センテナリアン2019

1963年(昭和38年)には百歳以上高齢者は日本全国で153人しかいなかった。
それが。
1981年(昭和56年)に千人を超え、
1998年(平成10年)には1万人を超える。
そして。
2019年(令和元年)は7万人を超えた。

◆2019年9月13日「百歳高齢者表彰の対象者は37,005人」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/12304250/000354926.pdf

百歳表彰対象者も、百歳以上高齢者も、毎年増加し続けている。
というか急増し続けている。

 

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百歳表彰対象者と100歳以上高齢者

2019年においては、百歳以上高齢者の88%が女性という性別による不均衡があるとはいえ、1世紀以上も生きる人、センテナリアンがさほど珍しくない社会になっている。

勿論、さすがに百歳以上の人の死亡率は高い。

◆厚生労働省「人口動態調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html

2005年から100歳以上の死亡率が出されているが、大体40%程度だ。
95歳~99歳が25%程度だから、死亡率は加齢で確実に跳ね上がるものなのだな、と思う。


★★★

非常に気になるのは100歳以上高齢者の「生活の質」である。
自力で飲食、排泄ができ、一定レベル以上の認知力と判断力がある100歳以上高齢者はどのくらいの人数がいるのだろう。さらに「視力聴力、移動能力(自力歩行でも車椅子でも)が日常生活に不自由ない」という条件をつけると、相当に少ないのではないか。

とはいえ、達者で100歳を迎えることは可能だ。更には100歳を超えて活躍することさえ可能だ。

2017年に105歳で亡くなられた日野原重明氏が100歳を超えてもなお活躍されていた姿は記憶に新しい。が、特殊な超人の例ではないかとも思ってしまう。

市井の人はどうなのか。

週刊新潮がしばしば市井の高齢者を特集していて興味深い。市井の人の情報は残りにくいので価値ある仕事だと思う。

週刊新潮2019年9月26日号の特集をみてみる。

「転んでも骨折しない104歳「田谷きみさん」今も店先に」週刊新潮2019年9月26日号
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09290802/?all=1

「103歳の画家「入江一子さん」圧迫骨折から復活の秘訣は」週刊新潮2019年9月26日号
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09230800/?all=1&page=1

「100年休まずに時計職人「石田要一さん」日本記録を保持」週刊新潮2019年9月26日号
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09280802/?all=1

 

ついでに2017年の記事もみてみる。 

「最高齢は108歳! 100歳以上が日本一「島根県」の百寿者が語る“健康長寿の秘訣”」
週刊新潮 2017年11月30日号
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/12050800/?all=1

 

達者で100歳を迎えられる実例がそれなりの数あることが確認できる。

今後、達者で快適な生活を営める100歳以上高齢者はさらに増えるだろう。
増えるといい。
白内障の治療や補聴器などの進歩、いかに高齢者の生活リズムを保持するかの社会的工夫など、まだまだ挑戦しがいのある課題は沢山あるのだから。