一級建築士が教える 失敗しない賃貸物件の選び方【札幌編】出版しました
だいぶ久しぶりなブログの投稿になります。
電子書籍を出版しました。
一級建築士が教える 失敗しない賃貸物件の選び方【札幌編】
〜寒冷地ならではの部屋の選び方を徹底解説〜
戸建て住宅の建て方、マンションの買い方などの本はありますが、部屋の選び方の本って意外とないんですよね。内容的には調べればわかることも多いかもしれませんが、私が書いた本は「札幌」や「寒冷地」というニッチな分野に絞っております。
また、札幌市内にお住まいの方にもお楽しみいただけるよう、おすすめの引っ越しエリアについてもまとめました。本の中では円山エリアや西18丁目、そして苗穂エリアについて書いておりますが、今後は他のエリアについても紹介していきたいと思います。
後から加筆修正が可能ということが電子書籍のメリットです。今後の都市計画の動向や、実際に自分の足で歩いた感想なども踏まえてレポートしていきたいと思います。引っ越しを検討しているけどどこに住もうか決めかねている方や、道外から転勤される方の参考になれば幸いです。
カフェ居心地論 〜3つの要素〜
カフェで過ごす時間が好きです。いろんなカフェに行きます。仕事柄なのかコーヒーの味がどうこうよりも内装のデザインや雰囲気で選ぶことが多いです。しかし、たくさんのカフェに行くにつれて居心地のいいカフェとそうでもないカフェとの違いについて考えるようになりました。というのも、内装がおしゃれでかっこよくても、「また行きたい」と思わないお店もあるのです。その理由について考察したことをまとめてみました。
カフェの居心地を構成する3つの要素
大きく分けるとこの3つ。
- ハード(立地、内装、間取り)
- ソフト(提供するサービス内容、情報発信、ブランドイメージ)
- サウンドスケープ(環境音、BGM、声)
これら一つ一つについて解説していきます。
1)ハード(立地、内装、間取り)
一番わかりやすいのがハード。物理的なお店の立地や店舗内装、席の配置、窓の位置、店員さんや他のお客さんとの距離感、照明の明るさ、テーブルやカウンターの高さや広さ、椅子の座り心地などなど。言えばキリがないのですが、基本的には目に見えるもの。ここから見える眺めが良いとか、お店の内装がオシャレだとか、要は視覚的な要素です。
2)ソフト(提供するサービス内容、情報発信、ブランドイメージ)
提供されるサービス全般のこと。提供される食べ物や飲み物。店員さんの対応。そして、そのお店がどのようなブランドコンセプトをもとにサービスを提供しているかどうか。
特に今ではSNSでの情報発信は切っても切り離せない関係。例えばどのようなメニューがあるのか、定休日や営業時間がわかりやすく提示されているか、駐車場はあるのか、そしてそのお店がどんな雰囲気なのかを、写真や文章で適切な情報発信がされているかどうかもブランドイメージに関わる大切な要素になります。
3)サウンドスケープ(環境音・BGM・声)
居心地が良くてついつい長居してしまう店。また足を運びたいと思う店がある。その一方でハードもソフトも良いなと思っても、一回行って一度きりのお店もあります。その理由を考えたときに出した答えが「音」の違いだったんです。
カフェに訪れると、様々な音が耳に入ってきます。流れるBGM、コーヒーを淹れる音、調理をする音、他のお客さんの声、人が歩く足音、椅子を引く音、扉の開け閉めの音、コーヒーカップをソーサーに置く音、外から聞こえる環境音などなど・・・。この目には見えない音がカフェでの居心地に与える影響はかなり大きいと感じております。
もっと言うと店員さんの声
気に入ったカフェの店員さんはみんな良い声してるんです。個人店にも良く行きますが、チェーン店のスターバックスにも行きます。スターバックスの店員さんはとてもサービスが良くて教育がしっかりしているイメージがありますが、そのベースには働いている人がコーヒーやスターバックスというブランドを愛しているということが挙げられます。好きなことを仕事にできている。コーヒーが好き。そういう想いが声になり、サービスとなり、お店の雰囲気を形作る大切な要素になっていると思います。
