マスコミ就活でやるべきこと、やらなくてもいいこと

今年はマスコミ関係も相当数受けたから、それについても書いておこうと思う。18卒以降の子の何かの参考に少しでもなれば嬉しい。

 

「マスコミ」と一言で言っても、広告、出版、ラジオ、テレビ、新聞等、種類は様々あって、私は新聞(全国紙、スポーツ紙、通信社)を多く受けてた。

 ※書いてるうちにかなり長くなっちゃったので(なんと4532字!)、読むには時間と覚悟が必要です。

 

やるべきこと

・時事対策

マスコミを受ける上で絶対に欠かせないのが時事問題対策。せっかく設問多め且つ手書きが多いマスコミのESが通ったのに、その次の筆記試験に落ちちゃって面接に進めないとなると結構くやしい。

時事対策で私が使ってたのは主に『新聞ダイジェスト』『産経新聞アプリ』『NHK News Watch 9』の3つ。

 

新聞ダイジェストは1号1号全ページ読んでる時間はなかったから、とにかく巻末にある問題の筆記部分だけは過去1年分ぐらい解いた。何周かして、答えられなかったもの、書けなかったものを潰していった。2.3ヶ月に1回くらい地元の図書館とか大学の図書館行ってまとめて勉強してた。新聞ダイジェストに出てきた問題がそのまま出てきたような会社もあったし、最低1周はしておくべきだと思う。

産経新聞のアプリはタダで新聞が読めるから重宝した。私は日経MJも使えたから、文字媒体ではその2つで日々の時事情報を追っかけてた。

ただ、マスコミを受ける(てた)のに本当にダメだなーと思うけど「何かを読む」というのは結構心構えがいることで、絶好の新聞タイムだった移動時間もついSNSを見たり、ゲームしたりしてた。けどそれはまぁまぁまずいので、NHKのnews watch 9は毎日見るようにしてた。別に他局でも他時間のニュースでもいいんだけど、時間的も遅すぎず早過ぎずで都合がよくて習慣付けしやすかった。

時事対策にはこの3つ以外に日経キーワードも読んだけど、量が多くて1周さらっと読むくらいになってしまったから、別になくても良かったのかなと思ってる。ただ読んで損ということはないから、時間があるなら読んだ方がいいと思う。

 

・漢字の勉強

『マスコミ漢字(大学生の就職)』という本を使ってた。元々漢字は得意ではなかったけど最近は携帯とかパソコンで簡単に変換できることもあって、漢字書く力がかなり下がってるなーと思った。

本には書き以外にも読み、(四字)熟語、ことわざ、慣用句があって、ここでも時間がなかった私は書きと読みを中心にやってた。でも言うまでもなく本当は全部やるべき。ちなみに中に入ってる過去問を見てる限りでは朝日新聞と読売新聞が特に漢字の難易度が高いと感じた。

漢字は対策したからといってその字が出るとは限らないし、正直この本をやったからといって本番でも書けるようになったとは思わなかったけど、漢字は知らないと絶対に書けないので素直に対策することをオススメします。

 

・作文練習

時事対策と同じく欠かせないのが作文対策。マスコミ志望が周りにいる人は作文書いて批評し合ったりするのが一般的らしい。私はマスコミ志望が誰もいなかったからキャリアセンターの人に読んでもらって感想聞いてた。

作文もサボりがちだったけど、実際に文字数とテーマを決めて時間を計って原稿用紙に書くことは、原稿用紙の使い方を思い出したり(某出版社の人事の人は原稿用紙が正しく使えているか見てると言ってた)、時間の使い方を練習できるから大切だったと思う。作文用紙とは別にもう一枚メモ用の紙も用意して、そこにテーマから関連づけられるキーワードを挙げたり(テーマが漢字一字の新聞社も多い)、構成をメモったりして、それも一緒にキャリアセンターの人に見てもらった。

ちなみに練習のときのテーマは新聞各社で過去に出された作文テーマを使ってた。【新聞社名_作文_テーマ】でググったり、みんしゅうとか遡れば出て来ると思う。

あと『合格するマスコミ論作文』という本で、他の人がどういう風に作文を書いてるのか読んだ。が、これは別にやらなくてもいいかも。

 

・過去問

やるべきことリストの中では優先順位は低いけど、過去問もやった方がいい。過去問は会社がホームページ等に過去問を載せてたらそのページから、それ以外では新聞ダイジェストが昔出した『マスコミ入社試験問題集』を使って解いた。

