ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

『ウルトラマン ニュージェネレーションスターズ』第15話簡単感想

 

 前回に引き続いての『ジード』編。
 とはいえ、時系列は一気に進みます。
 次回へのヒキもしっかり盛り込まれた縦軸の強さも、『ジード』と言う作品の特徴。


 波乱万丈、紆余曲折いろいろあって主人公側の拠点・星雲荘を襲撃する伏井出ケイ。
 対抗するのは、ウルトラマン変身者でもなければ、ペガッサ星人でもなく、地球人の鳥羽ライハ。
 一体どんな修行をすれば、あんな人間離れした剣技を身に付けられるのやら。ライハとお師匠さんの話で一本くらいお話が作れそうな勢いを感じます。とはいえ、ウルトラマンが出てこないと難しそうかもですが。
 
 撤退したリクたちの前に、結構ヌルっと登場するレム(人間体)。声を演じられる三森すずこさんが演じられています。
 音声から逆算すると演者さんになる、と言う説得力がいつ聞いてもすごいですね。
 
 そんな三森さん、もといレムに翻弄されるハルヲ店長*1、謎の女*2・石狩アリエに翻弄されるレイトさんと言ったコメディ・シーンを挟んでから、場面は戦いへ。


 星雲荘きっての頭脳派、レムを取り込んだメカゴモラジードの対決。
 プリミティブからアクロスマッシャー、ロイヤルメガマスターと形態によるバトルスタイルの変化を堪能できるのが見どころ。
 当初はプリミティブのガムシャラな戦い方しかできなかったジードが、多彩な形態による巧みな戦い方ができるようになっていった、と思うとジーっと、もといジーンと来るものがありますね。

 

 星雲荘のレムと、ケイに仕えるレムの対峙。自分しか知らないはずの小説の続きを当ててみる、彼女のオリジンからケイに仕えるべきといった主張は、まるでケイを反映したかのような厭らしさ。

 しかし、レムもまた、リクのように運命の呪縛を振り払う。
 このあたりの描写は結構ハラハラでした。人工知能の自己犠牲と言う物語はテッパンでもありますし。
 
 そんな悪い予感はもちろん覆され、物語は大団円。ヒーロージャンプで星雲荘に戻るリクが微笑ましい。

 

 穏やかな時間が戻る主人公側の一方、悪の企みも進む……と言う次回へのヒキを容赦なく放送しつつ、ユカ隊員とエディオムの場面へ。

 手で顔を覆うと言う愛嬌のある仕草をエディオムがする日が来るとは、前作の頃には思いもよりませんでしたね。

 AIと人間の違いは何なのか?いや、そもそも”ヒト”とは何なのか、と言った難しい問いを感じさせつつ、他者へ対等に接することが大切と言う結論に落ち着くのは、実に子供番組らしい教訓譚ですね。

 

 

 

*1:演じる水野直氏は後に『ウルトラマントリガー』でサクマ・テッシン隊員をご担当

*2:女……?

『仮面ライダーガッチャード』第34話簡単感想

第34話『オンリーワン!すべての道はゴージャスに通ず』

 

 ゴージャスな見せ場は続きつつも、ストーリー的には宝太郎とカグヤ様にスポットライトを当てた友情譚。
 冒頭でサイゲツを華麗にボコり、アカデミーで状況説明。
 レジェンドライドライザーの影で、ハンドレッドと戦っていたと言うカグヤ様。
 それが偶発的にこの世界に飛んできたことで、戦いが『ガッチャード』世界まで飛び火する形になったと。
 レジェンドライドライザーがこの世界に飛んできたことは、どの陣営にとっても予想外だったのが凄いと言うか、何と言うか。
 
 アカデミーの面々をゴージャスに着替えさせるのは完全に一発ネタ。
 とはいえ、今回出番の少ない面々にも印象的なビジュアル、出番を用意してくれたのは嬉しい。
 この時点で、今回活躍できる者とできない者の交通整理が説明されているのも良いですよね。
 画面には映らない鏡花とラケシスに、セリフだけとはいえ触れてくれたのも嬉しい。
 この辺、どこまでがキャストさんたちのご都合なのかは分かりませんけれど、結果として宝太郎とカグヤ様にグッとフォーカスされた構成に。


