Google Pixel 4で推しを撮ってみた
はじめに
【本エントリ内で使用している画像について】
12月1日に行われたイベント中の許諾に基づきSNS(はてなブログ)に掲載しておりますが、万が一然るべきところより警告があった場合には即刻画像を削除させて頂きます。
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日プの沼へ頭のてっぺんまで浸かりつつ、今年も推しの久保田悠来さんのイベントへ行ってまいりました。
ここ数年は久保田さんの誕生月である6月前後と、年末年始が恒例となっているファンイベント。久保田さんと事務所側のご好意により、イベント中には撮影タイムが設けられている。ツーショよりも推しを単体で残したい派のわたしにとっては神のサービスなので、ツーショは最悪なくなってもいいから撮影タイムだけは継続してほしい。
しかし、おたくの構えるカメラの画角に満遍なく収まれるよう会場内を隅々まで練り歩く推し(優しい)(好き)を撮影するにあたって、最近までわたしが使用していたスマホのカメラは非常に脆弱だった。
モザイクは別として、被写体がブレている上画質がガビガビ。画質がクソでも推しの顔は天才(それはそう)
一眼やコンデジを持ち、推しを高画質で残すことに命をかけるお姉様方もいらっしゃるが、粗雑な自分に高価なカメラは豚に真珠と思い、手が出せないでいた。ただでさえ遠征で毎回荷物が多いのにレンズの管理までできないし(本音)
余ったチケットでプロのカメラマンを雇うことも考えたが、グレーすぎるので流石に止めた。今回イベントを控えたタイミングで運悪くスマホのカメラアプリが起動しなくなってしまったため、重い腰を上げてスマホを買い換えることにした。
Android派なのでめちゃくちゃ候補が多く、一生頭を抱えるおたく。
カメラに比重をおいていろいろレビューを読み漁っていたところ、こちらのエントリに辿り着き、Pixel 3aを最有力購入候補としてショップへ向かった。
そこで一目惚れしたのが今回購入したGoogle Pixel 4。
廉価版のPixel 3aでも充分かなと思ったけれど、より高精度な写真を撮れるという4に軍配が上がった。
日常的に使用する上でもかなり助かっているけど、今回はカメラ機能のみに絞ってレビューしていきたい。
完全にPixel 4のダイマのつもりでこのエントリを書いています。おすすめ。
トップショット
ミスショットばかりを集めた映像のラストに「失敗写真にさようなら」。めちゃくちゃ心強い。この機能を使ってみたくてPixelシリーズを選んだと言っても正直過言ではない。
なにしろ動き回る推しを撮らねばならないので、事故画は許されないのだ。
トップショットは、通常の写真+前後3秒間の映像を記録して撮影するモーションフォトから、AIが「これがいちばんよいのでは?」と最良の瞬間を提案してくれる機能。すごい。
モーションフォト≠連写であるのがミソ。
連写だと見返しながらこれはブレてる〜、これはブレてない〜って仕分けしないといけないけど(そしてだいたいブレている、かなしみ)、トップショットはAIが自動的にピントや目線が合ったものを選んでくれるのでめちゃくちゃ便利です。
加えて、AI任せでなく自分で選びたいおたくも安心。
保存された部分は全てキャプチャ可能。
おたくはカメラロールの整理が出来ない生き物なので、この機能はこの先のおたく人生においても間違いなく重宝していくことでしょう。
超解像度ズーム
今回めちゃくちゃ助かった機能。
最大8倍までのズームが可能で、離れた被写体にズームしても細部まで綺麗に撮れるのが特徴。ガビガビしないのが最高。
クソ席から8倍ズームを使用して撮影した推し。よき表情ですね。
望遠レンズに加え、潰れてしまった部分の写真の粒をAIが自動補正して色調を整えてくれるため綺麗に映る仕様。よくわからんけどAIえらい。
Pixel 4をおすすめしてくれた某ショップのお兄さんいわく、自分では目視できないほど遠くにある看板の文字をこの機能で撮影すると、撮った写真では文字が読めるようになるらしい。(3へぇ)
めちゃくちゃ詳しく話してくれるお兄さんに対し、流石に離れた場所から推しを撮りたいだけとは言えなかった。
使用しなかった機能
ポートレートモード
静止している対象を撮影するならともかく、会場内を歩き回っている推しを撮影するには不向きと考え、今回は封印。撮影後にぼかしの焦点や量を変更できるのが高ポイント。
イベントで引いた1,000円のキットカットと狡噛さん*1のアクスタをポートレートモードで撮影してみました。
めちゃくちゃ高精度なので、何ショットかはポートレートでも撮ってもよかったかも。
夜景モード
夜景でも非常に明るく映る。三脚を使えば天体写真の撮影も可能らしい。
eプラスリビング、照明がアレ(オブラート)なので推しが動かないならワンチャン夜景モード使ってみてもよかったけど、撮影後数秒待って夜景モードの処理をかけないといけないため今回は封印。
反省点
モーションフォト、連続使用できない
イベント昼の部の写真を見返していて、モーションフォトで撮影したつもりが通常撮影になっている写真が数枚あった。
どうやらモーションフォト前後三秒間の記録が完了する前にシャッターを切ってしまうと、自動で通常モードに切り替わるのが原因だった模様。
シャッターを切るのに必死で気づかなかったのと、日常でモーションフォトをぶん回して連続使用する機会がなかったので盲点だった。
夜の部参加時には無事改善。
結果ブレる
これはPixel 4が悪いのではなく撮影者のメンタルの問題です。
推しを合法的に撮影できるというシチュエーションにテンションが爆上がりしてしまい、推しがいかに時間をかけてゆっくり会場内を歩き回ってくれても、近くに来たら顔が良すぎてブレるし、こればっかりはPixel 4を責められない。
もう撮影タイムが恒例になって二年くらい経つけど、近くに来てくれたときの写真とか目線くれてる写真は全部ブレてる。草。
さいごに
予想以上にいい仕事をしてくれたPixel 4、これからたくさんこのカメラで思い出を蓄えてゆくことでしょう。
今年は推しの活躍をたくさん見られた一年だと思っていたけど、今年携わった作品をどうやって作っていったかとか、撮影の裏話をたくさん話してくれて嬉しかったし、やっぱり俳優として役と向き合っている推しが好きだなあと改めて実感した一日でした。
最後におたくがまじめな話をしても、茶化さないで応じてくれるようになったことが感慨深い。
イベントの最後の挨拶で、(おたくが)毎日を頑張る理由に自分がなれるよう精進する(意訳)って言葉にしてくれたのも嬉しかった。
数年前に界隈をざわつかせた伝説のイベント*2を近々企画されているようなので、実現するかわからないけど貧乏おたくは貯金頑張りますぴえん。
今日は猫ひた観覧!オワリ。
*1:舞台版「PSYCHO-PASS サイコパス Chapter1-犯罪係数-」
推しが『猫のひたいほどワイド』新MCに就任して1クールが経ったので雑感を書くよ/猫ひた観覧まとめ
今日から2クール目に突入してしまいましたわはは
舞台上で猫になってしまうほど*1猫といういきものを愛してやまない推し・久保田悠来さん(38歳・俳優・神奈川県平塚市出身)が、2019年4月よりtbk「猫のひたいほどワイド」月曜日のMCにめでたく就任されました!
