We shall overcome ☆沖縄からのグローカルヒストリー☆

琉球大学西洋近現代史研究室を担当する池上大祐の教育・研究活動ブログです。アメリカと太平洋島嶼地域との関係について、(脱)・(新)・(核の)植民地主義の観点から研究しています。また、沖縄で西洋史やグローカルヒストリーを学ぶ意義・方法について歴史教育実践を通じて追求していく予定です。なお本ブログの記事は、あくまでわたくし個人の意見であり、所属先の方針や考えを代表するものではありません。

琉球沖縄歴史学会5月例会 「歴史総合」「世界史/日本史探求」を現場でどう受け止めるか

連投です。下記の例会を企画しました。奮ってご参加機ださいませ!

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琉球沖縄歴史学会5月例会 「歴史総合」「世界史/日本史探求」を現場でどう受け止めるか
〇日時 2024年5月11日(土)15:00~17:40
〇開催方法 対面とオンライン(ZoomおよびYouTube) によるハイブリッド開催 
 対面会場: 沖縄県立芸術大学当蔵キャンパス一般教育棟3階大講義室

 ※非会員でオンライン参加希望の方は下記のHPから申し込みをお願いします。

https://sites.google.com/view/ryuokishigaku/%E4%BE%8B%E4%BC%9A

 

◯内容

趣旨説明:池上 大祐(琉球大学)15:00~15:05
第一報告:藤波 潔(沖縄国際大学)15:05~15:45
「非教育系・非歴史系学部における歴史教員養成-「外国史」 を事例として」
第二報告:我如古 香奈子(沖縄県立美里高等学校)15:45~16:25
琉球・沖縄史学習による「学びに向かう力」 を育む歴史総合の授業試案
―「クロスロード」法を取り入れた単元デザインを通して―」
第三報告:大城 航(沖縄県平和祈念資料館)16:30~17:10
「歴史総合教科書の特徴と、琉球・沖縄史に関する記述について」
総合討論 17:10~17:40ごろ

 

◯例会趣旨
2024年度から高等学校新学習指導要領が全学年の高校生に適用 されることになり、それにともなって新設された「歴史総合」「 世界史/日本史探究」 の授業実践も高校の現場で年々積み重ねられてきている。 加えて教員養成を設置する大学においても新設科目を担当できる教 員養成をどう整備していくべきかを今一度再考する時期にきている 。
琉球沖縄歴史学会としても、この動向を踏まえ、主に沖縄県内( 県外ももちろん歓迎)での高校・大学における「歴史総合」「 世界史/日本史探究」をめぐるさまざまな授業実践、教材論、 提言などを自由に行い、共有する場を積極的に設けたい。 そこで本例会では、3名の方に、それぞれ大学における教員養成、 歴史総合の授業案、 そして歴史総合教科書の記述についてご報告いただく。なお、「 歴史総合」を考える上では、小・ 中学校における歴史分野の実践経験の共有も重要になることから、 校種の垣根をこえた自由な経験交流・意見交換の場にしたい。

 

 

新年度スタート!

気がつけば4月ももう終わり。西洋近現代史研究室の新年度も少しずつ動き始めました。新3年生は4名。それぞれ、コーヒーをめぐる経済史ないし文化史、近代イギリスのアッパークラス、近代ヨーロッパ(仏か伊)のモードないし服飾の歴史、アメリカ黒人史(特に南部地域)に関心を寄せて、懸命に文献リストや基礎文献の読解を頑張ってもらっています。今年は私なんかより英語ができる(ネイティブ話者レベル)学生もいるので、そのスキルも存分に活かせてもらえるよう、うまく背中を押してあげたいと思っているところです。

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 共同研究「沖縄のなかの世界史発掘プロジェクト」も今年もしっかり継続。先日ゼミ生たちとテーマ決めについて議論して、上記写真のキーワードから絞っていくことにしました。

実は 久米島学芸員の方から打診があり、19世紀中頃におけるイギリス囚人船の久米島沖での座礁事故に関する当時の英字新聞翻訳のお仕事を引き受ける方向性で現在準備中です。史料講読に準ずる科目で活用し、受講生(=ゼミ生)とともに翻訳を頑張る予定。その準備のために、同授業では、近代ヨーロッパ(特にイギリス)における海事史研究についての英語論文を精読することに。

ゼミ活動にも活かせられる可能性もあるのですが、 コザのローカル史や沖縄の食文化史にも関心を寄せているので、そのあたりは学生たちの意思に任せたいと思います。

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先週の金曜日はゼミの3年次歓迎懇親会。楽しくゆんたくできました。その席でゼミ生が僕の顔は30代くらいに見える、と言ってくれてました。先日同僚の先生からも、雑談の流れで童顔だと言われたこともあり、19才の頃から30代と間違われてきたことと比べるとびっくり仰天です。自分では分からんですしね。素直に嬉しい反面、40代の風格が足りてないだけかもしれないので、より渋く、ダンディになろうと思いました!

