ココロドリの音庫知身

音楽とそれにまつわるトピックについてのブログ

~山下達郎のサンデーソングブック勝手に連動企画~「ディノ・ダネリ追悼」

音庫知身を見て下さっている皆さまいつもありがとうございます。

そしてお久しぶりでございます。

 

今回からは少し趣向を変えまして、このブログに最初に紹介させていただいた日本を代表するミュージシャン、かつ日本有数のオールディーズポップス愛好家の一人、山下達郎さんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「サンデーソングブック」の企画に連動させて記事を書いていこうと思います。

今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

 

今回から始まりました音庫知身シーズンⅡ!「サンデーソングブック」に勝手に連動企画「ディノ・ダネリ追悼」!!

かねてから達郎さんはラスカルズを自分の最大のアイドルだと公言してきましたが、そのドラマーのディノ・ダネリさんが昨年の12月15日に78歳で亡くなりました。

達郎さんほどではないですが、60年代ロック・ポップスを愛するものとしてラスカルズの存在は外すことは出来ません。

今はネットで検索すれば様々な情報が出てきますので、詳しくは述べませんが、私が音楽を聴き始めた30数年前ではほとんど情報がなかったので、数少ないラジオ番組やマニアックな音楽雑誌を読み、実際の音楽を聴いて彼らの凄さを体感しました。

初めて聴いたのは深夜のNHKFMの60年代ビルボード年間トップ50という渋谷陽一さんがDJをやっていた番組でした。オールディーズロックやポップスが好きな自分でさえ退屈な曲もあった中、「Good  Lovin’」冒頭の「1,2,3」のカウントで一発で目が覚めてその数秒後に虜になった感覚は今でも忘れません。

その時期に初めて行った達郎さんのコンサートパンフレットに「フェリックス・キャバリエ」という個人名があり、ずっと気になっていたのですが、マニアックな音楽雑誌を読んでいく内に(ヤング)ラスカルズを紹介している記事があり、バンドメンバーやルックスを初めて見ました(音楽はメチャクチャカッコイイと思いましたが、初期のメンバーの幼稚園児の制服みたいなルックスには正直笑いました)。

フェリックス・キャバリエとエディー・ブリガッティーの抜群なソウルフルなボーカルとディノ・ダネリのパワフルなドラムがこのバンドの持ち味で「Good  Lovin’」の他に達郎さんもカバーしている「Groovin’」や「People got to be free」(自由への讃歌)などが代表曲で、黒人のようなボーカルとサウンドで彼らの音楽は「ブルーアイドソウル」と呼ばれており、イギリスのバンドに席巻されていた60年代のアメリカのポップシーンの中でも数少ない対抗馬の一つで当時のアメリカの音楽を代表するバンドの一つです。

 

達郎さんも放送の中でディノ・ダネリはジャズ界の伝説的ドラマー「ジーン・クルーパ」の影響されていると話されていて、ジャズ系のドラマー特有の「走る」「ラッシュする」スピード感がイイと言及しておりましたが、まさしく的を射た発言だと痛感しました。70年代以降になっていくと徐々に音楽が大人しくなっていき、猥雑な活気が失われたように感じるのは「ジャズ的なノリ」がどんどん薄らいでいったからなのかなとも思います。

それはさておき、音楽はまず聴くこと、そして感じることからですので、ラスカルズの素晴らしい音楽に耳を傾けて下さい。

 

上記のアルバム「ピースフルワールド」は達郎さんの在籍していた「シュガーベイブ」のアンサンブルやバンドサウンドにかなり影響を与えてると思います。達郎ファンも必聴です。

~おまけ~

ラスカルズ結成前のフェリックス・キャバリエとエディー・ブリガッティーが在籍していたジョーイ・ディー&スタライターズの62年ナンバー1ヒット「ペパーミントツイスト」が入っている映画「アメリカングラフィティー」のサウンドトラックはこちら

 

ディノ・ダネリのアイドル、ジーン・クルーパのドラムが堪能できます。

 

お付き合いありがとうございました。

 

