"O"で満たして

しどろもどろな毎日も記せばなんかわかんないかな

浮き足立つ

パスポートの申請をしたよ。

来年の3月仕事でヨーロッパ行きが決まっており、海外渡航経験の無い私は今から浮き足立って仕方がありません。豚もおだてりゃ木に登るってやつで、なんか英語の学び直しとかしちゃってます。英語がちゃきちゃき話せないことで今までどれだけの友達を見過ごしてきたのかなあと思います。

海外にいってみたいという気持ちはあったのですが、結局生まれてこのかた日本から出たことがありません。なんかだって日本の中に面白いこといっぱいあるし、やりたいことありすぎて出国してる暇なんてなかったんよね。きっかけさえあればなあとか思ってたらきっかけが来たんです。

いきなり仕事でヨーロッパは色々と心配なので、今のところ、年末に初の海外旅行へ一人で行くことを短期目標にして、英語学習に励んでいます。行き先は韓国!
韓国の若者の遊び場に行ってみたいな。ファストフード的なの食べて、ストリートキメたい。。。

映画「屍者の帝国」を見ました。

*ネタバレあるよ*






え、え、ちょっと?本当に?
伊藤計劃の遺稿部分カットってどうなのよ!!ってハラハラしながらスタートしましたが、終わってみるとスリリングで迫力もあって、スチームパンクものとして素直に面白かったです。

ワトソンとフライデーの関係は、個人的にはすごく良かったと思います。
ワトソンの動機がわかりやすく、原作から独立した映像作品としてはスイートスポットだったのでは。
また、「円城塔版『屍者の帝国』の読者から見た伊藤計劃円城塔の物語」である映画版「屍者の帝国」という変奏は予想していたものの、いざ映像で見ると素直にグッときた。
伊藤計劃は常にエンターテインメント性を追求してきた作家だと思う。主役二人の関係性を改変することで、未読者にとっても、伊藤計劃ファンにとってもエンターテインメント作品であろうとする落とし所として有効だったのではないかな。

映像は本当に素晴らしかった。
屍者兵隊の機械的かつ性的な動き、スタイリッシュ馬車火炎放射アクション、プログラミングする僧の屍者。踊るパンチカードと駆動する解析機関。
これだよ。映画化の魅力って。

ただ、バーナビーにはもっと虚無ってて欲しかったかな。
あと、バトラーのいないハダリーなんて。。。

パンフの円城塔のコメントを読んで納得しました。
俺たちの「屍者の帝国」って感じ。

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映画化はお祭り感が良いよな。楽しい。
虐殺器官」も楽しみだな!

若くいたい

あるエッセイ*1を読んでいたらこんな一文と出会いました。
「二十代中盤だったか、私も少しはお酒が飲めるようになった頃」
なんのアフォリズムもない、もったいないと高いウイスキーを安いウイスキーで割って飲む、「父の密増酒」を味見させてもらったという筆者の経験を回想する枕にすぎない文章だったのですが、なんかひっかかるんですよね。
私も今二十代中盤だけど、お酒の味わかった気になってんじゃない?もしかしたらまだお酒の味なんてまだまだわかってないんじゃない?

就職当初から肩書きを与えられて第一線に置かれてしまった私には、知らないことを知らないと言える余裕はありませんでした。わからないことや複雑な問題にも、今持ち合わせている知識を統合して悪くない対処法を練り上げるしかなかった。そうして悪くない結果を出し続けるしかなかった。
そんなこんなして、自分の無知と向き合うこともできないまま、降りかかる火の粉を払うのに精一杯で慌ただしく時は過ぎて三年。背負うものの重さばかりが増してしまった。私はこの三年「若手」であったことが一度もなかった。

これは本当に恥ずかしいことだと思う。取り返しのつかないことをしてしまった。
知らないことは知らないって言いたいんです。そして思いっきり叱って欲しかったんです。

知らないということは生きる喜びなのではないでしょうか。私はまだお酒の味も知らないし、街の暖かさも知らないし、人との出会いの素敵さも知らないし、仕事の素晴らしさも知らないんです。だから人生が楽しみなんです。

私はまだ若い。お酒の味もきっとまだわかっていない。

*1:「いたましいともったいない」湯本香樹実

きぼうをみました

JAXAの宇宙ステーションです。
職場の屋上に集まってみんなで見上げます。
夜空を横切るきぼうを指差し眺める姿はなんか見覚えがあるなと思ったらあれだ。
家族やら近所の人やらが集まって、みんな揃ってテレビ睨んでる昭和30年代の写真。
日本史の資料集で見たやつですね。
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浅い角度へ遠のくきぼうを見送りながら、明日もだなと思いました。

秋は更けれどアイスは甘露

長期休暇には課題の案内プリントを出します。それに添える時季に見合った韻文を探すのがたのしい。
図書室で『岩波現代短歌辞典』とかレファレンスを片手に、短歌、俳句、詩の棚をパタパタ触ってると、知らなかった点と点が意味を持ち始めて線になって、あれよあれよと時代に堆積した言葉の層が掘り上げられます。ストリート風に言うとディグるってやつです。
向き合うデータベースはもうずっと変わらないほぼ静的なものなんですが、探すたんびに発見があって、自分ってこんな感性してたのかとも驚かされます。


さて、今の時季は二十四節気でいうところの「寒露」というみたいです。
明け方、草に結ぶ露のことですね。
 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける 文屋朝康
露をテーマに探してみたんですが、なんだかあんまり実感の湧くものがありませんでした。
露ってさ、遠いよ。露のおりるような草、うちのまわりにねえし。。。
街に過ごしていると露よりも秋は風ですね。
 君待つと吾が恋ひをればわが屋戸の簾動かし秋の風吹く 額田王
これすごくアーバンですよね。


近所のスーパーにスイカバーがまだ残っていました。スイカバーの皮んところ、小学生の頃好きだった子の髪のにおいがして、あの子どうしてんだろってツーンときます。きっとこれが今年最後のスイカバー。大事に食べよう。

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実が先だつ

午後は京都府立図書館で過ごした。

 

穂村弘の「ありがとうござ」というエッセイ、こないだ観たこまつ座「國語元年」と繋がっておもしろい。

標準語ではたぶん啖呵は切れない。どうにももたつく。こわばる感じがある。迫力に欠ける。

てんでばらばらな方言の響く屋敷に満ちる生命力がかわいらしい。

 

昨日オカダダさんがかけてたDiana Rossが耳の奥にまだ残ってる。

 

www.youtube.com

 

 

鉄血のオルフェンズ、泥臭くておもしろいな。

何よりも有能デブがいるのがアガる。