庶民的不妊録

生活が不安定なのに不妊治療沼にはまる夫婦の漫画ブログ

【採卵8回目3】回避

8回目の採卵日は生理開始から19日目(D19)でした。

田熊史上最遅。

さらに直前の卵胞チェックでの最大卵胞は28ミリと巨大。

電車の振動だけで育てた全卵子排卵してしまうのではないかとヒヤヒヤしながら、ソロリソロリと歩きながらクリニックへ向かいました。

 

結果、採れた卵子は8個。

直前のチェックで見えていた個数と同じ数でした。

どうやら採卵前の排卵は防げていたようでした。

 

そして迎えた受精確認日。

胚盤胞到達ゼロを何度か経験している田熊にとって一番の山場。

ゼロはやめてくれ...

ダメージが本当にすごいから...

保険適用の残りの移植回数はあと2回なので、贅沢を言わせてもらえるなら2個できていて欲しい...

と願いながら塩先生と対峙しました。

 

「8個とれた卵子のうち、受精したのは2個。そのうちの1つが胚盤胞になりました」

 

1個。

ゼロじゃなかった...!

けどまた1個しか...!

 

首の皮一枚繋がった安堵感と、これだけやっても1個しかできない劣等感で感情ゴチャゴチャでした。

 

※ここで書いていることは2023年10月頃の田熊の体験談です。

治療についての考え方はクリニックやお医者さんによって異なりますので、主治医や専門の方にご確認ください。

 

 

【採卵8回目2】平均

採卵8回目。

今回もし胚盤胞ができたら、それが何個であっても凍結して、アシステッドハッチングとSEET法をやりたい旨を事前に塩先生に伝えました。

塩先生は塩なので、

「それは胚盤胞ができたらですね。まずは卵を育てることに集中しましょう」

と言いました。

 

通常、採卵時の卵胞サイズは最大でも23ミリ程度で良好な卵子が採れると言われている中、成熟卵が採れなさすぎる田熊は卵胞を最大28ミリまで育てて採卵に挑みました。

アンタゴニスト法では生理開始から大体14日目頃に採卵をする人が多い中、田熊の採卵は生理開始から19日目。

なんかすごい平均から外れすぎていて大丈夫かいなと思いましたが、ここまで不妊だと平均なんて当てにならないのも事実でして、塩先生を信じることにしました。

 

ちなみに採卵と移植を繰り返していると途中で必ず耳にする「TRIO検査」や「着床不全検査」について、やるのはどうか塩先生に一応聞いてみました。

TRIO検査については料金が高額なうえ、検査後の治療や効果について塩先生自身がいまいち納得できていないから塩クリニックで実施していない。

着床不全検査については、田熊はそれまでに2度着床だけはしているので不要と考えていると説明してもらえました。

 

庶民の田熊は元々TRIO検査に手を出すつもりはありませんでしたが、塩先生の説明を聞いてだいぶ気持ちがさっぱりしたので、疑問や迷いは逐一プロに相談するのが一番だなと思いました。

 

※ここで書いていることは2023年10月頃の田熊の体験談です。

検査や治療についての考え方はクリニックやお医者さんによって異なりますので、主治医や専門の方にご確認ください。

【採卵8回目1】やれること

7回目の採卵でできた分裂がゆっくりの受精卵を破棄し、田熊は8回目の採卵周期に入りました。

会社でのゴタゴタにより業務量が一気に増え、不妊治療で仕事を休むことへの風当たりが若干強くなったなか、

「移植6回、もしくは採卵10回でダメだったら、もう不妊治療はおしまいかな」

という明確な数字が田熊の頭の片隅に浮かんでいました。

会社のこともありますが、田熊自身の身体やメンタルがそれくらいで限界かなと思ったのでした。

残り2回の保険移植を悔いなく終えるべく、今更ながら庶民なりにやれることはやろう、と思い立ちました。

 

まず、クリニックで保険採卵・移植にプラスできる自費の処置をやることにしました。

とは言っても田熊の通うクリニックでできる自費の処置はアシステッドハッチングとSEET法くらいでした。

SEET法となると新鮮胚ではなく凍結融解胚移植をする必要があるため、凍結融解に耐えられる良好胚盤胞を得るというのが条件となってきます。

(大多数の人には余裕かもしれませんが、胚盤胞がなかなかできない田熊にはハードル高い条件)

ということで、採卵を複数回繰り返してだんだんと疎かになっていっていた魚中心の食事と漢方とセルフお灸も再開させることにしました。

これらはもはや願掛けでしたがもうここまで来ると医学的根拠より気持ちの問題でした。

サプリメントも元々飲んでいた葉酸・鉄・ビタミンDラクトフェリンに加え、お高いし膣に自分で入れなきゃいけない気持ち的に難易度高めのラクトフローラの膣錠(子宮内フローラを整えるやつ)を追加。

