ツヤあり、揺れあり、形なし───── 『美人に見える「空気」のつくり方』松本千登世
2021年、1年目のサラリーマンがビジネス本を乱読するように、美容本を読み漁るぞと決めて一冊目。美容ジャーナリストの神、松本千登世さんの著書からスタート。
感動を与えられるのは、形より、空気
若いだけでは出せない大人の「奥行き」についての話。それは大人を救うだけでなく、美容に染まる20代前半の希望にもなる。ヤダァと思って歳を重ねていくのと、その先にあるのが見た目を超えた「奥行き」だと知って生きていくのと。
美容部員時代、60代の店長が言っていた「人相」と松本千登世さんの言う「奥行き」は共通する。
「おやつクリーム」
美しくいる具体的な方法も記されているけれど、どれも今あるもので簡単に実践できるのがうれしい。特に気になったのがスキンケアカウンセラーの鶴岡悦子先生が教える「おやつクリーム」という方法。
方法はいたって簡単。保湿力の高いデイクリームやUVケアを、パール粒大程度手に取り、手のひら全体に薄く広げて充分に温めます。そして、肌をできるだけこすらないように両手のひらで覆って静かに押さえ、丁寧になじませます。
日中のスキンケアとして、ミストを振りかけたり、目の下にアイクリームをポンポンと足す程度しか思い浮かばなかったので目から鱗。たしかに乾燥が気になるならクリームを塗ってしまえばいい。
「奥行き」のある美人はいつもいつでも、お風呂上がりの肌をしているという。疲れたときは思い切ってクリームをメイクの上から足して、お風呂上がりのジューシィさを足したい。色気も「奥行き」のひとつ。
ツヤあり、揺れあり、形なし
これは髪についての話の中で出てきたキーワード。寝起きを想像させる色っぽいヘアスタイルは、ツヤも揺れもあるけれどピチッと形を作るものではない。
全体を通して、これは髪以外の全てにも共通すると感じた。清潔感と幸福感が宿ったツヤ、もっと知りたいと思わせるような揺れ。でもつけ焼き刃の形はなし。
はやく残像で惹きつける女性になりたい。
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