南方熊楠のこと

南方熊楠]というカテゴリーを作りたい。このブログを始めたときに、ebikusu は海老楠ということだから、南方熊楠のことを多少は意識していた。しかし、熊楠のことに非常に興味を持っていたかというと、それほどでもなくて、熊楠の書いたものをどれくらい読んでいたかというと、ほとんど読んでいないに等しかった。

だからこのブログの最初期の2007年頃に、なにも知らない大胆さで「南方熊楠の『十二支考』の読み方」などというエラそうな文章を書いている。今読み返してみると、恥ずかしくなってくるが、それでも大筋では間違ったことを書いているとは思わないから、時間が経っても、当初の発想を覆すほどには、進歩をしていないということか。

その後、多少なりとも熊楠のことと関わるきっかけがあって、少しずつ熊楠に関する知識も増えていった。熊楠全集を買ったのは2010年だったが、最近では、全集のような場所を取るものは、古本としても値打ちがないのか、かなり安い値段で買えた。これに加えて、『南方熊楠大事典』が2012年に出たときに買っている。これで、多少なりとも熊楠の全体像を意識するようにははなったが、熊楠のことについては、生涯かけて調べている人がいっぱいいるだろうから、そんな人たちからみれば、いつまで経っても熊楠初心者ということになる。

過去にこのブログに書いた記事の中から、南方熊楠に関するものを拾いだしてみると、自分なりに、接点があるところ、具体的なところから、熊楠に取りついて来たように思う。熊楠という巨象に対して、ほんの一端を突っついてみただけに過ぎない。それでも、世の中の熊楠解釈が、彼の天才ぶりや、奇人・変人ぶりと結びつけて、妙に神秘的な深遠さを強調しすぎているように思えるので、その裏返しを目指したい。


以上の文章は、2015年の初めころに、メモとして書いていた。2015年は、私にとっての「熊楠元年」とも言える年だった。その後、ブログそのものをほとんど書かなかったので、そのままで来ていた。今後、南方熊楠のことは別の実名ブログで書くつもりでいるが、以前に書いたもののまとめとして、カテゴリーを作っておきたい。

カウンターが50万超え

このブログのカウンターが少し前に 50万を超えたようだ。この50万という数字は、私自身がアクセスしたものや、私が記事を更新をするときにアクセスしたものも、回数に含まれているので、2割くらいは水増しになっているように思う。昨年は、まる一年間全く更新をしなかったので、放置状態になって来た。

頻繁に更新をしているときには、自分の書いたことの反応が知りたかったので、アクセス履歴やカウンターの推移なども気になっていた。40万を超えたのが2015年の5月だったようで、まる2年で10万ということになる。1年で5万という数字は、1月平均で4000前後ということで、意外と見てもらっていることになる。

どの記事がコンスタントに読まれているのかは、気になるところではあるが、他人とは少し違った視点で書かれた文章だろうから、Google の検索でたどり着いた人たちが、果たして希望通りの情報が見つかったと思ってもらえただろうか…。

このところの生活状況では、なかなか以前のような生活習慣にならないようで、また当分は更新しないかも知れない。それでも、ここに書いた発想は、自分にとっては相変わらず考え続けている事柄であったりするので、折にふれて読み返したりもしている。

いずれにしても、相変わらずこんなに多くの人々に読んでもらっていることに感謝します。

ゴマフリドクガ

1ヶ月前に見たガなのだが、ここに掲げる。



(2015/09/29 撮影)

同定のときにいつも利用させてもらっていた岐阜大学教育学部のサイトを、久しぶりに見て、意外と簡単にゴマフリドクガにたどり着いた。

さらに、【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】も見ても、ゴマフリドクガで同定は間違っていないと思えるのだが、そこでの幼虫の図が、黒と黄色混じりの模様で、かつてあまり正確に同定出来なかった幼虫に似ているようにも思えた。


このブログの記事で、以前に「モンシロドクガ?」としたものに、似ているような気もするが、なにしろ写真が下手くそで、特徴があまりよくわからないので、なんとも言えないようだ。

この黒と黄色混じりの幼虫は、今後も注目するようにしたい。

クサカゲロウの幼虫?