ごきげんよう久保田悠来です。
— 久保田悠来 (@yuk1_kbt) 2019年3月15日
この度『猫のひたいほどワイド』月曜MCに就任となりました。
僕自身ねこ耳に水なお話でした。
出身でたり馴染みある神奈川県、ねこ…そして何より久保田悠来にお昼枠というTVK様の英断。
前任者からの肉球バトンタッチを受け番組を盛り上げられればと思います。#猫ひた https://t.co/Bk3muz3oVS
主演舞台「仮面ライダー斬月」大千秋楽の翌日、4月1日の初回放送から7月1日でちょうど1クール。久保田さんいわく“第一章”、無事の完走おめでとうございます!!!
わたしも3月の舞台斬月から7月の映画GOZEN初日舞台挨拶まで、自宅(東北地方)と京都東京名古屋大阪+週1横浜を全力で飛び回っていたので、7月はめちゃくちゃ在宅しました。
──2019年4月1日、猫ひた新MCとして颯爽とお茶の間に登場した久保田悠来さん。就任当日が新元号発表と被るというまさかの奇跡を起こした彼の猫ひた初任務がこちら。
ごきげんよう久保田悠来です。
— 久保田悠来 (@yuk1_kbt) 2019年4月1日
本日4月1日月曜正午tvk『猫のひたいほどワイド』新MC就任致しました。
まさかのお昼…そして最初の仕事が新元号『令和』を生放送にてお茶の間に。
エイプリルフールに嘘みたいな本当の話です。
頼もしい猫仲間と時代超越ポーズ。
毎週宜しくお願いします。#猫ひた pic.twitter.com/TG7dQ5cI8T
遡ること約5ヶ月前、舞台斬月へと通うため日本青年館と職場をエンドレスループしていた3月中旬、突如発表された久保田さんの猫ひたレギュラーメンバー加入のニュースは寝耳に水でした。
猫ひたの存在は知っていたものの(『オガッタ!?』の神奈川県版くらいの認識)、放送圏外に住んでいる身としては観覧システムを含めたすべてが未知の領域で、観覧予約ひとつ取ってもハードル高いな〜と二の足を踏みました。前年度からの出演者が多いためにTwitterにも詳しい観覧方法のフローがなく、観覧予約確定までの情報収集にとても苦しんだので、自分のためにも予約から観覧参加までの流れを記録しておこうと思います。どなたかのご参考になれば幸いです。
※2019/7/1時点の情報です。
2022年現在、猫ひたのスタジオ観覧は行われていないようです。あくまで過去の記録であることをご了承の上、ご覧ください。
番組観覧予約方法
横浜メディアビジネスセンター1階、ハーバーズ・ダイニング内スタジオエリアにて、ランチをしながら生放送中(12:00~13:30)の番組観覧ができます。観覧の際は要予約。
現在の予約方法は、電話予約と店頭予約の2パターン。
電話予約
受付時間:平日14:00~18:00
必要事項:予約希望日 / 氏名 / 人数
予約の際「初めての観覧である」旨を伝えると、スタッフの方から入場時の流れについて大まかな案内があります。
店頭予約
受付時間:平日11:30~
必要事項:予約希望日 / 氏名 / 人数
当日観覧終了後に次回以降の観覧予約が可能。
集合~入場受付
入場開始:11:30~
オンエア:12:00~13:30 ※途中入場可
早めに入場するとリハや立ち位置確認をしている出演者が見られることも。借り隊メンバーはこのとき既に衣装のツナギやTシャツに着替えていますが、久保田さんだけは私服のままリハに参加していることが多い印象です。
入場受付
・ランチセット代金精算
・座席番号確認
入場後左手側の受付カウンターにて、ランチセット代金1,000円を精算。スタッフの方へ予約名を伝え、座席番号と相席の有無を確認します。後方席でない限りは相席になることがほとんどな気がします。
ランチセット
ランチセットの内訳はパン・一口サイズのお菓子・ドリンクバーの3点。フードコーナーに用意されているパンとお菓子を1つずつ取って着席。
ドリンクは収録中でもおかわり自由ですが、熟練の猛者たちは意地でも席を立たねぇ……って感じでカップ2個持ちで観覧されている方が多いです。
座席
ハーバーズダイニングの見取り図が公開されていたので、それを元にざっくり作成してみました。
スタジオに向かって4~5列の長机(観覧の人数によって列数は変動)+両側に椅子のスタイル。
観覧エリアとスタジオ部分はベルトパーテーションで区切られ、スタジオ部分の最奥にMCテーブルや借り隊の雛壇、壁に沿って潜入リポートコーナーのパネルなどが配置されています。
後述するアフタートークでは観覧エリアのパーテーション前まで出演者の方々が来てくれるのですが、久保田さんが小声でボケても観客がそれなりに聞き取れるレベルの距離感です。まあまあ近い。
オンエア中はカメラが被って観覧エリアから出演者が見えなくなることもあります。特に潜入リポートコーナーではワイプ撮りのため出演者にカメラが寄るので、席によっては推しがまったく見えなくなる時間があります。
スタジオの左右には大きな壁掛けのモニターやスクリーンがあるので、推しが見えないときは潔く番組を楽しみましょう。わたしはスタジオでしか猫ひたが観られないので、潜入リポートコーナーはモニター観て普通に楽しんでます。
予約時に座席は確定しているため、放送開始時間を過ぎた場合でも途中入場は可能ですが、机と机の間の通路が死ぬほど狭いので、遅れて入るとめちゃくちゃ気まずい思いをします。
観覧スタート
本番前、ディレクターらしき方から猫ひた収録中の注意事項について案内があります。
