前回に引き続いての『ジード』編。
とはいえ、時系列は一気に進みます。
次回へのヒキもしっかり盛り込まれた縦軸の強さも、『ジード』と言う作品の特徴。
波乱万丈、紆余曲折いろいろあって主人公側の拠点・星雲荘を襲撃する伏井出ケイ。
対抗するのは、ウルトラマン変身者でもなければ、ペガッサ星人でもなく、地球人の鳥羽ライハ。
一体どんな修行をすれば、あんな人間離れした剣技を身に付けられるのやら。ライハとお師匠さんの話で一本くらいお話が作れそうな勢いを感じます。とはいえ、ウルトラマンが出てこないと難しそうかもですが。
撤退したリクたちの前に、結構ヌルっと登場するレム(人間体)。声を演じられる三森すずこさんが演じられています。
音声から逆算すると演者さんになる、と言う説得力がいつ聞いてもすごいですね。
そんな三森さん、もといレムに翻弄されるハルヲ店長*1、謎の女*2・石狩アリエに翻弄されるレイトさんと言ったコメディ・シーンを挟んでから、場面は戦いへ。
星雲荘きっての頭脳派、レムを取り込んだメカゴモラとジードの対決。
プリミティブからアクロスマッシャー、ロイヤルメガマスターと形態によるバトルスタイルの変化を堪能できるのが見どころ。
当初はプリミティブのガムシャラな戦い方しかできなかったジードが、多彩な形態による巧みな戦い方ができるようになっていった、と思うとジーっと、もといジーンと来るものがありますね。
星雲荘のレムと、ケイに仕えるレムの対峙。自分しか知らないはずの小説の続きを当ててみる、彼女のオリジンからケイに仕えるべきといった主張は、まるでケイを反映したかのような厭らしさ。
しかし、レムもまた、リクのように運命の呪縛を振り払う。
このあたりの描写は結構ハラハラでした。人工知能の自己犠牲と言う物語はテッパンでもありますし。
そんな悪い予感はもちろん覆され、物語は大団円。ヒーロージャンプで星雲荘に戻るリクが微笑ましい。
穏やかな時間が戻る主人公側の一方、悪の企みも進む……と言う次回へのヒキを容赦なく放送しつつ、ユカ隊員とエディオムの場面へ。
手で顔を覆うと言う愛嬌のある仕草をエディオムがする日が来るとは、前作の頃には思いもよりませんでしたね。
AIと人間の違いは何なのか?いや、そもそも”ヒト”とは何なのか、と言った難しい問いを感じさせつつ、他者へ対等に接することが大切と言う結論に落ち着くのは、実に子供番組らしい教訓譚ですね。