昨日久しぶりに書いたので、それに続いて、以前に写真を撮ったものを掲げておきたい。




(2015/09/30 撮影)

この写真を撮ったときに、なにかの幼虫で、たしかクサカゲロウの幼虫がこんなものだったのではと思ったものだった。

ネットでクサカゲロウの幼虫の写真を見てみると、細かなゴミをまとっているものが多くて、この写真は脱皮直後だったのか、きれいな体をしているように思える。それでも、どっちが前か後ろかも分からなくて、なんとなく自信がなくなってくる。腹側に口のようなものが延びて、下にいる黒い虫を押さえつけているようにも見えるが、よくわからない。そんなことを忘れずに考え続けるためにも、まずはアップロードしておきたい。


クサカゲロウの卵については、最初“正体不明の生物”として掲げ、その後優曇華うどんげ)と呼ばれるものとわかったのだった。そのときから、もう5年になるようだ。

サツマシジミ

ブログを書くペースが乱れてしまって、半年ほど書かなかったことになる。路傍百種も500種を越えて安心してしまったのか、ちょこちょこ新しい種類も見つかったりするのだが、載せないままで来てしまった。

それでも、このサツマシジミは掲げておきたい。今年の9月頃に、シルビアシジミが珍しいというので、実際の標本を送るようにとの依頼があって送ってみたら、シルビアシジミに混じって、ルリシジミとサツマシジミが混じっているとのことだった。サツマシジミはそれまでに識別していない種類だったので、ぜひ写真に撮ってみたいと思っていた。



(2015/11/01 撮影)

後翅の外縁部に弓状紋がないことで、止まってくれさえすれば、区別は容易なのだが、飛んでいるもので、なんとなく分かるところまでは行かない。今日の昼間は、秋もたけなわで、わりと多くの種類のシジミが飛んでいたのだが、種類を数え上げるところまでは行かなかった。

ツルギアブの一種、ハナバエの一種(茶色い翅)、マルボシヒラタヤドリバエ

4月も後半になって、生物の動きも活発になって来て、新しい写真もたまって来たので、順次掲げて行きたい。まずは、同定の難しいものを一気にかたづけたい。


ハエの仲間は、これまでも同定できないままに、何度か掲げている。前に掲げたものも忘れかけていて、同じものを掲げるのではないかと危惧するのだが、なんとなく新しいものを見かけたということで、写真を掲げる。これまでにこのブログで取り上げたハエは、「ハエ ebikusu」で画像検索をすると、一通り見つかるようだ


●ツルギアブの一種

この“ハエ”は、ソメイヨシノの花が咲いたときに、花の中に頭を突っ込んでいるところを写真に撮った。




(2015/04/04 撮影)

このような写真で、同定ができるとは思わなかったのだが、翅脈がよく写っているので、そこからグループが決められるのではないかと期待した。真ん中あたりの部分で、後方に向かって二又に分かれている翅脈が印象的だった。

それで、翅脈の各部分の呼び方を勉強しようと思ったのだが、意外と適当なサイトが見つからなかった。このページの図によれば、二又の部分は、R4 と R5 と呼ばれる脈らしい。

結局、翅脈の方から、グループを決めるということはできなかったので、いつもの岐阜大学教育学部のサイトで、絵合わせで調べると、『ツルギアブのなかま』に似ているように思える。


さらにツルギアブということで、検索をしてみると、こちらの『田中川の生き物調査隊』のサイトにある写真などと、翅脈の感じなどは一致しているように思えるので、このあたりのグループということで、それほどハズれてはいないのではないだろうか。



我が家のソメイヨシノは、2013年にブログに取り上げたときには、2009年に植えて以来、初めて5個の花が咲いて喜んでいたが、2014年には数十個の花が咲いて、今年はおそらく100個以上が咲いてくれた。それでも、枝全体が花で覆われるところもあれば、花芽が付いていない枝では、緑の葉っぱが同時期に出て来て、ソメイヨシノらしい花の咲き方にはなっていなかった。



