Shureのカートリッジの内部構造を調べてみました。
Shureの公式サイトには、Q&Aのセクションがあり、カートリッジの内部構造に関する質問に対する図解付きの回答が掲載されています。
https://service.shure.com/s/article/cutaway-view-of-a-moving-magnet-phono-cartridge?language=en_US
質問と回答の日付は2022年ですが、Shureは既にカートリッジ事業から撤退していますので、内部構造を公開しても問題はないのでしょうか。
しかし、この図がすべてのカートリッジに適用されるかどうかは明確ではありません。インターネット上には情報が溢れていますが、カートリッジの分解画像までは見つからないからです。
ただし、M3やM7を例にした特許には、この図に類似した図面が掲載されています。また、技術書のレコードプレーヤーにはShureタイプのカートリッジとして同様の構造が紹介されています。当時代表的だったShureタイプのカートリッジはV15 Type2だったそうです。
--
この構造の特徴は、コイルが4つあり、ボディの上部に配置されていることです。
これらのコイルは、左右のチャンネルごとに2つずつ逆向きに配置されており、外部からのノイズを打ち消す役割を果たしています。これは、ハムバッキングのエレクトリックギターと同様の原理ですね。
また、コイルがボディの上部にあるため、垂直トラッキング角が浅くなっても、カートリッジの底がレコード盤を擦ることはありません。
M44の前後に発売されたカートリッジも同様の構造を採用しているため、M44も同じ構造である可能性が高いかもしれません。