多くの会社はマークシート方式+漢字だけど、記述させるところもあって、その場合は時事勉強するときに漢字までしっかり書けるようにしておく必要があるから、そういう面でも過去問は大事。

 

・「最近気になるニュースは?」対策&その会社が出してる新聞を読む

他業界の面接でもされるこの質問は、マスコミ面接では特に聞かれる可能性が高いので準備が必要。

私の場合は、そのニュースの簡単な概要(相手はプロでも、特に文化面や生活面に載るようなニュースを話す場合は面接官がそのニュースを知ってるとは限らなかったから)と、自分の意見・考えを話せるようにした。

ES段階でもこの設問はよく書かされるけど、書いたことで満足せずに情報をアップデートする必要もある。例えば、気になるニュース:都知事選とESに書いて、面接時に選挙結果が出てたらその結果についても触れないといけないし、「最近〜」ではなくて「この1週間で気になるニュースは?」と聞かれることもあるから、答えは1つだけじゃなくて複数(分野が違うと更に良し。海外で1つ、スポーツで1つ、とか)用意しておくと安心。

 

あと当たり前かもしれないけど、せめて面接直前に1回は、その新聞社から発行された新聞、または配信されたニュースを読んでおくべき。新聞社ならネット記事ではなく新聞紙がベター。実際に「今日のうちの朝刊読んだ?気になった記事ある?」という質問をされたことがあった。

私は午後1番の面接時間を予約して、ちょっと早めに家を出てコンビニで新聞買って、面接会場近くのカフェとかでご飯食べながら新聞読んだり脳内面接練習したりしてた。金銭的に余裕がない場合は朝早めに起きて図書館で読むのがいいかも。

 

会社別やるべきこと

朝日新聞:語彙・読解力検定を取る

朝日新聞はこの語彙・読解力検定を持っていると筆記に加点が付くので、朝日新聞を第一希望にするなら取っておくと良い。

 

毎日新聞ニュース時事能力検定(N検)2級を取る

毎日新聞ニュース時事能力検定を持っている人に優遇措置を取ってた。2級以上を持ってると、書類と筆記は選考免除で(でも一応ESとかは書かされる)絶対に面接まで進める。

新聞社の筆記試験は往々にして日付が被ることがある。だからこの筆記免除は結構大きい。ちなみに準2級でも優遇措置あったと思うけど多分書類免除で、筆記は受けなきゃいけなかったから、取るなら2級が良いと思う。1級は2級と優遇措置一緒なのに検定料が2級より高いし、受けられる回と受けられない回があったはず。

N検は問題集に載ってる問題がそのまま出るから、2級も問題集2周くらいすれば受かる。

 

・通信二社:英文ニュースを読む

通信社は時事問題、作文に加えて英語試験がある。そしてそれが結構難しい。共同通信は英文和訳で、時事通信は英文和訳に加えて和文英訳があったはず。

時事を勉強していれば大体はどんな話なのかわかるけど、ちょっとした単語(簡単な例だけどPrime ministerは総理大臣、Presidentは大統領とか)や時事的な単語(election:選挙とかpoverty rate:貧困率とか)は頭に入れておくといい。

 

産経新聞:日本史を勉強する

産経は珍しく?日本史の問題が出た。なので産経新聞の志望度が高い人は日本史を勉強するとちょっと点数が上がるかも。

ただ日本史といっても範囲が広すぎるし、その部分ができなくてもそこまで合否に影響はないとも思う。産経は他社と違って時事問題もほとんど出ず、現代文みたいな試験内容だった。

 

やらなくてもいいこと

・マス読を読む

マスコミ就活をする上でよく目にするマスコミ就職読本(マス読)。実際、読んでる子も結構いると思うし、私も読んだ。

記者の仕事内容はどの新聞社であろうと基本的に同じだけど、「あなたは何故うちの新聞社を志望しているのですか?」と言う質問はESでも面接でもされる。マス読は各新聞社の沿革や特徴が載ってるから、それを参考に他社と差別化したり、志望動機を考えたことがあった。あと過去の選考内容や学生の人数の減り方が見られたりもして、それもに役に立った。

ただどの情報もあくまで参考だし、必読という程ではない。大学の図書館とかキャリアセンターにあれば、借りてさらっと読むくらいで良いと思う。

 