●ハナバエ?の一種

このハエは、センダンの木の芽生えのところに止まっていた。




(2015/04/11 撮影)

それなりにうまく写真に撮れたと思ったのだが、まったく見当がつかない。それでも、岐阜大学のサイトでの絵合わせで、ハナバエの仲間ということで、エイヤーと同定しておく。


我が家のセンダンは、これまでに2回取り上げている。1回目は2010年で、そのときには、私の背丈よりも低かったのだが、2回目は2013年に、初めて花を付けたときにも取り上げた。実は、2010年頃に、種を撒いて芽生えたものが一気に生長して、それも昨年あたりから花をつけるようになった。今日の時点では、どちらの株も、春の新芽を広げたところだが、葉の間に花のつぼみがいっぱいぶら下がっている。5月の初めころには、うす紫の花が満開になることを期待している。



●マルボシヒラタヤドリバエ

このハエは、コデマリの花のところを飛び回っていて、ひと目で、見たことのないハエだと思ったのだが、止まったところをうまく写真に撮れず、一枚だけを遠目で撮っただけだった。



(2015/04/16 撮影)

それでも、お腹の部分が特徴的な模様なので、マルボシヒラタヤドリバエというハエのようだ。


マルボシヒラタヤドリバエで検索をしてみると、このハエは、チャバネアオカメムシに寄生するらしい。それで、アオカメムシの類は、農業害虫であるから、天敵として研究されているらしい。我が家の周りでも、2013年の秋に大発生して、秋に越冬したものが、2014年の春にも大量に出現していた。ミカンなどに取り付くので、ペットボトルでカメムシトラップを作って、採集したものだった。

そういうカメムシの大発生があって、このハエが出たのだろうか。この写真の後、再度見つけていないが、今後も注目したい。

五百種到達:500種といっしょに暮らす

上のトビで、路傍百種自宅編は、500種に到達した。400種に到達したのが2012年の8月末だったから、二年半くらいかかって新たな100種を付け加えたことになる。2013年の5月頃には450種を超えていて、500種突破もそんなに遠い話ではないと意識し始めたところで、2013年の夏は猛暑となったり、2014年はいろいろあったりして、足踏みをしてしまった。

500種という数字自体は、これまでの100種毎の段階と同様に、特別な意味があるとは思わないが、それでも、かなり頭打ちになっていて、そろそろ上限かと思ったりもする。600種まで到達するためには、少し毛色の変わった生物群が同定できるようになるか、我が家の庭の環境が変わって行くことが必要なように思える。

500種のうちには、一度だけしか見たことのないものもあるし、植物などでは枯れてしまったものもある。また、季節的に出現する種類も変化するから、常に500種と向き合っているわけではないが、それでも「500種といっしょに暮らして来た」のかと思うと、感慨がある。


例によって、今回の100種について分析する。2013年冬から春にかけて、庭の植木や畑の作物をかなり取り上げたことがあったから、植物の数が少し増えたが、それでも動物71種、植物29種で、動物が圧倒的に多かった。また、未知のものが71種、既知のものが29種で、既知のもののうち、植物が21種で、大半は園芸植物や作物などだった。自然に生えている植物(帰化植物を含めて)では、ほとんど新しいものが見つからないから、それなりに種類を網羅しているものと思っている。

当初は、路傍百種そのままに、まずは全体で100種を超えて、次に植物100種、昆虫100種に達することを目標としていたから、植物で208種、動物で292種(昆虫で259種)に達して、この点では目標達成ということになる。残る目標は、さらに下位の分類群(例えば植物の科レベルや、昆虫の目レベル)で、100種を超えることだろうが、我が家の庭程度の広さや環境の多様性では、これはなかなか難しいものと思える。


それでも、我が家の庭にいる種類を出発点として、周辺の場所にいる種類を観察すると、我が家にいるもの・いないものとして、識別することができる。今後は、自分の生活圏の中で、周辺の地域のものも含めて付け加えていきたい。