エビ・リムの日記

シンガポールで運動しない

ギルシャハムと真夏

先週の木曜日、ギルシャハムが来るし、真夏の夜の夢も聴けるよと友達に言われ、あわててチケットをとり、会社帰りにエスプラネード(シンガポールで一番大きいホール。ドリアンの形をしている)に行ってきました。

www.esplanade.com

ギルシャハムっていうのはイスラエル人の、アメリカと造詣の深い、日本でも人気のヴァイオリニストで、ストラディバリウスを貸与されてて、神童と言われておじいちゃんまで来た人です。真夏の夜の夢とは、シェイクスピアのあれをもとにメンデルスゾーンが書いた曲で、超有名なパパパパーンていう結婚行進曲も入っています。開演までのウェイティングの時は、各国の結婚式の話とかで盛り上がりました。シンガポールでは300人くらいお客さんを呼ぶのが普通だそうです!

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ちなみにエスプラネードは設計者どうしたっていうくらい一番前の席が近すぎて、もう奏者まで手が届きそうな感じです。ちなみにこの写真は3列目から。これ多分クラシックきかない人にはあんまり知られてないのですが、ホールの前の方は特にオケの音響が悪いので、比較的安いチケットです。私と友人は自分でも楽器を弾くので、むしろ前で指先とか息遣いとかガン見できるこの位置取りは嬉しいです。(ギルシャハムは指揮台の真横くらいに立ってました)

ギルシャハムだけではなく、多くのベテランと呼ばれる人たちは、すでに技術的正確さや煌びやかな音色という意味でのピークは過ぎているはずで、ライブのとき、他のところでどう勝負をしているのかという点がきになるところです。(やっぱり帰宅して彼の過去の動画を見てもそう思いました)

正直なところ、彼の場合はフレイズが吟味されているようなスタイルではなく、音のつながりなども計算されつくしているようなタイプのものではないと感じたり、高音がぱりっとしてなくて、ずっとかるーくふわふわと弾いているコンチェルトで、わたしの好みの演奏ではなかったけれど、感想としては、まず、何をおいても、とてもかわいい。弾いている間ずっと、コンマスにいたずらしたり、近すぎるエスプラネードの客席の人たちにウインクしたりしながら、意識をどこかに置いているようにくるくると何気なく弾いていた。そして今の彼のスタイルは、プログラムのメンコンではなく、アンコールで弾いたバッハ(2曲も弾いてくれた!)のほうがとても合っていたと、感じました。

ところで、楽しみにしていた真夏の夜の夢は、結構事故率が高くハラハラしてしまいました。SSO(Singapore Symphony Orchestra)の演奏を聴くのははじめてでしたが、次回に期待することにします。

シンガポールのUPLINK?The Projectorに行ってきた

theprojector.sg

ここ、The Projectorは、シンガポールでは珍しい名画座です。入った瞬間、シンガポールにもこういうところがあったんだなー最高、と思いました。渋谷のUPLINKとか、早稲田松竹を思い出します。

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シンガポールに来てまだ半年ですが、人間を体育会系と文化系の2つのグループに分けた場合、シンガポールは文化系を趣味とする人びとも場所も需要も少ないんじゃないかという予感が日増しに増大していたため、これの存在を知ったことは大変嬉しいことでした。古い映画館を改装して作られていて、レトロスペクティブな感じもグーです。

私はハートが強いタイプではないので、ホラー・スプラッター・あまりに悲しい話はなるだけ見ないようにしています。しかし、今回は、タランティーノ好きの旦那さんのすすめもありキルビルvol 1&2を見るイベントに参加しました。NOW SHOWINGの看板がゆるい。

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こんなに面白いんだったらもっと早く見ればよかった。タランティーノだからもちろん痛いのですが、でも、そのほとんどがきっと意図的にフェイクな感じにしてあるのと、そもそも壮大なギャグ映画なので大丈夫。

次はApril and the Extraordinaly Worldを観に来ようと思います。次回はちゃんと映画の前に美味しいタイ料理を食べる(注;このあたりはタイエリアで、隣のビルにはタイが集結したような濃いモールがあるが今回は料理チョイスに失敗した)。こういう、通いたい場所が増えてくといいな。