新潟県の油田跡地を巡る(新津油田編)
あんまり知られていないかもしれないが、日本にも油田があって今でも採掘を行っている。ただ、その生産量はごくわずか、年間55万キロリットル程度でこれは日本の石油消費量の1日分に満たない。
主に、石油の生産を行っているのは、新潟、秋田の日本海側と北海道。昔は、静岡でも生産していたそうだ。新潟には洋上プラットホームの岩船沖油ガス田なんかもある。
新潟は、明治から昭和前半くらいまではそれなりに生産が盛んだったようで、すでに生産は終了しているが、その採掘の遺構が残っている場所がある。
まずは新津油田のあった新潟市秋葉区金津へと向かう。ここは、石油の里公園として遺構が残されていて、石油の世界館という資料館も設置されている。
石油の里公園の採油ポンプ pic.twitter.com/UdPwUlO3br
— eniti (@eniti) October 11, 2018
駐車場のすぐのところで、こうして採油ポンプの動きを再現している。
資料館になる石油の世界館。その周りにも、遺構がいくつか点在する。
集油タンク。
水を取り除くための加熱炉。
水と原油の分離に使っていた濾過池。
そして石油の世界館の反対側にある山手には、動画にあった採油ポンプを動かしていた動力源がある。ただ、ここは割とガチ目の登山道の途中にあり、ちゃんと軽登山な装備をした中高年の方々が登っていくので、完全な普段着街ルックのぼくは、はたして登れるのか不安になった。結論としては、まぁ、普通に行って戻ってこれる。ただ、服はともかく、靴は革靴みたいなのではなくトレッキングシューズ的なものを履いていった方が無難だろう、当たり前だけれど。いや、まさか山の中に遺構があるとは思わなかったので。
二段式ナショナルポンピングパワー1号機。ここの動力を点在する各井戸に伝えてポンプを動かしていた。これは、1909年に設置されて1996年まで動いていたと言う。
そして、山手には、井戸、櫓の跡などが点在している。
なかなか見応えのある遺構群だと思う。当時の面影を伝えるものがかなりの数そのままの形で残っている。1996年という割と最近まで現役で生産を行っていたというのも意外だ。
9月半ばという観光のオフシーズンに訪れたためか、観光客は殆どいなかった。とは言え、夏休み中でもそれほど来ているとは思えない。もうちょっとPRすれば、訪れる人はそれなりにいるんじゃないだろうか。なにせ、るぶぶにも全く載っていなかったので、殆ど観光地として認知されてはいないだろう。
石油の世界館の隣には、新津油田を開発した日本の石油王、中野貫一の邸宅が中野邸記念館となっていて、こちらも見学することが出来る。
こちらは、紅葉の名所となっているようなので、紅葉シーズンに訪れる人は多そうだ。
次回は、同じ新潟県内の黒川油田に行った際のことを。