・一般教養の天才 

一般教養の天才は、やってもやらなくてもいいと感じた。私は他業界のためにSPIガチ期があったからギリギリまでマスコミ筆記対策に手を付けられていなくて、結局一般教養の天才はほとんど終わらせられなかった。でも「一般教養の天才が終わらなかったから困った」試験はなかったと思う。もちろん、ちゃんと終わらせて知識付けることに超したことはないけど、やらないからといって落ちることもないんじゃないかな。

ちなみに私は3000円くらいの最新ver買うのが嫌だったからamazonの中古で前年度のやつ買った。国会とか憲法の制度については1年どうこうで変わるものじゃないし、問題ないと思う。マス読より一般教養の天才より大事なのは新聞ダイジェスト。これは確信を持って言える。

 

マスコミ塾には行くべきか

マスコミに就職するためのマスコミ塾というところがある。過去の問題・情報があって、作文添削もしてもらえる、予備校みたいなところだと思う。

マスコミ塾に通ってマスコミから内定出た人も多くいるだろうから、通う意味は確実にあるだろうけど、通わないから受からないかというと決してそんなことはない。なぜなら私も私の先輩もマスコミ塾に通わずとも内定出たから。

就活はマスコミに限らず情報戦なので、マスコミ塾で多くの情報が得られることは大きなメリットだと思う。一緒の業界を目指す友達がいるのも心強い。

でも、交通費や問題集等々、只でさえ出費が多い就活で、マスコミ塾に少なくないお金を払うことは上に挙げたメリット以上のデメリットになり得ると思う。マスコミ塾に行ったからと言って確実にマスコミから内定出るとは限らないし、私個人の意見としては行かなくていいと思う。独学で勉強して、情報をきちんと集めれば大丈夫。

 

かなり長くなったけど以上が私がマスコミ業界で就活した中で感じた、やるべきこと、やらなくてもいいことです。

上では特に書いてないけど、志望動機とかガクチカみたいな一般的な面接練習ももちろん必要。

 

マスコミは今後の展望や世間のイメージとは反して相変わらず志望者が多い業界で、その割に採用人数は少ないから就活も簡単にはいかないけど、だからといってすっっっごく難しくもないと思うので(比べるのもおこがましいけど国家一種とか。あくまでイメージ)ちゃんと対策すれば大丈夫!

 

もしここまで読んだ人がいたら、お疲れ様でしたと言いたい。

 

 

就職留年の是非

私は就職留年をしたので、16卒、17卒と2年に渡って就職活動をした。そして結果的には今年、第一志望と思える業界・企業から内定を貰った。

就職留年とか就職浪人をネットで検索すると「就留は人事に悪印象?!」みたいなページも出てくるから、私は私の思うところを書いてみようと思う。

 

ちなみに私は

就職浪人:就職先を決めないまま卒業して既卒としてもう一度就職活動をする人

就職留年:わざと単位を落として卒業できないようにして、大学5年生としてもうもう一度就職活動をする人

という風に分けて解釈していて、私は『就職留年』を選んだ。

 

 

就留を検討している人にとって一番気になることは「就留は選考において不利になるのか?」だと思う。

そして私個人の感想としては、不利になったとは感じなかった。

 

例えばESの通過率で言うと、16卒は27/38社の通過率で、17卒では28/37社。今年はES(というかテストセンター)でバッサリ切る業界も受けていたから、むしろES通過率が向上したと言えるかもしれない。ただもちろん、16卒でES通ったのに17卒では落ちたところもあった。就留が影響したかどうかはわからないけど。

 

そして面接では、1年延長している理由を聞かれた。1次面接で聞かれなくても2次、3次と進むと聞かれるパターンもあった。

体調不良とか留学とか嘘を付くこともできるけど、私は就留したと正直に言っていた。そうすると「あぁ就職留年ね」で終わることもあったし、「去年も同じ業界を受けてたの?」等質問が続いていくこともあった。続いていく質問に答えられるようにちゃんと準備して、面接官を納得させられたら別に就留だろうと就浪だろうと問題はないと思う。

 

ただ、私が就留に大きな問題を感じなかった要因で考えられることが2つある。

一点目は希望業界の傾向。私が行きたい業界は、多少ダブっていようと空白期間があろうとあまり気にしない業界だった。あくまでも想像だけど、もし私が銀行とか固めの業界を志望していたら苦労してたかもしれない。

