DO-MANNAKA de Alternative

走るポップ・リスナー、その魂のゆくゑ

SUMMER SONIC 2019 day2 Part.4 夢幻のNF編

RHCPも終わり、さて帰る・・・というわけにはいきません!
まだまだサマソニの醍醐味、ミッドナイトソニックが残っています!

今回のミッドナイトソニック2日目は、サカナクション主宰のイベント『NF』とのコラボレーションによる『NF in MIDNIGHT SONIC』。タイムテーブルを見て分かる通り、サカナクションをヘッドとしてAkufenGOCOOなどのサカナクションと縁深いDJ・アクトが脇を固め、そこにクリエイティブマンセレクトのバンドアクトが間を埋めていく構成になりました。


The Cinematic Orchestra(Mountain Stage, 23:30~24:30)

本来であれば、RHCPが終わった後に少し仮眠を…と思っていたのですが、マリンスタジアムが予想以上の大混雑で退出するのに1時間近くかかり、その後も1回クロークから荷物出して着替えたりなんだりしていたら、あっという間にNF開演時間に。
それでも頑張って観よう!…と思ったのですが、荘厳なシネマティック・サウンドが猛烈な眠気を誘い…10分後にはフロアの後方で( ˘ω˘ )スヤァ…
なんというか、楽しみにしていた映画を観に行ったんだけれど、たまたま前日徹夜になってしまって結局寝落ちしちゃう、そんな感じです。ある意味映画的なライブ体験は得られた、と言えるか(言えないでしょうねえ…)。


D.A.N.(Rainbow Stage, 0:50~1:35)

小林うてなさんがサポートメンバーに復帰してからは初めて観るD.A.N.
冒頭から「Sundance」「SSWB」「Dive」と、ドープに踊れるナンバーが続いて昨年のフジロック以上にトリップしながらヌメヌメ踊っていたのですが、周りはボーっと突っ立っている人多数。そしてサカナクションのスタート時刻が近づくにつれ、どんどんRainbow Stageから人がいなくなる…。
どうやらサカナクション開始までの時間潰しとして観ていた人が多かったようで、終演時には開演時の半分近くまでお客さんが減ってしまっていたD.A.N.。正直かわいそうでしたが、ライブでは久々の「Native Dancer」も聴けたし、内容は満足でした。


Akufen(Sonic Stage, 1:35~2:05)
TAICOCLUBではおなじみ、猟銃おじさんAkufen。気持ちいいハウスビートですが、TAICOCLUBのロングセットのイメージがあるだけに30分だけでは足りなかった。

サカナクション(Mountain Stage, 2:10~3:15)
共同主催だけあって、さすがに入場規制ギリギリ。
ライブはいつものゴリゴリフェス曲に「忘れられないの」などの最新曲を織り込んでいくスタイルでしたが、どうにも曲同士の食い合わせが良いと思えず、途中でご飯休憩。

Floating Points (DJ set)(Sonic Stage, 3:20~4:50)
ライブセットとは違って、DJセットはすごく独特のダンスフロアを形成。ほんのり南半球やアジアっぽい要素も感じられて、音楽世界旅行!という気分に。かなり気持ち良い90分でした。
この時間帯のMidnight Sonicはユニークなお客さんも多いですが、坊主のカップルがかなりイカれたダンスしながら大笑いしていたのが見た目的にも印象に残っています。お客さんベストアクト。
さらに後半には、サカナクション山口一郎さんも仲間と一緒にフロアに降臨。ライブが終わった解放感からか、ヒゲダンスみたいな変な動きもしていました。お疲れ様でした!

Washed Out(Mountain Stage, 4:50~5:05)
これは完全にチルアウト。長い1日を洗い流すサウンドで終演。ありがとうございました!