写真、動画は撮影不可
出演者への声かけ、プレゼント類、手紙などは禁止
本番中拍手をお願いします.etc
出演者たちがスタジオ入りする際、観覧エリアにご挨拶に来てくれます。谷水くんとやかわさんは観客への声かけがホスピタリティに溢れまくっていてびびる。レギュラー4年目の貫禄をひしひしと感じます。推しは「よろしくお願いしま〜す」って言いながら左右にちっちゃく頭下げててかわいい。
放送スタート時、観覧エリアの観客がカメラに容赦なく抜かれます。神奈川のお茶の間に自分の顔面が晒されたくない方は自衛しましょう。わたしはもう手遅れです。
生放送中はVTRを見てリアクションする推しが見られたり*2、CM中にメンバーと談笑する推しが見られたり、エプロンを付けてもらう推し*3が見られたり、小道具を気に入って遊んでいる推しが見られたり、岡村アナよりも念入りにメイク直ししてもらっている推しが見られたり、ボケてすぐにドヤ顔している推しが見られたりします。
毎週スタジオで観ていると、久保田さんと月曜メンバーの距離が徐々に縮まっているのが伝わってきて非常にエモい。やかわさんがボケを拾ってくれたときの笑顔がものすごく嬉しそうなんですよね……後ろの雛壇にいる北川くんからは「もっとデカい声でボケてくれ」とアフタートークの際にダメ出しをくらっていて、それは本当にそうなのですが、MC陣は借り隊雛壇に背を向ける配置となっているため、小ボケを繰り出しても借り隊が拾えないという災害が頻繁に発生しています。
アフタートーク
番組終了後5分~15分程 ※月曜日の場合
曜日や出演者によってか~~~~な~~~~り変動する模様。火曜から木曜の観覧をしていないので定かではないのですが、Twitterなどのレポを見る限りでは月曜のアフタートークは他の曜日より短いっぽい。*4月曜メンバーのアフタートークはみんな舞台出演等で忙しいため近況報告が多く、だいたい久保田さんの「先週何してた?」を皮切りに話題スタート。
おまけ
「健康!歯っピーライフ」コーナー収録
現役の歯科医が登場し、健康に深く関わる「お口」のケアについて詳しく紹介する。
(Wikipediaより引用)
サンスター提供、白衣の久保田さんが観られる天才のコーナー。毎月中旬頃、アフタートーク終了後に収録。観覧も可能。
ゲストの歯科医の先生がボケ殺しの才能に溢れており久保田さんのボケが永遠に貫通しないので、高度な漫才を見ているかのような錯覚に陥る不思議なコーナー。※至って真面目な話をしています。完全に漫才の間になっているのが良くない。収録の翌週に放映。コーナー放映中にVTRを観ながら爆笑している月曜メンバーと、はにかんでいる久保田さんは必見。
アフタートークの内容も放送休止中にまとめられたらいいなあ。この記事の編集を始めたのが7月1日だったのだけど、だらだら推敲しているうちになんと8月19日になりました!本日の放送ではゾンビになっていた推しが番組MCに復帰します。*5
舞台「仮面ライダー斬月」千秋楽の京都からその足で駆け付け、それから一度も休まずに1クールのあいだ出演し続けた久保田悠来さん。ほんとうにお疲れ様でした!
久保田さんは直近まで映画の撮影やドラマ「TWO WEEKS」の撮影*6があるので、猫ひたお休み期間中も変わらずお忙しそうでしたが…………ご自愛下さい。わたしも本日の久保田さんのMC復帰と、これからも続いていく東北〜神奈川間の反復横跳び第2章に備えてお仕事頑張ります。
横浜へ向かう高速バスの車内にて推敲オワリ。
2016年観劇総まとめ
今年も無事推し納めをしてきました。
2016年がようやく終わる~~~。嬉しいな。
身内と「(推しを見なすぎて)推しの顔忘れる」って冗談で話してたけど、本当に忘れてもおかしくないくらい現場がなかった。
なんだかんだで5年目に突入する俳優おたく生活。推しにはまだまだわたしの偶像でいてほしい。頼むぞ。
今年は推しの現場が少ないのをいいことに、観劇欲の赴くまま様々な作品に足を運んだ1年となりました。
来年こそは推しの映像俳優としての本領発揮を切実に期待しつつ、2016年に観劇した作品を振り返っていこうと思います。
2月
私のホストちゃん THE FINAL~激突!名古屋栄編
2月6日(天王洲銀河劇場)
俺たち栄の暴れ馬たちがホストを目指す!No.1!No.1!
2014年冬、友人に連れられて初めてホストちゃん(福岡中洲編)を観た。
めちゃめちゃ楽しかった記憶が先行して、ホストちゃんが再演したら絶対に行くと心に決めていた。推しは特別いなかったけど、強いて言うなら夕妃さんと深雪くんのホス毛兄弟が好きでした。
─────── 終わってみたら璃来哉くん(演・黒羽麻璃央)に陥落していた。
2月6日に璃来哉くんの姫(=おたく)によるNo.1企画が決行されることはうっすら把握していたけど、麻璃央くんなら物販分はラブ入れようかな、くらいのゆる~いテンションで席に着いた自分を殴りたい。*1
必死にラブ(=ホストちゃん世界の通貨単位)を贈る彼の姫たちに呼応するように、No.1レビューの幕が上がった瞬間、真っ白な羽を背負って歌い出した璃来哉くんはさいっこうにギラギラしていた。ギラギラしすぎて後に発売されたDVDでは物理的に発光していて大笑いした。
自分のレビューは会場みんなで盛り上がって欲しかったし、
自分にラブをいれてくださった誰かにラブを入れた関係なしにホストちゃんのラストを楽しんで欲しかった!
