今ここの縁起を大切に生きる

先日,京都の東寺に拝観に行った.金堂の薬師如来,講堂の大日如来の御前に立つと,圧倒され,心が安らぐとともに,考えさせられることがある.

その日感じたことは,「人間は身の回りの人間関係,つまり縁起の中を生きている.その人間関係も,出会いと別れを繰り返しながら,常に変化している.縁起の中を生きていれば,大切な人との別れや失恋のように人間関係が変質し,辛いこともあるが,それも自然の摂理であり,抗っても思い通りに行くものではない.だから,日々変わりゆく縁起を受け入れ,今ここに,目の前にある演技を大切に生きるべきである.」ということである.

 

東寺はこれまでに数度拝観したことがあるが,何度来ても,俗世を離れ,自分の生きるべき道を教えてくれる.仏像の前で自分の心を振り返り,密教的な神秘の言葉で現実社会を生きる糧を与えてくれる,東寺には,これからもたびたび参拝出向くことになると思う.