 加治木と二人、補修に取り組む宝太郎。
 集中しきれずに雑談が始まるのが高校生らしい。
 さりげなく触れられていますけれど、今回もまた加治木の記憶が消されている、と言うのがその後の展開の先触れになっているようにも見えます。

 ゴージャスな黒板アートを皮切りに、ゴージャスな行動で皆を振り回すカグヤ様。
 人知れずな活動を常とする錬金アカデミーとはそりゃ相性が悪い。


 宝太郎とケンカ別れしてしまったカグヤ様の前に現れるサイゲツが変身する別世界の仮面ライダー、アークゼロ。
 『仮面ライダーゼロワン』世界に由来する、AIアークの予測演算の力は強力!
 さらには、別ライダーであるアークワンへと強化変身。
 かつて仮面ライダーゼロワン=飛電或人社長が変身した姿が、世界征服のために使われると言うのは、複雑な思いを感じます。
 仮面ライダーから人格を切り離してギミックだけを使う面白さと厭さを存分に発揮したところで宝太郎登場。

 ホッパー1たちとの過去を絡めての、忘れられてしまう気持ちのお話。
 思い出したから良いと思っていた、と言う所まで敢えて説明するところは、相手に誠実であろうとする宝太郎らしさがあって良いと思います。


 こうして仲直りした二人は仮面ライダーゼロツーの決め台詞になぞらえながら同時変身。
 ガッチャードとゴージャスゼロツーの揃い踏み。
 レジェンダリーレジェンドは、よもやレジェンドライダーへの直接変身まで可能とは。
 ゼロツー対アークワンと言う構図は、当時実現しなかった夢の対戦カードですね。
 AIによる予測演算と言う同じ力を使う者同士と言うことで、説得力があります。
 『ゼロワン』でお馴染みだった文字カットインによる『ゴージャスゼロツービッグバン』と共にサイゲツを撃破!


 しかし、サイゲツの遺体はハンドレッド上司によって『ゼロワン』で見覚えしか無いビジュアルのカウントダウンタイマーへ。

 そして、友情を振り切るかのように襲い掛かるカグヤ様!?こうした平成感のあるライダーバトルは、本作では本当に珍しいですね。

 

 

 

 

『爆上戦隊ブンブンジャー』第9話簡単感想

バクアゲ9『届け屋たちのハンドル』


 

 前回、マッドレックスと相打ちになり、大也も重傷を負ったブンブンジャー。
 それを受けて、ISAからのブンブンジャー解散通告。チームにとっては受け入れられない通告。
 しかしながら、民間人に地球防衛を丸投げしたままにしようとしないISAは、結構ちゃんとした組織なのでは?とも捉えることもできます。
 果たして、ISAの詳しい内情が描かれるときはくるのでしょうか。

 ブンドリオによるモノローグ。
 松本梨香さんと藤田洋平さん、キャリアのある声優さんとアクターさんによる、演技が素敵。
 荒んでいた過去があるからこそ、夢を見る素晴らしさを知るブンドリオ。
 ブンブンの大人びた部分や陰の部分をチラリと見せつつも、全体のトーンとして暗くなりすぎない絶妙な塩梅でした。

 それを受けての調さんは、「戦隊にとってのお姉さん」くらいの年齢感だからこその良さがありました。
 爆上戦隊側のように、まっすぐに感情のまま即時行動できるほど若くは無い、けれど感情と理性を容易く切り分けてしまえるほど大人でも無い。
 歴代シリーズにも戦隊を見守る人々は数多くいましたけれど、爆上戦隊と調さんの関係は、今までに無かった距離感なのでは無いでしょうか。

 マッドレックスに立ち向かう4人。
 フロントガラスに叩きつけられる表現は、『ウルトラマン』シリーズ的でもあり、短いシーンながら「おお!」と思わせられるところ。
 4対1の数的不利をものともしない姿は、改めてマッドレックスの強さが印象付けられます。
 複数回、戦隊と激突したマッドレックスですが、一貫して強敵として描かれたのは鮮烈でした。

