福岡みんなの自主ゼミ シーズン2「ジェンダー・トラブル読書会(全三回)」

どうも。運営のハナイです。めちゃめちゃ久しぶりのブログ更新ですね。もはやブログを書かないことへの罪悪感もなくなってきました。あけましておめでとうございます。

 

 

■新しいイベントのお知らせ

3月より福岡みんなの自主ゼミ第2シーズンとしてジュディス・バトラー著「ジェンダー・トラブル」読書会を全三回として開催します。

  

【第1回】「第一章 セックス/ジェンダー/欲望の主体」
【日時】3月4日(日)10:00〜12:00
【会場】福岡市赤煉瓦文学館 会議室3
【定員】10名

申し込みはHPよりお願いします。

 

昨年の秋冬ではフーコーゼミとして監獄の誕生読書会を開催しました「福岡みんなの自主ゼミ」という企画ですが、続く第2シーズンとしてジュディス・バトラー著「ジェンダー・トラブル」を通してジェンダー論について学んでいこうと思います。

 

■「ジェンダー・トラブル」について

 

ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱

ジェンダー・トラブル―フェミニズムとアイデンティティの攪乱

 

 


Amazon 紹介ページ より

 

『数あるジェンダー学(性差学)関連書の中で最も社会に影響を与えた1冊であり、かつ最も著名なのが、本書。』

 

 

『性意識と生物学的な性の不一致に苦しみながらも前向きに生きていたり、生きようとしていたりする人たちがまっとうな生活を送れるために、もしくは送れる可能性を高めるために本書を世に送り出すことにした、とバトラーは言う。 』

 

 

 ■読書会について

読書会では主に「課題範囲の内容読解」と「内容にまつわる事柄についての自由な話しあい」、「関連の読書案内、情報交換(ジェンダー論やバトラーに関連する図書の紹介)」などを行う予定です。

 

ジェンダー論についての専門的な議論をしようというよりは、一人では読むことの難しい思想書をみんなで協力しながら読むといった感じです。一応、参加者は本を読んだものとして進行をしていきますが、実際は未読でも参加OKです。とりあえず聞くだけで会の雰囲気だけ楽しみたいという方でもお気軽に参加ください。

 

みなさんのご参加をお待ちしております。

よろしければ各種SNSにてシェアしていただけたら嬉しいです。 

 

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10月7日(土)TONAGI哲学カフェ開催

イベントのお知らせです。

 

きたる10月7日(土)19:00〜21:00より

博多区千代にありますゲストハウス兼カフェのTONAGI(トナギ)さんにて哲学カフェを開催します。

 

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TONAGI Hostel × Cafe 

http://www.tonagi.com/

 

 

 

ゲストハウスとは宿泊施設の一つで一般的なホテルよりも安価で宿泊できることと宿泊者同士の交流が豊富なことが魅力とされています。

 

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今回はそのゲストハウスに併設されているカフェにて哲学カフェを開催することで、福岡の人たちと県外から福岡にきた宿泊者の方々との間での交流を盛り上げて欲しいと、依頼をいただきました。

 

そこで今回は「人はなぜ旅をするのか?」というテーマで哲学カフェを開催しようと思います。

 

いつもは毎月日曜日の午前中に開催していますが、今回のトナギさんでのイベントは土曜日の夜ですので「哲学カフェには興味はあったけど日曜日の午前中だから参加できなかった」なんて人も是非お越しください。

 

改めてイベント概要のお知らせです。

 「TONAGI哲学カフェ vol.1 人はなぜ旅をするのか?」

【日時】10月7日(土)19:00〜2100
【場所】TONAGI cafe 福岡県福岡市博多区千代 4-4-16
【参加費】カフェにてワンオーダー
【お申し込み】哲学カフェホームページより、または申し込みなしの飛び込みもOKです

 

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最近の哲学カフェの報告まとめて

こんにちは!運営の花井です。

もうかれこれ4ヶ月くらい哲学カフェの開催レポートを書いていないですね。すみません。

毎月きちんと同じことをするって難しいもんですね。Bundoku哲学カフェとか現代思想読書会とか毎回きちんとまとめを載せてて偉いなって思います(他人事)