※今回の音庫知身の企画変更についての顛末を参考までに書かせていただきました。あくまでも個人的な補足ですので、関心のない方は読み飛ばしていただいて結構です。

【企画のきっかけ】

2年近くブログを寝かせて置いていましたが、時折見に下さる方々や中にはコメントを下さる方もおりまして、気にはなっていましたが、仕事にかまけて更新ができずにおりました。

また在宅介護が始まったことがあり、わが妻も忙しくなり、巻末のコメントやアルバムの購入費カウンターなどのコーナーも休止となってしまいました。楽しみにしていた方々には申しない限りです。

また、元々30年以上続いている「サンデーソングブック」のヘビーリスナーの一人として、日曜の午後は達郎さんがセレクトする音楽の数々に耳を傾け、時に泣き、笑い、辛いことがあった時は心の支えとして、影響を受け続けてきました。

今までの音庫知身の中でも度々触れてきた様々な音楽は私の人生をとても豊かに彩ってきました。そんな素敵なオールディーズソングをまたご紹介できればと考え、今キーボートを叩いております。

 

【連動企画に寄せて】

最近、私自身も達郎リスナー歴40年以上の中で時の流れの残酷さを痛感することがありました。

それは「自分の憧れのミュージシャンたちとの永遠のお別れ」です。

昔から達郎さんはことあるごとに「自分のアイドルはラスカルズだ」とラジオなどで仰っていたので、今回ドラマーのディノ・ダネリが亡くなったことは相当ショックだったに違いありません。

自分にとっての永遠のアイドルが亡くなったことは自分の中の大きな何かが消えてしまったように思えるものですからね。

最近では高橋幸宏さんの訃報もあり(達郎さんもサンソンで特集してくださいました。幸宏さんの音楽も私の青春の一部です。私も近々取り上げたいと思います)、私も感慨深い気持ちになっています。(余談ですが、幸宏さんが敬愛していたバート・バカラックもつい先日亡くなりました)

「サンデーソングブック」ではオールディーズを扱っている都合上、今後はどうしても追悼特集的なものが増え続けていくであろうことは想像に難くありません。

また、亡くなられた偉大なアーティストに対しての最大の追悼やリスペクトは彼らが心血注いだ音楽に耳を傾け続けることではないかと個人的には思います。

今後は「サンデーソングブック」自体がそのような傾向になっていくだろうと思い、自分も今までお世話になり続けてきた音楽とそのクリエイターたちに敬意を払いつつ記事を書き続けようと考えております。

 

【このブログについて】

当ブログでは「サンデーソングブック」で取り上げた楽曲や特集について、自分なりに解説やおすすめの音楽を紹介していこうと思います。サンソンで気になった曲やアーティストについて興味を持ったので、もっと知りたい、他の曲も聴きたいといった皆様の要望を想像して、こうかな、ああかなと考えながら更新していこうと考えております。

尚、達郎さんも放送で「この番組はオールディーズ中級者向け」と公言していますので、当ブログはオールディーズ初級編や入門編、あるいは外伝?的なものをお届けしたいと思います。

引き続き、お引き立てのほどよろしくお願いいたします。

【アイク&ティナ・ターナー/リヴァーディープ・マウンテンハイ 】~ティナ・ターナーのハスキーボイスに賭けたフィル・スペクターの一世一代の大勝負~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!27枚目

本日の棚からひとつまみは「I」列から、「アイク&ティナ・ターナー/リヴァーディープ・マウンテンハイ 」。

1966年リリース。男女のR&Bデュオ、アイク&ティナ・ターナーフィル・スペクターのプロデュースで発表した作品。この曲は昨日取り上げた「愛のチャペル」の作者ジェフ・バリーとエリー・グリニッジが書き、実質ティナ・ターナーのみがボーカルで参加している。チャート成績は全米88位、全英では3位まで上がった。

 ※人物名は敬称略 

 

 

 

「アイク&ティナ・ターナー/リヴァーディープ・マウンテンハイ」 


リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ(紙ジャケット仕様)

 

この曲はイギリスで大ヒットしたため、アイク&ティナ・ターナーローリングストーンズとともにツアーすることになるきっかけとなった。彼らはR&Bの世界ではすでにスターだったが、この曲でロック界にもその名が知れ渡るようになる。