そんなこんなで今年度も健康第一に、頑張りすぎないように乗り切ります。

 

  ⭐️

先日、研究活動をちょくちょくご一緒させていただいたことのある方が昨年に逝去された、という知らせをいただいて、今もまだちょっと引きずっています。2003年(私はD1)の南山大学でのアメリカ史夏期セミナー(日本アメリカ史学会の前身)で初めてお会いして、その後も世界政治研究会でコメンテーターを引き受けて下さったり、資料調査先のハワイ大学で偶然お会いして、夕食をご一緒したり、アメリカ学会での私の自由論題報告を聞きにきて下さったり、2021年に日本アメリカ史学会のシンポを一緒に作ったり、本当にお世話になってきました。海外米領地域からアメリカ史を見るという視点を共有してきたこともあって、本当に残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。

 

エチュードの終わり

本日、4名の4年次ゼミ生が学士号の学位を手に、無事卒業しました(すでに帰郷した修了生も1名)。

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毎年作ってる『西洋史ゼミ論集』第9号もお渡ししました。卒業後の進路も様々ですが、自分で選んだ好きなテーマを2年間向き合って研究してきたプロセスはどこかで必ず活きて来ると信じています。卒業生へのメッセージとして論集にも書きましたが、ゼミの共同研究で染織文化をテーマに頑張ってきたことを活かして、これから出会う人や知見という「緯糸」を、自分という「経糸」にでこぼこになりながらもしっかりと織りあげて、いろんな人を「暖めてくれる」ような人生を歩まれることを、中島みゆきよろしく、心から願っております。

 ⭐️

学位記授与式終了後、おもろまち駅を下りてすぐにある、フランス料理「モンマルトル」に卒業生と行ってきました。やっぱり西洋史ゼミですしね!初めて行きましたが、 実際にフランスのモンマルトルを旅した経験のあるゼミ生から現地の写真を見せてもらいながら、沖縄の食材を使ったフレンチを味わえて、まさに「食のグローカルヒストリー」を堪能できました。美味しかったです!

次の機会があれば、いいワイン(なかなかに高級でした)を一本入れて味わいたいですね。

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Felicitations pour la fin d'etudes! 

ゼミ共同研究の発表⭐️2Days

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二日連続で、ゼミの共同研究の発表機会をいただきました。昨日8日(金)は、2017年度、2019年度にもゼミ間交流でご一緒した先生方と三度再会を果たしまして、貴重な「ゆんたく」の場になりました。哲学や心理学を学んでいる学生が多く、人間の内面に果敢に切り込んでいく姿は、とても勉強になりました。全体討論では、「経験を引き継ぐ」ことで、時間的にも社会的にも私たちは何度も「出会う」ことができるのでは、という趣旨の討論になったように思います。

うちのゼミ生はこれまでも、さまざま出来事を社会(時代)状況の中に位置づけながら整理することはしっかり丁寧にできていても、より深く人間の息づかいまで掘り下げようとする作業が、史料上の制約もあって足りず、さらっと流してしまうこともあるので、そこをもっと鍛えていきたいなぁと思いました。ゼミ生だけじゃなく、私自身の研究にも言えることかもしれません。

また、3回連続参加してくれた院生の方(学部生→修士→博士)もいて、おこがましいかもしれませんが、ある種の成長を見届ける場にもなってることを嬉しく思いました!

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夜は、琉大東口近くの「あおいや」で打ち上げ。やっぱこれが対面開催の醍醐味ですよね!