ほんとにめちゃくちゃ楽しいNo.1レビューでした!
「ゴーシゴシご指名\チョーーダイ!/」のシャウトがかっこよすぎて永遠に引きずっている。
ホストちゃん後遺症で麻璃央くんに沸くのそろそろやめたい。
途中でママ僕*2観にきたんだっけ?って錯覚するほど、ホストたちが「ママ!」「ママ!」と連呼するので笑った。
小川菜摘さんの“ママ”、包容力がすごい。可愛かった~~~。
SHOW BY ROCK!! MUSICAL〜唱え家畜共ッ!深紅色の堕天革命黙示録ッ!!〜
2月11日(Zeppブルーシアター六本木)
YGT*3なので、三次元のシュウ☆ゾーくん(演・三津谷亮)を絶対に見なければならないという謎の使命感に駆られていた。
サンリオが監修に入っているそうで、衣装の耳やしっぽがとてもボリューミーでもっふもふ。
リクちゃん(演・橋本祥平くん)は三次元に存在したんだなあ………………
全キャラクターの再現クオリティーが非常に高く、原作ファンとしても大満足の舞台化でした。
ユニット「シンガンクリムゾンズ」のボーカル・クロウを演じた米原幸佑さん、とにかく歌が凄まじく良かった。ライブパートでの盛り上げぢからがえげつない米原クロウ。ギターをイケイケに弾き鳴らすクロウちゃんがかっこよすぎて、ライブパートは家畜*4として赤ペンラ振りました。
ミュージカルと冠してはいるものの、世間一般が想像するミュージカルのように台詞を歌に乗せる演出はなく、芝居パートとライブパートが完全に独立している作品。最近2.5界隈でこの構成をよく見かける気がします。
3月
5月
朗読劇「ラヴ・レターズ~2016 The Climax Special~」
5月15日(旧PARCO劇場)
旧PARCO劇場の閉館に際して上演。ロビーには「ラヴ・レターズ」歴代カップルの公演写真が展示されていました。
錚錚たる顔ぶれの歴代カップルの中には推しの公演写真も並んでいて、推しがこの歴史ある作品の1ピースを担っているのだと実感してとても誇らしくなった。
►朗読劇「ラヴ・レターズ~2016 The Climax Special~」(青木玄徳×遠藤久美子)感想 - はきだめにつる
6月
ミュージカル「エリザベート」
6月30日、7月8日(帝国劇場)
城田トート閣下、人外すぎる。
とても肉感的なトート様。肉食獣のような畏怖に近い美しさと、惜しみないフェロモン。
シルバーブロンドに輝く髪がこれほどまでに似合う人間を、わたしは城田優と推し(ヅラ着用時)しか知らない。※井上トート様未見なので……
わたしが死ぬときはどうか彼に引導を渡してもらいたい。(遺言)
肉食獣の咆哮と、蛇のような密やかな気配を併せ持つ城田トート。ルドルフの棺からズルリと這い出るシーン、気味が悪くて最高でした。
加藤憲史郎くん演じるルドルフ(幼少期)と並ぶと、まるでライオンとうさちゃんみたいなサイズ感でおもしろかった。
ルドルフ役をWキャスト(6月は古川雄大さん、7月は京本大我くん)で観たら、ルキーニもWで観たくなって頭を抱えた。手持ちのチケットは山崎育三郎さんの回のみだったので、増やそうにも成河さんの帝劇キャスケと仕事の休みがひたすら合わず、泣く泣く見送りました。再演一生待ってます…………
山崎ルキーニのシニカルで飄々としたイタリア男感がとても好き。
軽やかな足取りで舞台を縦横無尽に掻き回し、自分は高みの見物。あま〜い声の皮肉屋さん。ミルクもキッチュも、ルキーニのナンバーは全部キラーチューンでずるい。
7月
斬劇「戦国BASARA4 皇」本能寺の変
7月5日(Zeppブルーシアター六本木)
ゲームで使える固有技や固有奥義が殺陣に盛り込まれてるの、舞バサを観に来たって感じがします。
又兵衛さんの佇まい、腰を低く落としてステージ上を右往左往する感じがゲームのモーションそのままなので驚いた。
「武将祭2013」ぶりに伊阪達也くんの慶次を見たら、なんだかすごくエモい気持ちになった。
明智光秀・天海役の谷口賢志さんはこの作品を以て舞台「戦国BASARA」を卒業されるとのこと。
もともと戦国BASARAの1プレイヤーに過ぎなかったわたしが舞台版に足を運ぶきっかけのひとつを作ってくださったのは賢志さん演じる明智・天海でした。
2009年の初演から、蒼紅が卒業したあとも*5舞台「戦国BASARA」を支えて下さった影の立役者は実は賢志さんだと思ってます。お疲れ様でした。
9月
舞台「瞑るおおかみ黒き鴨」
9月6日(天王洲銀河劇場)
ちゃんと記事書こうと思ったものの書きあがってない…………
観劇後泣きすぎて水分不足による頭痛に襲われ、マチソワ間は銀劇のロビーで冷えピタ貼って寝てました。満身創痍でソワレ観た。(そしてまた泣いた)
舞台「アヒルと鴨のコインロッカー」
9月14日(中野ザ・ポケット)
2時間ぶっ通しのTHEストレートプレイ!
ドルジが河崎へと向ける陶酔が、小説や映画の「アヒルと鴨~」よりずっと強い印象を受けた。
元の河崎像からドルジのトレースする河崎像がかけ離れていくほど、回想の中の河崎から生の匂いが消えていくような気がして怖かった。
細貝圭さん演じる謎の男(河崎)。
ぞっとするほど超然としていてどこか人間味がない。
裏表のない善人なのだけど、穏やかな雰囲気に終始しているせいか、感情が読めなくて不気味な印象を受ける。
「アヒルと鴨~」におけるキーマン・ドルジ。
山田ジェームス武くん演じるドルジの、河崎にくっついて回ってるときの笑顔が無邪気で可愛くて、舌ったらずな日本語が愛しい。
舞台「アヒルと鴨~」の要になるのが多田直人さん演じる椎名。
多田さんの一人語りと、舞台上で流れ続けるディランのメロディーが調和してこの作品世界の骨組となる。
「アヒルと鴨のコインロッカー」通し稽古、予定通り2時間切りました。うむ、見易い。時間だけでなく、芝居的にも高密度になってきた感じ。良いもん観せるから楽しみにしてて!