SUMMER SONIC 2019 day2 Part.3 本命のRHCP編

Red Hot Chili Peppers(@Marine Stage,19:45〜21:00)

「RHCPを頭から観るには、Foalsをちょっと諦めないといけない?」なんて話も事前に出ていて、個人的にはウソでしょ今のRHCPならすんなり入れるでしょ〜と思っていたのですが、実際にマリンスタジアムに着くと入場待ちの長蛇の列が!
周りの話を聞いていると、昼間のJロック勢やRADWIMPSあたりを目当てに来た人、「去年はよくわからない洋楽ばっかりで全然良くなかったわ〜」と言っている人も、RHCPはきっちり観に来ている様子。RHCPファンとしては嬉しいことでしたが、それだったら他にも観て欲しいアクトいっぱいあったのにな?みんな名前の知れてるアーティストしか興味ないのか…と、ガッカリしてしまう一幕でもありました。

結局、開演ギリギリに入場してPAテントの横あたりの位置に着地。
ふと脳裏によぎるのは、前回来日であるフジロック2016でのライブ。あの時は『The Getaway』の楽曲を生で聴けることが嬉しかった半面、Josh Klinghofferのギターの音量があまりに小さかったり、Anthonyの調子もイマイチだったりで、フジロック20周年を祝うにはやや不完全な内容だったことは否めませんでした。さて、今回はどうか…?

オープナーは「Around The World」かと思っていましたが、安定の「Can't Stop」。これは万全。Joshのギターもしっかり音が出てます。
続く「Scar Tissue」の後、アンソニーとジョシュで何やら話し合う場面もありましたが、さらに続く「Dark Necessities」「Otherside」も特に問題はなさそうで、ここでようやく安心して観れるな!と確信しました(毎度毎度安心のレベルに達するのが遅いRHCPですが、それもそれで魅力ではあります)。

「Otherside」に続いて演奏されたのは「Hey」。この曲はエジプトのピラミッドでのライブでも特に印象に残った曲だったので、この日も演奏されて嬉しかったです。一定のドラムパターンとギターリフで淡々と進む曲ですが、それでこそアンソニーのボーカルが光る佳曲。ここ日本で聴けて本当に良かったです。

定番の「Dani California」のあと、やってきたのは"ギューン ギュギュッ ギュギュッ"の象徴的なギターリフ。え、うそ、「I Like Dirt」じゃん!今年のツアーでもほとんどやっていない楽曲を、ここで持ってくるなんて!
更に、「Go Robot」「Californication」を挟んで、1曲目がキャンストだったから無いと思っていた「Around The World」がいきなりの登場!これは驚きでした。終盤の時間になってのこの曲は、流れ的にかなり珍しいと思います。

今回のライブ、演奏的にはベテランらしい淡々としながらも魅せるプレイが繰り広げられたと思うのですが、その中でも突然予想外の楽曲が飛び出すのがユニークで、非常にバンドらしいと思いました。特にそれを可能にしているのは、柔軟なスタイルを身の上とするギタリスト・Josh Klinghofferのおかげ。彼だからこそできるRHCPのライブの集大成が、ここで体験できたのは嬉しかったです。
ただ、もうちょっと"熱狂的"な部分ももう少し見せて欲しかったかな、と思いました。自分のいた位置ではモッシュも起こらず、淡々と観るお客さんばかりで、正直"ロックのライブとしては、面白味に欠けるかも…?"と思った部分もややありました。時間も短かったし、リリースタイミングからは少しズレたタイミングでの来日だったので致し方なかったのかもしれませんが、もう少し"欲しい!"と思ってしまったのは確かです。

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Red Hot Chili Peppers

SUMMER SONIC 2019 day2 Part.2 奔走のメッセ編

ここからはメッセに移動。
マリン→メッセの歩道は、マキシマムザホルモンなどの黒バンTシャツを着た人の大移動中でした。やはりこの辺の層が今日のサマソニをチケットの売れ行き面を支えてくれてましたね。


Tom Walker(@Sonic Stage, 14:10〜14:50)

ほぼ同時間帯のceroと悩みましたが、めったに観れないものを観ておきたい!という思いからTom Walkerをチョイス。
音源聴いた感じでは、いまUKで爆売れ中のLewis Capaldiのように1曲1曲淡々とやる感じかな?と予想していたのですが、いい意味で予想を裏切られました。オーディエンスの反応をしっかり見ながら、ステージ左右に歩み出てアプローチをかけていくステージングは集まったお客さんたちを確実に盛り上げていましたし、楽曲も「タメ」と「キメ」がしっかり効いている。特にラストの「Leave a Light On」は、ビッグバンともいうべき爆発力がありました。
UKではチャート1位も獲り、大きなステージも経験しているだけに、今後日本でもメインステージに登れるようになってくれたらいいな…!という希望を抱くには十分なパフォーマンスでした。


Deaf Havana(@Rainbow Stage, 15:10〜15:20)

