計画的偶発性人生への道標

大学・大学院で【ゲーム理論】を学び、【キリマンジャロ登頂(5895m)】や【24時間山岳耐久レース(ハセツネ)】では悟るも直ぐに煩悩に悩まされ、【戦略コンサル(ひよっこ)】では容量悪く苦戦するも周りの超優秀なメンバーに恵まれ、【起業】においては各界のプロフェッショナル達におんぶにだっこで何とか生き延びている、そんなちょっぴり人と違う人生を歩みつつある筆者が、日々考えたことを自分なりの視点でまとめていきます

人脈レイヤー理論

人脈レイヤー。つまり人脈が層状になっているという意味。階段みたいに上がれるわけではなく、誰かにエレベーターみたいに引っ張ってもらって、次のレイヤー(階層)にいく。その層に行くと今までとは全く別のレイヤーの人たちのと出会い、人脈レベルが一つ上がる。そしてまた次の層に引っ張り上げられると、さらに高次の人脈ができていく。

 

この理論自体は、下記『抜擢される人の人脈力』に記載されている。

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー

 

 

この本を読んだ当時はそこまで実感がなかったが、起業してからものすごくこの人脈レイヤー理論がしっくりくる。明らかに会う人のレイヤーが上がって、紹介される方々の質もことごとく高い。「上の人たちってみんな知り合いだな~、世界は狭いなぁ」とか何となく思ってたけど、人脈レイヤー理論を適用すれば当たり前で、上のレイヤー(階層)に行けば行くほどレイヤー内の人数も少なくなっていき、結果的に上位レイヤーにいる人たちは大体つながっていると考えられる。

 

因みに、元の本では、「人脈レイヤー」の前段階である、「人脈スパイラルモデル」について詳しく言及されているので、こちらを紹介しておく。上のレイヤーに引っ張り上げてもらうために、今いるレイヤーで何をすべきかということを簡潔に教えてくれる。

  1. 自分にタグをつける
    ⇒自分が何屋なのか訴求ポイントをはっきりさせる(例:新規事業のプロ)
    ⇒特に、"A. 販売促進"(主語が自分)ではなく"B. 購買促進"(主語が相手)がポイント
    (人脈レイヤー理論では『他薦』が重要であり、"B. 購買促進"型のタグの方が推薦しやすい)

  2. コンテンツを作る
    ⇒「お、こいつは」と思わせる実績事例を作る(例:新規事業を5年で3件立上げ)
    ⇒いきなり大きくではなく、"わらしべ長者"的に、小さな実績の積み重ねが重要

  3. 仲間を広げる
    ⇒コンテンツを試しあい、お互いに切磋琢磨して、次のステップを共創する
    "仲良しサークル"ではなく "同志"がポイント
    ⇒お互いを切磋琢磨しあい、その中で活躍の機会を与えたりすることが肝要

  4. 自分情報を流通させる
    ⇒何かのときに自分のことを思い出してもらうよう、種を蒔く
    ⇒キーワードに対して一番最初に自分が"想起"されるように『タグ』『コンテンツ』の磨きこみと『仲間への周知』が肝要
    "その場を楽しんでもらう"ことがファンを獲得し口コミに繋げる第一歩

  5. チャンスを積極的に取りに行く
    ⇒実力以上のことに挑戦し、人脈レイヤーをあげる
    "上昇気流"を逃さないことがポイント
    "人脈モテ期"が上昇気流発生の兆し

そして、人脈レイヤーを上げることの効用を以下の3つと締めくくっている。

  1. 人脈を作る過程で実力がアップする
  2. いろいろな人の手を借りられるようになる
  3. 「なんだかんだ言って、最終的には結果を出すだろう」と自分を信頼してくれる人が増える

 周りのいろんな人に助けられて人脈レイヤーを上げてもらっているので、もう少し精進を重ね、自分も早く同世代の方々や後輩を上位レイヤーに引っ張り上げられるような存在になりたいと思います。

 

ではでは、今週も頑張りましょう!

後世に対する使命感理論

自分が事故/災害に巻き込まれたとき、自分の「親」か自分の「子」か、どちらかしか助けられないとしたら、どちらを助けるだろうか?

 

この問題の買いに一つの方向性を示してくれるのが今回の理論である。
前回記事の貢献心は本能理論 - 計画的偶発性人生への道標と同様、本理論についてもぐるなび創業者の滝さん言葉から引用している。実際にこの内容については直接ご本人と討議をさせてもらったので、その中での示唆も含めて話していきたいと思う。(因みに滝会長は70代後半で囲碁8段の腕前である)

これは、滝さんが25歳のころに巡り合った下記の言葉に起因する。

 

(原文)
"人は後世に対しては義務こそあれ権利はない。また前世に対しては権利こそあれ義務はない"

 