— ほさかよう (@hazakura323) 2016年9月10日
ほさかさんのツイートを見て、やや難解なアヒ鴨の話をどうやってまとめるのかなあとわくわくしていたのだけど、多田さんの語りも相まって非常にテンポよく展開していくのでとても見易かった。
物語の肝となる叙述トリックの部分も視覚的にわかりやすく、小説や映画版を未見で臨んでいたとしてもすんなり理解できる作りになっていたのが凄い。
10月
タクフェス「歌姫」仙台公演
10月29日(電力ホール)
グッときたぜよ~~~!
タクフェス初体験でした!
めちゃめちゃ楽しかった!!!
笑いあり、涙あり、踊りあり!
王道エンタメど真ん中な作品。
招木がロビーにずら〜っと並ぶ様がお祭り感を煽る。
推し、タクフェス出ないかなあ。招木出したいなあ。
2007年のドラマ版・歌姫が今でも観返すくらい大好きな作品なのですが、舞台原作だと当時は知らず、本家劇団で再演すると知ってとても楽しみにしていた作品。
入山杏奈ちゃん超絶かわいかった!
鈴ちゃん役がとてもハマっていた。「太郎と鈴でタロタロりんりんり~ん!」のかわいさよ。
後半の太郎ちゃんと神宮寺くんのシーンはずるい。
人情ものに弱いわ土佐弁が心に刺さるわで、涙腺にもろにヒットして辛かった。登場人物がみんないとおしい。宅間さんの太郎ちゃんをまた観たい!
11月
ミュージカル「黒執事~NOAH'S ARK CIRCUS~」
11月26・27日(TOKYO DOME CITY HALL)
さあ、魅惑のサーカスへ
火花あり、曲芸あり、魅惑のサーカス。
年末まで感想まとめようとおもってたのだけど無理だったからお正月休みの間に書けたらいいなあ。
12月
推しの現場・ハンサムライブ・黒執事大千秋楽という究極の三択を迫られた結果、あまりにも今年推しを見られなかったため本命現場を選ぶ。
「メンタルの限界を感じたら1枚好きなチケットを取ってOK」というルールのもと1年過ごしてみた結果、仕事(推し事)で病んでる時期に観劇が集中してるの、我ながらわかりやすくて笑う。
仕事も推し事も辞めずに無事年越しできそうです。
2017年は年始から推しの現場があるので2016年よりずっと未来が明るい。
それではよいお年を~~~!
*1:私のホストちゃんにおける専門用語(ラブ、姫、No.1レビューなど)は各専門家のブログをご参照ください。ホストちゃんは過熱コンテンツのため、姫たちの熱いブログをご覧頂けることでしょう。
*2:舞台「ママと僕たち」(2013‐2016)ネルケプランニング制作。テニミュキャストを多数起用し、イケメン若手俳優が赤ちゃん役を熱演するという一見字面がヤバいけど非常に楽しい神舞台。テーマソングの中毒性がえぐい。
*3:ゲーム「SHOW BY ROCK!!」内ユニット「トライクロニカ」のファンの総称・夢銀河ツーリストの略。「トライクロニカ」はシュウ☆ゾー率いる3人組バンド。
*4:「シンガンクリムゾンズ」のファンの総称
*5:蒼紅=戦国BASARAのキャラクター、伊達政宗(蒼)と真田幸村(紅)。舞台版の初代伊達政宗役・久保田悠来さんと二代目真田幸村役・細貝圭さんは有明コロシアムにて行われたイベント「武将祭2013」をもって卒業。
映画「サマーソング」感想
午後からの現場と同じ会場で初日舞台挨拶をやるとのことで、ノリで入ってきました。キラキラなイケメンの波動を感じたかった@シネマート新宿
吉沢亮くんのおたくがみんな若いので、身内と待機列に並びながら、普段のファン層とのギャップがやばくてヘロヘロになった。推しのファンは年齢層が高い。
吉沢亮くん初主演作。前情報を一切調べていなかったので、当日まで舞台挨拶登壇者も出演者も誰がいるのか全く把握してないまま観ました。よくよくポスターを見たら、目立つところに馬場良馬さんと和田琢磨さんを発見。
一昔前によく製作されていた、テニミュ1stキャスト大集合映画(「ローカルボーイズ」とか)に少し雰囲気が似てる。撮影予算はロカボより高そう。トラウマ持ちの主人公、男同士の友情、ゆるい日常と切なさと心強さと。
- 出版社/メーカー: ティーエムシー
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: DVD
以下ネタバレあり感想。
市原健一(イッチー)は憧れの父の不慮の事故により大好きなサーフィンをやめてしまい、それからは親友達と彼女探しをしたり、アイドルの竹原あいこの追っかけをする日々を送っていた。そんなある日、親友のまこっちゃんとバンズが海に行こうとイッチーを誘う。
海に行く事に抵抗があったイッチーだったが、海の家で働いてる友人のたけしとひろきに会うために渋々海に向かう事に。
その道中で若い女の子のつぐみとえみこと出会った3人だったが、この2人の女性にお金をスラれてしまう。
海の家でたけしとひろきに再会するも、お金をスッたつぐみとえみこまでもと再会してしまう。
果たしてイッチーは再びサーフィンを再開するのか?そして友人やつぐみ達との関係はどうなってしまうのか?