 

記録も兼ねて最近の哲学カフェの記録を簡易的にでもまとめてみます。何にも残らないってのはマズイと思うので。

 

5月 第34回「今だからこそ教育とは何か考えてみる」

参加者18名、男性8名女性10名、初参加7名でした。

 

6月第35回「結婚に愛は必要か?結婚に必要なものとは?」 

参加者18名、男性10名、女性8名、初参加6名でした。

 

7月第36回「さみしさとは何か」

参加者19名、男性9名、女性10名、初参加6名でした。

 

8月第37回「嘘って何?」

参加者12名、男性7名、女性5名、初参加1名でした。

 

 

読書会について語る会「ともに本を読み交わすことの魅力とは」開催のお知らせ

イベントのお知らせです。

今回は哲学カフェ番外編として 福岡でも様々に開催されている読書会というイベントについてざっくばらんに語り合う座談会を開催します!

「読書会ってなに?」「読書会の魅力って?」「福岡のオススメ読書会」「これからの読書会」などなど
読書会について知らない初心者の方も、読書会ファンの方も、読書会主催者の方も一緒に読書会の魅力を知り考える会になればと思います。どなたでも参加できます。気軽にお申し込みください。福岡の読書会の紹介や宣伝も大歓迎です。

【テーマ】ともに本を読み交わすことの魅力とは?
【日時】 7月29日(土)19:00〜21:00
【場所】 なみきホール 多目的室2
     福岡県福岡市東区千早四丁目21-45(千早駅前)
【定員】 20名 先着順
【参加費】施設費として100円
お申し込みはこちらよりどうぞ

https://fukuoka-cafephillo.jimdo.com
広く様々な人に参加していただきたいのでよろしければ拡散お願いします!

今後のイベント構想紹介シリーズ〜「人文読書会(仮)編」

こんにちは。運営の花井です。
今日から福岡哲学カフェで今後新しく始めたいなあと思ってるイベント案について書いていきます。目的は告知と反響調査と運営協力してくれる人の募集です。以前から僕の中で普段やってる哲学カフェとは別にやりたいことがいくつかあったんですが、自分の都合もあってなかなか行動に移せませんでした。が、最近になって少し生活が落ち着いてきたので積極的に動いていきたいと思い立ったところです。

今日からいくつかのイベント案をブログで書いていきますが、読んでみて「それいいね!」とか「面白そう!」「運営に携わりたい」と思ったら是非ブログや各種SNSにコメントまたはホームページからメッセージください。実現に向けての強い後押しになります。

まず一つ目、今日紹介するのがタイトルにある通り

「人文読書会(仮)」です。 実現させたい度★★★★☆

・イベント概要
いわゆる読書会です。決められた課題本を読んで、当日その本を読んだ感想や気付いたことなどを話し合うイベントです。特徴としては広く人文系に関連する図書を扱う読書会にしようかなと考えています。

・開催理由
開催理由は現在福岡県内で広く人文系の図書を読み交わす趣旨の読書会がほとんどないように思うからです。哲学カフェ含めこれからあげる他のイベント案にも通じて言えますが、基本的に「福岡にないものを作る」ということが動機を占める割合は大きいです。既に巷に溢れているイベントをわざわざ自分が旗あげして始める必要をあまり感じませんし参加する側の人もそうかなと。シンプルに自分が欲しいと思ってるけど、福岡でやってる人がいない場合に、じゃあ作っちゃおうという感じです。

福岡県内には様々な読書会がありますが、その多くは参加者がそれぞれ持ち寄った好きな本を紹介し交流する紹介型の読書会で、残りの課題図書型の読書会でも多く扱われているものは小説や文学作品など文学に限られたものがほとんどです。広い意味で人文系の読書会といえば「天神ぷち読書会」さんと文フリ福岡有志の方が開催されている「現代思想読書会」くらいでしょうか。もちろんうちうちで書評会などを開いている方々も県内にはたくさんいらっしゃるでしょうが、少なくともネットやSNSで検索して簡単に見つかり誰でも参加ができるようなオープンなものはほとんど開かれていないというのが現状だと思います。

