ヤズコルヤズカマク

ヤズコルヤズカマクとはケチュア語で「行って目にして帰ってきたもの。目撃者…火山の内部を見た者。翼をもつ赤い存在…自らの弱さを全て焼き払った…を意味する(「赤の自伝」より)

普通に遊びを支援する

ボクはジャンキーなので、例え話もドラッグでしようと思う。

例えば…ドラッグが大好きで、そのドラッグを生涯使い続けたい男がいた時、それを叶えるためには「捕まってはいけない」「体を壊してはいけない」「金銭的にも破綻してはいけない」…などなど最低限の賢さが求められる。
それは、生きるためのマナーというか生活のエチケットとも言い換えられるけど、賢さは、賢さ単体で学ぶよりも「遊びfeat.賢さ」みたいなセットで体験した方が身につきやすい(ような気がする)。
そういう意味で遊びを支援することも大事なのだ。

本気で遊び、遊びを超えた本気をつかむ。

遊びを支援するときだけはボクはこんな気概でやっている。

 

なんだ?なんか前回と真逆のこと言ってないか?違うか。

 

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ボクのプレイリスト

支援で遊ぼう的な感じでやってみた

ここのところ「遊び」について考えている。

職場の居住支援スタッフのミーティングで「そんなに支援支援してなくて遊びっぽく若者と関わって欲しいんだよね」と代表がこぼした言葉が影響しているんだと思う。
遊びへのサポートではなく、遊びっぽい支援の提供…なかなかに抽象的だ。そして明らかに難題っぽい。
ミーティングは、参加スタッフのそれぞれの私生活余暇事情赤裸々告白から「遊びとは」という哲学対話にまで及び、盛り上がるだけ盛り上がって結局何も具体化されずに終わった。
そんなこんなで、ふとした瞬間に「遊びっぽい関わり」について考えてしまうようになってしまった。


ボクは社会福祉士精神保健福祉士という援助専門職としての資格を一応とっている(まあ初犯の事情により恥ずかしながら現在は失効中なのだが…)。カチコチの専門家ではないものの「支援」というフィルター越しに全ての事象を眺める癖が染み付いてしまっている。専門職としての自意識によってもたらされた悲しい性だ。ボクの関わりが遊び的であるかと問われれば、ノーと答えざるを得ない。遊びっぽい関わり…ごめんなさい。できてません。
でもそこは、不謹慎逸脱方面には抜群の順応性があることを自負している者としては、チャレンジしがいのあるテーゼな気がしている。よし、やってやろうじゃないか!


そもそも遊びってなんだろう。
辞書で調べようと思ったが、なんかその前のめりな姿勢…本気っぽくて抵抗がある。やめておいた。
どうしてかって?
そう!本気モードの対局にある姿勢が「遊び」という態度なんじゃないかと思ったから。つまり、本気になるということは、遊び性の欠落に等しい。


勝つか負けるかで楽しめるのが遊びのパチンコ。勝っても負けても楽しめてしまうようになってしまえばもうそれはもう本気のギャンブル依存、どばどばと溢れ出る脳汁に溺れてしまうただの病気だ。

セカンドのパートナーとの秘密のランデブー。恋の駆け引き。遊び相手との密会は心と生活を軽やかに踊らせることはできるだろう。でも本気になってしまうとそうはいかない。泥沼に足を掬われ溺れるのみ。命の保証はない。
本気の世界の深海にぶくぶくと沈みゆく心よさは百も承知、否定はしない。だが遊びの軽やかさがそこにはない。


本気と遊びの間にあるもの…それは後ろめたさなんじゃないかなあ。

十分条件ではないにしろ、必要条件として遊びには背徳の感情が存在するように思える。そして背徳はとても美味しい。
ダイエット中につい口にするスイーツは格別でしょう?
隠れてやるドラッグは気持ちいいでしょう?
背徳感、後ろめたさあってこその蜜の味。そんな風にボクは思う。


代表がどういう真意を持って「遊びのような支援を」という言葉を持ち出したのかは定かではない。なんだかノリで言っちゃったような気がしないでもない。まあいい。ノリってのが大事な場面もある。
遊ぶように働く姿を若者に見せることで、社会の優しさ、度量の深さを感じてもらえればいい。ボクはそう勝手に解釈し、早速実践にうって出た。


ある気持ちのいい汗ばむ陽気の昼さがり。サイゼリアの角の席。差し向かいに座る若者と今後の生活についての一対一でのプランニング中「ごめんね、自分だけ」と頭をかきながらボクはそれはそれは軽やかに生ビールのジョッキを傾ける。