ビーチから走ってきたこともあって、ここで一旦休憩。着替えてからカロリーメイト(←私にとってフェスに欠かせないアイテムのひとつ)をモシャモシャやりながら軽く観ました。
もともとハードコアバンドだっただけに演奏のパワーはありましたが、それが曲の良さに直結しておらず中途半端な印象。もろにKings of Leonな「Holy」など、アイデアも限られている感じがして、正直「この先難しそうだな、このバンド…。」と思ってしまいました。変化するなら、この後登場するBring Me The Horizonのような思い切りと明確なメッセージ性がないと厳しいかも。


Coin(@Sonic Stage, 15:25〜15:50)

ここで観れなかったら次はない!絶対観ないと!くらいの心持ちで臨んだCoinでしたが、1曲目の「Growing Pains」から「なんか音、薄くないか…?」という違和感が。シンセサウンドを生かしたポップな音が持ち味のはずなのに、シンセは1台しか置かれていないし、それもほとんど弾かないんですよね。残念。
最近はTRAPばかり目立っていたアメリカも、ここ最近は一周回ってCoinやWalk The Moon、A R I Z O N Aのようなポップなロック復活の兆しが見えてきました。しかしその一方で、どんどんスケールが大きくなっていくR&BやHIP HOPのステージングには追いつけていない印象があるので、そこらへんと対等にやり合えるようになれば本当の復活になるのでしょう。

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△Coin

Machine Gun Kelly(@Mountain Stage, 16:00〜16:25)

というわけでCoinを途中で切ったことにより、最初から観れたMGK。冒頭から中指フ◯ック画像が大量に現れ、音的にもハードロック的手法を駆使した攻撃力の高いHIP HOPでした。
ただ、その背景にはMGK自身の苦しい過去や忌まわしい思いが滲んでいるようにも感じました。自らビールをこぼして作った輪の中でのたうち回るMGKの姿は、刺激的なパフォーマンスを飛び越えて、悲痛さも伝えるヘヴィなシーンのひとつだったと思います。


Tash Sultana(@Sonic Stage, 16:35〜17:25)

何度も何度も「え!?マジで!?」と思うプレイが飛び出した、超絶ジャングル空間。事前にライブ動画もチェックして「ふむ…こんな感じか」と把握はしていたものの、それを上回る驚きがありました。
ループマシンを駆使して多彩な音を重ねていくのは想定通りでしたが、その正確性がすごい。50分間ずっと失敗したりやり直したりせずに続いていく音のレイヤーには、物凄い練習量とそれを支える音楽愛が感じられました。また、ただ機材をいじくるだけのナードな演奏にとどまらず、時には左右のお立ち台に登ってプレイするショーマンシップも示してくれたTash Sultana、間違いなく今年のサマソニの技能賞です。

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△Tash Sultana

Bring Me The Horizon(@Mountain Stage, 17:30〜18:00)

個人的2019年ベストアルバムであり、今年最大級の賛否両論作でもある『amo』を携えてのサマソニ登場。当然フルで観たかったですが、Tash SultanaとFoalsにちょっとずつ被っていたことと、この後単独公演が控えていたため、ここでは残念ながら半分だけ。
Mountainに大急ぎで着くと、「The House of Wolves」が鳴らされていて即ブチ上がり。次に控えるBABYMETAL待ちのお客さんたちをかき分けて前方へ向かいます。
フロアは全体的にBMTHで全力出したい派vs.BABYMETAL応援したいおじ様派の構図になっちゃってましたが、今のBMTHはその辺の対抗軸を全部へし折っていく音楽性の強さと広さがあるので、この構図すらも丸ごと飲み込んでこちらも愉しむことができました。「Happy Song」の巨大サークルピットも「Shadow Moses」の大合唱も実現できたし、「Mother Tongue」では思わず号泣(苦笑)したりといろんなことがありましたが、当然他にも聴きたい曲や体感したいことはたくさんあったので、続きは単独公演へ…。


Foals(@Sonic Stage, 18:10〜19:10)