一瞬少し混乱するがちょっとずつ解説する。この言葉における、前世・後世の解釈はこうである。私たちは様々な人に囲まれて生活を営んでいる。その中では親や上司など、「その人たちの意見で自分の生活に影響を及ぼしてしまう立場の人」や、自分の子供や部下など、「自分の意見により影響を及ぼされてしまう立場の人」たちがいる。この前者を"前世"、後者を"後世"というと、先ほどの言葉は下記のよう理解できる。

 

(解釈後)
"人は自分が影響を及ぼす相手に対しては義務こそあれ権利はない。また自分に影響を及ぼすような相手に対しては権利こそあれど義務はない"

 

ここで、冒頭の問いに対する一つの解は出ているのではないだろうか。この理論においては、親を助ける権利はあるが、子を助けることは義務なのである。これは介護問題や教育問題などの家庭の様々なことに応用して思考実験をできる。

さらに、"後世"への義務感を『使命感』と定義するとより腹落ちが良い。自分が影響を与えうる人であれば、それが好きな人であれ嫌な人であれ、惜しみなく守るということである。その『使命感』で得られるささやかな幸せを自然に受け入れれば、より良い人生、よりよい社会につながるのではないかと考える。

子を持つ親は強いというが、『使命感』は普遍なキーワードである一つの証左ではないだろうか。 

 

ではでは!

貢献心は本能理論

"貢献心は本能である"。これは、自分が出会った言葉の中で、一番といっていいほど感銘を受けた言葉である。

私自身、この言葉に出会う前は、何か人に"してあげる"ことについては何となく、後ろめたさというか、ある種の精神性・理由づけ・言い訳を求めたりするようなところがあった。

もともと自分はボランティアが好きで、ap bank fesの4泊5日のボランティアにも2度参加した。しかしながら、自分が当たり前と思ってやっていることは他人から見ると奇妙なこともあるようで、ボランティアに対して友人から言われた2つの言葉が自分の中で強烈な印象として残っている。

ケース1.大学院時代の友人のことば

私「ap bank fesのボランティアはさ、休憩時間にミスチルとかのライブ見れてとっても良いんだよ!」
友人「え、ライブなら普通にお金払って観たほうがいいじゃん
私「え?」
友人「え?」

ケース2.コンサル時代の同期の言葉

私「ボランティアは活動自体、人のためになるし、何より楽しいのよ」
同期「てか、ボランティアってバリュー(価値)ないよね。だってもしバリュー出してたら対価が発生するはずじゃん。ちゃんと自分の時間価値考えたほうがいいんじゃないの?」
私「えっ・・・」

これは極端な例かもしれないが、人のために良かれと思ってやっていたことでも、「これって自分に酔いしれているだけなのかな・・」「善意の押し付けなのかな・・」みたいに思うことも、八方美人の私はよくあった。そんな悩みを強烈な一言で一気にかき消してくれたのが、ぐるなび創業者であり実業家の滝さんの下記本である。 *1

貢献する気持ち―ホモ・コントリビューエンス

貢献する気持ち―ホモ・コントリビューエンス

 

 

本書の中では、食欲・性欲・睡眠欲という"体質的本能"と同じように、貢献心を"心質的本能"と整理している。本能と整理することで、貢献したい気持ちに対する従来的な理由づけすること事態ががわざとらしく思えるようになる。他者に尽くそうという自分の欲求を自然に受け止め「他人のため」ではなく「自分のため」と割り切ることで新たな境地が切り開ける。

 

貢献心は本能であるため、それは三大欲求同様に人によって強弱がある。自分はかなり強いほうだと思うが、あまり強くない人も当然いるであろう。なので、相手に強要するものでもないし、自分が誇ったり恥ずかしがったりするものでもない。そこを理解するだけで非常に世界がクリアに見えるようになる。

 

また、私は、"相手の貢献心を満たす"ことの重要性を感じている。それは家族であったり同僚であったりビジネスパートナーであったり恋人であったり、誰に対しても適用できる。皆、自分の本能的な欲求を満たしたいはずである。周りの人を頼ってみると意外と貢献心を発揮してくれてお互いにとってもプラスになるということが多々あって本当に驚いている。(ので、親のすねをかじるのも悪くないのかも。笑)

 

ということで、引き続き、自分の貢献心の欲求を受け入れ、あまりウザくならない程度に皆様方、そして社会のために少しでも役に立てることをしていきたいと思う次第です。

 

ではでは

*1:一瞬余談になるが、滝さんとは、まさにこの本の3周目を読んでいるときにお仕事の連絡が来て、光栄なことに個人としても関わらせていただいており、言霊というのは本当にあるのだなと実感した次第である

ビッグバン人生理論

高校時代、某河合塾のカリスマ物理講師が喋っていたことを久々に思い出した。

ニュートン力学が世界を支配し、かつ、人間の心の作用が、全て素粒子の振る舞いで決まるとすると、すべての運動は初期条件で決まるために、ビッグバンが起きた時点で、その先に何が起こるかはすべて決まっていて、自分が何を考えているかどのような行動をするのかすらも全て素粒子の運動によって規定されるために、宇宙が始まった瞬間から決まっている

