長かった転職生活に一旦の区切りが出来ました。
大学に戻って恩師のもと事務作業を1年程していたのですが、僕が元々環境の変化や技術者の大変さに衝撃を受けたのもこの場所だったので、なんやかんやあって体調が再度悪化してしまっていました。とはいえここで手に入れたものや培った経験に思い入れがあるのも事実で、色んな環境や色んな人と一緒に仕事をしてみましたがあの空気には特段の愛着があるんだなとやはり感じています。もっと一緒にいて居心地がいいとか働きやすいとか話しやすいとか、そういう側面で見れば他の環境のほうが心理的 安全性が高いなと思ったこともありましたが、やっぱり好きなことや憧れを仕事にするという姿を体現するうえでは、研究室で出会った人達がいつまでも目標というか、変わらず憧れのように思います。あれに近い環境に適応できるものならしてみたいというのが、今でも夢なのですよね。
経験を先取りしすぎたのです
個人的にはもっと自分で色んな人生経験をして色んな世界を見てから、「あの時すごい人たちが何を言っていたのかわかるようになるのだ」とずっと直感的に思っていました。社会人経験のない私が自分の想像できない社会人の暮らしにいち早く取り込まれたのは幸運でしたが、ずっと心の準備は追いついていませんでした。上司や優秀な学生との実力に開きがありすぎて、あるいは実力が付くよりも先に肩書をもらってしまったせいで、自分でお金を稼げている自己効力感がずっとなかったのです。
アルバイト経験や遊びをやってこなかったのも一因で、どのくらい作業をすればどのくらいの対価をもらうのが妥当かという収入モデルも、脳内に作り込めないでいました。その穴埋めをする期間としてこの下半期、ある種人が羨むようなポジションを辞め、最低賃金 +100円くらいのバイトから再スタートし、その間バーテンダー やプロミュージシャンとのライブも経験しました。今は大学の隣町の物流倉庫で事務員をしています。
PC作業でうつ傾向が再発しないか心配でしたが、家庭を持つ方がパートで再就職しに来ているのを見たり、近い世代の非エンジニア(つまりは根っからのサラリーマン)と一緒に仕事をしたり、周りで自分の家族の話が話題に出てくるのが当たり前になっていく中で、僕でもいっぱしの人間として少しは力になれるんだという感覚を、社会人になって初めて持てています。
音楽をどの温度感でやるのか
ミュージシャンでやっていけるものならそうしたいと思っていたのですが、セールスの大変さや住んでいる場所の地理的な不利さ、経済的に引っ越す余裕のなさ、そろそろ30歳が見えてきて人生をもうちょっと堅実に立ち回る理性が出てきたことなどから、演奏活動を本業にして生きるのは現実的でないなと感じ、今は活動を制限しています(単純に演奏活動を維持できる経済的余裕がないというのもあり、配信とピアノの練習と月1くらいの活動のみに留まっています)。
体調を維持できる仕事の難易度と労働時間の遵守、また今の自分ならこれくらいは稼げるという根拠に基づいた自信から、ようやく精神的余裕が生まれ、最近になって再度お堅い求人広告を見る気力が出てきました。技術力で登用されることはないと思いますが、社会人基礎力みたいな部分が今になってやっとついてきたので、昔に比べれば少しは世間様に貢献できるんじゃないかなと。明言するものでもないので言いませんが、一応これくらいの収入が稼げる社会人になりたいという目標はあり、今はそこに向かってキャパシティを広げる努力をしています。
日曜なので酒を呑みつつ
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しばらくぶりにテックカンファレンスでも見たいなあと思っていたらこんなのが出てきました。
28にもなるとしゃべっている人が雲の上の存在じゃなく見えてきて、というか人が加齢する過程を実感を伴って理解できるようになってきたので、割と親近感を持ってこういう真面目な話が聴けるこの頃。
とりあえずあまり難しい話をたくさん聞くと情報処理が追いつかなくなるので、「エンジニアのためのドキュメントライティング」(https://twitter.com/iwashi86 )だけ聞くことに。論理的な文章にするために話題とする要素の抽象度を揃えましょうとか、大前提として読み手はほんとうは読みたくないのに課題を解決しないといけないから渋々ドキュメントに手を付けている、つまり流し読みに適した文書を書くべきだ、と言った話が印象的でした。僕もそうなんですが文章を書きたがる人って書くことによって快感を得ているので、それに付き従って闇雲に情報を吐き出していると雑になるんですよね。そうならないよう注意しようと改めて感じました。
さて、もうすぐこのブログも再開する気力が湧いてくるかもしれません。執筆を生業にするわけではないし趣味のテンションと時間配分でやっていきたいですが、やっぱりいい文章は書きたいんですよね。