うわああ、後ろめたいなあ。
うわああ、美味いなあ。
うわああ、遊んでんなあ。
ボクは背徳への快感に打ち震えながら、遊びのような支援ができるエキスパートへの階段をひとつ登ったのだった。

 

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お蔵入り…我が家には蔵がある。

 

 

ボクの彼氏の話〜「彼氏をつくる」と書いた念書を貼って破いて、貼って破いて…繰り返した末の顛末〜

私事ではあるが、彼氏ができた。

境界性人格障害の彼氏ができた。ちなみに松沢病院で診断されたっていうからガチなやつだ。

はじめて行ったゲイバーで知り合って、次の日にデートしてからの三連泊。この辺まではよくある話だが、さすがはボーダー、一週間後には家財道具をいっさい持ち込んで越して来た。住民票の異動もすましてしまった。 限りなく手際がいい。仕事も辞めて療養と専業主夫業に徹すると決めたらしい。徹底して勢いがある。

越してきた日を付き合った記念日にしようと宣言していたが、そこらへんは適当でいいらい。さすがボーダー。境界が曖昧だ。

 

彼はとてもかわいい。とてもかわいい顔をしている。かわいい顔をしている人にありがちたが、性格はえぐい。ここに来る前は、元彼と元々彼と3人での共同生活をしていたらしい。ポリーではないと言っているがよくわからない。ボクにとってはボクの彼氏という肩書き以外あまり興味がない。彼がベランダで家庭菜園をしているのをみるのが好きだ。彼の育てるグリーンはいつも元気に育つ。それだけでいい。

 

ボクはよく笑うが、彼はよく泣く。眠る前に昔話をしながら危機迫るように泣く。それが毎晩続く。ボクは眠剤が合ってないんじゃないかと思い、そのことを指摘しようと思うが、布団の中、彼は過去のトラウマに忙しく、ボクの図太い睡魔はそれにかまわない。彼が泣き疲れて眠ってしまうのを見届けて眠りたいが、いつもボクの方が先に意識を失っている。

いつか彼が「僕と別れたらどうする?」と聞いてきた時、ボクは「全力で次の相手を見つける」と答えた。彼は怒り狂い(まあ元々少し狂い気味ではあるが)「出ていく」と騒いだ。ボクは「誰かと一緒に暮らす心地よさを教えてくれてありがとう」という意味でこの言葉を発したのだが………行間に意味を込めすぎて人を混乱させてしまう癖がまた出てしまった。ごめん。

 

彼は朝になると何もなかったように美味しいコーヒーと手作りのパンを準備してくれる。ボーダーは気分を長持ちさせることができない。とても良い長所だ。

ボクが仕事に行ったら、またベッドに入り、きっと昼過ぎまで寝ているんだろう。ボクはやっぱり眠剤があっていないんじゃないかと思う。

 

彼の悪いところ?そうだなあ。

トイレに入ると、蓋がいつも開けたままになっている。これだけは改善して欲しいと思う。

6年ぶりの彼氏に対して、ボクはわがままなんだろうか。

 

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ボクは反社会性人格障害だからきっとボーダーとは仲良くできるはずだ。

 

レターフロムプリズン

お元気ですか。

仮面おめでとう。

良い年越しだったんじゃないでしょうか?

人のグッドエピソードはいいね。ほっこりする。

なかなか楽しみなど少ない毎日でしょうから、ボクからもと思い最近のいいことを伝えようと最近のいい記憶を思い返してみました。

そしたら一つ思い当たる事件が…

 

先週末、iPhoneが突然トイレに身投げを図りました。

すぐに気づき救助しましたが(便器に手を突っ込むのに人はこんなにも躊躇を必要としないだ。と自分に驚きながら)、我が愛フォンの意識レベルはぐんぐん低下し、パワーボタンを押しても電源が入ったり入らなかったり、スマホなのに虫の息の根が聞こえてきて…とても怖くなって…トイレの神様にどうか生かしてくださいと、来年の初詣で祈るので願掛けしたりして、もちろん現実的な対応も疎かにはできず、いろんな人のアドバイスを受けて、乾燥剤のパックに入れて米櫃で一晩越させることにしました。その結果、何が効いたのかよくわかりませんが、どうにか峠は超えました。

このスマホ、もうかれこれ五年近くの使っていて(いったい幾つの交番と警察署と刑務所を経験しているのだろうw)、そんなに大事に使っているわけでもないのにいざ使えなくなるかもしれないと思うと焦ります。あの画像はゴミ箱からも確実に削除しとくべきだったとか(これが一番強い後悔だった)。

カメラがいかれてしまい薄ぼんやりとしたショットしか撮れなくなってしまいましたが(これが本当に白いモヤがかかったような写りで、マッチングアプリで投稿したらもっとはっきりした顔画送ってくださいって言われるレベル)、まあグッドエピーソードではありましたので、ここに紹介いたします。

ほっこりできましたか?