Foalsが来るから今回ここに来たんです。そう言ってしまえるくらい、この後に控えるRHCPと並んで個人的に重要なアクトだったFoals。なぜならフジロック2013以来の来日、そしてUKロックの新王者としての地位を確立した『What Went Down』(2015)リリース後の初来日、そしてそして現在の国際情勢を反映した『Everything Not Saved Will Be Lost』シリーズがリリース進行中の中での来日。これだけ貴重な機会、なかなかないでしょう。
「On The Luna」が始まった途端、「うおおお遂にFoalsのライブに来れた!」という実感が沸騰して早くも大興奮。続く「Mountain at My Gates」では、あの流麗なギターリフを生で聴けたことの喜びでボロボロ泣いてしまいました…!
周りのファンの皆さんもFoalsを観れることを熱望していたようで、決して満員では無かったようですがフロアの熱は高かったです。割と淡々と刻んでいくタイプの曲である「My Number」でも、飛び跳ねて大合唱するお客さんが結構いましたしね。
新アルバムからの楽曲で白眉だったのは「In Degrees」。ダンサブルなトラックに乗る、象徴的なコーラスからは時代を生き抜くタフネフさを感じました。これから後半部がリリースされる新作、リリースされたら更に強固なFoalsの意志が表現されるんだろうな…と、より一層楽しみになりました。
ラストは「What Went Down」で恒例のヤニス御輿からの、「Two Steps, Twice」で締め。この曲で2ステップ踏む!という密かな夢があったので、フロア後方に下がって夢を実践させていただきました(笑)。いやー楽しかった!
1時間で今のFoalsの全てを体感できた気はしないですが、それでも今年一番のライブ。来年また来日してくれる!ということなので、そのときにフルで味わいたいです。

SUMMER SONIC 2019 day2 Part.1 灼熱のマリン編

2019年8月17日(土)

2年振りのサマソニ
今年は20周年記念で3日間開催でしたが、3日間全力で行ってたら身体がもたないことと、新婚旅行後でお金が無いことから、最も観たいアクトが揃っていた2日目のみ参加しました。

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《観たアクト》
Johnnivan
東京スカパラダイスオーケストラ
TELEx TELEXs
10-FEET
Stamp
CHAI
Tom Walker
Deaf Havana
Coin
Machine Gun Kelly
Tash Sultana
Bring Me The Horizon
Foals
Red Hot Chili Peppers
【NF in Midnight Sonic】
The Cinematic Orchestra
D.A.N.
Akufen
サカナクション
Floating Points(DJ set)


ご覧のように大量のアクトを観たので、記事も数ブロックに分けたいと思います。まずはPart.1、主に日中のマリンスタジアム側で観たライブの感想です。


Johnnivan(@Sonic Stage、10:00〜10:20)

今年の出れんの⁉︎サマソニ⁉︎勢で、最も「いやいや普通に出れるでしょ」と思う実力を持つJohnnivan。
Franz Ferdinand〜The 1975に至るまでのUKロックの歴史に、それより少し前のニューウェーブ・ポストパンクのテイストが絡み合ったようなサウンド。しかしメンバーにはUK出身者はいない(※メンバーは日本、韓国、アメリカの各国出身)というのがまた面白い。
ボーカルのジョナサンが「サマソニに出られて嬉しいです、Foalsの前座が出来たと言えるので」と言っていて、Foalsファンのこちらも嬉しくなりました。

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△Johnnivan


東京スカパラダイスオーケストラ(@Marine Stage、11:00〜11:35)

スカパラ×フェス×メインステージのトップバッター、といえば2013年のCoachella。
https://youtu.be/r84J9CMNLr8
今回も初っ端から抜群の盛り上がり。活動30周年というキャリアも相まって、この人たちに任せておけば大丈夫!という信頼感100%のステージでした。
中盤には事前発表通りMr.Children桜井和寿さんも登場して「リボン」を熱唱。サマソニミスチル、というと例の地蔵問題で苦い思いを抱えている音楽ファンも多いと思いますが、今回桜井さんが叫んだ「サマソニー!」の声が少しでも融和に繋がればいいな、と思いました。


TELEx TELEXs(@Billboard Japan Stage、11:50〜12:30)

今年のASIAN CALLING2日目のテーマは、最近国際的な音楽フェスも増えて音楽先進国の仲間入りを果たしつつあるタイのアーティストたち。
先陣のTELEx TELEXsは、エレクトロ・ポップの基盤にタイ語の歌(時々ラップも)が綺麗に乗る、聴いていて気持ちの良いダンサブルなサウンド。しかし単なる欧米のエレポップの模倣には陥らず、独特の濃密さも含まれていたのがグッときました。この濃密さは、おそらく複雑な男女の関係をテーマにした歌詞に引き寄せられている部分もあるのでしょう。タイ語をきちんと理解できればもっとハマっちゃうかもしれないな…!と思いました。


