おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

光の下


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むずかしい季節だね

僕はまだ足を止めることも進むこともできず

“夢追い人”

響きだけ噛みしめて

煩わしいことは全て目を逸らすから

 

汗にまみれた放課後が

きゅっと恋しくなるんだよ

 

夢見てもなお破れてゆく

繰り返す日々への勲章は

いつかこの身いっぱいに注ぐ

スポットライトであるように

 

ベッドの上に蹲って

何が変わるというのだろう

情けない自分も連れて

飛び出そう

まず太陽の光の下へ

 

人々は大画面の歌姫に歓声を

僕はひとり通り過ぎ

コンクリート見てるだけ

踏みしめたこの一歩

足跡も残らぬまま

 

君のようにはいかないさ

それは悲しい生き物だ

 

払ってもなお付き纏う

芳しいものへの憧れが

いつかこの身離れて響け

影に覆われた者にとり

 

ラクタの街で俯いて

何が変わると言うのだろう

不安定でもゼロじゃない世界

踏み出そう いつか見える光の下へ

 

君のようにはいかないさ

結局悲しい生き物だけど

 

夢見てもなお破れてゆく

繰り返す日々への勲章は

いつかこの身いっぱいに注ぐ

スポットライトであるように

 

空回りでいい 呼吸をして

嘆く声さえ芳しい

僕を見つめ進んでゆこう

いつか必ず生きる光の下で

あなたはからっぽ

言われなくても分かってる

私はからっぽ

雨も風もすり抜けて

 

苦しくすらない

私はからっぽ

 

誰かがそれを希望だと言えば

受け止める心持がないもので

どうせ捻くれてゆく

私はからっぽ

 

何にでもなれるって

歌があったな

本当に?

だってこの世は苦しいと決まっている

人が時たま確かにいるの

 

どうせからっぽ

私はからっぽ

あめさんないない

乞うた積りの

人に酔い

久方ぶりの

人集い

 

まじないの逆立ち

あめさんないない

 

欲を持たずに

欲に正直

子等のほうが知っている

 

救う積りの

人は罪

照らし返せば

人集り

 

あやかしの気紛れ

あめさんないない

 

徳を積まずも

徳にあやかり

大人の振りの上手いこと

 

まじない搔き集め

あめさんないない

 

逆さになった縁の罪

誰も知らぬうち

あめさんないない

 

明日も知れぬように

できていよう

また夢に見る

夢見が悪くならないために

優しくしようと試みる

どうしたって夢に見る

消えてくれないあの声と

なぜだかいつも困り顔

 

あなたが臥せている時に

何もできなかった子供の頃

存在しているだけで迷惑だと

思わされた言葉

 

引きずって引きずって

足りない大人になりました

 

自分が悪いことを

繕うことはできないし

前向きに切り替える人の

気が知れない

 

今日も

夢見が悪くならないように

考えて考えたら

また夢に見る

もう一つのねがい

寝起きの下手な君だから

側に居なくちゃいけないと

下手な言い訳繰り返す

歌にならないはずだよな

 

まだ空を見てるつもり

恋なんか何でもないと

ほら風に祈るつもり

やな癖が出てしまうな

 

生きているのが下手だから

消えてもいいと思うのは

不幸者だというけれど

どうすればそう思えるの

 

時よまだ

居座るつもり

悲しみを負う者はただ

あの日の恋に縛られても

幸せと言えるでしょう?

 

願いを掛ける人々は

恵まれてると思えない?

どうせ恋とかいうからさ

違う生き物に見えるのよ

 

僕が外れた世界から

柔く優しい色がする

 

まだ空を見てるつもり

恋なんか何でもないと



 

影街

誰も責めちゃいないよ

ただね 雨が少し

落ちる気になっただけさ

乗り換え駅の向こう

 

賑わいどおし

明るい兆し

誰にも見せたくないよ

噎せ返す熱

 

今日で最後ね

見送りなしに

あなたの家へ

お帰りなさい

 

恋のふりして

浸っていたいと

夜毎言っても

昼に忘れる

 

邪魔をするでしょう

いつだって哲学が

美しい式持たず

みすぼらしくて

 

責められちゃいないよ

消えるまでに気づけるかな

もうね 雨もとっくに

乾ききっていたいのさ

恋熱の館

血吸いの物語に絆されたか

また知らずの娘が迷いこむ

足元に気をつけて

歩いているうちは気づかない

影を見ておいて

 

身体の熱があがるころ

それが病か知れぬこと

扉開けたらもう最後

楽に朽ちられる

筈がない

 

まだ美し黒髪の

血巡りよい肌に

息を呑むでしょう

次の一瞬

それは一気にあがる熱

 

まだ知らなかった

朽ちることを知らなかった

恋を煌びやかと思っているうちが

いちばん、あぶないのだから

 

また熱があがる

その目に映るのは

美しの人でしょう

だけれど絆された

目で頭で

本当の姿は見えていない

 

それが病に罹るということ

僕の身も朽ちる

償いのつもりで

石に布団を

掛けるために帰る気にも

ならない

 

明日には僕も朽ちる

怯え綻びてゆく

自分のことしか考えられないように

育てたのはあなたでしょう

 

だから人の多く乗り込む船に

わざとわざわざ向かう気になれず

世間の営みと逆をゆきたい

捻くれた娘になった

 

この手には赤子が泣く

もう理屈でねじ伏せることも

感情で押し切ることも

できない仕様

 

だって明日には

僕の身も朽ちる

遠く聞こえる

また便り待ち

時代にそぐわぬ

入り日待ち

 

暮れ終われば

諦めて

飯炊き

やがて床に就く

 

単純な営みが

遠ざかってゆく世に

ただついてゆけぬだけの

言い訳だとして

 

若くありながら

もう暮れてゆくことを知っているから

老婆心が芽生える

 

また便り待ち

どうせ今生の中の

さらにほんのひと時の人と

また相見えたとて

 

然らば

その一瞬のため

暮らしつないでいるとも言える

 

病める時はひとり

その覚悟はあり

強くも見えて

本当の安心床を知らないの

 

遠く聞こえる

ゆりかごの歌が

本当に遠く聞こえる

 

自分のために歌われたことが

ないから

遠く聞こえる

カミサマノイウトオリ

眠る前に不幸を数えましょう

眠りつけない呪いでも

遠ざかる

カミサマノイウトオリ

 

世間の美しさには そっぽ向いて

知ったことかと捻くれましょう

だって誰がどうにかしてくれることでも

ないでしょう

 

遠ざかるなら遠ざかれ

どうせ

どうせ

カミサマノイウトオリ