲れさまでした。地元の方々が馬たちと触れ合ってたくさん写真をとっていくださり、何よりでした。

 相変わらず、終始前に行きたがるそぶりはあるが、小柄なおばあちゃん馬であるため要所要所でしっかり押さえてあげて、大きな問題はなし。無事にお仕事をこなしてくれた。

 大勢の知らない見物客、演出上の音楽、太鼓や鉄砲の音、どれも馬たちにとってはつらい環境だが、各馬頑張ってくれて、本当に頭が下がる。

 


珈琲館 豆の樹(神奈川県小田原市

 そんな、2024年の小田原遠征であった。

■ ちょっと関連

philosophie.hatenablog.comphilosophie.hatenablog.comphilosophie.hatenablog.comphilosophie.hatenablog.com