最近でいえば東浩紀さんの「ゲンロン0」千葉雅也さんの「勉強の哲学」など巷を賑わわせている思想書が多くありますし、全国では既にそれら人気図書をテーマにした読書会がたくさん開催されています。そう考えると、きっと福岡でもそういう本について語り合う場を求めている人がたくさんいるはずなのに、それが出来る場が全くないというのは寂しいことだなと感じました。

・具体的な指針
基本的にはまだまだ未定です。これから読書会を協力して一緒に始めてくれる方を募り、メンバーで話し合いながら一から作り上げていくつもりです。

その上で現時点で自分が思っているのは、
課題図書は人文系から広く選書したいこと。上で「ゲンロン0」や「勉強の哲学」を挙げましたが、別に現代思想にこだわるつもりはないですし、歴史や心理学とか、詩集なんかでもいいと思います。また専門的なものじゃなく一応誰でも読める程度のものがいいかなと考えています。自虐抜きに僕自身本当に学がないので専門的な本はついていけないと思いますし。また趣旨については哲学カフェと同じように読みの正しさを競う討論の場ではなく、あくまでそれぞれの読み方を交わすことで読書体験やそこから得られる思索を豊かにすることで、ゆるやかな安心できる会にしたいと考えています。頻度としては毎月か隔月あたりで出来ればと考えています。

・今後の進展
読書会についてはある程度じっくり準備をしてから始めたいので、開催まで時間がかかると思います。今は読書会設立に向け、告知をしながら協力してくれる人を募っています。そして時期がくれば「読書会についての座談会」というようなイベントを開きそこで福岡県内の読書会文化や参加者が望む理想の読書会を語り合い、情報収集、参考にしたいと考えています。その上で運営メンバーと今後立ち上げる読書会の指針について具体的に話し合いを始めていく予定です。ここまでが夏くらいまで目処ですかね?

以上が新イベント読書会についての構想紹介でした!
次回は「福岡みんなの自主ゼミ(仮)」について書きたいと思います。
お楽しみに。

4月「大人になるとは?」開催レポート

■第32回福岡哲学カフェ開催しました

こんにちは。運営のハナイです。
4月16日(日)第33回目の哲学カフェ開催しました。
テーマは「大人になるとは?」
当日の参加者は合計21名で、そのうち男性10名、女性11名、初参加9名でした。
皆さんありがとうございました。

 

■今月のホワイトボード
福岡哲学カフェでは対話を始める前と終わった後で、その時点でのテーマに対する考えを記入してもらってます。これは対話の前後で自分の考えがどう変化したかを確認、実感しやすくするためのプログラムとして設けてます。

画像は対話前の考え。

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これを元に対話をし、最後にもう一度別の紙に同じように考えを書いてもらいます。

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こういう風に変化しました

■アンケートへの返信
哲学カフェに参加いただいた方に匿名でのアンケート回答をお願いしています。
頂いたアンケートから今回の感想、批判、要望について可能な範囲でお応えしたいと思います。

 

(アンケ1)「参加して楽しめた、特に良かった、という点があればご自由にお書きください」

(回答1)普段もやもやと言語化できない思いを言葉にしてもらったような場面もあり参加してよかった。

(回答2)自分の紹介(今の肩書きや年齢など)が不要であることで、みんながフラットな状態話が出来ることが良かったです。

(回答3)他人の考え方が聞けたこと。

(回答4)参加するルールがあり、今後このルールは、日常的に生かしたいと思いました。
対話を聴いて、自分の考え方が明らかになり少し気持ちがスッキリした。
今日のお題 、大人になるとは?はじめは、曖昧でしたが、今は、線引き無しで、
自分自身が、こういう人間になりたいと思う事が、大事と思った。

(回答5)発言しやすいような雰囲気でよかったです!ありがとうございました 

(回答6)自己紹介であえて詳しいことを話さなかったことで、先入観などなく意見を聞いたり言い合うことができたと思います。そこがよかったです。


(アンケ2)「参加して楽しめなかった、改善してほしい、という点があればご自由にお書きください」

 

