しとやかな獣

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信じていない、昔から何も信じていなかった気がする。

理由は、自分が息をするのと同じ感覚で人に嘘をつく人間だから。簡単だ。

嘘をつくのは気が楽だ。いい人間だって思われるし、そういう様に生きてれば円滑に事が進むし、嘘が本音になりそうな気がするし、本当に欲しいものに気付いた時に絶望しない為の防御になる。

最良な事だと心の底から思う。

 

一応でも大事に思っていた関係について、考えている。

ただそうした方がいいのかなって瞬間に思ったから、人恋しかったし、簡単でいいかなって、優しくしてもらえると思った。

腕の中にいる時に言われた「好きだよ」だとか「ずっと一緒にいたい」だとか、一字一句完璧には覚えていないけれどそんな様な言葉達の事、恐ろしいと思った。

何故なら私が関係を壊してみたのと同じで簡単でいいって相手も思ったから言ったのが透けて見えたから。

言わなくてもいい言葉がこの世には沢山あって、アレがそうだった。形は全然違うのに私が昔の恋人に吐いた暴言みたいだなぁって他人事みたいに思った。

そもそもの関係は破綻していたなんて事、私を含む皆ゲーム感覚で人と関わっているなんて恐ろしい話。

 

大事なものを壊して死ぬ程安心する、死ぬ程安心して1人で眠れる、大事なものはない方がいい。今まで好きになった人の事、本当に大好きだったのにな。

今夜のキスで一生分の事変えてしまいたいよ

散らかしたオモチャを自分で片付けるのが大人、丁寧に元あった場所に戻す事が出来ない時もあるけどそれでも精一杯だったのだから、って自分を甘やかしている。

悲しくて苦しくてそれでも心地良くてどうしても一生忘れられないんだろうなって事、簡単に上書き出来ちゃうくせに簡単に夜中に思い出すから仕方なくうんうん唸って過ごす。夜の使い方がわからなくて朝になって重たくて仕方ない胃に珈琲を流し混んでとりあえず日中をやり過ごしてみる。
好きな人や好きなものが遠い時は毎日死んでいて、手に届く距離にある時にしか生きた心地がしないなんて、あんまりきちんと生きてない人間の典型の様な気がして、こういう自分の事はあんまり好きじゃない。

離れなきゃ辞めなきゃ、ダメになってしまうって思っていた事から今度こそ離れる決心が出来てよかった。
言いたい事を飲み込んだ分だけの沢山のやるせなさだけは中々消えないけどきちんと前を向けている。
あの二人が出演する映画 一緒に見に行きたかったなぁとか、本当はクリスマスプレゼント、年明けに会った時に渡す筈だったんだよ〜とか最後まで言わずにさよならをしたのは私のないプライドの中の少し残ってるプライド、持っててよかった。
家に忘れたままの私の指輪は海かゴミ箱にでもポイしてくれている事を祈りながら好きだった君の事と好きになったあの人の事を交互に考え
てとりあえずため息をついたりして、人生ってめんどい事ばっかりだね。

頬を撫でるくらいならここを刺して

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自分できちんと立とうとしているから生活を立て直そうとしているのだろうと思うけれど、間違いなく世界の誰よりも幸せだった日みたいな朝をこれから私は迎えられるのだろうか、きちんと地に足をつけて歩ける様になるだろうかとかそんな事ばかりを考えている。
自分とは違う柔軟剤の匂いとか、男の人なんだと感じた時の熱さとか、恋人を失うという事は触れてもいい肌を失うという事だとか、後ろから包み込まれる事の安心感とか、そういう事を思ったりしながらうじうじ泣いたり、元気になったりの繰り返しで、時間は進むのに心だけが置いてけぼりの気分。
出来るだけ幸せな夢を見れます様にと眠って、同性とセックスしたり皆にひたすら責められる夢を見る。
大人になる、というのはきっと弱さを上手く消化出来る様になるという事で、だとしたら私はまだ子供なのだろう。

目標を立てました。達成出来るかはわからないけれどただ頑張るしかないと思っていて、頑張るってこの一週間で何回言ったのかわからない位口に出してる、言霊があれば良いね。
守りたい自分の中の気持ちと清潔な心を汚さずに、本当に強くなれる時まで大切に持っていられますように。