10-FEET(@Marine Stage、12:30〜12:40)

日本のスカパンクを長年支えているバンドゆえにちょっとでも観たいな、と思って急いでマリンへ。結果、「その向こうへ」「VIBES BY VIBES(高速版)」「RIVER(サビ1行だけ。時間がないときのRIVER、と呼ばれているらしい)」以上だけ観れました。
自らもフェス主催者だからか、持ち時間厳守の意識がめちゃくちゃ高いな…!と思いました。ガンズとかに見習わせたいです(笑)。


Stamp(@Billboard Japan Stage、13:05〜13:15)

次のCHAIが観たかったのでちょっとだけ。タイのアーティスト2組目、先ほどのTELEx TELEXsとはまた違って今度はポップスター感がすごい。こんな小さいテントステージに出してしまってすいません、ついでにぼんやりフェス飯食いながら見ちゃって尚更すいません…!バンドメンバーを通訳がわりにしたやり取りも面白かったです。
今回のASIAN CALLINGタイ特集、(観られなかったPhumくんも含めて)クオリティの高さが際立ってました。これは約20年前、フジやサマソニが始まってからロックを中心に格段に質が向上した日本の音楽シーンと重なる部分があります。タイだけではなく台湾・インドネシアなどにもこの傾向があるので、今後はアジア全体の音楽シーンの発展・交流にも期待したいところ。来年はサマソニもアジア再進出を目指しているらしいですしね。


CHAI(@Beach Stage、13:20〜14:00)

もはや当たり前に海外で活躍するようになったCHAI。そのことが逆にパフォーマンスの固定化につながってしまい、最近はちょっとずつ面白みが減ってきてしまったかな…という気も。実際、4月に観たライブはかなり淡々と終わってしまった感じでしたし。
ただ、さすがに場数をこなしているだけあって、今回はお客さんたちをグイグイ引っ張るグルーヴの強さがありました。そしてPhoenix「J-Boy」をインスパイアした「カーリー・アドベンチャー」からは、完全にCHAIの独壇場!謎のモサモサ衣装をまとって踊りまくる「THIS IS CHAI」から、彼女たちなりの強い願いを込めた「フューチャー」「sayonara complex」で締める展開は、今のCHAIじゃないと出来ない逞しいパフォーマンスでした。これからもガンガン海外で頑張っていってほしいです。

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CHAI

Awesome City Club "Awesome Talks -One Man Show 2019-" @Studio Coast

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最近のAwesome City Clubは、King GnuやSIRUPをはじめとする国内新世代アクトと比べると曲がポップ過ぎ、一方で普通のJ-ROCK/J-POPファンにはお洒落でハイソ過ぎるという、レコード会社的には非常に推しづらい(セールスも実際伸び悩んでいる)立場に立たされているような気がします。
加えて、昨年はatagiさんが喉の手術の影響であまり歌えておらず、フジロックをはじめとするライブであまりいい印象を残せていない。そんな状況でのワンマンツアー、一体どういうライブになるのか・・・結果的には、色々な杞憂を吹き飛ばす素晴らしいライブになりました。今後も期待大!!

SYNCHRONICITY'19

今年はついに2days開催になったSYNCHRONICITYへ。初日は仕事だったため、2日目のみ参加でした。

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移動経路は、以下の通りです。

Ko Umehara(east sub) 13:00-13:35
SIRUP(duo) 13:50-14:10
長谷川白紙(crest) 14:15-14:55
バレーボウイズ(nest) 15:00-15:15
CHAI(east) 15:20-16:00
THREE1989(asia) 16:10-16:50
Bearwear(glad) 17:00-17:10
UDD(asia) 17:15-17:55
1inamillion(east sub) 18:00-18:10
TOKYO HEALTH CLUB(nest) 18:25-18:40
DATS(west) 18:45-19:20
TENDOUJI(asia) 19:25-20:10
ZAZEN BOYS(east) 20:15-20:40
Attractions(nest) 20:45-21:05
tricot(west) 21:10-22:00
渋さ知らズオーケストラ(east) 22:00-22:30