というものである。

高校時代、この考えに触れて非常に衝撃を受けた。じゃあ、勉強しなくても大学受験の結果は宇宙が始まった時から決まってるし何もしなくても結果変わらないじゃんと思ったが、そう考えて勉強しなくて大学に落ちるということも決まっているとするとまずいなと思い、結局受験勉強に勤しんだ。

このこと自体は、前提がニュートン力学だけで世界が説明できるという仮定がおかしい(量子論相対性理論)とのことで、どうやら厳密には異なるらしい(詳細は筆者もよくわかっていないので割愛する)

しかし、個人的には、冒頭に書いた"すべての将来の事象はビッグバンの時に既に決まっている"というのはロマン(?)があってなんとなく好きだ

 

さて、ビッグバン人生理論と題名に仰々しいタイトルを付けたが、この、ビッグバンの時に全ては決まっている、という仮定の下に今を考えたらどうなるだろうか。どんな会社に入社するのか、どんな人と結婚するのか、はたまたどんなご飯を今日食べているのか、既に決まっているから気持ち悪い、とも考えられる。

一方で、いやいや、全て決まっているのだから、それ自体を楽しんだらいいんじゃないか、ということも考えられる。例えば、大事なプレゼンテーションの時にも、「どうせこうなることは決まってるし結果も決まってるんだから、リラックスして楽しもう」、という気になれたり、結婚相手とけんかしても、「まあどうせこの人と結婚するって決まってたんだし仲良くやらなきゃ損だな」、と思ったり、何かツイてないことがあったとしても、「150億年前に決まってたことなんだからそんな些細なことネタにしちゃおう」、くらいポジティブに考えられるんじゃないかなと。

これ自体は今日たまたまディスカッションしながら気づいたことなので、これから実践しながらまた考察してみたいと思うが、なかなか面白い考えなんじゃないかと思ったのでドラフト段階ですが、書いてみました。

まあ、これを書くことも、多分ビッグバンの時に決まってたんで、大したことじゃないんですが・・・。

P.S.
「心の作用」が全て素粒子の運動で決まっているというのは、考えれば考えるほど迷宮に入りそうな仮定だが、これはこれで非常に哲学的な面白い問いになりそう

計画的偶発性理論

"計画的偶発性理論"は、日本ではあまり聞きなれない言葉であるが、私が大事にしている価値観の一つなので、このブログの最初の記事として筆を執ることにする。

定義について、Wikipediaには下記の様に記載されている。

計画された偶発性理論(英語: Planned Happenstance Theory)とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方。

個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

振り返って、 自分の周りの人たち(特に幸せそうな)を見てみると、今の彼らを作っているのは計画されたキャリアパスの結果ではない。緻密な計画よりは寧ろ、大胆さ、柔軟性が今のポジションを築いたと思われる。

そもそも、"キャリアパスの構築"という概念自体が、転職が一般的になりつつある昨今において出てきたものであって、洗練され確立された概念ではないと考える。例えば、前職のコンサルの典型的にいわれる綺麗なキャリアパスといえば、コンサル⇒MBA投資銀行ファンド、と言われていたが、時代とともに変わっていくわけで、今後の人生をかけてそれを目指せばいいというわけではない(し、そもそも目指して実現できる可能性は低い)。また、結婚、病気、両親の介護など、様々な要因でキャリアパスに関する考えが朝令暮改で変わることは普通であろう。

そのような前提に立ったうえで、どのようにキャリアを歩むべきか、というときにこの計画的偶発性理論は有効である。「計画的」と「偶発性」、二つが並列しているところが肝であり、キャリアパスをガチガチに固定するわけでなく、かと言って何も考えなくて偶発性だけを追い求めてもだめということである。

では、具体的にどのように行動すればよいのか。提唱者のクランボルツ教授が提唱している行動指針は、下記5点である

(1)「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと 

上記を踏まえつつ、自分なりに少し噛み砕き実際のプロセスに落とし込んでみたものが下記である。

  1. ずもって目の前のことに全力を傾ける
  2. その上で、自分の成したい“錦の御旗”を掲げ続ける(言い続ける)
  3. 外の世界にて自ら出会いの機会を増やす(お手伝いもする)
  4. 機会が来たら逃さずに飛びつく
  5. 1に戻る)

自分は新卒でコンサルファームに入社し、今はなぜか別業界の偉大な大先輩たちとVC(ベンチャーキャピタル)を立ち上げているわけだが、それは具体的にキャリアパスを考えていたわけではなく、はたまた特殊な能力があったわけではなく、上記の5つを行動指針として動いていたら、たまたまいろいろな出会いがあってここにいるだけである。

 これからも自ら計画的偶発性理論を身を以て実践しつつ、他の方にも広く広めていきたいと切に思う。

P.S.
因みに最近、"錦の御旗"として言い続けていることは、「シンガポールで働く」である。何もない国がどうしてあのような発展を遂げたのか、この目で見ながら現地でビジネスをし、そこから我が日本を相対感を以て眺めてみたい。