genbok’s blog

思うところがありまして。

ネットリンチの行き着く先について

ヌメさんが俳優さんにお手紙を書いて励ましてもらえたとツイートした件、二次創作界隈だと信じられない!というお声が多いようだけども、その人達がその空気を作り出すということは、まだまだネットリンチを容認するスタンスを継続するという表明なのだろうかと危惧してこの文を書きました。
「私(たち)は彼女のすることを非難します!彼女と私(たち)は違います!」という意思表示は誰に向かってしているのですか?

 

私は今回の事は、自分には関係ないから、あの人の態度が悪いから仕方ないよねと曖昧な容認をしたり、「あの人はこんな悪い人です!」等のツイートを、みんなRTしてるからそうなんだろうと何も考えずにRTして拡散炎上を手助けしたオタクたちが起こしたネットリンチが行き着く結果の1つなのだろうなと思いました。
別にとんでもなく悪い犯罪でもなんでもない。ただ権利者でもない何の関係もない赤の他人から、権利者のためにと理不尽に攻撃を受けた人が、それなら権利者本人に事情を説明しようかと行動しただけです。その行動を止める権利があるのは誰ですか?
実際アーティストや俳優への手紙にファンが個人的な事情を書いて送る事なんてままある事だし、中島みゆきさんのファイト!という曲もファンからの手紙をきっかけに作られたと言う話もあるくらい普通なんですよね。あの内容もかなり生々しい個人の事情でした。(アナム&マキがカバーしてたのもとても良いのでぜひ聴いてみてください)俳優さんのイベントのときも結婚出産卒業合格転職報告みんなむっちゃしてますよね。マイナスな事だからだめなの?もうこれで最後ですと接触イベントで降り宣言した事をツイートしてる人いたよ?
あと手紙で腐媚しないでと書いたのにやめてくれないというツイートも見た。(それは多分その人が腐媚というものをしていないからだと思います……勝手にオタクが腐媚だと思っているだけでは……?というかほんとなんだ腐媚て。共演者同士仲良くしてたら嬉しくないの?ギスギスしてるほうがいいの?)
自分は嫌、したくないというだけで、他の人にするなという強要や、それをしたからといって拡散して(みんなで)糾弾する事は法治国家では私刑といわれるということはわかってますよね?あなたのその憤りの感情は正義や義憤ではありません。ただあなたがムカついているだけです。ナマモノルールとかいうので実在する人物なんだからとにかく鍵をかけろと責め立ててたのに、特定個人に対する非難を鍵もかけずに全世界で披露してるの何事ですか?ナマモノルールどうしたの?


そもそも本当に俳優を巻き込みたくなかったら、最初のマシュマロの拡散をすべきではなかった。たとえヌメさんがどんなに無茶な性格の人だとしても、ツイッターの構造上一人で勝手に炎上する事はできません。必ず炎上をさせた人が相当数いるわけです。その人たちが本当に俳優の事を思うなら、あいつこんな事言ってる!ムカつく!で拡散していろんな人がヌメさんに何十何百と意見を言ったり暴言を吐いたり事実ではないことを拡散したり、彼女の手に負えなくなって弁護士に依頼する選択をさせるべきではなかったし、それからも相変わらず誹謗中傷や彼女に言及しては揶揄するツイートをするべきではなかったのではないでしょうか。
なぜそれがまかり通ってしまったのか?それをしてもいいのだという空気がツイッター上にあったからではないか?だったらそんな空気を作るべきではなかったのでは?
炎上がなければ単なる匿名コメントで人の言動に注文つけた人とムカついた人の間の問題で済んでいたのに。これこそ他人事で放っておけばいい事だった。

 

本当に炎上さえしなかったらヌメさんが手紙に書くこともなかったのに。
ヌメさんの件を「楽しくない事」と表現した人もいました。でもそれが未だに彼女を取り巻く現実なのです。

多分私を含めて多くの人達にとってはTLに流れてきてもなお、ネットリンチなんて別世界のことだと思っていたのだろうけど、本人にとっては理不尽な理由で何百もの批判や誹謗中傷に晒されて、お前の発言を公式に通報するぞと予告され、未だに相当数の非難をされている事と、俳優のイベントで手紙を渡せる、言葉のやり取りができる機会があるという事。どちらも現実社会の中で起こっている事なのだから、ちょっとした行動力があれば両者をつなげることなんて普通に一般の人が実行できるくらいの事でしかないわけです。
そもそも、巻き込むも巻き込まないも世界は地続きなのだということを失念しているのでは?びっくりですね推しとオタクが立ってる地面て同じ地球上にあるんですよ。内も外もないんです全部が現実世界で起きていることです。

 

その地面の間の一歩を踏み出させてしまった事を俳優や公式のために悔いるなら、ヌメさんを「(自分が想定する)常識に外れた事をしでかした!」と非難するのではなく、今後こういった炎上騒ぎを起こさせない気構えを、守りたい推しがいるツイッターのオタクそれぞれの人が持つべきではないかと私は思います。

 

具体的には

・「この人こんなひどい事言って(やって)ます!」というスクショツイートをRTしない。
・当事者でもなく、事情もよく分からないのに人を非難するようなツイートをしない。
ツイッターの不確かな情報にいたずらに感情を左右されない。
・どうしても言及したいならまわりの不特定多数がツイートした曖昧な情報ではなく、必ず当事者の発端となる発言と一連の流れを確認する。それが面倒だったり能力的に無理ならよくわからんけど〜とかしたり顔で言及しない。いっちょかみみっともない。
・というか本当に問題があるなら関係各所に報告してあとは触らないのが一番では?

でもそれだと嫌なんだよね?今回の件で処罰感情という言葉を知りました。自分にあるその感情を自覚して、不当な一線を越えないよう律する必要もありますね。


でもまあ私としてはネットリンチで自殺するよりはこっちの方がよっぽどマシだなと思いました。いくら身近に支えてくれる人がいたとしても、人はあっけなく死を選んでしまう事を知っている世代の人間なので。
よくそういった経験や実感のない人が気に食わない人間を「あいつ死んだらいいのに」とか軽く考えたり口にして、やってやった気分になってたりするけど、ほんと人って死ぬのよ。もしその人が死んでざまーみろと思えるなら、思ったその顔を推しに見せられる?いや見せたかったら見せても別に良いけど。

私は嫌なので、知らん人の不確かな情報に勝手にムカついて、悪口をこそこそ全世界につぶやくような人間にはなりたくないなと思います。

 

そして危機感を持ったオタクとして、むやみやたらと知らん人の非を暴き立て責め立てて炎上を扇動するようなツイッターの流れに、それは良くない事だよと一石を投じたく思います。