非常に起承転結が素早いストーリーが特徴の本作、冒頭約10分程で主人公(お亮)がサーフィンへのトラウマを持っていると発覚→親友2人(浅香くん・燈くん)「俺らが一肌脱いで、トラウマ克服させようぜ!→彼女作ろうぜ!(口実)→海に向かうぜ!ここまでおそらく20分くらい?多少の違和感や不自然さも、サクサク進んでいくストーリーの前では塵に等しい。
23歳の親友三人組、イッチー(吉沢亮)・まこっちゃん(浅香航大)・バンズ(赤澤燈)。彼らは将来への漠然とした不安を抱えつつ、それぞれ惰性で日々を過ごしていた。そんな中、イッチーのトラウマ克服のために、まこっちゃんとバンズはある計画を立てる。海に行くのだ。
イッチーにもう一度、サーフィンをしてほしい。
彼らは全員童貞。
彼女を、ピチピチビキニギャルをゲットし、童貞を卒業しよう!
童貞卒業を口実に、イッチーを焚き付ける二人。
溜まり場となっているイッチーのアパートで、グラビアアイドルとのエッチな妄想を繰り広げてはゲスい話で大騒ぎ。
勇んで海へと向かうところまではいいものの、女性免疫の少なさゆえに行きずりの女にころっと騙され、痛い目を見てしまう。
イッチーのアパートで三人組がギャーギャー騒ぐシーンでは、撮影中に騒ぎすぎてロケ地のアパートの大家さんに怒られたとのこと。納得。
そんな彼らの物語に絡んでくるワケアリ女性陣。
窃盗癖がやめられない女・つぐみ(筧美和子)とその友人えみこ(天野麻菜)。
売れないグラビアアイドル・竹原あいこ(丸高愛実)。
そして、三人組の友人たち、たけし(和田琢磨)とひろき(馬場良馬)。
自分がイッチーたちとドンピシャ同世代なので、自身の境遇と重ねてしまう部分が多かった。
23ってなんだか中途半端ですよね。大学までのなが~~~~いモラトリアムを抜け出した先に待っているのは、社会人としてはひよっこなのに、年齢的には充分な「大人」。とても宙ぶらりん。
仮にイッチーたちが大卒だとして、社会に出て2年目。右も左もわからずとりあえずがむしゃらに働いて1年。2年目ともなると慣れて手抜きを覚え、高かったはずのモチベーションは次第に薄れていく。
大多数の人々は、23歳にもなれば自分は結局、何者にもなれない「凡人」側の人間なのだと諦めがつく。幼い頃描いたような「大人」になれている人間のほうが稀だ。
生活のために仕事をして、お金を稼いで、それなりに道を踏みはずさないよう生きる。そんな中、同級生や友人から結婚の知らせがあったりして、自分はパートナーがいなくて焦ったり、でもまだ自由でいたくて、なんかそういうの。
だからこそ、ひとつ特別なものだったり、諦めきれない夢を持っているイッチーに、まこっちゃんやバンズたちが期待をかけてしまう気持ちは痛いほどに理解できた。
殻に閉じ籠って諦めた顔をしているイッチーに、歯がゆさを感じてしまうのだ。
たとえば、まこっちゃんは実家の自動車工場を継ぐのだという。彼が昔抱いていた「夢」は劇中で言及されなかったけど、きっとなにかを諦めて、もしくは惰性で選んだ未来だってことが示唆されていた。敷かれたレールを進んでいくことにきっと疑問も抱いたのだろう、だけど。何者にもなれないからこそ、これからも生活をしていくために妥協する。
「どどどど童貞ちゃうわ!」って言い出しそうなアホで気のいいまこっちゃんとは裏腹に、ちゃんとこれからのことを考えて生きようとしてるまこっちゃんに感情移入して苦しかった。
※そんなヘビーな映画ではないので安心してお楽しみください
たけしとひろきは、しがらみに囚われずに好きな仕事を選び、目先の楽しみを優先して生きている。今が楽しいほうがいいじゃん!って言い切れる人は強い。
まこっちゃんやバンズたちの中でイッチーはきっとヒーローで、普通に憧れて勝手に期待をかけて、挫折をしたら皆で励ます。でも、トラウマを克服したイッチーは彼らからの期待に潰されない。
「みんなイッチーのことが好きなんだよ」って台詞があるけど、それである程度通じてしまう友人関係って、綺麗事かもしれないけど素敵だなあと思った。世界がやさしい~~~~。程度の大小はあれど、友人同士で憧れを抱き合うことって普通にある。心の片隅で羨ましく思うことだってある。
「サマーソング」では、そんなちょっと湿った友情を、とても軽やかに描いている。
イッチーはじめ3人組の愛すべきおバカ感は見ていて元気になるし、こんなにお顔がいいのに童貞って設定自体破綻するのでは?って思ったけど、女性の扱いやキョドり感も、男3人でいたほうが楽しいし!?みたいな強がりも、グラサンかけてふざけてドヤってるシーンも、海のオーラ(?)を感じるために海に向かってばんざーい!してるシーンも、基本的に偏差値足りてなくて大笑いした。
男って馬鹿ねって呆れてしまうような可愛さ。
浅香くん、キモータを演じるのがすごいうまくて、不憫でかわいかった。みんなが集まってるとこで一人だけおかしいテンションになって周りがしらけるの、おたくあるある。三人組でいるときのボケの応酬もそうだけど、ちょっとした掛け合いが自然で楽しい。
肉食の女性陣に迫られて股間を撫でられキョドりまくるお亮とともるんは一見の価値あり。
舞台挨拶ではマスコミ用のフォトセッションタイムが設けられていて、客席後方のムービーカメラに向かって登壇者が手を振るのだけど、お亮の手の振り方がミーアキャットみたいで可愛かった。顔の横でぺぺぺぺぺぺぺぺって小刻みに振るの。ずるい。
「青春を謳歌できなかった人。周りの環境がどんどん変わって、自分だけが置いてけぼりな気がする人。あと一歩が踏み出せない人。そんな人たちの背中を押す力の1つになれればうれしいかなと思います。男ってどこまでもバカで愛おしい生き物だなと、感じてもらえる作品です。」
(吉沢亮が映画初主演 中前勇児監督『サマーソング』9・17公開 | ORICON NEWS:引用)
たとえば日本中がパニックに陥ったりとか、隕石が落ちたり、大事件が起こるような作品ではない。
これからも彼らのゆるい日常は続いてゆくのだろうけど、今回の出来事をきっかけに、ちょっとだけ世界はきらきらして映る。彼らの未来が少しだけ想像できて、なんだか自分まで前向きになれた。
お亮、ウェットスーツが異様に似合う。本格サーフィン映画って銘打ってあったけど、主人公がサーフィンするのはラストシーンだけでした。何がサマーソングだったのかはわかりません。
(2019/8/13加筆修正・追記)
本作のDVDが未だ発売されていないことを知り驚愕しています。
推しの作品が上映イベントまでやった上お蔵入りするの、わたしも経験がありますが*1切ないですよね………。
*1:映画「ハピネスインリトルプレイス」(2012)
舞台「新・幕末純情伝」感想
徳川260年の泰平の世が、今まさに崩壊せんとしている文久3年。
武士になりたい一身で、京都への道を急ぐ一群の男達がいる。
近藤勇率いる、新撰組。
その隊士の中に「女」がいた。沖田総司。
小さい頃から男として育てられ、
ただひたすら剣の修行を強いられてきた孤独な女――。
風雲急を告げる、時は幕末。
勤皇、佐幕が入り乱れる動乱の京の街で、
総司は愛する土方歳三のため、
一人、また一人と勤皇の志士たちを斬り続ける。
そして、そんな総司の前に、一人の男が立ちふさがった。
その男こそ、日本に新しい時代をもたらす男。土佐の龍、坂本龍馬――。
裏切りと憎悪渦巻く暗黒の時代、
総司と土方、そして龍馬の胸を焦がす、熱い恋の行方とは?