 そんな一同の前に、調さんからのまさかの届け物=範道大也。(ブンブンスーパーカーが実際に動いているのも嬉しい!)
 「マッドレックス、決着をつけよう」と一騎打ちになるかと思いきや、未来たち4人からの待ったがかかる!!
 そう、この場には自分のハンドルを他人に任せる者はいない。
 勝利を自分たち自身の手でもぎ取るべく、いま再び5人が並び立つ。
 まだまだ未完成な5人の関係ですが、何かあればこうして互いの意見を主張し合えるのなら、チームの行く末はきっと暗くない、そう感じさせる場面ですね。

 連携攻撃を仕掛ける5人。思えば、ブンレッドとマッドレックスの一騎打ちから戦ったこの戦いは、スーパー戦隊らしい連携戦でなければ決着がつけられないものだったのかもしれません。

 それでもなお強力なマッドレックスへ、起死回生のブンブンハンドリングドライブを放つ5人。
 急所とばかりにマッドレックスのネジを狙うのは、ブンブンハンドル・ロッドモードのギミックを巧みに活かしつつ、第1話の巨大戦でバクアゲドライバーを巧みに扱っていたブンブンジャーロボを思い出させるところ。
 
 追いつめられたマッドレックスは、ヤルカーのギャーソリンを要求。
 拒否するヤルカーを「マッドレックスさまの勝利のために」と躊躇なく差し出すデコトラーデとイターシャ。
 かねてから悪童的な関係性を感じさせるサンシーターでしたが、ここにきて彼らの関係の負の部分が露わになったように見えます。
 楽し気に一緒に居る間柄ではあるけれど、互いを思いやるどころか、上役の為に仲間を差し出すことを当然とする関係。
 しかも、そのブラック思考を疑問に思わない。
 ある意味での悪党らしさを垣間見せた3人の関係性は、一体どうなっていくのでしょうか?
 ブンブンジャーとサンシーター。2つのチームの行方は、同じくらい気になるところ。
 
 ブンブンレーシングを「みんなの力」で乗りこなすと宣言する大也。
 前回の巨大戦は1人(とブンブン)で突っ走って行った姿とはまさに正反対。
 ブンブンジャーロボナイトは炎のマントに高速移動、円月殺法、と短い中にも、いえ、だからこその見せ場がたっぷり。
 さらにはブンブンカー軍団も登場し、総力戦の趣がさらにアップ。
 戦い終わったブンブンジャーロボはブンドリオとしてブンブンカーにお礼を言うシーンも良いですね。
 ブンドリオであり、ブンブンジャーロボでもある、と言う本作の魅力が詰まっています。
 
 「ありがとう…………みんな」
 ポツリと呟く大也。
 ははぁさてはきみはシャイだな?と思わせつつ、大也と言う人物の問題点/個性はそのまま、とも言えます。
 それに対して、大也自身が変わっていくのか、周囲が「そういうもの」として受け入れていくのか、あるいはその両方か。
 その答えはきっと、彼らが爆上戦隊として走り抜く中で見えてくるのでしょう。

 

 

 

『仮面ライダーガッチャード』第33話簡単感想

第33話『伝説ライダー?100年早いな!』

 

 GWはゴージャスウィーク!だからという話でも無いのでしょうけれど、お祭り的なレジェンド編がスタート。
 あの坂本浩一監督がご担当と言うこともあり、さながら『ウルトラギャラクシーファイト』のような、歴代ライダー大暴れの絵図がこれでもか!とばかりに詰め込まれていましたね。
 『ガッチャード』を普段観ていなくても、思い入れのあるライダーが一人でも出演しているのなら視聴を是非お勧めしたいエピソードでした。

 新たな敵、ハンドレッド。ライダーや怪人の力をコピーする存在として再定義されたことで、仮面ライダーダークキバ、グレア、エターナルが登場。
 前年度に活躍したグレアはもちろん、他のライダーも『ガンバライジング』などでお子さんたちの目に触れる機会が多いのではないでしょうか。コレをきっかけに『キバ』や『ダブル』をご覧になる方も増えると嬉しいところ。


 立ち向かうライダーたちに助力するラケシスが変身するヴァルバラドまで登場するとは驚きでしたね。
 コレだけでも1話作れそうなイベントなのに、こんなお祭回の一部となるとは。
 それでもなおしっかりと見せ場を作るのがお見事。
 それにしても、思惑はどうあれ、ラケシスが鏡花さんの頼みを聞き入れるほどになるとは……。 