     ⭐️

そして今日は、毎年エントリーさせていただいている琉球沖縄歴史学会学生報告会でした。細かな事実関係、史料や重要文献情報、実際に沖縄海洋博を当時経験された話、など昨日とは打って変わって、より専門的な意見や質問をいただきました。ゼミ生たちも頑張って振り絞ってリプライしてくれて頼もしく感じました。

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世界史ないしグローバルヒストリー的要素をどう出すかゼミ生たちはこれまで必死に考えてきて、海洋博の遺産を太平洋の海洋文化に繋げようとしたのですが、あながちこの方向性は間違ってなかったようで、ゼミで助言してきた私自身も安堵しました。最後、原稿化の作業が残っていますが、ゼミ生の皆さんは本当にお疲れ様でした♪

(今回はちょっと寂しいことに、エントリーが私たちだけだったので、今後もっと学生たちが参加しやすくなるような場作りを学会としても考えていきたいと思います。)

 

☆2023年度琉球大学西洋史研究報告会の開催☆

先日、卒論・修論が無事提出されました!研究対象に対する「愛」を感じる作品がそろいました。努力の結晶ですね。論旨の妥当性や説得性については、毎年実施している西洋史研究報告会でじっくり議論できればと思います。

ということで、さっそく2023年度のプログラムが完成しました。今年は偶然にも、卒修論のテーマと3年次のテーマが「対になる」ことに気付きまして、以下のような組み合わせにしてみました。さあ、西洋史の世界へ、どうぞ!

 ☆

土日開催にすれば、歴史学に関心ある高校生(や高校教員の方々)も参加しやすいかなと一瞬思ったけど、ニーズはあるのかなぁ。来年度以降の課題。

 

 

 

 

 

 

忘年会のなかの学知共同性!

27日から実家の宗像に帰省中です。今年は原稿締切を抱えていないのでゆっくりのんびりしています。

昨日は、「地域」というテーマをともにずっと考えてきた福岡の研究仲間と博多で忘年会でした。かつての学生報告や地域共生研究所での研究活動の経験を振り返りながら、大学、学校、自治体、民間会社などのそれぞれの現場での現在の到達点(や感じている課題など)を再確認する作業をみんなでちょっとやってみよう、ということになりました。私が思いついた言葉ではないのですが、かつて大学生(私はポスドク)だったときの私たちに対するいわゆる「アンサーソング」的な「何か」を出すことで、狭い意味でのアカデミズムを越えた学知共同性の持続可能性を拓くこともできるのかな、と色々妄想中です。また、より戦略的に考えると、それが若い世代にとっての何らかのキャリア形成の参考になれば、歴史をはじめとする人文科学(社会科学)の裾野をもっと広げるきっかけになるといいかも、と思ったりしています。

私の今の生活拠点が沖縄である以上、生活実感を伴う現代認識を涵養する拠点として福岡や九州をリアルに想定するのは難しくなっていますので、私個人は「島嶼地域」という枠組みから沖縄(あるいは琉球弧)と福岡(ないし九州)を何らかの形で「つなぐ」役割を担えたら、と思います。その一環というわけではないのですが、実は年明けての2月11日に久しぶりに福岡県歴教教の学習会で報告の機会をいただきました。今後の教育研究活動を構想するためにもこういう場はとてもありがたいです。『つながる沖縄近現代史』『島嶼地域科学を拓く』もしっかり宣伝しますっ。

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というわけで今年一年間ありがとうございました。長期研修による研究活動の傍ら、例年以上に歴史教育の場面で活動できた一年でした。関係者のみなさま、お声かけくださったこと、改めて感謝いたします。それでは良いお年をお過ごしください。

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夜遅くなることを見越して昨日は博多駅近くの宿で一泊。蜂楽饅頭東筑軒のかしわ飯弁当を買って帰るという実家のミッションをこれからしっかりと遂行します

( ̄^ ̄)ゞ

 

ゼミ忘年会をささやかに開きました

今日は5限のゼミの時間を使ってミニ忘年会。恒例になってきた、茶菓子や惣菜系を一人一品持ち寄るポトラックパーティ形式。僕は生ハム原木+チーズ+クラッカーを持ち込んでみました。みんな楽しんで切り取り合っていました。

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みんなも北海道(小樽)で有名なチーズケーキをはじめ、ピザ、ドーナツ、ナゲット、マフィン、手羽唐揚げなどを持参してくれました。みんなの全体写真、撮り忘れてた💦

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ちなみに生ハムは来年7月まで保つので、次は3月の4年次の学位授与式後の茶話会とか4月の新ゼミ歓迎会でも活躍してくれそうです。次はカプレーゼも加えてみよう。

 ⭐️
卒論草稿チェックが残ってるけど、年内の仕事はほぼ終了。自宅で一杯。ちょっとだけゆっくりします。

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