アイク&ティナ・ターナーはこの曲をきっかけにスターダムにのし上がった。ティナ・ターナーアメリカを代表するシャウターとなった。

今回はオリジナル盤のレコードとCDを購入。合計8000円也。

 

 

私が中高生の時、ティナ・ターナーは激しいシャウトと派手な衣装でヒットチャートの常連だった。

 

そんなティナを、私は

「なんか、派手でケバいファッションや…。歌は迫力あるが…。」

と冷めた目で見ていた。

MTVなんかでも、ティナ・ターナーはしょっちゅう顔を出していたが、正直全く興味はなかった。

というわけなので、あのフィル・スペクターが手掛けていたことを、初め知った時は耳を疑った。

 

「あのシャウトしかしないシンガーをどうやって、ウォール・オブ・サウンドに仕立てたのか…?」

 

私は俄然、興味が湧き、またいつもの中古レコード店に走った。

割とすぐに見つかった(笑)。しかも、フィレスの中古アルバムでは破格の5000円!

 

「これは買いだ!」

 

当時、私の金銭感覚はすでに相当おかしくなっていた(爆笑)

 

 

早速聴いてみた。

最初はよく分からなかった。「ペットサウンズ」以上に…(゚Д゚;)

 

「これはいいのかどうなのか???」

 

音楽を聴いてそう感じた時は、当時は繰り返し聴くことにしていた。

ジェフ・バリー&エリー・グリニッジの曲、フィル・スペクターのプロデュース、必ず何かはあるだろうと信じて(>_<)

 

そうしたら、ある日、これもとてつもないものだと発見した。

 

「白人のロックとも黒人のR&Bやソウルのどちらでもない、白と黒の音楽が融合せずに混在していて混沌としている。」

このアイク&ティナ・ターナーの「リヴァーディープ・マウンテンハイ」と同じような感触のレコードを私は聴いたことがない。

 

彼ら自身の再録盤も含めてカバーレコードも何枚かあるのだが、どれもオリジナルバージョンとは似ても似つかないと私には思える。

 

私はこれを聴く時は必ずステレオのスピーカーで大音量で聴いていた。

でないと、この音楽の良さが分からないような気がしていた。

 

音楽を聴いているのではなく、全身でこの音を浴びている感じにしていた。

 

おかげで、この曲を聴く時は近所からクレームが何回も来てしまった(笑)

 

これを作る直前、フィル・スペクターは仕事上で数々のトラブルを抱えていて、音楽業界から追放されそうになっていた。

そんな彼が、今まで出会わなかったティナ・ターナーの強烈なハスキーボイスに賭け、一世一代の勝負に出た!結果は惨敗。翌年自分のレコード会社を廃業することとなる。

 

 

しかし、イギリスで大ヒットし評価が上がったおかげなのか、解散寸前のビートルズを手掛けることにつながる。

 

この曲を聴くとフィル・スペクターの実験精神やら怨念やらが感じられ、とても身につまされる思いがこみ上げてしまう。

自分の理想の音楽やビジョンに誠実に向かえば向かうほど、自分と周りとの軋轢が生まれてしまっていたのは想像に難くない。

 

ビリー・ジョエルの「オネスティー」の歌詞にもあるように、誠実さを追求していくと人間はどんどん寂しさを抱えてしまう存在なのだろうか。 

Honesty

Honesty

  • provided courtesy of iTunes

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間ずつの視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。 

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

 

 

購入履歴26枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

この記事に出てきた「ペットサウンズ」「フィル・スペクター」についてはこちらをご覧ください。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

  

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

 『音庫知身』ー妻からひとことー

ティナ・ターナーという名前は知っていたけど、私はこのアルバムを聴いたことがなかった。この記事の「妻からひとこと」 を書くためにはじめて聴いた。

私ははっきり言って音楽ジャンルに詳しくない。ジャンルを超えて「イイものはイイ!」という感性で音楽を楽しんでいる。このアルバムも楽しめた!