 そんなダブルヴァルバラド&マジェードとグレアの戦いに乱入するのは、狂乱のクロトーレビス。
 お祭回でもレギュラー悪役が顔を見せるのは珍しい。
 演技とアクションのプロであるスーツアクターさんたちと向こうを張る宮原華音さんの演技も素晴らしい。
 ラケシスへの蹴りを寸止めして去って行く姿は、切なさを感じさせる背中と、脚を上げ続けた体幹の凄さが発揮された名シーンでした。


 仮面ライダーゼインは、完全に番宣*1のためだけの登場でしたね。
 AIゼインの声は初めて聴いたのですが、実に良い声。桜井優斗の声帯を使っているわけでは無いのですね、と『アウトサイダーズ』未見の身としては色々と新鮮なキャラクター。
 フィニッシャーに選ぶのが仮面ライダースーパー1の赤心少林拳と言うのが、カンフー愛の強い坂本監督らしいチョイス。
 見事グレア(ミメイ)を撃破してくれたゼイン。本編では財団Xとも戦ってくれるらしく、その立ち位置ははた目から見ればまさに”善”。一方でどこか冷たさも感じられ、短い出番ながら実に底の知れないキャラクターでした。
 
 ガッチャードが対峙するエターナル(タソガレ)。指先の動きが印象的だったエターナル(大道克己)に対して、タクトを振るうような動きに繋がるのが面白いですね。
 ほかにも、しばしば運命*2と言うワードを口にしたりと、タソガレはハンドレッドの中ではネタ元へのリスペクトは比較的ある方と言えるのでは無いでしょうか。
 あくまで、比較的、ではありますが。
 
 冷酷非情なハンドレッドに対して真っ向から啖呵を切る宝太郎。
 エターナルのAtoZのガイアメモリに対抗するケミーたちは、なんと頭文字を合わせてあるとのことで、そこまでするか!?と唸らせる名シーンでした。今回、名シーンを数えたら片手の指では足りなくなりそうですがね!

 しかし、命の大切さを説いた人物が直後に容赦なく敵の命を奪うと言うのも残酷な話に見えます。状況的に手加減ができなかったのは分かるのですが。
 ってかコレ、前*3にも観た流れだぞ!?
 
 ダークキバ(サイゲツ)たちを前にするガッチャードの前に、遂にゴージャスに降臨する鳳凰・カグヤ・クォーツ様こと仮面ライダーレジェンド!
 ガッチャードたちが闘っている間、敵の大戦力を壊滅させていた!と言う『ウルトラマンX』*4に登場したウルトラマンギンガの如き頼もしい登場。
 その後、「伝説の始まり」として平成ライダーはじまりの10人に連続フォームチェンジ!
 わずか数分とは思えない密度の濃い大活躍でしたね。
 細かいところとしては、アナウンス音声の大胆な省略*5がされているのも、ノウハウの蓄積が感じられる職人技。
 
 「こうなったらキングスワールドエンドを使う」と未映像化だった必殺技の片りんを見せたダークキバを前に、さらなるゴージャスで対抗するカグヤさま。
 バトラーの名調子とともに仮面ライダーレジェンダリーレジェンド登場!と言う所で待て次回!!

 

 

 

*1:仮面ライダーアウトサイダーズ』

*2:仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』仮面ライダーエターナル初登場作品

*3:『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』坂本浩一監督

*4:ウルトラマンX第13話「勝利への剣」』坂本浩一監督

*5:変身音を省略して必殺技アナウンソのみの電王など

『ウルトラマンニュージェネレーションスターズ』第14話 簡単感想

 

 第14話『それぞれの道 僕が僕であること』

 

 立場の違い、と言う切り口から『ジード』第6話、入れ替わり回。
 事故的ではない、元に戻れることがハッキリしている入れ替わりも珍しい……と思うのは、昭和の名作の影響でしょうか。


 今回のゼロはすっくと立ちあがっただけで、戦闘シーンなし。即時撤退のサンダーキラー/伏井出ケイ先生の割り切りの良さが光ります。
 とはいえ、その後の会話劇で存在感を放つのはさすがのゼロ師匠。


 映像で見直すと、やはりリクの体つきはしっかりしていますね。レイトさんと並んでも、そこまで身長差は無い。
 それでも、少年らしさの印象が強いのは、演者さんである浜田達臣さんの演技力のすばらしさ。


