てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

「味方とは、どのような人か?」@antenna Coffee House

4月14日(日)は、哲学カフェ尾道

テーマは、「味方とは、どのような人か?」でした。

 

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前半は、

  1. 関係性がベースにある味方(家族など)
  2. 立場や価値観が同じことによる味方(同じチーム、仕事に関する考え方など)

という2種類の味方のちがいを中心に、後半は、ふだんは可視化されていない味方が可視化されるのはどういう時かを中心に対話が展開しました。

 

そのなかで個人的には特に、マスターの「単に賛同するのと、味方になるのはちがう。なんの表明なしに、心のなかで賛同しているだけでは、味方とは言えないんじゃないか?」という説が、印象に残りました。

最初は、なんとなくそうだろうなとは思うものの、その理由やなぜその説が重要なのか、わかりませんでした。

が、みなさんのスポーツ観戦やいじめ、職場での例をきくうちに、

  • 心の中で応援しているだけでは、相手に自分が味方であることが伝わらず、助けを求めることができないこと
  • 敵が多数を占める状況で「私はこの人の味方です」と表明することは、リスクを伴うと同時に、味方してもらった人にとっては大きな力となること

などなど、味方だと表明することに大きな意味があることに気づかされました。

スポーツ観戦で応援しているチームを着ること、いじめられている人に声をかけること、職場で自分の意見を述べること‥‥‥。

そもそも、ふだんは「誰が味方か」なんて意識しないことが多いけれど、スポーツ観戦のアウェイ戦や、いじめに遭ってるときなど、敵に囲まれている(ように見える)状況では、誰かが味方だと表明してくれるだけで、孤立した状況から救われるということ。

 

これは、今後、哲学を実践していくうえでも、人生を歩む上でも、忘れられない発見になりそうです。

 

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

 

 

次回の哲学カフェ尾道は、こちらです。

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ひさしぶりの、ことわざシリーズ。楽しみ♪

哲学者の道具箱をつくる

GWにやりたかったこと。

というわけではなく、これまで使ってきたものがだいぶへたってきたので、つくりなおさなきゃ、つくりなおしたいと思いはじめて早数年。

ようやく、哲学者の道具箱をつくりなおしました。

 

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デザイン:高橋綾

 

本当はデザインも自分で作り直せたらいいんだけど、10年ほど前に高橋さんにいただいたこのデザインに愛着が湧きすぎて、なかなかなかなか。

 

これまでは厚紙で強化してたけど、今回は、100均に売ってた硬質カードケースなるものを使ってみました。

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これなら汚れをさっと拭けるので、長持ちするのではないかと期待。

 

プリントした紙を中に入れて、

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裏にマグネットシートをぺたり。

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マグネットシートも100均で購入。

どのぐらいの大きさにカットしてどの位置に貼るかやや迷いましたが、30cm×10cmサイズのものを、1.5cm×10cmにカットしました。

これなら1シートで足りるし、粘着力も強すぎず弱すぎずちょうどよい感じ。

ホワイトボードなどに貼って使います。

 

今回つくったのは、A4サイズで、主に対面で使う用。

zoomなどオンラインの場合はもう少し小さめのサイズのほうが、画面でのおさまりがよく、使いやすそうです。

B5サイズか、もしかしたらハガキサイズでもよいかも?

 

ハガキサイズのは、松川えり展でディスプレイ用につくったのがあるので、5月5日の質問レッスンで使ってみて、小さすぎるとおもったらB5サイズもつくってみよう。

こういうトライ&エラーも、てつがく実践のうちですから♪

 

 

哲学者の道具箱について、詳しく知りたい方はトーマス・ジャクソン(訳:中川雅道)「やさしい哲学」をどうぞ。

 

似たような名前の、こんな本も出てるんですね。

こっちはもっとゴリゴリ勉強したい人向けかなぁ。

 

 

 

高校生+αとの対話あれこれと、かつて高校生だった人たちとの再会

先週は、めずらしく高校生(+大学生や若者)とたくさん対話の機会をいただきました!

 

23日(火)、24日(水)は前述のとおり、徳島県立池田高校へ。

matsukawaeri.hatenablog.com

 

 

1日あけて、26日(金)は福岡の純真高等学校へ。

 

junshin-hs.ed.jp

※記事では混乱を招かぬよう「松川先生」となってますが、当日はp-name「みにまむ」を使用。

 

なんと職員さんのなかに池田高校の探究科出身の方の方がいて、その方がご縁をつないでくださったんです。

池田高校の探究科とは1クラスの人数もだいぶちがうし*1、1回の時間もちがうし*2、たぶん生徒さんの性格やタイプみたいなものもちょっとちがうので、今後、純真高校のためのプログラムやテーマを考えるのが楽しみです。

なにげに、教職員の方がたくさん一緒に楽しんでくれたのもうれしい。

 

 

さらにその翌日の27日(土)は、オンラインで、北海道大学の研究プロジェクトを通じてできたご縁で、高校生+大学生+社会人1年生の方を対象とした哲学対話。

「新生活 予想通り?予想と違った?」からはじまって、計画どおりにいかないことは悪いことなのか→大人と子どもの境界って?と展開しました。

って、これだけきいても、「なんでそのテーマから、その話になるの?」って感じかもしれませんが。大人になると、予想できることが増えるのか、計画どおりに自立して遂行することができるのか、といったポイントがいいつなぎになっていた模様。

 

 

‥‥‥と、大変充実した週でしたが、高校生と対話すると同時に、かつて高校生だった人と再会できたという意味でも、感慨深い週でした。

高校生時代に哲学対話や探究活動を体験した人が、常識にとらわれず柔軟に、社会の仕組みや人とのご縁を上手に活かしながら、生き生きと働いている姿をみて、なんて頼もしいんだろう、と。

純真高校で再会した方とは久しぶりにワークもご一緒することができたんですが、哲学力がパワーアップしてたことにも、びっくり。

 

それはきっと元々その方たちがもっていた力なんだろうけど、きっと他にもたくさんの出会いや出来事があって彼らの今があるんだろうけど、その力が遺憾無く発揮されるのに、哲学対話や私みたいな一風変わった仕事をしている大人との出会いが、もしほんの少しでも寄与したのだとしたら‥‥‥うれしいなぁ。

というのはおこがましいかもしれませんが、少なくとも、ポジティブにあの時間を覚えてくれてたことに感謝。

 

かつて高校生だった人と再会できたおかげで、いま高校生のみなさんの未来も楽しみになりました。

 

*1:池田高校は35名前後、純真高校は13名

*2:池田高校は2時間、純真高校は45分×3コマぶちぬきの2時間半