二点目は経歴。私は所謂"良い大学"に通ってるし、人事が食いつくような"良い経験"も2つある。面接で使えるようなサークルのエピソードはないけど、アルバイトエピソードはある。こういう私の諸々の経歴があったからこそ、就留がそんなに影響しなかったのかなとも思う。

 

本来ならば就活なんて1回で終わらせるのが一番いいし、2回目だからこそのプレッシャーとかプライドももちろんあったけど、16卒での反省を活かして、後悔を引きずらない17卒就職活動ができたし結果までついてきた。

もし就活上手く行かなかったなら、就留してみるのもアリかなと思う。

 

 

他サポの私が思う川崎フロンターレの魅力3つ

忙しいとかネタがないとか言い訳はいくらでもできるけど、頭の中を整理して言語化するのは楽しいし、何より作文の練習になるので何か書こう…と思い立ってhatenaを開いてみた。

それでもネタがないというのは事実で、身の回りに起きてることは書けないし今は書きたくない。ということで、唐突だけど今日はJリーグ川崎フロンターレについて、更に言うなればフロンターレサポではない私が思う、フロンターレの魅力ベスト3について書こうと思う。

 

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★魅力1:最高レベルの攻撃陣

フロンターレの強みは何と言っても前線。小林悠大久保嘉人、そして中村憲剛を擁する攻撃陣は見てて超ワクワクする。

今シーズンで特に好きなのはこれ。小林悠のクロスからの大久保。

 

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魅力2:行きやすいスタジアム

私は一時よく等々力競技場に行ってたけど、そのときに強く印象に残ったのがサポーター層の多様さ。文字通り大人から小さい子供まで、本当に様々な性別、年齢の人がいた。特にGゾーンでポールを持ちながらも90分間ずっとチャントを歌ってた、間違いなく60才は超えているであろうおばあさんを見たときはびっくりした。

川崎という土地柄なのか外国人もいたし、(誰かが呼んだのか知らないけどキャバ嬢みたいな、ヒール履いた)若い女の人もいた。コアサポから初めて来ました!みたいな人まで本当に様々。

選手のチャントもキャッチーで覚えやすいし、フロンターレの中ではどういう名前で呼ばれているのかわからないけど、ウルトラスみたいな人たちがチャントの歌詞カード配ってるしで初めて来た人とか付き添いで来た人も楽しめると思う。ヤクザみたいな怖い人も見たことないし、汚いヤジとかも早々聞かない。

そういう環境なので初心者も気後れせずに気軽に行けるというのが、私が考えるフロンターレの2つ目の魅力。

ちなみに地理的にも行きやすいか?と言われるとそれはどうだろう。

最寄り駅は武蔵小杉で都内からもそこまで遠くないけど、駅から徒歩でスタジアムに行くとなるとちょっと迷うかも。所用時間は20分くらい?慣れれば簡単だし、行きはユニフォーム着てる人に付いて行けば着くので、帰りだけ気をつければ多分大丈夫。

 

★魅力3:意味わかんない企画

サッカーという競技での川崎フロンターレの強みは、攻撃力だと先述したけど、クラブチームや経営、エンターテインメントとしてのフロンターレの強みは独創的な企画を産み出す、企画力だと思う。

 

東急東横線とコラボして鉄道ヲタクを呼び込もうとした企画、ピッチにテント張って星を見る企画、 算数ドリルの作成、ピッチの周りにある陸上トラックにF1カーを走らせる企画、選手におかしなバナナの被り物被らせるプロモーション……

 

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「選手に何やらせてるんだよ…」「サッカー関係ないじゃん…」と思うものもあるけど、サッカーファン、フロンターレサポを増やして行くために裾野を広げる活動をすることは本当に大事。

サッカーに関心があれば、別に放っておいたってフロンターレに興味を持ってくれる可能性はある。じゃあ、サッカーに特に興味のない人にどう興味を持ってもらうか?どう引き込んで行くか?を考えたときに、上記のようなサッカーに興味を持つきっかけとなれる企画、イベントが重要になってくるんだと思う。

一方で、東北の被災地の子供とのサッカー教室みたいなことや、ホームタウンの川崎に向けたイベント等々、真面目!!!なイベントももちろんやっていて、そんなフリ幅大きめの、独創性溢れるイベント力が3つめの魅力かなと思う。