アルバムを聴いて、私の知っている日本人歌手で言うと「和田アキ子」さんがパッと浮かんできた。力強い、頼れるシャウトと歌声、そしてその中に秘められた祈りのような存在をも感じられる。

このアルバムを聴いて、私の中の「表現する人間の内側が溢れ出る魂の歌い手」の一人になったことは間違いない。

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはレコードとCDで購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥106,500 👈

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 


音楽ランキング

【ディキシー・カップス/愛のチャペル 】~結婚式にはこの曲をどうぞ!キャロル・キングと並ぶ女性ソングライターのエリー・グリニッジ~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!26枚目

本日の棚からひとつまみは「D」列から、「ディキシー・カップス/愛のチャペル 」。

1964年リリース。昨日のフィル・スペクターの「ウォール・オブ・サウンド」お抱えソングライターといっていいジェフ・バリー&エリー・グリニッジの作品。このコンビもヒット曲が多数あるが、日本では「踊るさんま御殿」のオープニングテーマ、トミー・ジェイムス&ザ・ションデルズの「ハンキー・パンキー」が有名。このコンビのポップ感が癖になってしまう!

 ※人物名は敬称略

 

 

「ディキシー・カップス/愛のチャペル」    


チャペル・オブ・ラブ

 

 ディキシーカップスはニューオリンズ出身の三人組ガールグループ。この当時は数人組の女性アイドルグループの全盛期だった。しかし、後年色んなアーティストにもカバーされている「アイコ・アイコ」のような、いなたい雰囲気の楽曲も取り上げ、他のグループとは違い泥臭い感じもする不思議なグループ。  

愛のチャペル

愛のチャペル

  • ディキシー・カップ
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

アイコ・アイコ

アイコ・アイコ

  • ディキシー・カップ
  • ロック
  • ¥153
  • provided courtesy of iTunes

 

 

結婚式には音楽がつきものだ!

 

私はこの頃、結婚式場でアルバイトをしていた。

そんな時、結婚式の「てんとう虫のサンバ」や「乾杯」などの当時の定番曲に交じって、

 

「この曲がかかれば最高なのに!」

 

といつも思っていた。

 

この曲との出会いも偶然、ラジオから流れてきたものだと記憶している。

どんなプログラムかは忘れたが、よく一般的に無名なこの曲をかけたものだと今でも思う(笑)

 

しかし、このハーモニーと、ウキウキするようなミディアムのシャッフルビートに乗せて、シンプルなリズム隊と印象的なホーンとチャイムをフューチャーしたサウンド

元々は、フィル・スペクターロネッツでもレコーディングしているが、出来はこちらの方がイイと思う!

 

行きつけの中古レコード店の壁にもこのLPが飾ってあり、ステキなジャケットも気になっていたせいもあり、気づいたらオリジナル盤を10000円で購入してしまっていた(^^♪

 

 

「愛のチャペル」は「ビー・マイ・ベイビー」などのフィレス作品をスペクターと共同で作ったと言われるジェフ・バリー&エリー・グリニッジのコンビの作品。 

Be My Baby

Be My Baby

  • provided courtesy of iTunes

 

ヒット曲を量産していたにもかかわらず、彼らは普段から自分たちの扱い方や印税の取り分でスペクターに対して不満があったそうだ。

そこで、新しいレコードレーベルでもある「レッド・バード」からスペクターに内緒で、この曲を最初のシングルとしてリリースした。結果はナンバーワンヒットとなり、ロネッツでもレコーディングしていたスペクターの怒りは相当なものだったらしい。

 

 

その後、ディキシーカップスのようなアイドルグループがビートルズの登場で軒並みヒット曲が出せなくなっても、今度はイギリスのビートグループに曲を提供して次々とヒットを生んでいった。

 

 

後年、エリー・グリニッジの人生と音楽を扱ったミュージカル「リーダー・オブ・ザ・パック」が公開され、トニー賞グラミー賞も受賞することとなる。

 

華々しい活躍を見せた彼女も2009年に他界。享年69歳。

彼女の音楽は未だに世界中で鳴り響いている。

 

キャッチーなメロディーとドラマティックな歌詞が3分間にギュッと詰まった、まさにポップソングの玉手箱!