 リクとの入れ替わりを通して逆説的に示される、レイトさんのスーパーサラリーマンぶり。
 スペイン語を使いこなし、何通ものメールチェックを毎日やってのけるレイトさんは、もっと自己肯定感高い位でちょうどいいような気もします。
 
 謎のサンダーキラーは、星雲荘サイドからはジードを狙う悪意ある誰かに見える、と言うのは後の展開を知っていると面白いところ。

 決意のジードの手に現れるジードクロー。凶悪な見た目とは裏腹に、あまり直接攻撃に使われないのが面白いアイテム。
 「機は熟した」と言うセリフが意味深で、レムには後々まで結構ハラハラさせられたものです。


 決着後、意味深な伏井出先生の場面もしっかり放送。『スターズ』では放送されない、次回へのヒキのシーンも遠慮なく収録されているのは、配信などで原典へアクセスすることが容易な現代ならではでしょうか。

 次回は一気に時系列が飛んでのレム回。人工知能の意志と言う点は、エディオムにも通じるところですが、果たして。

 

 

 

 

『爆上戦隊ブンブンジャー』第8話簡単感想

 『バクアゲ8 分裂と暴走』

 冒頭はハイウェイ空間でのテストドライブからスタート。
 『ブンブンジャーちゃんねる』でのショートアニメを思わせるワチャワチャした雰囲気が良いですね。

 秘密基地を訪れた調さん。
 玄蕃の話すブンブンジャーの目的=BBG出場を聞き、「つまりブンブンジャーは範道大也の道楽」と分析。
 やや強めの言葉選びではあるものの、彼女にあまりイヤな印象とならないのは、これまでの積み重ね(キャラ崩壊)が効いていますね。
 明かされてみると、あまり戦闘的ではない戦隊装備の外観や、「特等席への招待」と言う前回の大也の言葉など、納得できるところも多いところ。
 とはいえ、そんな話は知らなかった未来と錠は困惑。

 これは、言葉でキチンと伝えないと言う、範道大也の欠点が発揮された形になった展開に。
 思い返せば、大也は、自分の言うことを皆察してくれるだろう、という前提に立って行動するところがある、というあたりは3話で仄めかされていました。
 実際、射士郎や玄蕃は大也の意図を察したり、先回りしたり、と言ったことを得意としていて、それが彼ら3人にとってベストな関係だったのでしょう。
 しかし、未来や錠は、射士郎たちとは違うタイプの人間です。
 当然、同じようにはいかず、今回のような事態を招くことになった、と。
 (この場面に潤滑油的存在のブンちゃんがいなかったのもイタいなぁ)

 しかし、ココで「戦隊ボイコットだ!」みたいなことにならず、戦隊としてハシリヤンにしっかり立ち向かうのが、未来と錠の偉いところ。
 しかし、サンシーターのトンチキ、もとい卑劣な罠にかかり、囚われの身に。
 さすがにデコトラーデとイターシャが高校生に変装しているとは分かるまいて。『激走戦隊カーレンジャ―』の世界ならともかく!?
 
 そこに現れたマッドレックスと一対一の戦いを繰り広げるブンレッド。
 苦魔獣戦とは一味違う、一進一退、ギリギリの攻防。
 まさに再三の戦いではあるものの、毎回の戦いが名勝負と呼ぶにふさわしい戦いぶりなのが嬉しいですね。
 抑えめのブンブンチェンジ&名乗りも格好良い。
 
 等身大では倒しきれず、戦いは巨大戦へともつれ込む。
 絞られヤルちゃんやら、デスロッドにまたがるマッドレックスと言う面白映像が霞むほどの緊迫した戦いが続きます。
 次々に武装をチェンジするブンブンジャーロボでもなおピンチになり、4人は車外に放り出されることに。
 ブンブンジャーロボパンチャーでどうにか引き分け……。
 (勝負の行方は次回に持ち越したりせずにキッチリ描いてくれるのが嬉しい)
 この時、全てのブンブンカーを使い切って、ほとんどブンドリオ状態で肩で息をするブンブンジャーロボにグッときました。改めて、ブンブンジャーロボは単なるロボットではなく、ブンドリオと言う一人のキャラクターであり、戦士なのだと実感できる名シーンです。

 ボロボロになった大也に憤りをぶつける未来。
 一人で突っ走ってしまったは熱血センターだから仕方ないとしても、そんな性分の大也にこれから4人が、そして大也自身がどう折り合いをつけていくのやら。
 果たしてこれから5人の関係はどうなっていくのか、と言う所で待て、次回!