それを魔法と呼ぶのなら

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いつもと少し違う街の様子で一年がもうすぐ終わるということにやっと気付いて、思い返せば気持ちの面ではめちゃくちゃ目まぐるしくて忙しかったなぁ、って色々を懐かしんでいる。

渋谷の街で見た1.2時間程度の触れられる夢と、一人でウルウルしながら心が踊った空間と聴こえた音は一生忘れられない位に最高だった、ずっと変わらずにあなたは私のヒーローだと思う。

二年間、唯一の拠り所だと思っていた気持ちと人を失くした事はそれはもう涙で海が作れるんじゃないかって程悲しくて最低で毎日泣いていたけどきちんと立ち直った、平穏を自分の手できちんと作れたのでこれからは大丈夫。
最低な事は今年のうちに供養、葬りされた事が嬉しい。

世界が狭くなったよね、と言われた事は少し堪えるけど今自分の目に見えている全ての事が好きだしそれを幸せな事だと思っている。
17歳の時から何か一つでも持っていられれば大丈夫だと言い聞かせて生きて来た、手に入れても満足に扱えない事も多々あるけど今自分が持っていられる3つの事をこれからも大切にしていきたい。
あと2日が無事に終わって、新しい年が来て、大切な人と過ごせる最高の秋が早く来ますように。


交わした温もりなんて思い出せないだろう


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もう冬本番、って感じの気温でコートを出しました、お気に入りのやつを。
冬は寒くて辛い。
しかしこたつで食べる雪見だいふくはめちゃくちゃに美味しいし、街中はイルミネーションでキラキラしててうきうきわくわくするし、雪が降ったら手を真っ赤にして遊べるし、ツンとした外気を感じながら吸う煙草は格別だし、冷たい体を温める行為は楽しいし、嫌な事ばっかりって訳でもない。

体が切なくなる様な思いに苛まれるのは春秋冬で、一番いい感じの切なさは冬にくる。
一年を振り返って反省したり懐かしんだり、先の事に思いを馳せたり、終わってしまう寂しさの代わりに悲しい事があっても今年中には終わって来年からリセット!と吹っ切る事が出来るし色々なプラスの切なさが良い、凄く好き。

子供の頃のクリスマスの朝のあの完璧さ、全てが揃っている様な気持ちになるそんな朝は大人になったら本当に少なくなってしまうけど、あの時の朝は本当に最高だからあと51046回位はそういう朝を迎えてやるぞ、と意気込んだ所存であります。

脱ぎ捨てた衣服は花びらのように床に散らばる

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「終わり」というものについて時々考える。
気持ちの終わりだったり、映画や小説の終わりだったり、人生の終わりだったり、1日の終わりだったり、毎日終わりがあるのにどこが終わりかも考えないまま、たいした感動もない様な生活を続けて歳をとる。
そして終わりがゲシュタルト崩壊する、わからなくなる。


隣を歩いて横目で顔を見て、相手が「何?」ってこっちを見る瞬間が好き。
振動に沿って規則正しく揺れる毛先を見るとたまらない気持ちになる。
私だけの感覚で、これがとても大事で、生きてく上で欠かせない気持ちの高揚。
寝る前に言うべきだった言葉は好きとかそんなんじゃなくて今日はありがとう、って多分それが正解だった。


美しいままのその花もいつか少しずつ乾いていくことになる

一人では生きてはいけない癖に一人で生きて行こうとしたり、逆らってみたり、心の中の消化出来ない物が堪らなく憎かったり、目まぐるしい変動に疲れながらも自分の中で起こる出来事を少しだけ愛していて誰も踏み込めない所がいいと思っている。


とある海外ドラマで「現実逃避なのかセックス依存性なのか自分でもわからない」というセリフを目にしてそれからぐるぐると考えている。
不安が少し和らぐからとか、好きで仕方がないから触れたいとか、気持ちが良いからとか、流れだとか、ただそこに異性がいたからとか、衝動だとか、そんな理由で色々な人と夜を共にしてきた分神聖さが失われてしまって、殆ど許されている事がない気持ちになっている。
自分の行動の分だけ試される事が増えていくし、信じられるものが限られていく。
18歳の頃の私はきっと今以上に寂しくて軽率で浅はかで現実逃避をしていて、今はある意味依存症の気があるのかもしれない。 
何事も、自分を信じていないから怖いのだ。