ファミリーヘルスの高め方

家族・健康・教育・生き方

宮司として生きる、ということ。

時代は変化のスピードをより加速させていく。

賃金アップの波がようやく来たと言われているが、

本質的には人口オーナスの時代を、まだまだ生きていくことになる。

産業革命に世界人口は爆発的に増え、その経済成長に適応した社会を

我々の祖先は構築していった。

しかし、これから日本は、人口が減っていく。

同じセオリーが通用しない時代がもう既に来ている。

 

今までの社会の仕組みや在り方、人の生き方や価値観。

その全てに「NO」を突き付けられる時代が来ている。

 

しかし、人類史を振り返れば、我々ホモサピエンス

「徒党を組み、変化を恐れない生物」と言い表すことができるのではないだろうか。

赤道直下から南北極まで、生息域を広げる生物が、いまだかつていただろうか?

 

我々は、見えないものを共有することができる唯一の生物だ。

過去を振り返り、未来を憂う。これはホモサピエンスの特権である。

過去も未来も、目に見えない。感じることもできない。

我々は、あまりにも当たり前に、仮想現実を受け入れ、また創り出すことができる。

 

目に見えないものを、言語を介して共有することができたから、

「150頭を超えられない」ダンバー数とされる群れの限界サイズを、

悠々と超えて「国」というコミュニティを生み出し、帰属意識を持っている。

 

「目に見えないものを共有してコミュニティをつくる。」

これが、どうやら我々ホモサピエンスの逃れえない特性らしい。

否、それをできてこそ、ホモサピエンスの真価は発揮され、

この誰にもわからない「人口減少社会にどう向き合うか」という

変化の時代を乗り越えることができるのではないか。

と私は考えている。

 

僕は、あらゆる人の悩みを解決し、力をつけ、よき人生に導く人になるための

知識と能力を身に着ける努力をし、

またその本質に貢献する時間を継続するための仕組みを

これまで試行錯誤を繰り返してきた。

 

教育者として、未来への不安に向き合い。

医療者として、健康の悩みに向き合い。

起業支援者として、お金と情報の流れに向き合い。

 

どの仕事もやりがいのある仕事だった。

しかし。どの仕事にも、どこかに限界があった。

 

「自分という一人の人間が稼働している。」

 

この限界からは、どうしても逃れることができなかった。

僕自身が、立場を変えながら昇進したり、影響力を得ることについて

興味はゼロではなかったが、それにしても先が見えていたし、

「この変化の時代をどうやってみんなで乗り切れるんだろう」という

疑問について、解き明かされる明るい予感がしなかった。

 

そこで至った結論が、神に仕える、というものだった。

 

神は、自然であり、無限の存在である。

時間にも空間にも、人間のような限界がない。

 

神社に奉仕する宮司になる。

 

言い換えれば、目に見えないものを依り代にしたコミュニティをつくる、ということ。

コミュニティと言っても、本当に心を寄せられるやつ。

「同じものを信じられてんだな」って思えた時の集団のパワーは半端ない。

 

そして、現在の日本の中で、

世代も性別も、地元民も移住者も、

あらゆる属性に関わらず最も広く信じやすい位置にあるのが、

神社の神様なんじゃないかと仮説している。

 

神々に実態はない。

それをいかに感じ取るか、という工夫はあるが、

ほのかに薫るサインでしかなく、

僕が今触っているパソコンのマウスとは明らかに一線を画す。

 

神々には実態がない。

だからこそ、誰しもから愛され、敬われ、祀られることができる。

 

神社に奉仕する宮司とは、

実態のない神々について、その本質に考察を重ねながら、

わかりやすくかみ砕いて伝えていく人。

神々を中心にしたコミュニティをつくる人。

 

www.kobe-np.co.jp

 

最近、こんな記事が出た。

 

「宗教はさぞ儲かるのだろう」

そんなイメージを持っている方も多いのかもしれない。

 

しかし、実はちょっと訳知りな人にとって「宮司は食っていけない」という話は

定説になりつつある。

 

私が考えるに。

神社が、まちの中で最も弱い立場にある。

「豊かになるのが一番最後」と言い換えてもいいだろう。

 

すなわち、まち全体が盛り上がって、みんなが豊かに幸せになって、

みんなにゆとりができた結果、ようやく神社の賽銭箱が潤う番が回って来る。

 

だから、私が丹波篠山春日神社の宮司になる、ということは、それすなわち

丹波篠山というまちと、良いも悪いも運命を共にする覚悟を持った、ということだ。

 

これから、宮司という立場を借り、人生をかけて丹波篠山を盛り上げていく。

あらゆる立場を超えて、心と心を結ぶ。コミュニティをつくる。

そして、来る変化の波を、全員で笑って乗り切る。

これが、私がこれからやっていくべき使命なのだと感じている。