 

そんなフロンターレ、今シーズンはなかなか調子がよくて、現段階で1位の浦和レッズと勝ち点1差の2位。

今年こそ初タイトル穫れそうな位置にいるし、中村憲剛がカップを掲げてる姿が見たいのでまじで頑張ってほしい。私が応援しているチームと戦うとき以外で。

 

 

村上隆のスーパーフラットコレクション

 

数週間前くらいに私には何故か文化的なものを意欲的に見に行くブームが来ていて、普段だったら行かない村上隆の展覧会をなんとなく見に行ってみた。

そんな心持ちだったから事前情報とか全く見ていなくて、入り口から入って初めて、村上隆の作品が見られるわけじゃないことに気付いた。

 

並べられていたのは村上隆が集めた食器や絵、スカルプチャーなど色んな形の芸術作品で、現代美術が主だった。

印象的だったのは奈良美智の作品が結構たくさんあったこと。海外で評価されてる現代芸術家という共通点から、私は勝手に2人はライバル関係にあるのかなと思っていたから、村上隆奈良美智の作品を所有していたのは意外だった。

 

2/3くらい行ったところには村上隆のメッセージみたいなのが貼ってあって、そこには日本は芸術作品を所有するには不利な社会的システムがあると書いてあった。税金とかそういうかんじの。

美術館に行った同時期、私はギャラリーフェイクという漫画を読んでいて、その漫画の中でも日本が芸術作品を保有したり寄贈されたりすることで莫大な額の税金を払わなきゃいけないことについて触れられてる回があった。

ギャラリーフェイクはバブル期くらいの漫画だけど、日本の収集家を取り巻く環境は今も大して変わってないんだなと思った。

 

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スーパーフラットコレクションについては他に思うことはあんまりなかった。

そもそも私はあんまり現代美術系は好きじゃない。村上隆についての授業も受けたけど、弟子にほとんどの作業をやらせるオウム的見た目のおじさん、という印象しかない。浅くてバカみたいだし、じゃあなんで見に行ったんだってかんじだけどしょうがない。

 

ただ、スーパーフラットコレクションの中の一角にあった、おもちゃみたいなのが所狭しと積み上げられてて、マネキンみたいなのが大量にいる薄暗い空間はかなり好きだった。秘密基地みたいで。あと村上隆がいろんな種類のアートを楽しんでいることもよくわかった。

 

よくわかんなくても何か文化的なものに触れる時間は結構好きなので、今後も面白そうなのやってたら行ってみよ〜という軽い感想で終わり。

 

 

 

JFAで働けば?

以前、私がスポーツ(主にサッカー)の仕事がしたいと言うと、選手と結婚すれば?とよく言われるということについて書いた。スポーツの仕事と女 - was on Lily Ave.

 

その結婚すれば?と同じ位高い頻度で言われるのが、「JFAで働けば?」

こっちもサンプル数は少ないけど、相当数言われる。しかもみんな、すーごく簡単そうに言う。メロンパンが食べたいんだよねーって言う人にコンビニ行って買えば?というぐらい簡単に。

この発言に対しても、私は「うっせーーー募集がねーんじゃボケ!!」と言いたい気持ちをひた隠していつも適当に解答してる。

厳密に言うと、日本サッカー協会は2014年12月に求人募集をしてるけど、もちろん中途。新卒は応募できない。

 

そもそも、サッカーの仕事は基本的にコネでまわってる。多いのは元選手で、例えば元川崎フロンターレ伊藤宏樹も現役引退後はクラブチームに入って広報をやってる。

このシステムについては当然だと思う。誰もが三浦知良みたいに50近くまで現役を続けられるわけでもないし、本田圭佑みたいにクラブチームのオーナーになれるくらいのお給料をもらえるわけでもない。テレビの解説の席にもクラブの監督の席にも限りがあるし、何より小さい頃からずっとサッカーしかして来なかった人たちが、急に外の世界に飛び出してみたところですぐに何かを見つけることはできない。選手や環境を一番理解してる元選手がクラブチームに入るのは理にかなってる。

 

じゃあ(文系)新卒で応募できるのはどういう業種かというと、新聞社、テレビ局、制作会社、出版社、スポーツメーカー、広告代理店など。あとはほんの少しのクラブチーム(16卒のリクルートサイトに出てたのはベガルタ仙台ガンバ大阪)と、クラブへの出向を期待して親会社へ侵入するぐらい?