9時間半で16アクト。観たかったTempalayとTENDREが入場規制に阻まれてしまいましたが、まあまあの周り方ができました。

Cloud Nothings @O-EAST

【俺たちのクラナシ】でおなじみ(?)、オルタナキッズ達のヒーローと化しつつあるディラン・バルディ率いるCloud Nothingsの『Last Building Burning』ツアー東京公演に行きました。
前回の『Life Without Sound』ツアーは全体的に小慣れた演奏で、かつクラナシの出世曲のひとつである「Wasted Days」をやらなかったため、正直かなり不完全燃焼でした。攻撃力の強かった『Last Building B urning』を経て、演奏は変わっているのか?そして「Wasted Days」はあるのか?この辺りが個人的焦点でした。


Kings of Leonの『Only By The Night』がシャッフルで流れる中、まずは前座のLOSTAGE
Cloud Nothingsとは世代が少し上ですが、80〜90年代のオルタナティブロックに影響を受けたという点では全く一緒。演奏もクラナシに備えている耳にしっくりくる(というか逆にクラナシより絶対に上手い)サウンドで、フロントアクトとして最高の選出でした。ありがとうございます、SMASHの担当者様!
個人的にはLOSTAGEを生で観るのは五味アイコンの本出版イベント(懐!)以来で『ECHOES』以降のアルバムは全く聴いていない、という有り様だったのですが、昔と比べると軸は変わらずレンジと安定度が増した感じがしました。五味弟のトーンいじりが特に良かったです。


LOSTAGE終了後、ドラムセットが半分近くなくなって「ああ、クラナシのライブにきた!」という実感を得てから、転換たったの15分でCloud Nothingsスタートです。
今回のツアーは前半が『Last Building Burning』の完全再現、後半が過去曲からの選抜という構成。投げやりでこういう構成にしている可能性も無きにしも非ずだと思っていたのでどうなのかな?とちょっぴり不安だったのですが、「Hi!」ご機嫌で登場してきたディランくん、そして1曲目「On An Edge」の切れ味鋭い演奏で一気に不安は一掃されました。
お客さんの間ではまだまだ新作の浸透には時間がかかっているようで、モッシュが起こるような展開にはならず。しかし「Leave Him Now」や「Another Way Of Life」あたりはキャッチーで今後定着しそうだし、「Dissolution」のインプロもこれまでのインプロ曲とは違って"静"を押し出したものでなかなか新鮮でした。
最後はディランくんが「気に入ったらタワレコで買ってね!」と、未だタワレコが存在する日本ならではのジョークで締めた新作再現ライブ。新作をまるまるやる、というライブをあまり見た記憶がないので、新鮮でした。


「Modern Act」で始まった後半パートは、まさにクラナシ完全圧勝!という感じ。走りまくるリズム隊が焦燥を煽り、そこにグッドメロディと叫びが同居する、そこにお客さんたちも反応する・・・ロックライヴの最高の形がそこにありました。特にラスト2曲、「Stay Useless」と「I'm Not Part Of Me」は完全に"みんなのうた"と化してました。すごかった。


そして懸念だったアンコール。あるのか・・・あるのか・・・?とソワソワしながらOne More Song!のシュプレヒコールで何とかバンドを引き摺り出そうとするお客さんたち(と私)。
そして・・・出てきたーー!!ということは「Wasted Days」だーー!!ぎゃーー!!!!


・・・というわけで、あとは激しいインプロにまみれながら完全燃焼でした。ありがとうクラナシ

yule oneman show "Songfest"

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東京の6人組ポップバンド・yuleの初ワンマンライブに行ってきました。
yuleは社会人バンドゆえに活動ペースが遅く、それに伴ってファンベースの広がりも遅い(ただしハマった人はずっとハマり続けている印象がある)ので、今日のワンマンの会場も小箱である渋谷7th Floor。しかし、そこで鳴らされた音は小さな空間を遥かに飛び越えて、多種多様な場所に響くべき力強く壮大なポップ・ミュージックでした。

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ライブはEPで聴いていて"こういう始まりだったら最高だろうな…"と思っていた「白い家」→「KINGDOM」でスタート。わかってるぅ〜!
yuleのマルチタスクマン・Iwaoさんは早速グロッケンを叩きながらシンセを弾くダブルワークをこなします。会社に一人はこういう人材がほしいですね。