そして、勝海舟、桂小五郎・・・ 幕末の若き志士たちが夢見た、
新しい時代の夜明けとは?
全33公演お疲れ様でした!
おそろしく近かった。距離的にも、なんというか精神的にも。
役者さんたちのあらゆる体液が舞台上に散り、降り注ぐ弾幕のごとく台詞が飛び交う。息つくまもなく展開していく掛け合いはまるで銃撃戦のようで、舞台上の彼らはフィクションの世界を生きているはずなのに、どこまでもリアルに届いた。
紀伊國屋ホールに入った瞬間、ひりつくような緊張感が充満していた。ものすごい熱量に圧倒され続け、ハイレベルな芝居の応酬に釘付けになった二時間でした。
「新・幕末~」は初見だったのですが、沖田総司役の松井玲奈ちゃん、坂本龍馬役の石田明さんがめちゃくちゃハマっていたので、またこの二人のタッグを観てみたい。
以下キャスト別雑感。
盛大にネタバレしてます。
沖田総司(演・松井玲奈)
メインビジュアルですでにハマり役の予感がビンビンしていた玲奈ちゃんの沖田総司、本当にハマり役だと思った。
男所帯に華奢で目元の涼しい美人。土方さんが嫉妬に狂ってしまうのもわかる。
海舟に始まり、土方・桂・坂本と、彼女を翻弄する男たちと対等に渡り合う胆力。石田さんを始め、舞台慣れしている役者陣にこれでもかと食らいついていく玲奈ちゃん。彼女の熱い気概を感じた。
常に気を張って男たちの世界で生きている「沖田総司」と、舞台上の玲奈ちゃんがリンクして、真剣勝負の緊張感が作り出されていたのかも。
北出菜々さんの曲をバックにバッサバッサと男たちを斬り捨てていく総司はとてつもなくヒロイックで綺麗。
ふとした仕草が凛としていて品があり、終盤に明かされる総司の背景に説得力があった。
龍馬とのシーンで胡座掻いてるとこ、めちゃくちゃ好きです。育ちのいいお嬢さんがわざと不良ぶってる(なりきれてない)ような感じ。
総司を取り巻く男たちの印象が機関銃なら、彼女の印象は舞台の真ん中に凛と突き刺さっていた妖刀菊一文字だと思う。刺すような視線の気高さと、まっすぐ通った芯を持つ沖田総司。
前半の総司はひたすらに無垢でまっさら。海舟の元で男として育てられ、齟齬を感じながらもそれに従い、血豆だらけの手で剣を握る幼少期。
家を飛び出し、新撰組に身を寄せるも、彼らに促されるまま、人斬りとして名をあげていく。
総司は物事の分別がついていない、自我が赤ちゃん同然の少女。彼女は自らを導く人々へ依存し、その姿をしなやかに変える。それは男の姿だったり、人斬りの姿だったりする。
そんな中、総司は龍馬と出会い、女としての自我の目覚めを迎える。無垢なまま身体だけ女になってしまった彼女に、生まれて初めての、身を焦がすような恋が訪れた。
序盤の、男として振舞いながらも時折見せる乙女な素振りが絶妙に可愛い。
キャンキャン吠えるチワワみたいに龍馬へと突っかかっていくシーン、めちゃくちゃ萌えました。これ!少女漫画で履修したやつ!
後半、心の拠り所であった新撰組から手酷く裏切られ、諦観とも失望ともつかない表情で決別するシーンが印象深い。
「新撰組のみんなだけが労咳持ちの自分に優しくしてくれたのだ」とサブリミナルのように台詞が入るだけに、総司の悲痛さが伝わってきた。
運命に翻弄され、傷つきながらも強かに生き抜いた松井沖田の姿は美しく逞しい。
ああ~~~龍馬と土佐の月見て仮初めでも幸せになってほしかったんじゃあ~~~~~~
坂本龍馬(演・石田明)
ノンスタ石田さんのお芝居、初見だったのですが今回目の当たりにして圧倒されました。流石の滑舌!台詞量が出演者の中でもダントツで、発した言葉のほとんどが長台詞だった気がする。
次々紡がれていく膨大な台詞が、収まり良く耳に馴染んでいく。期待を何倍も上回る巧みさで、最高の坂本龍馬像を作り上げていた。
♪コーゴーエソーナキセーーツーニキーミハーーーアーイーヲドーコーユーノーーーー?の登場シーンが最高にお気に入り!以蔵のエアギターも含めて腹抱えて笑った。
土佐弁の似合う男ってずるい。リアコになりそうな気持ちを必死に抑えながら観ていた。
チャラくて変態で、コミカルな坂本龍馬なのだけど、その実誰よりも真剣に世の中のことを考えている。顔面から体液という体液を撒き散らし、血走る目で必死に訴える姿が最高にかっこよかった。気取っていなくて、血の通った坂本龍馬。台詞が淀みなく流れすぎて、どこまでアドリブでどこまで脚本なのか判別がつかなかった。
「一発やらせろ~~!」が高らかで卑猥さがなく、クネクネと総司に迫る様がなんだかやけにデジャブると思っていたら、「シティーハンター」の冴羽獠でした。
玲奈ちゃんの造形が作り物じみているので、石田さんの等身大なリアルさとのバランスが絶妙だった。石田さんの龍馬もかなりハマり役でした。
多才な方なんだなあ。石田さんの他の芝居も観てみたくなった!