【2級建築士製図】本番に強くなるための時間管理法
試験開始から終了までの「全体の流れ」を把握する
試験本番では時間内に描き上げなければ採点の土俵に上がることができません。どんな状況においても時間内に書き上げることが最優先事項となります。そのため、普段の練習の時からエスキス開始から作図完了までの全体の流れを意識しながら作図をすることがとても重要です。
関門通過を意識する
長距離のマラソン大会では、一定の距離ごとに関門が設けらています。決まった時刻までに関門を通過しなければ強制的にリタイヤとなります。無事にゴールするためには、常に自分のペースを意識しながら走ることが求められます。
製図の試験も同じで、関門を通過する時刻を常に意識しながら描くことがとても重要です。時刻を意識せずにただ急いで描くことは、時間も現在地もわからないままマラソンをするようなものです。それでは自分なりに精一杯走ったところで無事にゴールできるかどうかわかりません。
「時間」ではなく「時刻」で管理する
- STEP 1 手順を覚えて自力で描けるようになる
- STEP 2 目標時間内に描けるようになる
- STEP 3 (経過時間ではなく)時刻を意識しながら描けるようになる
エスキスを終える時刻、平面図、伏図を終える時刻、立面図、矩計図を終える時刻を、マラソンで言うところの関門として考え、その目標時刻までに通過することを目標に練習をしましょう。
本番で力を発揮するための練習方法
まずは、本番で使う腕時計を用意します。本番と同じ開始時刻に時計の針をセットしてエスキスや作図をスタートし、終了時刻を意識して練習を重ねます。ここで大切なのは経過時間ではなく時刻で管理すること。もしエスキスで時間がかかってしまった場合は作図のどこかで挽回しなければなりません。逆にエスキスが早く終わり作図に時間をかけれる場合は、どういう時間配分で作図の密度を高めて美しく描くかを考えましょう。うまくペースをコントロールできれば、本試験でどんな状況になったとしても描き上げることが出来るようになるでしょう。時計をセットするのに一手間かかりますが、本番でいつも通りの力を発揮するためにも、出来るだけ本番に近い状況で練習を重ねることが重要です。
【2級建築士製図】作図に時間がかかってしまう人の最初のステップ
練習すれば手順を覚えるので、自然と作図時間が短縮していくものです。しかし、それでもなお時間内に描ききれないという方もいらっしゃるかと思います。ただがむしゃらに練習する前に、一度立ち止まって原因について考えてみましょう。
時間内に描ける人と描けない人の違いとは?
作図をスタートしてから描き終えるまでの時間を分解してみると「手を動かしている時間」と「手が止まっている時間」に分けられます。作図というのは当然「手を動かす=線を引く」という行為の積み重ねで図面をやっと完成させることができます。ですから、継続的に手を動かすことが重要です。作図中に手が止まっている状態というのは、何らかの思考をしている状態であり、できる限り「思考をしている状態」を排除することが必要です。
作図中の「思考あるある」
まだ作図を始めて間もない方がやりがちな作図中の「思考あるある」とその対策についてご紹介します。
次はどこを描けばいいんだっけ?
手が止まっている人は、おそらくこれが一番多いでしょう。最初のステップとして「作図手順を覚える」ことが何よりも大切な基本中の基本となります。身体が自動的に動くぐらいにまで練習しましょう。作図は「作業」です。
描き漏れはないかな?
描き漏れチェックは後でオッケー。まずは手を動かすことに意識を向けましょう。
あ、細線なのにちょっと太かったかな?