 

私にとって、このアルバムがそんなエリー・グリニッジの音楽を強く意識するスタートとなった。

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間ずつの視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。 

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

 

 

購入履歴25枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

 『音庫知身』ー妻からひとことー

「愛のチャペル」

なんて可愛らしい歌なんだろう。夫も本文で紹介していたチェリッシュの「てんとうむしのサンバ」は森の小さな教会で結婚式をあげるという内容の歌。

この「愛のチャペル」も民族音楽風のイントロから始まり、なんとなく穏やかな日の草原で親しい仲間だけで執り行う結婚式の風景が目に飛び込んでくるのは私だけだろうか…。

愛するペットも参加できる、晴れた日の屋外結婚式で流れてきたら…それだけでもう幸せになりそうだと思わない?

私たちは結婚式は挙げてないけど、いつも大好きな音楽で結婚式を挙げてもらっている感じ…♪ 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはレコードで購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥98,500 👈

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 


音楽ランキング

【フィル・スペクター/ クリスマス・ギフト・フォー・ユー】~8月のクリスマス!リアリティーのあるファンタジーの世界へようこそ~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!25枚目

本日の棚からひとつまみは「P」列から、「フィル・スペクター/ クリスマス・ギフト・フォー・ユー」。

1963年リリース。昨日の「ペットサウンズ」同様、またロック史に輝く名盤の登場だ。60年代のポップスを象徴する「ウォール・オブ・サウンド」が満載!ポップス好きにはたまらない一枚!

 ※人物名は敬称略

 

 

フィル・スペクター/クリスマス・ギフト・フォー・ユー」   


Christmas Gift for You From Phil Spector

 

 このアルバムは1963年音楽プロデューサーのフィル・スペクターが彼のレコードレーベル、フィレスに所属しているロネッツ、クリスタルズ、ボブ・ B・ ソックス&ブルージーンズ、ダーレン・ラヴが歌ったクリスマスアルバムである。

昨日取り上げた「ペットサウンズ」や「サージェントペパーズ…」に先駆けたコンセプトアルバムとも言われている。

 

  
ペット・サウンズ(MONO & STEREO) +1

 


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(50周年記念1CDエディション)

 

 

私はリアリティーのあるファンタジーが好きだ。

 

カリフォルニアをはじめとするアメリカのウエストコーストには映画の街ハリウッドがあり、IT産業の代名詞ともいわれるシリコンバレーもある。

一年中乾いた温暖な気候や風土がこのような環境が、バーチャルなものをリアルな現実に変え、世界中を席巻する文化やテクノロジーを生んでいるのだろうか?

 そのような気候や風土は音楽にも如実に影響を与えている。リアリティーのあるファンタジーは私だけではなく世界中の人たちの心を鷲掴みにし続けている。

 

ビーチボーイズのオリジナルメンバーではドラマーのデニス・ウィルソン以外は皆サーフィンができないという話はファンの間では有名だが、その音楽がどのアーティストよりも夏や海を感じてしまうのはとても不思議でならない。

 

 

このアルバム「クリスマス・ギフト・フォー・ユー」はクリスマスアルバムなのだが8月の暑い中にレコーディングをしていたと言う。

なんとも季節感のないものだと言われそうだが、実はそこに West Coast music の本質があるように思える。

 

このアルバムでは冒頭に Irving Berlin 作で有名な「ホワイトクリスマス」のカヴァーが収録されている。

歌っているのはダーレン・ラヴで、この歌の間奏でカリフォルニアの全く雪のない12月24日のことを語っている。

この状況はハリウッドを抱えるカリフォルニアならではの光景ではないかと思われる。

 

クリスマスには雪がつきものと考える私たちのリアリティーで、雪がほとんど降らないカリフォルニアの人にとってはむしろ「ホワイトクリスマス」はファンタジーで、それを音楽の中で創造するというところにカリフォルニアのリアリティーがある。

  

フィル・スペクター の「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる音作りはこの時代の音楽に相当なインパクトを与え、「ペットサウンズ」をはじめ60年代のポップスの至るところで耳にするようになる。

また、現在の日本でも大滝詠一の「君は天然色」などでその強い影響下にあるサウンドを聴くことができる。

 

大滝詠一君は天然色」収録アルバム 


A LONG VACATION 30th Edition

 

