ブラック・スワン(上)著:ナシーム・ニコラス・タレブ
- 作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/06/19
- メディア: ハードカバー
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〇要約〇
1.”ブラック・スワン”とは”まずありえない事象”の事を言う。また ①予測できないこと、②非常に強い衝撃を与えること、③いったんそれが起こるといかにもそれらしい説明後付けされ、偶然に見えなかったり、予め分かっていたように錯覚することという3つの特徴を持っている。
2.ブラック・スワンは常に既存のシステム(自分が持ってる知識や習慣、社会通念や常識など)や予測可能範囲の外側から常に生じること。
3.人間の性質(以下参照)によってブラック・スワンを引き起こしてしまう。
- “追認の”誤り=”行き帰りの間違い?”(ここ理解できてない)「黒い白鳥がいる可能性がある示す証拠がない」と「黒い白鳥がいる可能性はないと示す証拠はある」の違い。
- ”講釈の誤り”→人間という生き物は、何かにつけてわかりやすい講釈や理屈をつけて、物事を単純化(プラトン化)して見たがる性質をもっている。またこの単純化を通して見えてくることを過大評価し、単純化によって切り捨てられることを過小評価or無視する傾向がある。(過小評価から黒い白鳥が来る)
- 物言わぬ証拠の問題→確率過程の実現しなかった部分を無視すること。
〇感想〇
めっちゃ難しい本で、多分半分も理解できていない(体感的には40%)気がする... だけどぼんやり「不確実性とは?」について掴めた気がする。とにかく事件は自分の脳みそで考え得る予想の”外側”から常にやってきて、物事を予測するのは無茶だということ。ミスや上手くいかなかった事に対して「自分の能力が不足していたのが問題なんだ」っていう自分の癖は”講釈の誤り”なのかな??下巻も読む必要があるけど、すごく疲れるから他の本を一冊挟もうと思います(笑)
【参考文献】
・『ブラック・スワン』を読んで思う原発問題 原発事故は再び起こることを受け入れる - ktdiskのブログ
・「ブラック・スワン」の最も有効で優しい使い方 書評:ナシーム・ニコラス・タレブ「ブラック・スワン」: No Regret Life
ロボットの脅威 人の仕事がなくなる日 著:マーティン・フォード
○要点○
1.今までの機械化(例えば農業での田植え機)とは異なり、人工知能とロボットは”汎用 性”を持ち、人間そのものを代替しようとしている。
2.IT分野の進歩によって極めて少ない従業員数でも巨額の利益を稼ぐことができ(Youtube,Instagramなど)、雇用数は減少している。
3.経済成長に於いて一番望ましいのは「購買力が広く分布していること」だが、1.2.を見ると、それは難しい。(経営者は雇用数を上昇させなくても十分な利益を得られるから)→購買力が一部のエリートに集中する→格差の拡大
4.購買力がごく狭い部分に集中すると、庶民もエリートも共倒れになる。(庶民は失業して消費できないし、お金持ちも自分が提供するサービスが売れない。また強力な購買力を持ってるエリートもiphoneを1000個一人で買ったりしない)
○疑問点○
マーティン・フォードさんsaid「ベーシック・インカムを導入して購買力を広く分布させる。(生きるのにギリで快適な暮らしは不可)ある一定の働かない人間は出現するが、雇用が徐々に減少していく中で一番に撤退してほしい人々は、そういう怠惰で忍耐力がない人だからOK。快適な暮らしを求める人は働いてより収入を得るインセンティブが生じる。」
この本では「労働が機械に代替されつつあり、雇用のパイは少なくなってきている」とずっと言ってきてるから、ベーシック・インカムを導入して、働きたい人が本当に職にありつけるのかが疑問。
それと雇用のパイが小さくなっていく中で「労働者個人がどういう対策をするべきなのか?」については話されてなかったところも疑問。これから社会人になるんだけど、今まで以上に「大企業=安心」「中小=ヤバい」みたいな組織での話になるんじゃなくて、個人のスキル云々になっていくのかな?
コメント貰えるとうれしいです。