土方歳三(演・細貝圭)
岡村舞台常連の圭ちゃん。良い人からのクズ男がハマりすぎる。前半後半の落差が凄い。
土方の原動力も「嫉妬」だ…しかし土方の嫉妬は「純粋」でもある。つまり様々な「嫉妬」が比較されながら起点になる。30代前半で直木賞作家になり40過ぎた頃に書きつけた取り巻く「環境」や「心情」を思うと、偉くなると「悩み」も変わるんだな〜と考えてしまう…が、意外と世間では普通にある話だ
— 岡村俊一 (@okamurashunichi) 2016年7月14日
岡村さんが「男の嫉妬」がテーマのひとつだとツイートしていたけど、嫉妬というより卑屈さや劣等感を感じた。土方・海舟
・桂と三者三様、出自や身体機能に欠損を抱えている。
この作品に登場する男性全員が地雷のようなもので、それを目に見える形でわかりやすく爆発させたのは土方さんだった。
「総司の一番も二番も三番も俺じゃないと駄目だ!」と年下の女の子にすがりつく姿が情けない。
でもこういう男に絆されてしまう女の子、絶対にいるよね。情けなくて卑屈で打算的で、愚かな男なのである。
ディズニーランドに週5で連れてってくれるカレシ、サイコーだと思うけど総司的にはだめなの?!
嫉妬や出自に起因する自信のなさで卑屈になっていく土方さん。
結核持ちの総司に対して放つ、「キスなんかできるかよ!」のシーンの表情が少しのきっかけで崩れてしまいそうで危うくて、後悔や憎悪、嫉妬や慕情がぐちゃぐちゃに入り交じって、なんとも言えなくて好き、だけど切ない。
わたしは土方さんと総司にだって幸せになってほしかったよ……。
新撰組は、新時代に生き延びて出世することを何よりの悲願としている。「総司を愛している」という土方さんの言葉も、紛れもなく本心だと信じたい。愛する総司と自らの悲願を天秤にかけ、彼が葛藤の末に選んだのは悲願の成就。
総司が一度は夢見た土方さんとの終生を、これでもかと突き放して壊していく。手段がドクズ極まりないので悪役じみているけれど、勧善懲悪の物語ではないからこそ、新撰組にも正義があり、彼らが生き延びたいと思うのもまた必然なので辛かった。
若手俳優、みんな大きいから忘れてたけど、玲奈ちゃんと向き合うと圭ちゃんやたら大きく見えてびっくりした。
ココアネタもうよくない?玲奈ちゃん枠のチケだったからか周り玲奈オタばっかりだったんだけど、周りにたぶんココアネタ通じてなくて、わたしひとりで一生ゲラってて辛かった。
桂小五郎(演・味方良介)
味方さんの桂は錯乱一歩手前の狂気を、理性で抑えて常人ぶっている感じ。
桂さん、全編に渡っておいしい役だとおもう。熱演。
岡村さん演出だから絶対どっかでテニミュネタぶっこんで来ると思ってたよ。石田さんが素でフォロー入れてくれるのめちゃくちゃ笑ったし、周りの席の玲奈オタにはテニミュネタ通じてなくて全員真顔だった。正直同情した。
勝海舟(演・荒井敦史)
新・幕末に荒井くん出てるのノーチェックで、あれ?!出てる?!?!ってなった登場シーン。
舞台上での存在感がピカイチ。「幕末純情伝」勝海舟役・史上最年少とは思えないほど貫禄の演技。
声のトーンが他の出演者と被らず、安定感があった。掛け合いや立ち回りに色気があり、表情の端々に狂気を覗かせる。
苛烈なキャラクターではないのに目の奥がギラギラと燻っていて、彼が舞台に立つと、雰囲気がぐっと引き締まるのを感じた。
海舟の劣等感は総司を狂わせ、また自らも総司に狂わされていく、宿命の兄妹。
岩倉具視に尻をロックオンされるわ、坂本からも「岩倉に尻を差し出してくれ!」って懇願されるわで勝さん前途多難すぎる。無血開城は成功しても勝さんのケツは出血不可避。
岡田以蔵(演・早乙女友貴)
ずば抜けて身のこなしが美しかった。殺陣レベチすぎるでしょ?!と思ったけど人斬り役だったなあ。納得。9月のつむ鴨も楽しみです。
龍馬との名コンビ、名サポーター。WHITE BREATHのノリノリエアギター本当に大好き!
台詞回しが独特で前半はかなりハラハラしたけど、後半ぞっとするほどかっちりハマる。
物語上の立ち位置も独特だった。総司と関係を持つ男性陣の中で、唯一見返りを求めず無償の愛を彼女に与え続ける以蔵。以蔵は自らの悲願を見届け、満足げに息絶える。切なすぎる。
新撰組vs総司の対峙シーンの久保田創さんの迫力が鬼のようだった。自らが人斬りとして祀り上げた少女を踏み台にし、生き延びようとする愚かさ。生きることへの強い執念。飛び散る唾と表情に圧倒されました。
始まる前からなにかと話題になっていたけれど、心底観てよかったと思える作品に出会えて幸せでした。
玲奈ちゃんの総司と石田さんの龍馬はきっと伝説になる。
同じ座組で数年後に再演してほしい。
そしてまたこの緊張感と衝撃を味わいたい!