音楽だけでなく、良くも悪くも「音楽プロデューサー」という存在を初めて世に知らしめたと言っていい彼はフィレスを閉じた後、ビートルズジョン・レノンジョージ・ハリソンの名作アルバムも手掛けることになる。

 

そこで再び、彼にしか出せない世界を展開するのだから天才としか言いようがない。

 

彼の「ウォール・オブ・サウンド」はギターやベース、キーボード、パーカッション、ストリングス、ホーン、ブラスなどの多数の楽器を同時に演奏させて組み立てていったと言われるが、聴けば聴くほど謎が多い。

 

このアルバムでも例えばギターやピアノなどの鍵盤楽器を複数鳴らしているのだが、よく聴いてもそんな風に聴こえない箇所が多い。

シンセサイザーなどがなかった時代、どこにもない音を追求していった彼の姿勢がこのアルバムを聴くと良くわかる! 

 

フィルは自分の音楽のスローガンとして、

「Tommorow's sounds  Today!」~明日の音を、今日ここに!~

という言葉を掲げていた。

 

実験的な精神で、未来に通じるポップスを作り上げていった彼の魂を、是非音盤を通して体感してほしいと心から願うばかりだ<(_ _)>

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間ずつの視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。 

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

 

 

購入履歴24枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

なんだろ。素敵なクリスマスソングを聴いてると体が勝手に揺れてきちゃう♪

「クリスマスに素敵な音楽を!」と思っている貴方へ、是非このGIFTを!!

 

メインブログでも、こちらのアルバムを含めてクリスマスソングの記事を投稿させていただきました。よろしければ参考にしてみてください♡

 

今年のクリスマスは是非、自宅で「クリスマス・ギフト・フォー・ユー♬」

www.dekoboko5050.com

 

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ)

このアルバムはCDとレコードで購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥88,500 👈

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。

 


音楽ランキング

【 ビーチボーイズ/ペットサウンズ 】~山下達郎が熱く語った「時代性」や「ロック」というカテゴリーすら存在しないとてつもないアルバム~

 

夫の音楽棚を購入した順番に紹介します!24枚目

本日の棚からひとつまみは「B」列から、「ビーチボーイズ/ペットサウンズ」。

1966年リリース。いよいよロック史に輝く名盤の登場です。早速どうぞ!!

 ※人物名は敬称略

 

 

ビーチボーイズ/ペットサウンズ」   


ペット・サウンズ(MONO & STEREO) +1

 

 

ビーチボーイズの歴史だけでなくロック・ポップスの歴史をも変えたと言われている名盤中の名盤!ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と並んでコンセプトアルバムの先駆けとも言われている。 


サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(50周年記念1CDエディション)

 

そもそも、 ビーチボーイズという名前はレコードデビューする時にレコード会社の人間が本人たちの承諾なしに一方的に決めたものだ。

 

ビーチボーイズだって!?、俺たちはペンデルトーンズだ!!」

 

デビューシングルに勝手に刻まれたその名前を見た時、メンバーのマイク・ラブは激怒したという。

ペンデルトーンズもどうかと思うが…(笑)

 

しかし、その後ビーチボーイズはその名前通りに、サーフィンや車、女の子なんかが出てくる明るく爽快な曲を歌って、夏や海を思わせるメンバーの格好と分かりやすいアルバムタイトルでアメリカを代表するバンドとなった。

 

デビューアルバムから一貫してタイトルと内容にずれがなく、彼らの音楽を求めて聴きに来る人に満足感を与え続けていた素晴らしいポップグループだった。

 

この「ペットサウンズ」が出る前までは…。

 

 

このアルバムはレコーディング段階から、メンバー間でも意見が割れていた。特にマイク・ラブは、

「こんなの一体誰が聞くんだ?犬か?」

とまで言っていたそうである。

 

これまでの彼らはキャッチーなヒットメロディーでサーフィン・車・女の子との楽しいひとときなどを爽快なハーモニーに乗せて歌ってきた。

しかし、そういった要素がほとんど鳴りを潜めて、大人になる時の孤独や葛藤、世の中への不信感、自分のエゴとの闘い、好きだった女の子の心変わりに愕然として傷つく姿など…自分の内面の弱さや心の叫びのようなものが中心になっていた。

