【書評】未来の年表 人口減少日本でこれから起きること/河合雅司
人口将来推計を用いた未来経済の予測方法がある。
ある問題に対して何の対策も行わなかった場合、
もしくは対策を実施したが効果が得られなかった場合、
この方法でほぼ確実に起こりうることを予測できるわけだ。
戦争や天災などの有事が発生した場合を除いて、
この推計が大きく外れることはないという。
つまり、マユツバなトンデモ未来予測などとは違い、
その予測から得られる結果にはある程度信頼がおけるのだ。
その点を抑えた上で本書を読み進めると、
日本には暗い未来しかないという現実が嫌というほど分かる。
しかし、今後も日本で生き続けようと考えているのであれば、
この現実から目を背けて生きることはできない。
なので、日本で今後起こりうる大きな事柄を把握しておくためにも、
是非目を通しておきたい一冊である。
今後の日本がどうなっていくのだろうと不安を抱えている人や、
新しいビジネスを展開していきたいと考えている人、
特に若い人は絶対に読んでおくべきである。
なぜなら、不安というのは漠然としているから発生するわけで、
「具体的にこうなります」と言われれば単なる問題や課題に変わるからだ。
また新しいビジネスを探る上でも本書は有用である。
世の中にある商品・サービスはすべて、
何らかの問題や課題を解決してくれるから存在している。
その意味で、現在から今後日本が確実に直面する問題を先取りして
サービスを提供できる者だけがビジネスを成功に導くことができるとも言える。
高齢者が今から20~30年後の日本を考えることにあまり意味はない。
しかし今10~20代の若い人にとっては、
うっすらとでも考えておかなければ損をするとも言える。
自分は何が好きで、何をやりたくて、何をやりたくないか。
これらは自分で探っていくこととして、
それとは別に日本で生きることを選択するのであれば、
今後日本がどのような社会になっていくかを知っておくべきだろう。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
- 作者: 河合雅司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/06/14
- メディア: 新書
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藤田孝典氏の『貧困世代』を読んで思ったこと。
確かに日々生きにくさというのを自分も感じている。
この「生きにくさ」というのは漠然としているので、それを少し言葉にしてみる。
たとえば、病気や事故、介護、子育て等によって一時的に自分が離職し、再度在職時と同じ条件で社会復帰できるのか?ということを考えてみる。
またたとえば、大学は中退したけど、仕事をしていく中であるテーマについてもっとアカデミックに研究してみたいと思ったら、それが容易にまたはそのチャンスがあるのか?ということを考えてみる。
いずれの問いについても、現在の日本社会では一般的でない、もしくはかなり努力が必要という現実があると思う。
しかも努力だけではなく、運も左右するのかもしれない。
どんな人にでもチャンスがあるという社会にしていかないと、一度キャリアから外れてしまった、こぼれ落ちてしまった人には絶望しか残らないだろう。
なぜ結局は仕事のことについて言及することになるかというと、言うまでもなく最後は経済力がものを言うからだろう。
読みたくなる書籍のテーマはいつも偏る件。
これまでいくつかの選書方法というのを試してきた。
しかし自分が読む書籍の選書方法というのは、大きく分けて2通りしかないと思う。
「自分で選ぶ方法」と「他人に選んでもらう方法」。
これら双方には良い点・悪い点あると思うので、各々簡単に触れていきたいと思う。
【自分で選ぶ方法】
◆良い点
・自分が興味のあるテーマやジャンルの書籍を選ぶので、購入の決断もしやすい。
・割りと高価な書籍でも購入へのハードルは下がる。
・特定のテーマやジャンルを掘り下げるのには向いている。
◆悪い点
・自分がすでに知っていることを再度確認するだけになっていることが多い。
・自分の視野や知見が広がらない。
・よって新しい発見や気付きは少ない。
・特定のジャンルやテーマに偏りがち。
【他人に選んでもらう方法】
◆良い点
・自分では絶対選ばないようなテーマやジャンルの書籍を読める。
・視野や知見が広がる。
◆悪い点
・興味がなくつまらないなと感じる分野の書籍については時間とお金の無駄になる。
・誰に選んでもらうかというのが重要である。
ざっと思いつくままそれぞれ列挙してみたが、双方に一理あると言える。
なので使い分けが重要になってくる。
自分で選んでばかりだと新しい発見や気付きは得られないし、視野も広がっていかない。
また他人に選んでもらってばかりだと、そのうち自分がどんな情報を欲しているのかがよく分からなくなってくるだろう。
もし自分が今どんな書籍を読んだら良いのか分からない場合は、信頼性が高そうな著名人や文化人、知識人、ブロガーなどが薦めているものを読めばいい。
しかし自分が興味あるテーマやジャンルが分かっている場合は、わざわざ他人に選んでもらう必要はないだろう。
ちなみに自分が先日まで読んでいた書籍はこれだ。
我々は自由を自らすでに放棄しつつある。
そしてそれはSF世界でのシミュレーションではなく、現実に起きていることだ。