1stアルバムからの楽曲も、アレンジが効いていていい感じ。yuleのアクティブアニオタ・magさんによるギターの音作りと、6人でまとまるところと1人の音を引き立たせるところを上手く撰り分けているのが良かったような。まだまだ荒っぽいけれど、クリアに聴こえるべきところはすごくクリアに聴こえました(Reiさんのボーカルなど)。


yuleの妖精お姉さま・Annaさんによる和み系MCのあとは、新作EPの肝と言える2曲。
「サンライトソング」はAnnaさんが「一緒に歌ってくれたら嬉しい♡」と呼びかけていたものの、みなさん椅子席ですっかり落ち着いてしまっていて、せいぜい手拍子のみ…。この曲はもっと飛び跳ねたりして楽しみたい!ので、次はオールスタンディングの会場で聴きたいですね。
続く「Music」はIwaoさんのリコーダーが最高。まさに"グッドミュージックが溢れ出して"、我々のそばに届いていました。

おそらくワンマンでしかありえないmagさんのMCのあとは、密やかで、しかしダイナミズムも備えた楽曲が続きます。「It's dark outside」のアウトロは、完全に激しい時のSigur Ros。magさんのボウイング奏法もここで披露されました。本当にいろんなことが出来るバンドです。


3曲前後で行われてきたマイクリレーは、ついにフロントマンであるyuleの口下手エモ吟遊詩人・Reiさんのもとに。相変わらずの口下手ぶりでしたが、それがもう一部のお客さんにはすっかりお馴染みになっていて、今日一番の和みタイムになっていました。それでも、いろいろと考え抜いた結果として出た"この6人でやれば、yuleのやりたい音になる"という言葉には、はっきりした決意と未来が感じられました。


終盤は「Morgenrot」ののち、yuleの音楽の幅が大きく広がったきっかけとも言える「ゴーストタウン」。ゴーストといえば、この日はハロウィーン。渋谷の喧騒にはどこかなんとなく盛り上がっているだけの空疎さが伴っているような感覚がしていましたが、この曲も楽しげな曲調の裏で目標物を見失ったまま揺らいでいる者たちへの問いかけが含まれているような気がして、この日にぴったりだと思いました。こういう二面性のある曲、本当に好きです。


本編ラストは「羊が眠る頃」。この曲はライブで聴くたびにクライマックス感が上がっていきますね。終盤のReiさんの歌には、これまでのReiさんの想いの丈が詰まっているようでかなりグッときました。


一旦はけた後、アンコールはReiさんがシンセを操る「Whenever」から。マイクはyuleのスーパーセールスドラマー・fumiさんに渡り、超丁寧な御礼と軽妙なトークで締め感出てきたところで「sleepless sleep」、そしてフォーキーな「バルカロール」で大団円。トータルで1時間15分くらいだったでしょうか?ずっと楽しくて、満ち足りた時間でした。


yule "Songfest" @7th floor, 28/10/2018

(SE.) 白い家
KINGDOM
Symbol
starry song
- AnnaさんMC
サンライトソング
Music
- magさんMC
hope.
It's dark outside
call
- ReiさんMC
Morgenrot
ゴーストタウン
羊が眠る頃
(en.)
Whenever
- fumiさんMC
sleepless sleep
バルカロール

https://open.spotify.com/album/6v8pqC8fiiVxw44mdO9w0B?si=rb58iw-2QL-CGbEe1mP8og

exPoP!!!!! vol.114

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いろんな人たちに囲まれて聴く音楽は良いですね。ライヴはやっぱり素晴らしい。

マスドレ

Sugar
New Order
She is inside, he is outside
かくいうもの
YAH YAH YAH
スローモーションリプレイ
ワールドイズユアーズ
(en.) ベアーズ

というセットリストで、直近のツアーをギュッと凝縮したような感じでした。
菜津子さんはこの日、宇多田ヒカルのチケットが取れたのがよほど嬉しかったのか?いつにも増してイキイキしてました。オグさんも手拍子煽ったり、いさおさんもメガネ吹っ飛ばしながらそれぞれ爆演。短い時間でしたが、素晴らしかったです。

OGRE YOU ASSHOLE @ 日比谷野音大音楽堂

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クアドラフォニックライブ=会場の4方向から音を出すライブ、というコンセプトでしたが、結果的にオウガの圧倒的力量に押し切られたライブになりました。

17:00開演時は外もまだ明るく、天候もまだ曇り空のまま保っていました。
特にSEもなく、フラッと現れた4人。最初は全員がシンセの前につき、4カ所のスピーカーからそれぞれの音を鳴らします。