仕上がりに関する細かいことは気にしない。反省は全て描き終わってからにしましょう。
まとめ
まずは、手順を覚えることが何よりも重要です。描き慣れてからの自分なりのアレンジはオッケーですが、最初から手順を無視して場当たり的に描いている方はミスや描き漏れが多い傾向にあります。手当たり次第描いてしまうと時間配分を意識しにくいので、残り時間の使い方も戦略を立てにくいのです。基本を忠実にこなすからこそ、その後の伸び代が期待できるのです。
本試験までの時間は限られています。ただがむしゃらに練習するのではなく、効率的に実力を伸ばしていく必要があります。生徒さんの中には最初から自己流にアレンジしてやってしまう人がいますが、そういう方は授業の後半で伸び悩むことが多いです。順調に伸びる人の特徴は「教えたことを素直にやる人」です。学校が何十年もかけて培ってきた「効率的な作図の仕方」を教えているのですから、それに耳を貸さないのはとても勿体無いことです。人それぞれやりやすい方法はあるのかもしれませんが、まずは教わったことをやってみた後にしましょう。
【2級建築士製図】早いけど雑 or 綺麗だけど遅い人たちへの処方箋
早いけど雑 or 綺麗だけど遅い 人たちへの処方箋
結構この2パターンで悩まれる方が多いです。
- 作図は早いけど、仕上がりが雑
- 作図の仕上がりは既に合格レベルだけど、時間がかかる
二人いれば足して2で割ってあげれば済む話ですがそうもいきません。実は両者とも早いか遅いかの違いがあるだけで「マイペースでしか描けない」という共通の問題を抱えています。前者はもしかしたら「時間内に描く=急いで描かなければならない」ことに囚われていて線や文字が雑になっているかもしれませんし、後者は「綺麗に描かなければならない」という完璧主義者な方が多いように見受けられます。
「早いけど雑な人」がやっておくべき練習
「早いけど仕上がりが雑だ」と指摘される方は、まず時間は度外視でMAX丁寧に描いてみること。それがどんな仕上がりになるのか、そしてどれくらい時間がかかるのかを知りましょう。「自分も丁寧に描けばこれくらい綺麗に描けるんだ」と知ることができた場合、作図時間に少し余裕があるなと感じたときには、その時間を活用して仕上がりレベルをあげることが出来ます。逆に時間がないときはスピードを活かし、時間内に描き上げることが出来ます。
「綺麗だけど遅い人」がやっておくべき練習
逆に「綺麗だけど遅い」という方は、どんなに仕上がりが雑でもいいので時間内に急いで描いてみる。それがどんな仕上がりになるのか知りましょう。多少雑になったとしても自分が思っているほど雑ではないんですよね。周りと比較すればわかります。それで作図スピードをコントロールできるようになれば理想的です。「時間がない!」と思っても、あの時やったようなスピード感で作図をすれば間に合う!という気持ちの余裕にも繋がります。時間を意識してやった時の練習が、一つの選択肢となるのです。
まとめ
自分の実力の両極端(綺麗に描いた場合、急いで描いた場合)を知ることで、本番で臨機応変に対応できるようにしておくことが重要です。マイペース=ワンパターンのやり方しか出来ないと、思わぬ展開になった時に対処できません。まさに試験元はそれを狙っています。問題が発生した場合にどのような判断を下すか。限られた時間の中で、自分の頭で考えて判断することができるか。そこで優劣をつけて合否を決めるわけです。
【2級建築士製図】講師やってます
2級建築士製図の講師(チューター)やってます
私は20代の頃に二級建築士、そして一級建築士を取得しました。今となっては独学で取る人はかなり稀で、私も例外なく建築士を取るための学校に通って無事取得することが出来ました。資格取得から10年以上経ちますが、その頃の営業担当者、教務長との繋がりや色々なタイミングが重なり、昨年から製図の講師をさせていただいてます。講師といっても実際には教壇に立って教えるのではなく、常に教室内を巡回して授業についていけない生徒さんに指導するような立ち位置です。(業界用語で「チューター」と言います)。
授業の内容は朝から晩まで毎週てんこ盛りです。積極的に質問しに来る生徒や、巡回中に個別に指導することはあっても、そもそも新しく覚えることが多かったり配布物が多かったりで基本的に生徒の頭はパンパン。伝えるタイミングや情報量には気を配る必要があったりします。そんな中で「すごく大事なことなんだけど、授業の中では伝えきれなかったこと」 や「生徒から多く受ける質問や相談に対する回答」など、うまく整理して伝えれなかったことを書き出す場として使おうというのが真の目的です。万が一、2級建築士を勉強している誰かのお役に立てることがあれば幸いです。