 

メンバーはこのアルバムのプロジェクトがほぼリーダーのブライアン・ウィルソンによって進められていた時、日本をはじめとしたアジアツアーに行っていた。

その時、ブライアンは自宅とスタジオに籠り、コピーライターのトニー・アッシャーという人物に詞を書いてもらい、作曲やオーケストレーションの組み立てをしていて、今までと全く異なった独自の音の世界を追求していった。

 

また、アルバムのジャケットも異様で、長袖の冬物っぽい服装でメンバーが動物園で動物たちに餌をやっていて、そこではなぜかマイク・ラブだけ餌やりをしていない。

しかもなぜこのアルバムを「ペットサウンズ」という内容と合致しない、訳の分からないタイトルにしたのか…。

 

今でこそ素晴らしいと讃えられている本作だが、当時の基準で考えれば、全く意味不明な謎だらけのアルバムだ。

 

しかし、時が経てば経つほどこのアルバムの価値はぐんと上がり、今ではロック史上最高の名盤とも言われている。

 

時の試練に耐え続けたアルバムと言えば聞こえはいいが、このアルバムには他のどの音楽でも聴くことができない独特のムードがあり、唯一無二の歌やサウンド、ハーモニー、アイディアがある。

 

私も「素敵じゃないか」と「神のみぞ知る」などを聴くために最初は聴いていたが、正直、良さがなかなか掴めなかった。

そんなある日、このアルバムの「駄目な僕」そして「ドント トーク」を聴いた時に頭の中の何かが吹き飛んだ。

 

「よく分からないけど、これってとてつもないアルバムなのでは?」

と感じてからは、全楽曲の意味やサウンドが恐ろしいほどスーッと入ってきた。

 

山下達郎がこのCDのライナーノーツで、

このアルバムの中には「時代性」はおろか、「ロックン・ロール」という「カテゴリー」さえ存在しない。

と言っているが、まさにその通りだと当時痛感した。

 

このアルバムは、1、2回聴いただけではよく分からない代物である。

しかし、何度か聴けばある時からとてつもない音楽だと気づくのではないかと私は思う。

 

今までこのアルバムをいろんな音楽好きに勧めてきたが、だいたい同じような感想を抱いた人が多かったように思う。

 

無名の私なんかが言っても効果はないということは百も承知だが、

ジャンルは問わず、すべての音楽好きに一度は聴いてほしいアルバムだ!

 

 

Spotifyでアルバムを視聴することができます。

30秒間ずつの視聴をお試しください。▶で再生、もう一度押すと停止します。 

※楽曲をすべて再生して聴くためには、Spotifyの会員登録が必要となります。

 

Spotifyなら無料で簡単に音楽を楽しむことができます♫
www.spotify.com

 

 

 

購入履歴23枚目の記事はこちらです。 

dekoboko5050.hatenadiary.com

 

 

 

『音庫知身』ー妻からひとことー

ペットサウンズは、「とにかく聴いてみて!」と言いたいアルバム!

私がはじめてこのアルバムを聴いたのは、今からもう25年以上も前のことだった。

某CDレンタルショップの「店長のオススメ数珠つなぎ」というPOPを見て、片っ端からCDを借りて聴くという日々を送っていた中で、当時、唯一と言っていいほど衝撃を受けたアルバムだった。

後に、「このアルバムは幾つの楽器が使われているのか?どれだけの人数で演奏しているのか?」と少々夫を質問攻めにしたことがある(笑)

達郎さんのいう「カテゴリーすら存在しない」という言葉通り、オーケストレーションとボーカル・ハーモニーが一体となってお互いを引き立てあっている!!

本当に、様々な色があってこそこのような音色が生まれるのだ。

きっと、人間の世界も様々な人がいなければつまらなくなってしまうのだろう…。 

 

とにかく、聴いてみてほしいなっ♪

 

 

本日までの消費累計金額はこちら(*ノωノ) 

このアルバムはCDとレコードとミュージックテープで購入しています。

 

 現在の音楽棚購入累計金額 ¥82,500 

※累計金額は概算。夫が購入した時点での金額であり現在は価格が違う場合があります。