(回答1)思いを言葉にするのに時間がかかり、思うように発言できなかったが初参加だしこんなものかなとも思った。きちんと進行・運営されているんだなと思いました。ありがとうございました。

(回答2)トークが盛り上がるともう少し時間があるといいなと思いました。けど、あまりに長いのも疲れそうなので丁度いいのかもしれません。

(回答3)ありません。できればこのまままで。


今回はここまで。次回の哲学カフェは5月7日(日)テーマは「今だからこそ教育とは何か考える」です。

それでは。

 

運営の感想「テンポ、文体、遊び、ペルソナ」

先日開催した哲学カフェについていくつか思うことがあったので自分のための記録も兼ねて、いつもの開催レポートとは別でブログに投稿します。

 

■テンポ

まず反省点から言うと、今回参加者数が多く対話のピーク時にテンポが早くなり過ぎていたように思います。基本的に参加者には挙手をしてから発言するというルールを守ってもらっているので、テレビの討論番組のようにみんなが一斉にワーワー話し始めるというようなことは起こっていませんが、やはりテンポの早さのために発言するタイミングを掴みづらい時間がいくらかあったように思います。そういう時は一度、対話の段落を変えるように、全体に黙考を促すような問いかけをして速度を調整してもよかったなと思います。コミュニケーションを重視するイベントでは量的な盛り上がりが良しとされるかもしれませんが僕は哲学対話においては、いかにゆっくりと語り、ゆっくりと考えることができるかが大事なことだと思っています。

 

文体

良かった点としては、今月も一層多様な対話が実現できていたようで良かったです。それは多様な考え方が出たという意味もありますが、それよりも多様な文体が混在できていたことの意味を特筆したいと思います。文体とは人それぞれの考え方、表現、語りのスタイルのようなものですね。福岡哲学カフェでは意見自体はもちろん、その語りや考え方においても「こういう風にすべき」というような正解や合理性を出来るだけ作らないようにしています。なので、参加者それぞれの個性的な語りにより多様で混沌とした対話が現れていたように思います。それぞれの人がそれぞれのマイペースさによってその都度、対話の文脈や、場の空気が破壊され、再構成されていることが目に見えて僕は心地よかったです。同調圧力や一元的な価値規範がない対話の渦中で、人は一人になることができます。そしてそれが哲学カフェや哲学における一つの癒しであるのかなと思っています。

 

■遊び
4月の哲学カフェの中で面白かったのは、対話の中で特定の概念を鍵にして哲学的探究の道が開かれていたことが見えたことでした。今月のテーマは「大人になるとは?」で僕が鍵になったと思ったのは「遊び」と「ペルソナ」でした。
最初どちらかと言えば「遊び」という概念に対して違和感の方が多くが発せられました。この違和感という影響の与え方は重要な意味を持つように思います。つまり、ある人の「遊び」という概念をそれぞれ自身の世界観に即して解釈しようとする時にどうにも困惑させられているという事態であったように見えたのです。遊びという言葉に困惑させられ、いくつかの違和感が言葉を持って表現されましたが、その解釈の差異を足がかりに応答が重ねられることで遊びという概念が立体感を持ち、深みを持ち捉え直されていく。それは困惑させなられながらも、その遊びという概念を読解しようという意思の元に起きた運動なのかなと思います。紆余曲折を経て、またちがう話題に飛びながらも、遊びという言葉自体が吟味され、最初の違和感という状態を乗り越え、何人かの思索に意味を与えて解釈され直されているように見えました。そこにとてもナチュラルに哲学的な探求の道が現れていたように見えました。

 

■ペルソナ

「ペルソナ」という言葉は違和感ではなく、むしろスッキリ納得!という風に多くの人の思考を促進させました。「大人」という概念を「こども→大人」という直線的な成長として捉えることで起こる思考の障害を、ペルソナという仮面、人間に課せられた役割として捉え直すことで、その問題をクリアにしました。一つの概念によって、それまでモヤモヤ複雑に整理できなかった考えがスッキリ理解できるようになることも一つの哲学的体験として僕の心に残った場面でした。