玄徳やっぱり可愛いと思う(今更)
ネタバレしますのでご注意を。
呉の孫権、やはりまだ若いせいか合肥城を攻め落とせない。挑発に乗ってかっとなり大戦するが有能な将を失うだけで勝負はつかない。
若気の至りを反省するが太史慈が作戦を言い出し孫権はこれを許した。
横山先生は兄弟モノがかなり好きな気がする。まあそもそも『三国志』って兄弟モノではある。
生き生きしてる。
しかし張遼の冷静な判断により彼らはあっという間に捕まり斬首されてしまう。
張遼は外部と示し合わせているに違いないと考え「謀叛人だ」と叫びながら開門させる。
外でこれを待っていた太史慈軍は中へとなだれこんだ。
張遼は「よし射て」と壁上から一斉に矢を射らせた。突っ込んだ呉軍の兵士はむろん太史慈も全身に矢を浴び死亡。
命からがら逃げのびた呉軍を張遼は追撃する。そのまま呉陣へと突っ込み逆に火矢を射て陣を焼失した。
呉軍は陣を解き南徐の潤州まで敗退せざるを得なくなった。
一方玄徳の身辺では、劉琦がついにこの世を去ってしまった。
弔問に訪れた魯粛は「劉琦の没後荊州を呉に返す」というかつての約束を持ち出す。
だが孔明はまったく引くことはない。
魯粛はたじたじとなるがそれでも自分の立場の危うさを訴える。魯粛さん、嫌いになれないんだよあ。
ここで孔明は自分の計画「天下三分の計」の一端を話す。「蜀を取った時に荊州をお返しする」と言い出す。そして玄徳に一筆お願いし保証人として自らの名を記し魯粛にも署名を望む。
周瑜は安静のため柴桑で療養していた。
荊州帰りの魯粛の報告を聞く。そして持ってきた証書を見て呆れる。またも魯粛は孔明に騙されたのだ。しかも魯粛自身が保証人として記名しているため魯粛も巻き添えで責任をとることになると説明した。
ここで周瑜はまたもとんでもない策を考える。
孫権の妹を玄徳に嫁がせると言って呼び寄せ結婚式が終わったとたんに玄徳を暗殺する、というものだ。
むろんこの結婚は謀略として進行していく。
果たして魯粛が周瑜の手紙を差し出すと孫権は「うまくいくかもしれん」と納得したのだった。
周瑜のこの玄徳結婚作戦のどたばたが面白い。
早速玄徳の元へ結婚話が持ちかけられる。
玄徳は五十歳、妹君は十七歳と言う若さだ。武芸が好きで勝気だという。
この話孔明は乗り気だ。占いも大吉らしい。それに両国の衝突も避けられる。
この時点では玄徳あまり乗り気ではなさそう。
しかし話はとんとん拍子に進む。
まず孔明は趙雲に渡した謀に「喬国老を訪問するように」とした。
このことで玄徳は孫権より先に国老から母君に知らせが行き母君が孫権を𠮟りつけるという段取りになっていく。
母君は大事な娘を傷モノにはさせないと意気込み自分が気に入れば婿にするので勝手は許しませんと息子孫権に言い渡す。さしもの孫権も母には逆らえないのだ。
翌日甘露寺にて孫権の母君はじめ国老や重臣たちが玄徳の到着を待った。
入ってきた玄徳を見た孫権もその威風に圧倒され母君は気品と威厳を高く評価したのだった。母君は玄徳を婿殿と呼びすっかり気に入ってしまう。
が、護衛の趙雲はあらゆる場所に刺客がいるのを感じた。
これを知らされた玄徳はあっけなく母君に「私の生命を縮めんと思召すならどうか私にも剣を取らせてくだされ」と頼む。こういうあっさりした態度をとれるのが玄徳の強みよな。
母君は怒り孫権を問いただすがさすがにそうだと言えず部下のせいだと言い訳する。気の毒にその矛先はさらに下の者へ向けられてしまう。玄徳はこれを諫めて事なきを得た。
やれやれと書かれてなくても書かれている。しかし首が飛ばずよかった。
ここで有名なエピソードとなる。
酔った玄徳が酔い覚ましに外へ出ると庭に大きな石があり玄徳は「我が生涯の大望」と念じて持った剣を振り下ろした。
すると石はさっくりと斬れてしまったのだ。
それを観ていた孫権に「結婚を機に供に力を合わせて曹操を滅し得るならこの岩斬れよ、と念じたら斬れました」と嘘をつく。
孫権も面白がって斬りつけるとこれも斬れたのだった。
この岩は今もあると言う。すごい。
玄徳の結婚は急ぎあげられた。
周瑜はこの報を聞き驚く。
そして新たなる策謀として「玄徳を酒と女で堕落させ家来たちが見限るよう仕向ける」と手紙を書く。
貧乏暮らしだった玄徳はこの策略にかかるだろうとして孫権は楽園を増築し玄徳を骨抜きする作戦を取る。
中国の策略この「酒と女で堕落させる」多い。
そして玄徳ほんとにすっかり堕落してしまうのだwwwwww
まあ確かにこの作戦にはまらない人間はいないとも言える。
これに趙雲は苦しむ。
そしてはたと孔明の秘策を思い出し決行した。
こんな玄徳は見たくなかったwwwさすが劉邦の子孫。
妹君のほうがしっかりしてるし。
しかし趙雲が「曹操が荊州攻撃(うそ)」と言い出すとやにわに正気となる。(曹操と聞くと背筋がぴんとなる)
それでも「すぐ国へおかえりください」と言う言葉には躊躇ってしまう。
玄徳は未練たらたら妹君に打ち明けようとするが妹君の方が先に荊州へ帰ることを言い出し「思えば短い月日であった」と言い出す玄徳に「死ぬ時も一緒です」と同行する意志を示す。
ここからの妹君の活躍は見もの。玄徳なんか目じゃないから。
正月の宴席を尻目に玄徳と妹君は先祖の霊をお祀りするという口実で門外へ出る。
そして待っていた趙雲と合流して国外脱出をはかる。
これに気づいた孫権は部下を次々と差し向けるが勝気な妹君に𠮟りつけられると部下たちは平伏するしかないのだった。
礼節を守る者にはどうしようもない掟がある。
玄徳一行は漁村にたどり着く。
さらに孫権から剣を預かる部下が追いかけてきた。
しかしここに孔明の乗る船が到着し玄徳一行を乗船させた。
かっこいいねえ。