 

 

 

『仮面ライダーガッチャード』第32話簡単感想

 第32話『現る大王!人形たちのジレンマ』

 

 今回はクロトーメイン回。
 主人公と上手く絡めれば敵側の人を主役級に据えられるのは良いですよね。
 さらには坂本浩一監督初登板と言うことで、アクションと見せ場をたっぷり詰め込んだ30分のジェットコースタームービー。
 特に、BGMのパワーで進めていく洋画っぽいスタイルはまさに坂本監督!と言ったところ。

 一方、別の世界で暗躍する悪の組織ハンドレッド
 万一スピンオフを観ていないと「誰!?」となるところですけれど、宝太郎が「誰!?」状態なので、そこまで視聴に差しさわりが無いのが嬉しいところ。
 ハンドレッドの皆さんは『ガッチャード』の世界に迷い込んだ挙句、冥黒の王の錬金術に巻き込まれた不運ではありますが、彼らも彼らで暴力を厭わない迷惑な存在。
 それにしても、原典では機械兵士であったカッシーンに”変身”する人間(?)が登場するとは。
 あくまでもカッシーンと同じ姿をしていると言うだけで、中身は別物と言う事なのか。たとえば、仮面ライダーレジェンドやディケイドのように。

 苦悩のクロトー。
 心の底では姉妹との絆を欲しながら、力と戦いにすがる姿が危うい。
 かつて命を救われた宝太郎と呉越同舟することになるのですから、運命とは分からない物。

 一方、錬金アカデミーではラケシスを通して冥黒の三姉妹の設定深掘り。
 やはり、三姉妹は人造人間=ホムンクルスだった、と。
 用語が用語だけにいつか拾ってくるだろうと思っていたので、「遂に来たか!」と言う思いですね。
 三姉妹に重い宿命を感じさせながらも、人間になれるのでは?という結論にあっさり辿り着いてしまうのがプロフェッサー鏡花。
 鏡花さん、やはりマッドな一面はあるんですよね。底抜けの良い人でもあるんですけどねえ……。
 
 そうした設定の掘り下げにより、奇しくも宝太郎が彼女らを救おうとするのが自然な流れとして見えることに。
 錬金術によって作られた命、という点はホムンクルスとケミーも共通するところ。
 まぁ、宝太郎はそこまで考えて動いていない気もしますけれどね、ケミーのときから。
 
 ハンドレッドとの攻防を繰り広げながら出口を追い求める宝太郎とクロトー。
 クロトー=宮原華音さんがアクションができると言うこともあり、中には痛みを感じさせるアクションも。今回はクロトーの苦悶・苦悩の表情が印象に残ります。
 
 宝太郎も大奮闘。生身での立ち回りはもちろん、変身後はヘヴィなライトニングジャングルとスーパーガッチャード、とフォームチェンジにも出番があるのも嬉しいですね。

 宝太郎との対話を経て吹っ切れたかに見えたクロトー。
 おなじみの挿入歌をバックに立ち向かう女性幹部と言うのも彼女が初なのでは!?
 サブタイトルにも、歌詞にある”ジレンマ”を入れているのが粋です。


 ドレッド二式の大暴れ。
 グリオンのときはすぐに三式となってしまったので、ここまで暴れてくれるとは実に嬉しい。
 そして、プラチナガッチャードとのダブルライダーキック!
 一貫して敵であり続けたドレッドだからこそ、実にアツい展開。
 二大ライダーからのオーバーキル気味な攻撃で容赦なく消滅してしまうアルファが少し可哀想ではありますね。悪意人形と同じノリとは言え。
 
 それだけに、戦闘後の二人の訣別が悲しい。
 冥黒の王ギギストによってクロトーに与えられた『望むもの』が、三姉妹の絆ではなく、新たな力であるのが切ない。
 果たして、冥黒の三姉妹は一体どうなってしまうのか―――と言う所で、次回は『レジェンド』回!!