英語論文の各部分をチェックするための12のポイント

前回の記事(タイトル:研究論文の執筆で押さえておきたい11のポイント)では、英語論文の一般的な構成と、研究を英語論文に正確に反映させるためのチェックポイントをご紹介しました。今回は、初稿が完成した際、各部分が適切に書けたかどうかチェックするためのポイントを挙げてみます。
英文校正やネイティブチェックなどで論文の英語の質が高められます。しかし、英語が完璧でも、全世界が注目するような研究結果が出ても、必要な詳細が欠けていたり、書き方が不適切だと、原稿はジャーナルに却下されてしまいます。英語だけでなく原稿の内容や論理性も校閲する英文校正サービスもありますが、まずは自分でしっかりとした原稿を書けるよう、以下のチェックリストを利用して、論文の分析をしてみてください。
論文の構成に関するチェックポイント
1. 研究のテーマが一目で分かる、簡潔なタイトル(Title)が書けたか。
2. 著者に関する情報(Author Information)はじゅうぶんか。連絡係の著者の連絡先を記したか。
3. アブストラクト(Abstract)は簡明か。
4. 論文内で重要と見なされる語をキーワードとして挙げたか。
5. 序文(Introduction)では、専門外の読者でも関心が抱けるよう、研究の背景についてのデータと研究目的がまとめられているか。
6. 他の研究者が研究を再現できるよう、研究の材料と方法(Materials and Methods)すべてを漏れなく記したか。
7. 図や表を用い、簡潔ながらも深みのある結果(Result)の分析を書けたか。
8. 考察(Discussion)の部分では、研究のすべての面をカバーし、結果を前向きに表現できたか。
9. 研究の限界について述べたか。
10. 謝辞(Acknowledgements)と研究のための助成金や提供物についての詳細(Financial disclosure)を原稿に加えたか。 
11. 非常に重要だと見なしている文献の引用を行ったか。投稿予定のジャーナルの投稿規程が指示しているスタイルで引用されているか。
12. 図や表の説明は簡潔で、情報は的確か。



Author Bio:
英文校正者としてエナゴで働くようになって丸1年が経過。これまでに校正した学術論文は、400稿以上。整形外科医の資格も取得。

Author Name: エナゴの英文校正者

英語論文の執筆で押さえておきたい11のポイント

英文校正者として、日本をはじめとする非英語圏の研究者が書いた学術論文の校正・校閲の仕事をしています。国際舞台で研究成果を発表するには、英語の論文が欠かせませんが、英語論文執筆の基本を身に付けていない方も多いようです。ここで、基本的な論文の構成と執筆のチェックポイントをご紹介します。
学術論文は、研究結果をほかの研究者および専門家でない一般の人々に伝えるための、一手段です。このような論文には学術界が標準的とみなす形式があり、この形式に従って論文を執筆すれば、順序だった理論的な研究発表が行えるようになっています。内容は、以下の順で書かれます。
• タイトル(Title)
• 著者情報(Author Information)
• アブストラクト(Abstract)
• 序論(Introduction)
• 研究材料と方法(Materials and Methods)
• 結果( Results)
• 考察( Discussion)
• 結論(Conclusions)
• 謝辞(Acknowledgments)
• 助成金や提供物についての詳細( Statement of Financial Disclosure)
• 参考資料( References)
• 図・表の説明(Figures and Table Legends)
• 補足情報(Supplementary Information)
上記の構成は一般的なもので、各学問分野(例:神経外科学、分子医学、経済学、天文学など)、論文の種類(例:Original Article, Short Communication, Drug Trialなど)、 および、各ジャーナルの投稿規程によって多少異なります。また、論文の構成順序は、その研究の計画や実行の順序と常に同じだとは限りません。
英文校正を依頼して、投稿前に原稿を完璧にすることもおすすめします。原稿の専門分野の知識に精通したアカデミックライティングのプロが、英文校閲やネイティブチェックを行えば、世界に通用するレベルの英語の原稿を仕上げることが可能です。
質の高い論文を書き上げるために、以下のポイントをチェックしながら執筆することが非常に大事です。
英語論文執筆のチェックポイント
1. 研究当初の目的や目標は達成されたか。
2. 研究は予期されていた事項を、すべてカバーしているか。
3. 提示したいアイデアを、文章でうまく表現できているか。
4. 主要なポイントが1つに絞り込まれているか。そのポイントは、論文中のすべてのアイデアに関係があるか。
5. アイデアを明確に、一貫性を保って説明できる構成になっているか。
6. 研究を裏付ける資料は、原稿内の主張をサポートできる内容か。
7. 主張に対する同意が得られる内容になるよう、確実な証拠が記され、綿密で筋の通った文章が作成されたか。
8. 主張を裏付けるための証拠が適切に記されているか。
9. 研究は、投稿予定先のジャーナルとその読者に好まれる種類のものか。
10. 投稿先のジャーナルの投稿規程に従って原稿を作成したか(投稿規程がある場合)。
11. 英文校正を専門分野に精通した英語のプロに依頼し、英語のミスを正したか。

Author Bio:
英文校正者としてエナゴで働くようになって丸1年が経過。これまでに校正した学術論文は、400稿以上。整形外科医の資格も取得。

Author Name: エナゴの英文校正者