どれにせよ入社するのが難しい企業だし、例え入社できたとしてもサッカーを扱うような部署は数人しかいないようなところだから希望通りの職に辿り着く可能性はものすごく低い。私みたいにサッカーを仕事にしたい人はごまんといるだろうけど、座席は多く見積もってもせいぜい200とか?倍率の計算なんかしたくもない。とにかく需要と供給がまっっっったく釣り合ってない。

 

それでも、と上記の職種に応募して、そこで高頻度で言われるのが、最初の言葉。

ねぇJFAとかクラブチームとか簡単に入れると思ってる?オンシャみたいに毎年新卒採用してるとか考えてる?田島とか村井(敬称略)に新卒採用しろって言ってきてくれる?と言いたくなる。 

 

人気で席が少ないのを理解してる上で私はサッカーを仕事にしたいと思ってる。各採用担当者・面接官も志望動機がきちんとしたものなのか調べるためにああいう質問をしているのかもしれない。

全部ある程度は理解してるけど、それはどうしても納得には繋がらない。サッカーを仕事にするって難しい。

 

 

 

氷の花火〜山口小夜子

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2007年に急逝された山口小夜子さんが遺した遺品を死後8年経って初めて開封し、その遺品たちと一緒に彼女の人生やキャリアを改めて追った映画。

 

私が山口小夜子さんを知ったのは大学3年生のとき。銀座の資生堂でやっていた中村誠資生堂ポスター展みたいなのを見に行って、そこでなんだこのキレイな人は!と思った。(資生堂ポスターの色の綺麗さと中村誠の細かい仕事っぷりにも驚いた。)

それからこの映画を見るまで彼女が喋ったり動いたりしている映像を見たことがなかったから、勝手にクールな人を想像していた。特徴的な切れ長の目と赤いリップからもそういう印象を受けた。

でもそんな印象は映画を見たことで全く変わって、実はすごく可愛らしい人なのだということを知った。喋り方もそうだし、後輩モデルや同窓生、スタイリストなど周りの人のエピソードからもそう感じた。良い意味で普通というか、可愛らしいお嬢さん、みたいな表現がぴったりだなと思った。

あと本当は目がクリクリ系で大きくて、撮影のときはあえて細めてたというところはとても印象に残っていて、彼女の美しさは実は計算、演出されたものなのだとも思った。黒髪ぱっつん、白い肌、切れ長の目、赤いリップ、ゆらゆらした歩き方など、自分の武器をしっかりと自覚して効果的に使うことがどれだけ大事なのかがよくわかった。

 

そして、彼女は生涯を通してずっと色々なことにチャレンジしてた。日本人モデルなんて全くいない中でのパリコレモデルから身体パフォーマンス、デザイン、DJ、若手とのコラボ。そういう常に何かに挑戦していたり、新しいものを取り入れようとする姿からはかなり刺激を受けた。

 

映画の後半、松島花という現役のモデルを通して山口小夜子と再会するという企画があった。私は最初「なんか変なので終わりそう。オードリーヘップバーンに似せるやつとか大抵完成度低いし…」と思ってたけど、これがまじで山口小夜子との再会で、涙が出そうになった。本人を生き返らせて撮影したんじゃないかというくらいの完成度で、撮影に携わってた、生前の山口小夜子と交流もあったメイクの人とかカメラマンの人とかも大興奮で、とにかくすごかった。

それと同時に、あの関係者たちの喜びようからみんなまた山口小夜子に会いたいんだな、本当に早すぎ・予想外すぎる死だったんだなとも思った。

 

もしDVDとか出てレンタルされたら(可能性低そうだけど)もう一回見たい。てかもう一回映画館行こうかな。

 

 

柿谷曜一朗にはがっかりした。

柿谷のこの記事を今更読んだ。

 

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そして心底がっかりした。

 

Jリーグでも日本代表でも良いプレーをして、結果も出して、スイスに移籍。結果的に今回日本に戻って来ることになったけど色々考えた末の決断なのだろうからセレッソで、Jリーグで、また頑張ってと思ってた。

 

けど、さっきの記事を(今更)読んでびっくりした。

 

向こうで何をしていても、『セレッソやったら』とか『セレッソの選手とやっていたら』とかいつも頭にあって、試合に勝った負けただけじゃなくて、セレッソの誰かがケガをしたとか、そういうことも気になっていました。