【札幌版】いいとこ取りの西18丁目 引越しおすすめエリア最強説
転勤や進学で初めて札幌に引っ越すという方や、今も札幌に住んでいるんだけど住環境を変えたい方へ、札幌市内のオススメエリアを個人的な視点と都市計画的な視点からご紹介します。
ズバリオススメは西18丁目エリア
札幌の中心部である大通と、人気の高い円山のちょうど中間に位置する西18丁目エリア(地下鉄東西線)が私のオススメです。少し回りくどい説明になりますが、円山エリアや都心部である大通との関連性もありますのでそちらから解説していきます。
大人気の円山エリア
円山エリアはランキングでも常に上位に位置する円山エリア。緑豊かな北海道神宮(パワースポットとしても人気)があり、その名の通り円山という山がひょっこり立ちはだかる街並みが魅力です。また、おしゃれな雑貨屋やカフェがたくさんあるというイメージも多いかと思います。こんなところに?というような建物と建物の間を通った奥にある隠れ家的なお店などがあるのも魅力ですね。
円山の魅力「ミクストユース」とは
円山エリアには1階が店舗、2階から上がマンションになっている建物が多いですよね。商業と住居、そしてオフィスなどがうまく混在している地域です。このように様々な用途を混在させることを「ミクストユース」といいます。朝晩は出勤や通学などで人が行き交い、日中は買い物や遊び(外食したり公園へ散歩したり)で人が行き交うため、どの時間帯も人口密度が高いことが街としての「賑わい」となります。本来は戦略的に用いられる都市計画の手法なのですが、円山エリアはミクストユースが自然と形成されたエリアだといえます。
都心部の魅力「大通」
大通は地下鉄南北線と東西線、東豊線が交差する中心地であり、説明するまでもなく札幌の中心部として最も栄えているエリアです。緑豊かな大通公園は人々の憩いの場となっております。買い物をしたり美味しいものを食べたりと様々な遊びができますし、昼夜問わず楽しめるのが都心部としての魅力です。もちろん住みたい街ランキングでは円山と同様にいつも上位にランキングしております。
「20分圏内コミュニティ」とは
ちょっと歩いて行こうかなと思える距離ってだいたい10〜20分ぐらいですよね。スーパー、雑貨屋、飲食店、公園や広場、職場や学校が、自宅から徒歩や自転車で行ける範囲内にあればとても便利です。このようなエリアを形成することを「20分圏内コミュニティ」と呼び、札幌の姉妹都市であり、都市計画のお手本として世界から注目されている都市、ポートランドで採用されている都市計画の手法です。徒歩や自転車で移動することができれば二酸化炭素の排出削減や、人々の健康増進にも効果的だとされております。
大通と円山のいいとこ取り「西18丁目エリア」
20分圏内コミュニティを札幌に当てはめて見ましょう。徒歩20分を距離に換算すると約1.6kmほどです(徒歩1分=80m)。西18丁目駅を中心に考えると東側は大通あたりまで、西側は円山公園や北海道神宮あたりまでがおよそ20分圏内となります。円山や大通の人気の理由は先述した通りですが、その人気エリアを20分圏内に擁している西18丁目というのが最強にオススメしたいエリアだというのが私の持論です。
選び方・探し方
駅からの距離にもよりますが、円山や大通に比べて家賃相場も低めです。地下鉄だけではなくバスや市電を使うことも視野に入れると選べる幅は広がります。車を所有されている方でよくあるのが住みたい部屋はあったけど駐車場が見つからない(または賃料が高過ぎる)ケースですが、それも少し駅から距離が離れたエリアで探すことで現実的な相場のお部屋が見つかると思います。
ちなみに、住みたい街ランキングの上位を占める円山エリアと大通エリアですが、実際にはこんなところに住めたらいいなという「憧れエリア」であり、「引越しする人にオススメするエリア」としてアンケートを取ったらまた違う結果になると思います。
まとめ
私自身はしばらく北区民でした。しかし、休日にフラッと訪れるのは円山方面のカフェや雑貨屋。いつからか円山方面への引越しを考えるようになり、最終的に決めたのは最寄り駅が西18丁目駅(東西線)の南円山エリアでした。住んでみると円山の魅力を楽しみながらも、都心部である大通りと近い関係にある西18丁目のあたりが立地的に最強なんじゃないかと思うようなりました。今でも買い物したり、カフェに行ったり、充実した休日を過ごしたけど、実は南円山から出てなかった、なんて日がよくあります。手の届く範囲のもので楽しめるのはいいものです。そんな私自身の実体験に加え、都市計画的な視点から見た西18丁目の魅力を解説してみました。引越しを検討されている方の参考になればと思います。