じゃあね。

 

 

追伸

もうすぐ本面…。本面って言葉は控えめに言って希望だよね(わかるやつにしかわからんだろうけど)。

うまくいけば4月にはでて来れるということなので、送ろうと思っていた本たちを怒涛の如く送ろうと思います。

心しておいてください。

今回は読みたがっていた戦争モノとSFです。

 

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今を生きる

若者は感謝をしない

若者は感謝をせずに生きていく

それでいいと思う

それがいいと思う

過去の誰かの親切でなく、未来の希望への一挙集中主義的態度

常に前だけ、入り口だらけの毎日

明日にのみ今のすべてを賭ける姿は逞しく頼もしい

感謝じゃ前に進めない

今、今、今

今を生きていく

もう若くないボクは少し羨みながら、彼らの今がよくなるための手立ての捻出に四苦八苦する

彼らの遊び場をただただ耕す

それが大人の義務と役目

それが大人の限界と余裕

そしてボクは今日も彼らの今にタッチする

ときにその熱さに火傷しながら

ときにその烈しさに打ちのめされながら

 

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手紙

元気ですか。お手紙ありがとうございました。ニヤニヤしながら読みました。

なかなか手紙が書けなくてすみません。

引越しをしたり、新しい仕事を始めたりして慌ただしくしておりまして…

世の中では無惨にも大きな戦争が始まり、その戦争が終わる前にまた無様にも別の戦争が始まり、かといって自分の生活を止めることもできず、愚かさと無力さを感じる日々を過ごしています。

何もできない自分に慣れるのは辛いもんですね。

 

ボクは今、新宿にあるIRAというアナーキーな本屋さんの獄中者に手紙を書くという集まりに参加してこの手紙をしたためています。

無期懲役の方だとか、死刑囚とか、海外の政治犯への手紙を書いている人なんてかもいて、法務省ファックユーな雑談を交わしながら、なかなかに反体制なムードが漂っていて素敵です。

活動家って面白いですね。そしてこの手紙もそんな活動の一環となっていると思うと熱がこもります。

 

今はどんな楽しみがありますか。運動会は準優勝おめでとうございます。

ボクは最近はあまり本を読めていません。映画も観れていません。

毎日バタバタと仕事で中野区、豊島区、新宿区、北区、練馬区板橋区あたりを走りまわっています。

この間、有楽町線に乗って物思いに耽っていたところ乗り過ごしてしまい危うく和光まで行ってしまうところでした。(氷川台で気づいて降りた)。ちょっとビビりました。

いつか勇気を持てたら埼玉にも足を踏み入れてみたいものです。

 

引っ越した新居にはしばらくカーテンがなく、夜はあかりをつけると外から丸見えになってしまうので暗くなるとスマホのライトを使って諸々をこなしていました。そんな逃亡者のような生活でしたが、今はブラインドをつけたので光の中で過ごせています。

中野区はケバブも安くて美味しいし、なかなかにいい街です。そしてボクはそのケバブの食べ過ぎのせいで半年で7キロ太りました。そろそろ70キロになりそう。肉をつけて寒さを乗り切る所存です。

 

そちらは寒いでしょうね…ですけど来年の今頃はアゲアゲで楽しめてるはずなので気合い入れて最後の冬を乗り越えてください。

それではお体に気をつけて。運動のしすぎにも気をつけて。会える日を楽しみにしています。

 

 

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追伸

若者支援の団体で新たに週一働きはじめたんですが、若者の生態って未知すぎて…今度いろいろ教えてください。

 

 

 

WANTOK(ワントク)

だんだんと暮れていく
薄暗い部屋
もう顔も見えない
明るくしませんか?と言いたい
言えない
暗さに気づいてないのかな
沈黙
ときより水の中から湧き出てくる小さなあぶくみたいな語り
ボクは聴く
いや、ただ言葉が出てこないだけ
うなづくしかできない
はっと気づいたように、電気のスイッチをつけてくれる

隅々まで行き渡る光

他人であることが証明されたようで安心する

次に来た時にはもっと暗く深い場所まで行けたらなあと思う

 

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働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話

 

WANTOK(ワントク)とはこの本の中に出てきた言葉。