 

あとおっくんはもちろん禁酒。

漢方とサプリをちゃんと飲む。

湯船には入らない。

 

初心(?)に帰ってこれらをちゃんと実行することを夫婦で約束しました。

 

 

【採卵7回目5】残り2回

7回目の採卵の受精確認日。

田熊に知らされた結果は

卵子12個中、受精1個、5日目の時点で初期胚」

という何とも厳しい状況でした。

 

2つ前の採卵でも受精確認の日に同じような状況でした。

その時は採卵をしても移植にたどり着けないということ自体が辛く気持ちがもたなかったので、妊娠率が低くなることは承知の上で、できていた初期胚1つを継続して培養、7日目に低グレード胚盤胞3CCになった卵を子宮に戻したのでした。

着床結果はhCG2で陰性。

妊娠には至りませんでしたが、測定限界値ながらも初めて数値が出たことで、子宮内に着床できない要因がある可能性が低いということがわかったのでした。

ただし、その時の移植は保険適用の3回目。

その一回がダメでも保険内であと残り3回移植できるという心の余裕があったのでした。

 

今回、田熊の移植は5回目。

保険適用の移植は6回までなので、これがダメだった場合、移植のチャンスはあと1回のみということになります。

 

残り2回の移植は後悔のないように、自分なりに万全を期して良好胚盤胞を移植したいという思いがあったので、せっかく受精できた卵でしたが破棄してもらうことを選択しました。

 

【採卵7回目4】デジャヴ

会社で大変なことが起こった翌日、田熊は7回目の採卵後の受精確認のためクリニックへ向かいました。

従業員全員が精神大混乱の中がんばって働いているのに自分だけ休むのは少々気が引けましたが、自分の人生も大事だし、そもそも受精確認はずらせないし、と自分に言い聞かせて予定通り仕事は休みをとりました。

 

2周期のお休み期間で存分にストレス発散し、今回は卵胞の育ちも順調。

採れた卵子は12個。

保険適用の残り2回の移植分、2個でいい、胚盤胞できてくれ…

という田熊の願いも虚しく、採卵から5日目で胚盤胞は1つもできていませんでした。

 

採れた12個の卵子のうち成熟卵は1個だけで、その1個は受精はしましたが分裂が遅く、5日目の時点で初期胚。

ここまでの説明を聞き、田熊は「デジャヴだ...」と5回目の採卵の受精確認を思い出していました。

 

【採卵7回目3】フォロー

7回目の採卵から4日目。

田熊は受精確認を翌日に控え、まったく集中できないポンコツ状態で最低限の仕事をこなしていました。

 

その日、社長から従業員全員(と言っても10人程度)に話があると皆が集められ、総務を担当していた女性が事故で意識不明重体、職場復帰は絶望的、という知らせを受けました。

 

従業員全員ショック状態で驚嘆する人、泣き出す人、理解が追いつかず聞き直す人とその場でパニックが起こりました。

社長はみんなを落ち着けて、総務さんの容態の説明をしたあと、涙目になりながら田熊の方を向き、

「総務さんがやっていたこれとこれと、この仕事をやってもらえるかな?」

と言いました。

 

受精確認前ポンコツ頭に総務さん重体の衝撃、からの引き継ぎなしの未知の仕事を振られ頭の中が「え????????」という何も考えられない状態に陥りましたが、そのシチュエーションで断れるはずもなく言われるがままに総務さんがやっていた仕事をいくつか引き受けました。

 

会社で急遽欠員が出た際に周囲の人間がフォローしなければならないのは致し方ない状況であると思います。

ですが当時自分の抱える業務さえキチキチのスケジュールでこなしていた田熊は、総務さんの仕事を振られた瞬間、

「とうとうフルタイム正社員と不妊治療両立の限界がきた...!」

と悟りました。

 

【採卵7回目2】久々の麻酔

2023年9月、田熊は無事7回目の採卵を終えました。

卵子は12個採れて田熊にしてはまずまずの結果でした。

が、麻酔後の体調不良がすごい。

前日の絶飲食開始時間直前まで水分を十分摂り対策はバッチリしたはずだったのですが、久しぶりの麻酔だったからなのかなんなのか、家に帰って寝ても目眩と吐き気と胃痛がおさまらず、体調不良は翌朝を迎えても続いていました。

 

その日は会社に出勤する予定だったのですが起き上がって働ける気もせず、総務の方にLINEでお休みしたい旨を連絡してそのまま寝てしまいました。