 

はぁ?と思った。

 

私もしばらく海外にいたとき、同じように思った経験がある。

「もしあのまま日本にいたら、きっと今楽しくできたんだろうな」「家族はどうしてるんだろう、やっぱり日本を出るべきじゃなかったのか」など。

だけど私はそれなりの覚悟を持って日本を出たし、目的を絶対成し遂げようと思って退路は断って出発した。海外での生活の中で何回も泣いたし、もう帰ろうかやめちゃおうかと思ったこともあったけど、自分で決めたことだということと、ちゃんと達成して笑顔(もしくはドヤ)で家族/友達に会いたいと思って、結局やり遂げた。そしてそれは今の自分の自信にもなってる。

 

辛かったり、楽しかったり…まあ苦しいことや辛いことのほうが多かった気がします。ただ、言葉の問題はあったけど、サッカーをする上で言葉は関係ないし、チームメイトには十分信頼してもらっていました。パスが出てこないとか、そういうのは全然なかったけど、自分の欲しいタイミングでもらえなかったり、向こうの選手はどうしてもエゴがすごいから、なんでそんなこと無理やりやるんやろ、というようなことする。でも、それがゴールに繋がって評価されたりするんです。自分が認められて、次のステップ、次のクラブに行くんやっていう考えを持っている選手が多いし、もちろんステップアップすることはいいけれど、チームとして戦うという部分で、ちょっと違う気がしました。

  

この辺の部分からは、じゃあ何であなたは海外、しかもスイスのバーゼルというチームに行ったの?と思った。

スイスでは強豪だけど、実際ステップアップを目指す若者たちが多いクラブじゃないの?スイスはドイツ語圏でもあるし、ブンデス、そしてゆくゆくはどこかのビッグチームに行きたいのかと思ってた。

あと欲しいタイミングでパスが来ないのなら、パスの出し手にどのタイミングでパスがほしいかしっかり伝えるべきだし、チームプレーがしたいならそれもチームメイトに伝えるべきでは?あなた一人でチームプレーをしたいと思ってても一生できないよ。てゆーかそもそもチーム選びを間違ってるんじゃない?

 

海外移籍決定後の会見を改めて見ると、

 

Q.海外移籍でご自身はどういう選手になっていきたいと考えていますか?
A.プレーもそうですが、この半年間、チームとしても個人としてもいい結果が残せませんでした。去年はコンスタントに結果が出てて、自分の弱いところもありましたが、結果が出ている中で見落としてしまっていたのかなと思います。
そういうところがまだまだ弱いというか、セレッソの中心で絶対的な存在というのは、自分にはまだまだ早いのかなとも思いました。森島さんや西澤さんだったり、セレッソを支えてきてくれた人達のいいところっていうのを全部自分のものにできたら、もっともっと大きくなれると思いました。この半年間、すごく楽しかったですけど、色んな注目の中で自分に勝てなかったというのが正直一番悔しくて、だからこそ、自分が尊敬している人達のいいところを全部取り入れて、取り入れることができたら、またこのチームで本当の8番をつけられる選手になれるんじゃないかと思います。
だからそういう意味でこの海外挑戦というのは自分にとってかなり大きな出来事だと思いますし、自分は成功するとしか思っていないですし、それはサッカーだけではなく、全てにおいて成功するってイメージだけを今は持っています。 

柿谷曜一朗選手の移籍会見について | Cerezo OSAKA

 

結局彼はセレッソに強い愛着を持っていて、最終的には良いときも悪いときもセレッソの中心となれるような選手を目指して海外でも頑張っていたのだろうけど、息巻いて移籍したスイスで目立った結果も出せず、途中で諦めた(ように見える)人がこれから大変なシーズンを送るセレッソの中心になんてなれるのかな。玉田の方がよっぽど適任なんじゃないの。

 

なんかすっっごい甘ったれてるように見えて、とってもイライラした。セレサポでも柿谷のサポでもないのにこのイライラ感。

もちろん、シーズン後思いっきり手のひら返す可能性もあるけど(笑)少なくとも今の時点ではとにかく失望した。

 

それでも移籍前のシーズンの活躍は事実だし、代表戦で岡崎にゴール前ですごく優しくボールを落としてそれが得点に結びついたのも事実。だからむしろ手のひら返しをしたいので是非今シーズン頑張ってほしい。